株式会社MTGの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2020/02/26

執筆: 山中恵子

海外売上の失速で『リファ』ブランドの新戦略に期待がかかる「MTG」の第1四半期決算

2020年9月期 第1四半期決算

  • 売上高:93億1,300万円(前期比△9.7%)
  • 営業利益:△2億2,500万円
  • 経常利益:4,400万円
  • 当期純利益:△3,900万円

『ReFa』や『SIXPAD』などBEAUTY・WELLNESSをテーマにしたブランドを開発する「MTG」の決算を見ていきます。

 

【グラフ】ブランド別 売上高実績「ReFa」

ブランド別に見ていきますと、ReFaブランドにおいて、前期より引き続き新EC法の影響による日本と韓国でのインバウンドの大幅な減少、及び韓国の不買運動と香港のデモの影響、中国国内での減速による、ReFaローラーの売上の低下が原因となっております。一方でローラーに次ぐ「新たな柱」である、ReFaドライヤー・アイロン、ReFaシャワーなどを発売し、ブランドの再構築戦略が順調に推移しました。

【グラフ】ブランド別 売上高実績「SIXPAD」

SIXPADブランドにおいては本四半期において前年比+46%の高成長を達成し、通販チャンネルにおいて売上が大きく増加しました。

【表】セグメント別 売上高構成

国内売上が4四半期ぶりに増収となる一方で、海外売上は減収しました。

なお、通期の業績予想に変更はありません。

画像出典元:「株式会社MTG」決算説明資料

2019年9月期 通期決算(19年12月更新)

  • 売上高:360億4,600万円(前期比△38.3%)
  • 営業利益:△144億2,100万円
  • 経常利益:△146億9,800万円
  • 当期純利益:△262億700万円

『ReFa』や『SIXPAD』などBEAUTY・WELLNESSをテーマにしたブランドを開発する「MTG」の決算を見ていきます。

2019年9月期通期の業績は、前期に対し大幅な減収、最終262億700万円の赤字となっています。大幅な赤字転落で着地したことを受け、決算説明会冒頭で松下社長は謝罪。

MTGは2018年7月に東証マザーズに上場を果たしましたが、この1年は中国子会社における不適切な会計処理、第三者委員会からの指摘により決算の訂正、3度の下方修正、決算の延期、最終262億700万円の大赤字と惨憺たる状況が続き、株価も一時は10分の1まで下落。

MTGの株価推移

画像出典元:SBI証券

売上高が大きく落ち込んだ要因を、中国における販売減速と韓国における不買運動の影響によるものとしていますが、最も痛手となったのは、中国での新EC法施行により日本と韓国においてインバウンドのバイヤー(代購)が大幅に減少し、旗艦ブランドReFaが急失速したこと。

ReFaの美容ローラーに依存し過ぎていたことで、市場に変化が起きても対応し切れず急失速していったというわけです。

営業利益及び経常利益は、大幅な減収に加え、主にReFaブランドを中心とした一部の在庫について、棚卸資産評価損として45億5,100万円を売上原価に計上したことにより赤字に転落。売上総利益率は、前期62.8%から45.4%まで低下しました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失100.5億円を計上したことにより大幅な赤字に転落。特別損失の内訳は、固定資産の減損77.8億円、「Kirala」 (ウォーターサーバー事業) の減損11億円、その他11.5億円。

財政状態も経営悪化の影響により、現金・預金が300億円から138億円と前期比から半減しています。

赤字転落までの経緯

セグメント別の業績を見る前に、赤字に転落するまでの流れを振り返っていきましょう。

MTGはメルカリに続くユニコーン企業の大型上場として注目されながら、2018年7月に東京証券取引所マザーズに上場。公開価格5,800円を2割上回る初値7,050円をつけ、好スタートを切りましたが、上場後すぐに売上が失速。

