TOP > SaaS > マーケティング > SNSマーケティング > SNS運用を成功に導くための企画書とは?参考テンプレートも
SNS運用企画書とは、SNS運用の方向性や軸を定めるための設計書です。
企画書に具体的な戦略・成功指標を組み込むことで、精度の高いSNS運用を実現できます。
本記事では、SNS運用企画書の必要性や盛り込むべき内容・企画書の効果を高める事前準備を詳しくご紹介します。
「SNS運用の効果が見えない」「SNS運用でどこを目指すべきか分からない」と悩む担当者は、ぜひチェックしてみてください。
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このページの目次
企画書なしでSNSを運用すると、運用の目的を見失ったり投稿の一貫性が失われたりなどのリスクがあります。
SNS運用企画書が必要な理由を見ていきましょう。
SNS運用企画書を作成することで、「何のためにSNSを運用するのか」が明確化します。
SNS運用の目標を設定すると、担当者は運用の方向性に迷う心配がありません。
無駄な投稿が減る・担当者のモチベーションを保ちやすいなどのメリットがあり、SNS運用の精度が高まります。
また目標設定は、SNSの運用効果を把握する上でも重要です。
目標達成度を定量的に把握・分析できれば、施策の成否を適切に判断できます。
有効な施策を積極的に採用していくことで、SNSの運用効果を最大化することが可能です。
SNSの運用企画書を見れば「誰に向けて投稿するのか」「運用テーマは何か」などの把握が容易です。
SNSの一貫性を保ちやすく、誰が投稿を担当しても内容がブレません。
一貫性のない投稿は、フォロワー離れの原因となります。
SNSでの失敗が「顧客エンゲージメントの低下」「ブランドイメージの低下」につながるケースは少なくありません。
SNSの運用計画を正しく策定し、投稿に信頼性を持たせることは必須です。
SNSの炎上対応はスピード感が非常に重要となります。
企画書に炎上対応の流れを明確化しておくことで、炎上被害を最小レベルに抑えることが可能です。
またSNS運用企画書に炎上時の対応方法が明記されていれば、担当者がパニックになる心配がありません。
SNSでの炎上は、初期対応を誤ると収集不可能となることがあります。
「炎上が起こったらまず何をすべきか」を共有しておくことは、SNS運用のリスクヘッジとして必須です。
SNS運用企画書は、運用の目的や内容を具体的かつ明確に伝えることが必須です。
書き方に迷う人は、以下のテンプレート例を参考にしてください。
【SNS運用企画書】 | |
現状における課題 | ○月に新サービス「○○」をリリースしたが、市場の反応が鈍い 認知度向上に向けた取り組みが必要な状態といえる |
運用目的 | 新サービスおよび自社ブランドの認知度向上 新たな顧客認知の獲得 |
KPI | リーチ数○○/1カ月 フォロワー数○○/1カ月 インプレッション数○○/1カ月 |
運用予算 | 【初期費用】アカウント作成費用○○円 【運用費用】コンテンツ制作費○○円・分析ツール利用料○○円・投稿管理ツール利用料○○円 【合計】○○円 |
ターゲット層 | 20~40代の働く女性(未婚:30%・既婚:70%) 年収400万円 自分らしさやライフスタイルを重視し、自己投資に前向き 新しいサービス、情報を積極的に取り入れる |
運用するSNS | |
キャラクター設定 | ビジネスカジュアル 企業アカウントとしてのフォーマル感を維持しつつ、親しみやすさも重視 |
トーン・マナー | 基本は丁寧語で「です」「ます」を使う 時折「ですね」「ですよ」などを混ぜてフレンドリー感を出す 絵文字の使用も可 |
画像&動画ルール | 形式:png・.jpeg・gif形式 サイズ:最大1,080 x 1,350 px(縦長)・最大1,080 x 566 px(横長) アスペクト比4:5(縦長)・1.91:1(横長)以内 フィード動画:3秒以上60秒以内 ストーリー動画:60秒以内 リール動画:15 秒以上 90 秒以内 |
投稿頻度とスケジュール | 初回投稿:○月○日(○曜日)PM10:00 毎週○曜日PM12:00(予約投稿) |
チェック体制 | 投稿担当○○が投稿内容を確定 サブ担当○○が内容チェック 投稿責任者○○が最終チェック 投稿担当○○が投稿 |
フォロー・コメントへの 対応ルール |
フォロー:企業アカウントは相互フォロー コメント対応:商品や企業への質問はできるだけ返信 アンチコメントには反応しない |
炎上時の対応 | 運用責任者・投稿責任者・チーム全体に現状と炎上の原因を共有 「反応する必要」「謝罪する必要」があるかを協議・判断する 反応・謝罪する必要がある場合は、内容訂正と共に謝罪文を投稿する |
