ゲーム・広告・Webサービスなど、面白くてバズるコンテンツを次々とリリースする「株式会社カヤック」の決算を見ていきます。
【グラフ】通期決算推移
2019年12月期通期の連結累計業績は、前年同期に対し増収減益となっています。
過去最高の売上高となった一方で、外注費の増加や新領域への投資を継続したこと等により、2期連続の営業赤字となりましたが、修正予想から改善いたしました。また、 投資有価証券の評価損の計上等により、当期純利益は修正通りの着地となりました。
中途採用人数、内定承諾率ともに2018年から増加しました。郊外での職住近接を希望する層は厚く、鎌倉への本社機能の移転は採用活動にプラスに働いております。
サービス別で見てみますと、クライアントワークは第4四半期の売上高は直前四半期比2.2%増でWEBコンテンス作成から、VRやミュージアムなどの企画まで幅広い分野で受注可能な体制が整ってきています。
ソーシャルゲーム主要4タイトル
ソーシャルゲームにおいて売上高の大部分は主要な4タイトルとなっております。 第4四半期の売上高は直前四半期比41.4%増で、クリスマス施策がヒットし、年末にかけて売上が拡大しました。
Lobiの売上高は直前四半期比は0.5%減でコミュニティ醸成に関わるリアルイベントの受託は好調ですが、Lobiアプリでの課金が伸び悩んでいます。
今期は11%の増収と通期での営業黒字化を見込んでおります。
画像出典元:「面白法人カヤック」決算説明資料
となりました。
となっています。
ゲーム・広告・Webサービスなど、面白くてバズるコンテンツを次々とリリースする「株式会社カヤック」の決算を見ていきます。
2019年12月期 第2四半期の連結累計業績は、前年同期に対し増収、大幅な減益となっています。
第2四半期の売上高は、直前四半期比17.2%の増収に。今年4月にリリースしたソーシャルゲーム「進撃の巨人 TACTICS」のヒットや、海外での大規模esportsイベントの受注が増収に寄与しました。
一方、新規ゲームタイトルのリリース延期に伴う開発費の増加で営業赤字が拡大しています。
また、外注費上振れによる売上原価の増加で売上総利益率が低下。話題となった『うんこミュージアムYOKOHAMA』の利益貢献は第3四半期からとなります。
【グラフ】費用推移
費用推移をみると、新規ゲームタイトルのリリースと、うんこミュージアムの営業開始に伴う仕掛品の費用化で「その他」が大幅に増加しています。
次に、サービス別の業績を見ていきましょう。
第2四半期の季節的要因により、売上高は直前四半期比35.7%減。
来場者数20万人を突破した「うんこミュージアム YOKOHAMA」に続き、「うんこミュージアムTOKYO」をお台場でオープン。
売上高は前年同期比12.1%増、前四半期比64.4%増。
「進撃の巨人 TACTICS」が増収に寄与。「進撃の巨人展FINAL」とのコラボを7月から展開中。
また、株式会社アニプレックスとの協業オリジナル・タイトル「クロス×ロゴス」の事前登録受付を6月25日にスタート。
「進撃の巨人 TACTICS」「クロス×ロゴス」を含め、2019年中に3タイトルを配信予定。
売上高は前年同期比10.4%減、前四半期比28.2%増。
コミニティ醸成に関わる企画・運営の受注が第2四半期に増加。
esports関連事業のウェルプレイドでは、公式大会での採用増や支援タイトル数の増加により「トーナメント大会開催数」が過去最高を記録。
6月12日より、スマホ画面をシェア配信できる機能を全ユーザーに開放。
売上高は直前四半期比60.2%増。
海外での大規模esportsイベントの受注が増収に寄与。
また、2019年6月に八女・流域資本株式会社を子会社化。
鎌倉で取り組んできた「地域資本主義」を他地域で展開していく布石として、福岡県八女市における地域活性化に取り組んでいく。
なお、業績予想については変更ありません。下期偏重の見込み通りであり、期初の予想は据え置きとなっています。
画像出典元:「株式会社カヤック」決算説明会資料
2019年12月期 第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となりました。
受託サービスである「クライアントワーク」と、ゲーム情報が集まるグループチャットコミュニティ「Lobi」に関連する売上が伸びたものの、ソーシャルゲームが減収となりました。
カヤックの事業セグメントは単一セグメントですが、サービス別の売上高は次のとおりです。
サービスと収益構造
売上高は、6億1,597万円(前年同期比+16.0%)で増収となりました。
クライアントワーク事業では、クライアントのマーケティング及びブランディングに資する広告を提供しています。積極的な業務提携や、VRやAIを利用した案件等の新しい取り組みを積極的に行うことで事業領域の拡大を図っています。