MTGの急成長を支えたのは、日本・韓国・中国でのRefaブランド売上急拡大によるものですが、このうち日本と韓国の売上は、中国からの訪問客が個人の代理購入者(代購)として中国国内での転売目的で購入するいわゆるインバウンド需要が大半を占めていました。


旗艦ブランド「ReFa」

ところが上場後すぐに、インバウンド需要縮小に向けた市場の変化が起きたのです。まず、2018年9月末には中国の空港で代購に対する税関検査が強化。

さらに、2019年1月には代購の取り締まり強化を目的として中国で電子商取引(EC)法が施行。中国国外で購入した商品を転売する場合、購入国と中国での営業許可証の取得や納税等が義務付けられたことにより、インバウンド消費が急減速。なかでも、一番影響を受けたのがRefaブランドでした。

Refaブランドの売上高は前期比で191億円減となっていますが、そのうちの142億円が新EC法施行による代購の減少によるものです。加えて、中国国内の販売減速、韓国の不買運動、香港デモの影響も受けるという踏んだり蹴ったりの状況に。

このように、上場後すぐに売上は失速していったわけですが、そのようななか、監査法人の審査の過程で子会社であるMTG上海において不適切な会計処理の疑義が判明。5月14日には第三者委員会が設置され、7月12日には調査結果が報告されました。

それによると、不適切な会計処理の背景には、上場直後に公表数値の未達成は許されないという雰囲気や中国への過剰な期待、コンプライアンス機能不全などがあったとのこと。また、海外でのセルスルーの状況が把握できていない体制があったことも不適切な会計処理が生み出された要因の一つと見られます。

その後は、過年度の決算短信等の訂正、下方修正に次ぐ下方修正、そして決算発表延期と続きます。

MTGの決算発表は当初11月14日に予定されていましたが、韓国子会社の取引先の在庫状況に関する通報があり、調査と決算確定までに一定の時間を要するとして決算発表を延期。調査の結果、決算に影響を与える重要な事実はなかったとし12月9日、決算発表が実施されました。

セグメント別の業績

セグメント別の業績を見ていきましょう。

セグメント別の業績は、その他事業(ウォーターサーバー事業を含む)以外のすべての事業が前期比で減収となり、利益に関しては、ダイレクトマーケティング事業以外はすべて赤字となっています。

一方、ブランド別ではSIXPADが好調です。上期はエントリーモデル(Abs Fit 2・Body Fit 2) の販売が減速し前年割れしましたが、下期はFootシリーズの販売が好調に推移。ただ、売上高全体の約97%が日本国内のため、海外展開が今後の課題となります。

 

2020年9月期の業績予想

2020年9月期の業績は、前期比で増収、赤字幅は縮小する見込みです。

  • 売上高:380億円(前期比+5.4%)
  • 営業利益:△20億
  • 経常利益:△20億円
  • 当期純利益:△20億円

韓国不買運動と香港デモのリスクを勘案し、売上高については新商品投入により、ReFaが138億円 (前期比+6%)、SIXPADが157億円 (前期比+16%)成長する見通し。また、新ブランド 「NEWPEACE」のAIモーションマットレスが2020年1月リリース、2月発売開始予定となっており、Refa、SIXPADに次ぐブランドへと確立させていくとしています。

【グラフ】2020年9月期 営業利益見通し

利益に関しては、売上総利益率改善と販管費削減を積極的に実施し、収益構造の改革を推進していくとのこと。もちろんガバナンス強化、コンプライアンス強化も努めていくとし、役員も刷新されました。

現状、ReFaブランドを中心に在庫が積み上がっている状態です。どれだけ在庫を捌けるか、そしてどれだけ赤字幅が縮小されるか注目です。

事業内容

MTGの前身は、中古車販売事業を目的として1996年に設立された株式会社エムティージーブレイズ。2004年に「宅水便のキララ」サービスを開始し、翌2005年に株式会社MTGに社名変更。

