セコム株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 山中恵子

セキュリティ総契約件数334万件!売上高・営業利益ともに過去最高を達成した「セコム」の第2四半期決算

2020年3月期 第2四半期決算

  • 売上高:5,037億7,400万円(前年同期比+7.0%)
  • 営業利益:650億6,000万円(前年同期比+18.5%)
  • 経常利益:703億2,000万円(前年同期比+4.2%)
  • 四半期純利益:433億6,800万円(前年同期比△2.7%)

警備業界で圧倒的No.1の地位を確立している「セコム」の中間決算を見ていきましょう。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、売上高・営業利益・経常利益ともに過去最高を達成しています。売上高については、主力のセキュリティサービス事業をはじめ、すべての事業において前年同期比で増収と好調に推移。

セキュリティ契約件数も年々伸びており、2019年9月末のグループ合計のセキュリティ総契約件数は約334万7,000件。内訳は、企業で約106万8,000件、家庭で約136万6,000件、国内合計約243万4,000件、海外約91万3,000件。通期では、前期比4.1%増の343万8,000件となる見込みです。

営業利益については、保険事業と地理空間情報サービス事業は営業損失を計上していますが、前年同期比で赤字幅は縮小。そのほかの事業については増益を確保しています。当然のことながら、利益の9割はセキュリティサービス事業が占めます。

セコムは、ラグビーワールドカップ2019TM日本大会で 警備を実施し、大会運営に貢献しましたが、東京2020オリンピック・ パラリンピック競技大会においても、2018年4月に設立した東京2020大会警備JVの共同代表として警備にあたる予定です。

また、2019年6月には自律走行型巡回監視ロボット「セコムロボットX2」のサービス提供を開始するなど、人の力とロボットなどの最新テクノロジーを融合した高度で効率的なセキュリティの実現も進めています。

なお、通期の業績予想に変更はありません。

画像出典元:「セコム株式会社」公式HP

 

 

2020年3月期 第1四半期決算(19年9月更新)

  • 売上高:2,390億300万円(前年同期比+4.4%)
  • 営業利益:307億8,800万円(前年同期比+3.7%)
  • 経常利益:335億4,300万円(前年同期比△11.7%)
  • 四半期純利益:204億700万円(前年同期比△25.4%)

日本初の警備保障会社「セコム」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し増収、営業利益ベースでは増益となっています。同期間としては、売上高・営業利益ともに過去最高を達成。

すべての事業において売上高が伸長し、増収に。

営業利益は、セキュリティサービス事業において前第2四半期より連結子会社となったセコムトセック株式会社の寄与や、防災事業において前年同期に採算性の低い物件が集中したことなどにより営業利益が24倍となったことなどが貢献し増益に。

経常利益が大幅減益となったのは、米国における投資事業組合運用損益で35億円減少したこと、持分法による投資利益で18億円減少したことなどによるものです。

セコムの株価推移

セコムは、現在行われている「ラグビーワールドカップ2019™日本大会」にオフィシャルスポンサーとして協賛。また、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」のオフィシャルパートナー(セキュリティサービス&プランニング)としても協賛しています。

さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会警備共同企業体の設立に参画するとともに、共同代表に就任。

セコムの株価は、オリンピックの日本開催が2013年に決定して以降、右肩がりに上がっています。

なお、2019年3月期の業績は前期に対し増収となったものの、営業利益は積極的な投資が響き、減益となっています。

2020年3月期の業績予想

2020年3月期通期の業績は、前期に対し増収、営業利益ベースでは増益となる見込みです。

  • 売上高:1兆380億円(前期比+2.4%)
  • 営業利益:1,315億円(前期比+1.0%)
  • 経常利益:1,380億円(前期比△4.8%)
  • 当期純利益:830億円(前期比△9.8%)

前期に引き続き、売上高は1兆円を超える見込み。一方、純利益は、米国における投資事業組合運用損益の減少や税負担増により減益となる見込みです。

事業別の売上高業績予想は

  • セキュリティサービス事業:5,680億円(前期比+1.7%)
  • 防災事業:1,500億円(前期比+6.9%)
  • メディカルサービス事業:733億円(前期比+1.4%)
  • 保険事業:469億円(前期比+4.7%)
  • 地理空間情報サービス事業:500億円(前期比△3.1%)
  • BPO・ICT事業:975億円(前期比+5.8%)
  • 不動産・その他の事業:523億円(前期比△3.8%)

となっています。


セコムグループ ロードマップ2022

ラグビーワールドカップの警備で業績が飛躍的に伸びるイメージですが、前期と同様、今期も投資フェーズです。

システム投資、人への投資を行い、東京2020大会後はオリンピック・パラリンピックのレガシーも活かしながら、成果の現れたものから順次投資を回収。2022年にかけて成長を加速させるとしています。

事業内容

セコムは日本初の警備保障会社として1962年に創業し、2年後の東京1964大会での警備をきっかけに飛躍的な発展を遂げました。

グループは、セコムと連結子会社178社および持分法適用関連会社16社で構成され、「セキュリティサービス事業」「防災事業」「メディカルサービス事業」「保険事業」「地理空間情報 サービス事業」「情報セキュリティや大規模災害対策」「BPO・ICT事業」「不動産・その他の事業」を主な内容とし、事業活動を展開しています。

1

セキュリティサービス事業

事業所向けおよび家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、安全で安心できる総合的なセキュリティサービスを提供

 

具体的には

 

  • 企業向けオンライン・セキュリティシステム
  • 家庭用安全システム「セコム・ホームセキュリティ」
  • 位置情報提供システム「ココセコム」
  • 安全商品(出入管理システム、インターホン、監視カメラ等)
  • 常駐警備サービス
  • 現金護送サービス など
2

防災事業

オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅などの施設に自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供

3

メディカルサービス事業

訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテ、医療機関向けの不動産の賃貸事業、医療機器等の販売などの各種メディカルサービスを提供

4

保険事業

セキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した商品や、最適な治療でガン克服を目指す商品など、セコムならではの保険商品の開発・販売

5

地理空間情報サービス事業

国および地方自治体向け地理空間情報サービス、諸外国政府機関への地理空間情報サービスなどを提供

6

BPO・ICT事業

情報セキュリティサービス、大規模災害対策サービス、データセンター事業、BPOサービスなどを提供

7

不動産・その他の事業

防犯・防災を重視したマンションの開発・販売事業、不動産賃貸事業、建築設備工事事業 等

画像出典元:「セコム株式会社」公式HP・決算説明資料・セコムグループ ロードマップ 2022

会社概要

会社名 セコム株式会社
事業内容 セキュリティ事業/防災事業/メディカル事業/保険事業/地理空間情報サービス事業/BPO・ICT事業/国際事業/不動産事業
所在地 東京都渋谷区神宮前1丁目5番1号
設立日 1962年(昭和37年)7月7日
代表 代表取締役社長 尾関 一郎
資本金 663億円(2019年3月末現在)
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