今年3月、株式会社アカツキライブエンターテインメントと共同運営で「うんこミュージアムYOKOHAMA」をオープン。オープンから約1ヵ月で来場者数5万人を突破しました。
売上高は、4億2,267万円(前年同期比△25.4%)で減収となりました。
「共闘スポーツRPG」を軸にしたタイトルを展開し、「ぼくらの甲子園!ポケット」や「キン肉マン マッスルショット」がソーシャルゲーム事業の売上高の大部分を占めています。これらの既存タイトルはプロダクト・サイクルの後期に入りつつあるものの、コアなユーザーを抱えており、売上は底堅く推移しています。
また、今年4月に「進撃の巨人 TACTICS」をリリースしました。
ダウンロード数は、5月10日時点で100万に達しました。海外展開では、アメリカ、カナダ、オーストラリアで今夏に配信を予定しています。
2019年は、「進撃の巨人 TACTICS」を含め3タイトルをリリースする計画となっています。
第1四半期は既存タイトルから新規タイトルへの移行期にあたり、減収となりましたが、第2四半期は、増収を見込んでいます。
売上高は、8,407万円(前年同期比+5.5%)で増収となりました。
この事業では「Lobi」というスマートフォンゲームに特化したコミュニティ事業を進めています。
Lobiとは
スマートフォンゲームに特化したコミュニティで、グループチャット、トーナメントシステムなど、プレイヤーの熱量をあげる仕組みを提供しています。
【グラフ】月間アクティブグループ数
月間アクティブグループ数は、ほぼ横ばいで推移。「Lobi」と連携するタイトル数の増加とコミュニティが求める新機能の拡充により、ユーザー数の拡大を目指していきます。
【グラフ】大会開催数
トーナメント大会開催数は、2四半期連続で増加。「Lobi」の強みであるコミュニティやユーザーにより焦点を当てた収益構造への転換を図っているとのこと。
また、2019年2月にユーザー間のコミュニケーション向上のため、ボイスチャット機能をリリースしました。
売上高は、2億7,078万6千円(前年同期比+6.9%)で増収となりました。
ウェディングプランナーとユーザーをつなぐブライダルプラットフォーム「プラコレWedding」、esportsイベントの企画・運営からesports専門メディアの運営等を行う「esports事業」が順調に成長を続けています。
また、地域を軸としたスカウトサービス「SMOUT」、コミニティ通貨プラットフォーム「QWAN」等、地域関連事業に関する新規サービスの開発及び投資を積極的に行っています。
各サービスとも順調な滑り出しとなったことから、従来予想からは変更なしとのこと。
堅調なクライアントワークスを土台として、ゲーム及びその他のサービスが第2四半期から成長を牽引する計画です。
画像出典元:「 面白法人カヤック」決算説明資料
2018年連結会計年度の業績は、前期に対し減収減益となりました。クライアントワーク事業は安定的に推移したものの、ソーシャルゲーム事業において新規タイトルの低迷により過去10年間で初めての減収、6年ぶりの営業赤字と厳しい結果になりました。
新規ゲームタイトルの制作に費やした外注費や広告宣伝費を回収できず、営業利益率が前期に対し17.8ポイント減少し、△6.7%と悪化しました。
通期決算推移
クライアントワーク関連の売上高は、18億2,378万4,000円(前期比2.8%増)となりました。クライアントワークはWEBキャンペーンを主軸とした広告制作サービスで、基本的に受託開発収入のため収益が安定しています。
自社ゲームタイトルにかかる広告(社内取引)へ注力したことにより第3四半期は売上高が落ち込みましたが、第4四半期では回復しています。
WEB領域にとどまらないリアルと連動した案件が増加傾向にあり、VRやAIを利用した案件の新しい取り組みを積極的に行うことで事業領域の拡大を図っています。
ソーシャルゲーム関連の売上高は、23億1,093万1,000円(前期比25.1%減)となりました。
「ぼくらの甲子園!ポケット」「キン肉マン マッスルショット」の主要2タイトルがソーシャルゲーム事業の売上高の大部分を占めており、既存タイトルはイベントの実施により底堅く推移しました。
一方、2018年に約3年ぶりのオリジナルタイトル「機動戦士ガンダム即応戦線」「東京プリズン」をリリースしましたが、想定した売上水準に届かずサービスを終了することとなりました。
Lobi関連の売上高は、4億3,316万2,000円(前期比2.9%減)となりました。Lobiはスマートフォンゲームに特化したコミュニティで、日本最大級のゲームコミュニティプラットフォームです。
Lobiのビジネスモデル(収益構造)は広告売上を中心としたものでしたが、2017年12月期よりApp Storeの審査ガイドラインを遵守するため、コミュニティの価値を生かしたものに転換することを決定しました。これにより広告収入が落ち、売上が減少しました。