運用レポート | 形式:Excel・PowerPoint(Instagram分析ツール○○にて出力) 頻度:月1回(全体的かつ詳細な効果検証は四半期に1回) |
SNS運用規約 | 写真や動画は、独自のものか共有する権利を得ているもののみを使用 多様なオーディエンスに配慮した写真と動画を投稿する 有意義で誠実なやり取りを大切にする 法律に違反しない コミュニティの他のメンバーを尊重する 利用者同士が支え合う環境を大切にし、自傷行為を美化するような投稿は避ける 報道の対象となるような出来事について投稿するときは、慎重に行う |
投稿責任者 | ○○部○○ |
運用責任者 | ○○部○○ |
参考:コミュニティガイドライン
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SNS運用企画書は「目標達成のための羅針盤」のようなものです。
SNS運用のイメージを具体的に描けるよう、基本的な情報は全て網羅しておかなければなりません。
SNS運用企画書に盛り込むべき内容を紹介します。
運用目的は、全てのSNS戦略のベースとなるものです。
まず「SNS運用で何を達成したいのか」を明確化してください。
企業の状況にもよりますが、SNS運用の目的は以下のいずれかとするのが一般的です。
SNS運用企画書に運用目的を記載するときのポイントは、具体的なKPIを設定することです。
SNSの運用状況を数値で判断することで、目標達成度の把握・効果的な改善が可能となります。
KPIは、目標達成につながる指標を選択することが必須です。
代表的なKPI例には、以下のものがあります。
例えばSNS運用の目的が「企業の認知度向上」なら、リーチ数やフォロワー数が効果を測るKPIとなります。
ターゲットやペルソナを詳細に設定することで、「誰に向けて発信するか」が明確化します。
ユーザーニーズを汲み取った投稿・一貫性のある投稿を実現しやすく、SNS運用の効果を高めることが可能です。
ターゲットやペルソナを設定するときのポイントは、具体的な人物像をイメージすること。
年齢・性別・職業などの属性情報から、価値観・ライフスタイル・趣味・興味・生活習慣といった定性的な情報まで、しっかりと作り上げてください。
人物象の具体化がユーザーニーズの明確化につながり、ターゲットに刺さる投稿を可能にします。
SNSの投稿内容は、先に設定した目標やターゲットと矛盾しないことが必須です。
「どのような投稿なら目標達成につながるか」「ターゲットにインパクトを与えやすいか」を意識して、投稿内容を決定しましょう。
例えばSNSの運用目的が「新規顧客の開拓」「顧客エンゲージメントの向上」なら、フレンドリーで親しみやすい内容が好評を博すかもしれません。
ターゲットが絡んだりフォローしたりしやすい投稿を意識し、質問やアンケートで交流を活性化させるのがおすすめです。
投稿内容のアイデアが浮かばないときは、競合他社のコンテンツを参考にすると方向性を掴みやすくなります。
SNSの投稿頻度は、多すぎると飽きられやすく、少なすぎると存在感を発揮できません。
SNS運用企画書では、バランスのよい投稿頻度を設定することが大切です。
適切な投稿頻度やスケジュールを測る上での重要な要素には、以下のものがあります。
SNS投稿は、ターゲットが利用している時間に行わなければ意味がありません。
ターゲット層の利用状況をチェックして、投稿のタイミングを測ってください。
また投稿頻度は、プラットフォームの特性に合わせることも大切です。
例えば、テキストメインのXと画像メインのInstagramでは投稿の質が異なります。
Xなら短い投稿を頻回に、Instagramなら厳選した画像をゆっくりペースで、など適切なペースを理解することが必要です。
このほか投稿内容によっても、投稿に適したタイミングは異なります。
例えば鮮度が命の情報は即時性が重視される一方、イベントやキャンペーンの告知は、計画性が重要です。
ただしどれだけ理想的なスケジュールを組んだとしても、自社にリソースがない場合は実現不可能です。
投稿スケジュールは、自社のリソースもにらみながら設定する必要があります。
炎上時や緊急時の対応として、SNS運用企画書には以下の項目を明記しておくのがおすすめです。
炎上時や緊急時は、冷静な判断ができなくなることがあります。
SNS運用企画書に炎上時・緊急時の対応手順を記載しておくことで、被害の拡大を抑えやすくなります。
SNS運用は、効果検証と改善を繰り返しながら最適化していくのが一般的です。
運用企画書には、効果測定の頻度についても記載してください。
効果測定を行う最適な頻度は、設定した目標やKPI、さらには測定する指標によって異なります。
例えば「短期間で数値が変化しやすいエンゲージメント率は週に1度」「中長期的な視点での計測が必要なフォロワー数やリーチ数などは月に1回」などがおすすめです。
