株式会社リアルワールドの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/02/23

執筆: 山中恵子

流通総額150億円超、報酬提供インフラRealPayをリリースした「株式会社リアルワールド」の第1四半期決算

2019年9月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:9億2,100万円(前年同期比+1.0%)
  • 営業利益:△10億800万円
  • 経常利益:△10億800万円
  • 四半期純利益:△13億3,000万円

2019年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。

売上高は微増しましたが、動画・フィンテック分野の新規事業への投資、マークアイの第2四半期繁忙期に向けた体制整備費用の先行発生と本店移転に伴う加速償却による一時的な販売管理費増が響き、最終△13億3,000万円の赤字となりました。

フィンテック事業と動画事業に注力

今期では、稼ぎ方革命を推進するフィンテック事業と動画事業に注力しています。

フィンテック事業

  • 報酬提供インフラRealPayをリリース

貯めたポイントを現金や電子マネーに交換することができるPointExchange(ポイントエクスチェンジ)を大幅に刷新し、RealPay(リアルペイ)として2019年1月にリリースしました。

流通総額150億円を誇るポイント交換サービスPointExchangeでは今まで「ポイント」という表記を用いてきましたが、新しい通貨「R(リアル)」へとポイントの名称を変更しました。

RealPayを利用することで、報酬を支払う企業は銀行を介さずに現金以外での報酬支払いが可能となります。また報酬を受け取る個人も、面倒な口座登録は不要、リアルタイムに報酬を受け取ることができ、現金・デジタルマネー・マイルなどライフスタイルに合わせた利用が可能となります。

  • 「ふわっち」の報酬提供にRealPayが対応

近年、気軽にライブ動画を配信し、視聴者よりアイテム等をプレゼントしてもらう投げ銭市場が成長を続けています。ライブ配信+投げ銭というビジネスモデルの先駆け「SHOWROOM」をはじめ、「TikTok」「17 Live (イチナナ)」などは若年層を中心に利用者が増加傾向にあります。YouTubeにもスーパーチャットという投げ銭機能が実装されています。

そのような環境下、報酬提供インフラRealPayにて、株式会社 A Inc.が運営するライブ動画配信サービス「ふわっち」の報酬提供を開始することを2019年2月に発表しました。

「ふわっち」は、2018年のライブ配信アプリ売上第3位(1位はSHOWROOM、2位は17 Live)、累計900万配信のリアルタイム動画配信サービスです。

動画事業

2018年には、1本1,980円の15秒動画を月間10万本供給可能にする、 動画制作プラットフォーム「カチコ」の提供を開始しました。

さらに5G時代の大量動画制作ツール、カチコの動画メーカー「カチッとムービー!」を2019年3月にリリースする予定です。

今後の見通し

2015年9月期に7.1億円で取得した知的財産権関連コンサルティング子会社の株式会社マークアイを2019年3月、みのり3号投資事業有限責任組合に16億円で売却する予定です。これにより財務体質が改善し、事業投下資金11.7億円を確保できる見通しです。

あわせて年間の販売管理費を2018年17億円から2020年10億円までに42%削減し、既存事業の再構築と 新規事業への投資を実施していきます。

RealPayにおいては、多種多様な報酬の受け取り方法をより拡充させ、キャッシュレス化社会に向けた報酬提供インフラとして確立していきます。

画像出典元:「株式会社リアルワールド」決算説明資料

 

 

2018年 通期決算

  • 売上高:43億2,100万円
  • 営業利益:△2億7,200万円
  • 経常利益:△2億7,300万円
  • 純利益:△3億円

売上高は前年度に比べて変化はなく、純利益は約1億3,000万円赤字額が膨らみ△3億円となりました。

投資資金の確保

リアルワールドは、成長性・利益性が期待できる事業に注力するため、

  • 株式会社Life Techを売却 
  • 株式会社マークアイを売却
  • 代理店事業から撤退

など、選択と集中を進めました。その結果、一時的に収益源を失うことになるので、2019年通期の売上目標は今年度より31%下がる見込みです。

一方で、販管費を2018年の17億円から2020年に10億円に削減(42%減)して利益体質の改善を図る予定です。企業売却によって得た資金で積極的な先行投資にも期待できます。

2019年通期目標

2019年通期目標は以下のような計画です。

  • 売上高:30億円(前年比△31%)
  • 営業利益:△3億円
  • 経常利益:△3億1,000万円
  • 純利益:1億円

2019年は事業撤退などにより売上高が減少する一方で、純利益は黒字を見込んでいます。黒字化の要因としては、株式会社マークアイの売却益16億円を特別利益に計上するためです。