2009年に化粧品製造販売業許可を取得し、「ReFa」を発売。賀来千香子さんがブランドアンバサダーに就任し、美容ローラーは2018年に累計出荷数1,000万本を突破するなど急成長。

2014年にはマドンナとの共同開発ブランド「MDNA SKIN」を開始、2015年にはクリスティアーノ・ロナウド選手との共同開発ブランド「SIXPAD」を開始と波に乗っていたMTGは、2018年に東京証券取引所マザーズ市場に上場。その後の流れは上述の通りです。

MTGは、BEAUTY・WELLNESSをテーマにしたブランド及び商品の開発を行っており、グループは、MTGと連結子会社18社及び持分法適用関連会社1社の計20社で構成されています。

事業区分は販売チャネルを基礎とした「グローバル事業」「リテールマーケティング事業」「ダイレクトマーケティング事業」「ブランドスト ア事業」「プロフェッショナル事業」「その他事業」の6つの事業に分類。

1

グローバル事業

海外グループ会社ECサイト及び海外のインターネット通信販売事業者の運営するECサイトを通じた一般消費者への直接販売、並びに海外のインターネット通信販売事業者、海外の販売代理事業者、海外の美容専門店及び海外の百貨店運営事業者への卸売販売

2

リテールマーケティング事業

量販店運営事業者への卸売販売及びカタログ販売並びにテレビ通信販売事業者への卸売販売

3

ダイレクトマーケティング事業

自社及び国内他社ECサイトを通じた一般消費者への直接販売及びインターネット通信販売事業者への卸売販売

4

ブランドストア事業

百貨店運営事業者並びに免税店運営事業者への卸売販売及び当社運営の小売店舗での対面販売を通じた一般消費者への直接販売

5

プロフェッショナル事業

美容サロン運営事業者への卸売販売、エステティックサロン運営事業者への卸売販売及びフィットネスクラブ運営事業者と提携している販売代理事業者への卸売販売、提携企業での職域販売(社員への直接販売)並びにフィットネスクラブでの一般消費者への直接販売

6

その他事業

ウォーターサーバー事業、EV事業、中古自動車販売事業、SIXPAD STATION事業、スマートリング(近距離無線通信を搭載した指に装着するリング)の製造販売を行うIoT事業及びOEM事業

これらのセグメントで取り扱っている主なブランド及び商品は、ReFa・MDNA SKIN・SIXPAD・Style・PAO・Kirala。このうち、主力ブランドがReFaとSIXPADです。

画像出典元:「株式会社MTG」決算説明資料・公式HP

 

 

2019年9月期 第3四半期 累積業績(19年10月更新)

  • 売上高:277億1,800万円
  • 営業利益:△73億1,300万円
  • 経常利益:△74億2,100万円
  • 四半期純利益:△96億2,500万円

となりました。

グローバル事業では、中国において、販売減速の傾向が加速。韓国免税店では中国電子商取引法施行により、インバウンドのバイヤー(代購)が減少
その他の国も中国からのインバウンド売上が減少

リテールマーケティング事業では、家電量販店での「ReFa」のインバウンド売上が減少し、減収。3月より開始した「ReFa」のインショップ事業は順調

ブランドストア事業ではSIXPAD Foot Fit」の販売が好調な一方で、エントリーEMS商品(Abs Fit 2)の売上が減収
中国電子商取引法施行により、百貨店・免税店での「ReFa」のインバウンドのバイヤー(代購)が減収

プロフェッショナル事業では、サロン市場における「ReFa」の商流を卸販売から取次販売に変更したことにより、販売数量が減収

画像出典元:「MTG」決算説明会資料・公式HP

会社概要

会社名 株式会社 MTG
事業内容 総合電機美容機器の企画開発・製造
化粧品・医薬部外品の企画開発・製造
フィットネス機器の企画開発・製造
HODキララ事業
所在地 愛知県名古屋市中村区本陣通4丁目13番
設立日 1996年1月
代表 松下 剛
資本金 166億円
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