株式会社ユーザベースの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 編集部

30%以上の売上高成長率を達成!投資による想定内の赤字となった「ユーザベース」の通期決算

2019年12月期 通期決算

  • 売上高:125億2,100万円(前年同期比+34.1%)
  • EBITDA:△4億1,100万円
  • 営業利益:△12億3,600万円
  • 経常利益:△14億2,900万円
  • 四半期純利益:△16億2,000万円

経済ニュースメディアNewspicks、企業・業界情報プラットフォームSPEEDAなどのサービスを提供する「株式会社ユーザベース」の決算を見ていきます。

【グラフ】MRRの推移

主な売上未達の要因は広告事業、一方で広告を除いたサブスクリプション売上は力強く成長しました。
MRRとはMonthly Recurring Revenueの略称で月ごとに繰り返し得られる安定収益の水準を見るための指標で、今後、グループ全体の重要共通KPIとしてMRRを使用していきます。

【グラフ】売上高の推移

売上高計画は93%と未達成となるものの、30%以上の売上高成長率を達成しました。

【グラフ】EBTDAの推移

既存事業のEBITDAは順調に成長、Quartzを含む新規事業への投資も当初計画内で着地しました。

事業別で見ますと、SPEEDA事業においては契約IDの年間純増率は過去最高を更新し、創業期以来IDの増加ペースは加速しており、売上高も安定的な成長率となりました。
EBITDAも目標の1年前倒しで30%を達成しております。FORCASも引き続き成長しており、「その他B2B事業」の急成長を牽引いたしました。
NewsPicks事業においては法人事業の本格的な立ち上がりにより、有料会員数は大幅に増加し、有料課金売上が順調に拡大した上、広告売上は第4四半期に過去最高の売上高を記録しました。一方で積極的な投資(前倒しでの人員採用)によりEBITDA率は低下しました。

2020年12月期 業務予想

【グラフ】2020年12月期 業務予想

2020年は収益化フェーズに入る事を最重要視し、売上高150〜160億円、EBITDA黒字を計画しております。(コロナウィルス影響によるSPEEDA中国事業の営業停止や、広告事業の不確実性を勘案した業績予想)


画像出典元:「株式会社ユーザベース」決算説明資料

2019年12月期 第3四半期 累積業績(19年11月更新)

  • 売上高:84億7,300万円(前年同期比+56.0%)
  • EBITDA:△8億3,200万円
  • 営業利益:△14億3,600万円
  • 経常利益:△15億5,800万円
  • 四半期純利益:△15億7,100万円

経済ニュースメディアNewspicks、企業・業界情報プラットフォームSPEEDAなどのサービスを提供する「株式会社ユーザベース」の決算を見ていきます。

2019年12月期 第3四半期の連結累計期間の業績は、前期に対し大幅な増収となりましたが、利益項目はすべて赤字、最終15億7,100万円の赤字となっています。
Quartz事業への引き続きの投資や、行使されずに消滅した第18回新株予約権について新株予約権戻入益3億1100万円を計上し、法人税等を4億4700万円計上したことにより、最終損益は赤字に。

【グラフ】第3四半期 売上高推移

SPEEDA事業は、新規獲得IDの順調な積み上げによりID数が増加し、3,000IDを突破。

NewsPicks事業では、有料課金ユーザー数の増加と、広告売上が堅調に推移したことで売上高が拡大しています。
また、前第3四半期連結会計期間において買収した「Quartz Media, Inc.」の売上高が、当第3四半期連結累計期間においては、第1四半期連結会計期間の期首からグループ売上高に寄与し、グループ売上高は大幅に増加しています。

【グラフ】第3四半期 EBITDA推移

一方、NewsPicks事業においては、サービスの知名度の向上、自社によるオリジナルコンテンツや動画コンテンツの配信強化、外部メディアからの優良な記事の配信を通じて会員ユーザー数、有料課金ユーザー数が共に前第3四半期末から増加し、有料課金売上が増加。
その結果、NewsPicksの当第3四半期末における会員ユーザー数は441万8,000人、有料課金ユーザー数は10万9,810人と順調に増加しています。
しかし、前倒しで人員強化の為の積極的な採用を行ったことで一時的にEBITDAが減少しました。

Quartz事業は、既存事業である広告・ソリューションビジネスから有料課金ビジネスへの転換を進めるために、引き続き計画に従った投資を進めたことによって、EBITDAはマイナスとなっています。

【グラフ】Quartz事業 有料会員数推移

一方で、新規事業である有料課金ビジネスについては順調な立ち上がりを見せており、NewsPicksの1.5倍のスピードで拡大し、有料課金ユーザー数は2019年10月時点で10,000人を突破。順調に獲得が進んでいます。

なお、通期の業績予想については変更はありません。

画像出典元:「株式会社ユーザベース」決算説明会資料

 

 