 

 

2018年第3四半期 累積業績

※2018年9月17日更新

  • 売上高:33億9,400万円(前年比+1%)
  • 営業利益:△1億7,300万円
  • 経常利益:△1億6,600万円
  • 純利益:△2億400万円

2018年第3四半期は△1億6,600万円最終赤字になりました。売上高は若干増加となっています。

一方で、会社運営を合理的に進めたことで前年より販管費を1億4,900万円にまで抑え、コスト削減に大きく貢献しました。

売上高・経常利益の詳しい推移を見ていきましょう。

2017年第2四半期より、アドネットワークを展開していたクラウドメディア事業が、アドネットワークの広告掲載条件の変更により利益減少。これに伴いリアルワールド本社は2018年、アドネットワークから撤退し、8月にはクラウドメディア事業を別会社化しています。売上高・経常利益共に2018年第1四半期まで大幅に落ち込んでいました。

その後クラウドソーシング事業では、ライティング業務から今後の成長が期待されるAI関連業務へのシフトを図り、現在企業とユーザーとを密着させるポイントサービス分野に力を入れています。

以上で述べたような業務改革により、2018年第2四半期から売上高・経常利益共に少しずつ回復。今四半期では前年同期同等以上の業績にまで立ち直りました。新しい事業定着後の成長が期待できます。

リアルワールドの事業内容

リアルワールドの事業内容は大きく分けて3つです。

1

クラウドソーシング事業

作業をこなしてポイントを貯める「CROWD(クラウド)」など、在宅ワークの求人を行っています。

2

クラウドメディア事業

使って貯める「Gendama(ゲンマ)」、記事を読んで貯める「REAL WORLD(リアルワールド)」、ポイント交換できる「ライフマイル」などの会員制のポイントサービスを行っています。

3

フィンテック事業

複数のポイントを一つにまとめて現金や電子マネー、商品に交換できるポイント交換サービス「PointExchange(ポイントエクスチェンジ)」も展開しています。

リアルワールドは2005年に設立、東京六本木に本社を置いています。2014年には東証マザーズに上場しました。

現在では「ネットからリアルへ。」をキャッチコピーに、ネットサービス事業を展開し、ポイント獲得による生活者の新しい暮らしや働き方の拡大を図ってきました。ネット上でポイントを貯める、交換する、使うという一連の流れをつくり出しています。

大きなターニングポイントを迎えているリアルワールド、これからどのような成長戦略を打ち出していくのでしょうか。2018年に新たに始められた取り組みを踏まえ、リアルワールドの今後の事業展開について説明していきます。

リアルワールドの今後の計画

2018年、リアルワールドは複数の企業と提携をし、自社サービスの向上に向け大きく乗り出しています。

3月には株式会社EPARKと連携、2,000万人以上いるEPARK会員はIDを変えずにそのまま「Gendama」「CROWD」サービスを利用することができます。

4月には、VJAグループ共通ポイントサービス「ワールドプレゼント」とリアルワールドのポイントで相互交換が行えるようになりました。

5月には株式会社セブン銀行と連携し、銀行口座がなくてもセブン銀行ATMとセブンイレブンのレジでリアルワールドの報酬が受け取りが可能に。

6月にはリアルワールドの子会社であるノーザンライツ株式会社が「人手不足対策展2018」に出展し、在宅リソース、クラウド配信システムなどをアピール。2017年愛媛県に続き、今年は静岡県焼津市・川根本町と連携協定を結びました。今後の事業展開にプラスの影響を与える取り組みとして注目できます。

2018年8月1日、リアルワールドは自社を株主とした株式会社カチコを設立し、動画制作事業の業務を開始しました。約1,000万人のリアルワールドのワーカーのインスピレーションを活用し、大量動画制作、低価格による動画を提供。動画メディア事業として動画活用プランの提案も行っていきます。

現在世界の広告市場は6,000億ドル(約65兆5100億円)を突破する勢い。2019年以降に実現されるであろう5Gでの通信環境構築、動画市場の更なる拡大を見据えての取り組みとして期待出来ます。

リアルワールドは自身の抱えるリソースから計算し、月間10万本の動画を制作可能と見ています。そして、美容、エステ、グルメ、メディア、旅行など幅広い業界に提供を目指していく方針です。

画像出典元:「リアルワールド」決算説明会資料

会社概要

会社名 株式会社リアルワールド
事業内容 クラウドメディア、クラウドソーシング、フィンテック事業
所在地 東京都港区六本木1-6-1
設立日 2005年7月29日
代表 菊池 誠晃
資本金 8億7,823万円
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