ユーザー数に焦点を置いた収益構造への転換を図るために行った取り組みとしては、トーナメント機能「Lobi Tournament」を使用した大会開催数を増やし、2018年には898件開催しました。また、ボイスチャット機能、配信機能の実装を予定しています。
広告枠を減らすことで一時的に売上は減少しますが、ユーザー数を拡大させていく中で中長期的な収益の最大化を目指します。
Lobi売上高推移
その他サービス関連の売上高は、12億4,899万円(前期比60.1%増)となり、大きく伸びました。子会社の「冒険法人プラコレ」及び「Well Played (ウェルプレイド) 」が順調に成長しています。
「冒険法人プラコレ」はブライダル事業、「ウェルプレイド」はesports事業をそれぞれ行っています。
また、VR SPARC事業への投資も継続して行っています。人気VTuberが参加する自社興業イベント「Count0」に加え、教育やesports分野での受注に取り組む計画です。
その他サービスの売上高推移
今後は、変動性の大きいゲーム事業に依存しない、次の成長フェーズを担う新しい事業編成を作り上げていく予定です。
次期は全ての分野で増収を見込んでいますが、中でも「その他サービス」が大きく成長する計画となっています。
クライアントワークス事業においては、海外からの受注増を見込んでいます。ソーシャルゲーム事業においては、2019年中に「進撃の巨人 TACTICS」を含む3タイトルをリリース予定です。
画像出典元:「面白法人カヤック」決算説明会資料
2018年第3四半期の業績は、売上高は前年比-15.2%で13億8,200万円、営業利益は△3億9,200万円、当期純利益は△2億7,000万円と減収減益になりました。
新規ゲームタイトルの成長が遅れていることが売上高前年比-21.4%の減収に繋がっています。
ソーシャルゲームは開発•運用コストが固定で限界利益率が高いたため、広告宣伝費や外注費を増やして成長を促進。その結果、販管費は前年比+15.6%となっています。
通期売上目標は下方修正して以下のように発表しています。
※2018年9月15日更新
2018年第2四半期の当期純利益は100万円、売上高は直前四半期比0.5%の増収となりました。
新規ゲームタイトルへの先行投資により、営業利益率は低下傾向。2018年通期では、前年と比べて増収減益となっています。2014年から毎年第4四半期あたりで売上高が増加する傾向を踏まえると、2018年第4四半期でも同じく売上高の増加が見込めそうです。
続いて、現在カヤックが注力している事業について解説していきます。
現在カヤックが展開している事業は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
2001年より開始した受託開発事業。企業向けにインターネット向け広告コンテンツの制作を行っており、SNS上で話題になるような企画提供が持ち味。
スマホで遊べるゲームを開発・提供。現在は以下の写真2つが主力商品。
スマホゲームに特化したコミュニティ。
2018年3月時点で、17万以上のアクティブコミュニティが存在しており、会員からの課金とゲーム会社からの広告費が主な収入源となっています。
面白法人カヤックは、3つの事業間で送客・ノウハウ提供・プロモーション支援を行い、そこから得られる相乗効果を強みに、これまで成長を続けてきました。
今期の増収減益を招いた主な原因は、ソーシャルゲーム事業の低迷にあります。
面白法人カヤックは組織戦略を重視しており、クリエイターを競争源泉と考えています。
そのため、クリエイター数を重要な指標と捉えており、積極的に雇用。2018年2Qに従業員数300人を超えました。製品開発の重要な源泉であるエンジニアなどの人材が増加しているのも注目すべきポイントです。
広告宣伝費が大幅に減少、反対に人件費と外注費が年々増加しています。
事業規模を拡大していくにあたり、要となるコンテンツ制作に力を入れている様子が伺えます。
「つくる人を増やす」を経営理念に掲げ、面白法人として知られるユニークなインターネット企業カヤック。今後どのような経営方針を打ち出していくのでしょうか。
クライアントワークの売上は右肩上がりの成長を続け、減収が続いていたLobiは、今期から増収に転じる計画となっています。
しかし、新規ゲームタイトルが当初の計画よりも伸びず、このままのペースでいくと今期の売上予目標到達は厳しい状況となっています。
カヤックは主要領域である3サービスとその周辺事業を引き続き重点分野と捉え、内容の充実化と発展を目指し、成長させていく方針。クリエイティブな人材を積極的に増やしている事からも、その様子が伺えます。
今後も積極的に新規ゲームタイトルを生み出し、新しいヒット作を狙っていく事になるでしょう。
画像出典元:「面白法人カヤック」決算説明会資料
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