リクルート、メルカリ、メルペイと業務提携した「NTTドコモ」の決算を見ていきます。
2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。計画に対しては順調に進捗し、利益は計画上振れで着地。
減収となった主な要因は、料金値下げと端末販売数の減少によるものです。NTTドコモは6月より、最大4割値下げとなる新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の提供を開始しましたが、これによりモバイル通信サービス収入が減少。
営業利益は、減収に加え、d払いや映像サービス等の積極的な販売促進が響き、前年同期比で2桁減益となりました。
当第3四半期末での携帯電話契約数は前年同期比3%増の7,967万、d払いユーザー数は前年同期比2.1倍の 2,198万となり、1⽉1⽇には2,200万を突破。
加盟店数や月間アクティブユーザー数ではPayPayが群を抜いていますが、MMD研究所の調査によると、QRコード決済サービスの総合満足度1位はd払いとなっています。
画像出典元:MMD研究所
キャッシュレス決済の競争が激化するなか、NTTドコモは他社との連携を進めています。
1月30日、NTTドコモはリクルートと業務提携契約を締結したと発表。これにより、「じゃらん」「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」などのWebサービスを通して予約した店舗でのサービス利用でdポイントがたまるようになります。対応時期は、2020年度第3四半期を予定。
また、同時にリクルートと中小個店向けの業務・経営支援サービスの展開についての基本合意書も締結。Air BusinessToolsにおける連携を強化していくとしています。
なお、Airペイは2018年4月からd払いによる決済に対応しています。
続いて2月4日、NTTドコモはメルカリ・メルペイとキャッシュレスの推進や新規事業の検討などを目的とした業務提携について合意したと発表。
メルカリでd払いが利用できたり、ドコモショップでメルカリ教室やメルカリの梱包・配送サポートの全国展開をしていくとのこと。
利益に関しては計画を大きく上回って推移していますが、通期の業績予想は据え置かれています。
理由として、第4四半期は収益面で新料金プランの減収影響がさらに拡大する見込みであること、また費用面でポイント経費やマイグレーション促進の端末値引きなどの費用がある程度発生する見込みであることを挙げています。
3大キャリアのなかで唯一、前期比で減収減益となる見込みです。なお、5Gの商用サービスについては、楽天の参入を見据えながら料金を設計していくとのこと。
画像出典元:「株式会社NTTドコモ」決算説明資料
日本最大手の移動体通信事業者「NTTドコモ」の決算を見ていきます。
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は前年同期に対し減収減益となったものの、計画に対しては順調に進捗しています。
減収となった主な要因は、端末卸売販売数の減少や、モバイル通信サービスにおける顧客還元影響の拡⼤等によるものです。
携帯電話契約数、スマートフォン・タブレット利⽤数、ドコモ光契約数は前年同期比で増加したものの、スマートフォン・タブレットの販売数は前年同期比43万9,000台減少の664万6,000台に。また、通信料値下げの影響でモバイル通信サービス収入も減少しています。
営業利益は、営業収益が前年同期比で595億円減少したことに加え、 NTTぷららの⼦会社化やポイント経費の増加等により営業費⽤が107億円増となったことにより2桁減益に。
NTTドコモは6月1日より、最大4割値下げとなる新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の提供を開始しましたが、10⽉21⽇時点で申込件数は800万を突破。年間目標1,700万達成に向けて順調に進捗しています。
また、dポイントクラブ会員数は前年同期比7%増の7,234万会員、そのうちdポイントカード登録数は38%増の 3,835万会員に。こちらも順調に伸びていますが、ポイント還元が利益を押し下げている要因の一つにもなっています。
その他の進捗は以下のとおりです。⾦融・決済サービスの取扱⾼が大幅に増加。スマホ決済も拡大しています。
NTTドコモは、発行済み株式総数の3.85%(自己株式除く)に相当する上限1億2,830万株、3,000億円の自社株買いを実施していますが、5月7日から9⽉30⽇にかけて約4,771万株、約1,228億円の⾃⼰株式の取得を実施。取得枠の残額は約1,772億円となりました。
NTTドコモは10月29日、4G(第4世代通信方式)の普及による市場環境の変化に伴う契約数の減少により、第3世代移動通信方式の「FOMA」および携帯電話からインターネットやメールを利用できるサービス「iモード」を2026年3月31日に終了すると発表。
今後は、5G(第5世代移動通信方式)に経営資源を集中するとともに、3Gフィーチャーフォンから4Gスマートフォンへのマイグレーションを促進していくとしています。
2020年3月期(2019年度)の営業収益を600億円上方修正しましたが、前期に対し減収減益となる見込みであることには変更ありません。
営業収益を上方修正した理由は、計画に対し純増数が好調に推移していること、新料金プラン導入直後の移行が想定より緩やかであったことによるモバイル通信サービス収入の増、マイグレーションに伴う端末機器販売収入の増等です。
一方、上期は累計で400億円のコスト効率化を実現したものの、マイグレーションの販売増に伴う端末機器原価の増加、災害への対応費用増、政府のキャッシュレス・ポイント還元事業により市場拡大が見込まれる金融・決済サービスの強化施策、3Gサービスの終了を見据えたマイグレーション促進施策や3G設備の前倒し償却等の費用が増加することから営業利益については据え置かれています。
引き続きコスト効率化に取り組み、年間で1,300億円のコスト効率化を目標に掲げています。なお、コスト効率化における主な内容は、端末値引きとなる手数料の削減とのことです。
NTTドコモの前身は、1990年の政府措置における日本電信電話株式会社の「移動体通信業務の分離」についての方針を踏まえ1991年に設立された、エヌ・ティ・ティ・移動通信企画株式会社。翌1992年にエヌ・ティ・ティ移動通信網へ商号変更し、移動通信事業の営業を開始。
1998年に東京証券取引所市場第一部上場し、2013年にNTTドコモへ商号変更しています。事業内容は、通信事業、スマートライフ事業、その他の事業を展開。スマートライフ事業とその他の事業をあわせて、スマート領域と区分しています。
携帯電話サービス(LTE(Xi)サービス、FOMAサービス)、光ブロードバンドサービス、衛星電話サービス、国際サービス、各サービスの端末機器販売など
動画・音楽・電子書籍等の配信サービス、金融・決済サービス、ショッピングサービス、生活関連サービスなど
ケータイ補償サービス、システムの開発・販売・保守受託など
画像出典元:「株式会社NTTドコモ」決算説明会資料
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