2019年12月期 第2四半期 累積業績(19年8月更新)

  • 売上高:56億6,500万円(前年同期比+84.6%)
  • EBITDA:△5億2,800万円
  • 営業利益:△9億3,100万円
  • 経常利益:△10億700万円 
  • 四半期純利益:△9億6,500万円

経済ニュースメディアNewspicks、企業・業界情報プラットフォームSPEEDAなどのサービスを提供する「ユーザベース」の決算を見ていきます。

2019年12月期第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期に対し+84.6%と大きく成長したものの、Quartz事業への投資が響き、利益項目はすべて赤字、最終9億6,500万円の赤字となっています。

売上高が大きく成長したのは、すべての事業が堅調に推移したことと、Quartzの新規連結が寄与したことによるものですが、Quartzを除いても+43%と高い売上高成長率を達成しています。

それぞれの成長率は、SPEEDA+26.8%、NewsPicks+51.3%、その他事業はFORCASが寄与し+180.7%に。

【グラフ】売上高の推移

利益については、既存事業のSPEEDAとNewsPicksが貢献。特に、SPEEDAの利益は売上のペース以上に拡大しています。

利益率を見ると、SPEEDAの利益率が32.4%なのに対してNewsPicksの利益率は8.3%。NewsPicksのほうがコストがかかっていることが伺えます。

一方、投資フェーズであるQuartzとその他事業は赤字に国内事業で得た利益を新規事業と米国事業へ投下するという流れがしばらく続きそうです。

【グラフ】EBITDAの推移

財政状態は、現金及び預金が69億2,900万円、のれんが86億4,000万円、有利負債は102億2,400万円、自己資本比率21.7%に。

セグメント別の業績

セグメント別の業績をもう少し詳しく見ていきましょう。

  • SPEEDA事業

SPEEDAのKPIである契約ID数は順調に積み上がり、当第2四半期末において2,878ID(国内2,540ID、海外338ID)に。四半期のID純増数は過去最⾼を更新

既存顧客による契約IDの追加、事業会社による新規導入に加え、第1四半期末より中国語版の提供を開始したことも寄与し、国内外ともに順調に推移。

【グラフ】契約ID数の推移

売上高は21億4,800万円(前年同期比26.8%増)、セグメント利益は6億9,600万円(前年同期比79.0%増)と売上よりも利益のほうが大幅に拡大しています。

下期には投資を予定しているため、幾分か利益率は低下する見込みです。

  • NewsPicks事業

NewsPicksのKPIである有料会員数は当第2四半期末で10万人を突破したものの、直近の第1四半期、第2四半期は成長率が鈍化しています。

これは、昨年12月に実施したキャンペーンの反動と、直近の第2四半期に学割会員が一斉解約になったことによるものです。

一斉解約となったのは仕様上の不備があったため。学割会員が学校を卒業し社会人となるタイミングで1,500円の通常会員に移行するという仕組みになっておらず、卒業と同時に自動的に全員解約になるという事象が4月に発生。

このような事象が発生するのは当2四半期だけで、今後は発生しないとのこと。

【グラフ】NewsPicks有料会員数の推移

有料会員数の成長率が鈍化しているとはいえ、会員数は前年同期比では大幅に増加しており、会員ユーザー数は421万5,000人、有料課金ユーザー数は10万2,334人に。

有料課⾦売上、広告売上ともに⼤幅に拡大し、売上高は18億9,400万円(前年同期比51.3%増)、セグメント利益は1億5,700万円(前年同期比228.4%増)と利益は前年同期比で3倍に成⻑しています。

今後は、ニュース記事の第2報強化、動画経済番組の強化、法人販売の開始により成長率の回復を図っていくとのこと。

  • Quartz事業

既存事業である広告・ソリューションビジネスから有料課金ビジネスへの転換を進めるために大幅な投資を行った結果、売上高は12億7,600万円、セグメント損失は17億2,600万円に。

広告事業に関しては、今期で黒字化させる予定。

一方、有料課金ビジネスについては、有料課金ユーザーの獲得は進んでいるものの、現状は売上高に占める割合はわずかなものとなっています。今期末から有料会員数を公表する予定です。

  • その他事業

スタートアップデータベースのentrepedia、B2BマーケティングプラットフォームFORCASともに順調に推移し、売上高は3億6,100万円(前年同期比180.7%増)、セグメント損失は5,600万円(前年同期比57.9%減少)に

特にFORCASの成長が著しく、赤字幅も縮小しています。

FORCASのKPIは、MRR(Monthly Recurring Revenue)。MRRとは、継続課⾦による⽉次収益のことです。FORCASのMRRは、6月に5,000万円を突破。SPEEDAの約1.5倍のスピードで成長しています。