もちろん全体的な効果検証も必要ですが、短期間では運用効果が見えません。
四半期に1度くらいのペースで行い、設定した目標の達成度を測定しましょう。
SNS運用企画書に予算を記載しておくと、費用対効果の検証が容易になります。
SNS運用で必要とされる費用は、アカウント作成費・プラットフォームやツールの利用費・コンテンツ製作費などです。
SNS運用をおこなうにあたり、予測される収支の動きを提示しましょう。
重要なのは、誰が見ても納得感のある金額を記載することです。
根拠のないあいまいな金額は、SNS運用企画書全体の信用性を低下させます。
事前準備なしにSNSの運用を始めても、期待する効果は得られません。
「SNS運用を開始する」と決めたとき、まず必要な事前準備を紹介します。
SNS運用の目標や役割の決定は、SNS運用の方向性を定める上で必須です。
どのような目標を設定するかは、自社の現状や課題次第です。
まずは自社の課題を全て洗い出し、SNSによってどのようなアプローチが可能かを考えてみましょう。
一口にSNSといっても、コアユーザー層や相性のよいコンテンツは異なります。
運用するSNSは、運用の目標・ターゲットとの親和性が高いものを選択してください。
以下は、主なSNSの種類と特徴です。
利用年齢層 | 特徴 | |
10~30代 | 女性の利用者が多い | |
X(Twitter) | 10~30代 | リアルタイム性に優れている |
30~60代 | 企業投稿はリーチを伸ばしにくい | |
TikTok | 10~20代 | Z世代にリーチしやすい |
LINE | 10~60代 | 全年代・性別のユーザーにリーチできる |
YouTube | 30~50代 | 老若男女のバランスがよい |
若い世代にリーチしたいならTikTok、女性にアプローチしたいならInstagramなどが候補となります。
またテキストコンテンツを配信するならX(Twitter)やFacebook、ライブ配信を考えているならInstagramやYouTubeがおすすめです。
「誰がSNSを運用するか」「誰が責任者となるか」を決めてください。
社内に広報関係の部署がある場合は、その部署に一任するとスムーズです。
責任の所在を明確にしておくと、SNS運用に関わる情報の管理や共有が容易になります。
新たにチームを組む場合のメンバー数は、SNSの運用規模に合わせます。
ただしスモールスタートの場合でも、1人の担当者に負担が集中するのは望ましくありません。
各自の役割分担を明確に決めておくことが大切です。
なおSNSの運用体制を整える際には、運用ポリシーや運用マニュアルの作成が必須です。
SNS運用ノウハウは、社内で蓄積して共有していかなければなりません。
SNS運用を担当者任せにして、属人化させないようにしてください。
SNS運用企画書の作成に行き詰まるということは、そもそもSNSを運用する土台ができていないのかもしれません。
SNS運用を自社リソースでまかなえない場合は、SNS運用代行会社を利用するのも1つの方法です。
SNS運用代行会社の特徴や、代行を依頼するメリットを紹介します。
SNS運用代行会社とは、SNSの運用に関係するあらゆる業務を代行してくれる会社です。
対応業務は代行会社によって異なりますが、SNS運用企画書の作成はもちろん、以下の業務代行を依頼できます。
SNS運用代行会社に依頼するメリットは、自社のリソースを温存したまま質の高いSNS運用を実現できる点です。
SNS運用代行会社は、プラットフォームごとに最適化された運用ノウハウを持っています。
手探りでの自社運用にこだわるよりも、短期間で運用効果を実感できるでしょう。
注意点は、SNS運用代行を丸投げすると自社に運用ノウハウが蓄積されないことです。
「将来的にはSNS運用を内製化したい」と考える企業は、運用の一部を切り取って代行を依頼する・内製化支援のある代行会社を選択するなどを検討してください。
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SNS運用企画書とは、SNSの運用精度を高める上で必要な企画書です。
「SNSの運用目的」「ターゲット・ペルソナ」「投稿内容」などを詳細に記載することで、SNSの運用効果を高められます。
まずは「SNS運用によって何を目指すか」を明確化し、運用の方向性やターゲットの指針としてください。
ただしSNS運用のノウハウがない企業は、立上げのフェーズをSNS運用代行会社に伴走してもらうのも1つの方法です。
SNS運用のプロに運用企画書の作成支援を受けることで、SNS運用の方向性を定めやすくなります。
画像出典元:O-DAN
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