債務超過で上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となった「フルッタフルッタ」の決算を見ていきます。
2020年3月期第3四半期累計期間の業績は、前年同期に対し2桁減収、最終2億9,000万円の赤字となっています。赤字幅はわずかに縮小したものの、依然厳しい状態が続いています。
大幅な減収となった主な要因は、賞味期間切れが発生するリスクが大きい一般量販店卸の販売を一時的に停止したこと、メーカーへの原材料販売や外食チェーンへの販売の新規開拓が進まなかったこと、直営店舗の一部を閉店したこと等によるものです。
一方、不採算部門の量販チャネル販売を一時的に停止し、高収益なプレミアムチャネルに特化する販売戦略を実施したことで製品廃棄が低減され、売上総利益率は改善。赤字幅も縮小しました。
なお、当第3四半期末においての債務超過は、10億6,568万9,000円。継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。
フルッタフルッタは、2014年に東京証券取引所マザーズに上場を果たしましたが、上場時がピークで、以降は下降の一途。アサイーブーム終焉により売上も減少し、上場翌年には赤字に転落。その後も回復は見られず、赤字幅は拡大していきました。
2019年3月期には、賞味期間内に販売できない見込みである原材料在庫の評価損3億7,500万円計上した結果、とうとう債務超過に陥り、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となりました。
フルッタフルッタは、2020年3月末までに債務超過を解消し上場廃止を回避することを目的とし、2019年12月13日、株主総会での承認を条件として、EVO FUND(エボ ファンド)を引受先とした新株予約権の有利発行する旨を取締役会で決議。
大規模な希薄化を伴い、既存株主に不利益を与えることとなるものの、当面の運転資金の確保、及び債務超過解消のためにはやむを得ないと判断。
2020年1月の臨時株主総会において、本資金調達による大規模な希薄化及び有利発行が承認され、2億8,933万7,520円の資金調達を行いました。行使価額は、なんと1株あたり50円。いくら株価が下がっているとはいえ、1月の時点で300円はありました。筆頭株主はEVO FUNDに。
フルッタフルッタの株価推移
画像出典元:グーグルファイナンス
なお、新株予約権の行使だけでは債務超過解消が見込めないことから、債権者から債権を買い取った上で、その債権を債務免除又は現物出資(DES)により種類株式を引受けてもらうこともあわせて検討。
つまり、新株予約権の行使とDES(デット・エクイティ・スワップ)を並行して行うという手法で債務超過の解消を行うとのこと。
DESとは、デット(=債務)とエクイティ(=株式)をスワップ(=交換)すること。債務の株式化とも言われ、債務超過に陥った企業が財務体質の改善を図ることを目的に行う一つの手法です。
なお、財務状況の改善を第一とするため、株主優待制度は一時休止となりました。
3月2日付の「A種種類株式並びに第8回及び第9回新株予約権の発行」リリースのとおり、資本政策が策定されたため、非開示だった通期の業績予想が開示されました。
前期比で減収となるものの、赤字幅は縮小する見込みです。
新製品「アサイー PRESS プロテイン」を主軸として、夏季オリンピックに向け売上獲得に努めていくとしていますが、新型コロナウイルスによる消費者動向への影響が懸念されるため、レンジ予想となっています。
輸入食品製造販売事業の単一セグメントですが、リテール事業部門、アグロフォレストリー・マーケティング事業部門、ダイレクト・マーケティング事業部門及び海外事業部門の4つの事業部門を柱としています。
量販店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア向けにフルッタフルッタ・ブランド製品を販売しています。
製品は主にアグロフォレストリーで栽培されたアサイーとアマゾンフルーツを使用。他の飲料に比べて高価格帯ですが、高い栄養価と砂糖・保存料・香料・着色料不使用という特徴を持っています。
外食チェーンや飲食店、食品メーカーに対して、業務用製品や原料を販売しています。
アグロフォレストリーとは、アグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)を合成した造語。
一般的な単一栽培ではなく、荒廃した土地に様々な種類の樹木や果樹を植え、草原が遷移して森になる自然のシステムを模倣するように農場を構成していく農法(生産システム)です。
「フルッタフルッタアサイーカフェ」の直営店舗の運営や、自社WEBを利用した通信販売を行っています。
主にアグロフォレストリー農法で生産されたカカオ豆や胡椒等の輸入販売と海外事業展開を行っています。
画像出典元:「株式会社フルッタフルッタ」個人投資家向けIR会社説明会資料・公式HP
となりました。
アサイーをはじめとしたスーパフードを販売する「株式会社フルッタフルッタ」の決算を見ていきます。
2020年3月期第1四半期の連結累計期間の業績は、前年同期に対して減収増益となり、赤字幅は縮小しました。
2019年3月に発売した主力製品のフルッタアサイーシリーズのリニューアル製品の「PRESSアサイーエナジー」と「PRESSベーシック」の販売に努めたほか、販売戦略の見直し(カートカン、大容量)と戦略的製品(製品廃棄低減)のPRESSを導入したことで、課題であるアサイー原材料在庫の消化については製品廃棄が低減し、売上総利益率は改善しています。
7月には、千葉大学との共同研究している「アサイーの造血機能」についての研究発表会を開催。
アサイーの造血機能による貧血改善効果という研究発表内容より、「アサイーでみなぎるプロジェクト」を発足させ、アスリートをターゲットに絞ったPR活動をすすめ、業績回復を狙っていく方針とのこと。
フルッタフルッタは、2019年3月期にて債務超過という状況より、現在、上場廃止猶予期間(2019年4月1日~2020年3月31日)に入っています。
2020年3月までに債務超過を解消すべく、第三者割当増資等の検討を進めています。
なお、2020年3月期通期の業績予想は、開示されていません。
2002年、神戸にてフルッタフルッタの前身である「クプアス・インターナショナル・ジャパン株式会社」を設立。
ブラジル最大手アマゾンフルーツサプライヤー「CAMTA(トメアス総合農業協同組合)」との独占輸入総代理店契約を結び、約10種類のフルーツ原料の日本向け輸出を開始。日本で初めてアサイーの販売を開始したパイオニアとして知られています。
2004年、社名を現在の「株式会社フルッタフルッタ」に変更。
フルッタフルッタは、ポルトガル語で「フルーツ」を意味するFRUTAを2回繰り返すことで、フルーツがたくさんある様子や自然の多様性を示しています。
2014年12月、東京証券取引所マザーズに株式を上場しました。
アサイーを主力としたアマゾンフルーツやスーパーフードのマーケティングを行っています。
画像出典元:「株式会社フルッタフルッタ」決算説明会資料・公式HP
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