現状は投資フェーズで赤字ですが、将来収益の軸となることが期待されます。

今後の見通し

業績予想に変更はありません。国内新規事業、米国事業への積極的な投資により、最終15億6,000万円の赤字となる見込です。

画像出典元:「株式会社ユーザベース」決算説明資料

 

 

2019年2月期 第1四半期 累積業績(19年5月更新)

  • 売上高:28億4,700万円(前年同期比+91.3%)
  • EBITDA:△1億7,900万円
  • 営業利益:△3億8,000万円
  • 経常利益:△3億9,500万円
  • 当期純利益:△2億9,600万円

2019年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な増収減益となりました。

【グラフ】連結業績ハイライト(売上高)

増収の主な要因は、「SPEEDA事業」においてID数が増加したこと、「NewsPicks事業」において有料課金ユーザー数の増加に加え、順調に広告売上が拡大したこと、また、前第3四半期連結会計期間において買収した「Quartz Media, Inc.」の売上高が、当第1四半期連結会計期間の期首からグループ売上高に寄与したことによるものです。

【グラフ】連結業績ハイライト(EBITDA)

一方、減収の主な要因は、「Quartz事業」において、有料課金ビジネスを立ち上げるための投資によるものです。

セグメント別の業績

当第1四半期連結会計期間より、前連結会計年度まで「SPEEDA事業」に含まれていたスタートアップデータベースのentrepedia(アントレペディア)、B2BマーケティングプラットフォームのFORCAS(フォーカス)等については、「その他事業」の区分を新設し変更となりました。

また、前連結会計年度まで「NewsPicks事業」に含まれていた海外メディア事業のQuartzについては、事業買収後に「Quartz事業」の区分を報告セグメントとして新設しています。


セグメント情報

  • SPEEDA事業

売上高は10億4,100万円(前年同期比+26.9%)、セグメント利益は3億5,500万円(前年同期比+74.6%)で増収増益となりました。

企業・業界情報プラットフォームであるSPEEDAの既存顧客による契約IDの追加や、事業会社による新規導入を中心に国内外において販売が堅調に推移しました。

その結果、第1四半期末におけるID数は2,677ID(国内2,371ID、海外306ID)となり、右肩上がりで順調に成長しています。

【グラフ】SPEEDA事業 ID数

 

  • NewsPicks事業

売上高は10億1,900万円(前年同期比+66.8%)、セグメント利益は1億9,000万円(前年同期比+122.3%)で大幅な増収増益となりました。

【グラフ】NewsPicks事業 売上比

会員ユーザー数、有料課金ユーザー数が共に前第1四半期末から増加し、有料課金売上が増加しました。
さらに、スマートフォン向けの広告サービスに対する需要も高く、広告売上も増加しています。

その結果、NewsPicksの当第1四半期末における会員ユーザー数は400万人、有料課金ユーザー数は9万8,334人となりました。

  • Quartz事業

売上高は6億2,900万円、セグメント損失は8億9,900万円となりました。

既存事業である広告・ソリューションビジネスについては堅調に売上高を計上する一方、新規事業である有料課金ビジネスの売上は微増。

【グラフ】Quartz事業 EBITDA

有料課⾦⽴上げのための投資を実行。通期で20億円以内の⾚字に抑えるとしています。

  • その他事業

売上高は1億6,300万円(前年同期比+179.8%)、セグメント損失は2,600万円(前年同期は△5,000万円)で増収増益となりました。

スタートアップデータベースのentrepedia(アントレペディア)、B2BマーケティングプラットフォームFORCAS(フォーカス)の各サービスにおいて順調に顧客獲得が進みました。

2019年12月期 連結業績予想

  • 売上高:135億円(前期比+44.5%)
  • EBITDA:△5億円
  • 営業利益:△13億1,000万円
  • 経常利益:△13億4,000万円
  • 当期純利益:△15億6,000万円

を見込んでいます。

「SPEEDA事業」では引き続き国内・海外共に、2018年12月期以上の契約ID数増加、「NewsPicks事業」では、利用者の拡大による、有料課金売上、広告売上共に拡大を見込んでいます。

国内新規事業である、BtoBマーケティングに特化したデータ分析プラットフォーム「FORCAS」につきましては、更なる売上成長を見込み、引き続き、成長投資を行う予定とのこと。

画像出典元:「株式会社ユーザベース」決算説明資料

 

 

2018年12月期 通期決算(19年2月更新)

  • 売上高:93億4,000万円(前期比+104.6%)
  • EBITDA:11億8,700万円(前期比+99.5%)
  • 営業利益:8億3,000万円(前期比+52.1%)
  • 経常利益:5億3,300万円(前期比+2.9%)
  • 当期利益:6億1,000万円(前期比+39.5%)

2018年連結会計年度における業績は、前期に対し大幅な増収増益となりました。売上高が2倍に急成長した主な要因は、既存事業の売上高が堅調に推移したことに加え、2018年7月に買収した米国のQuartz社が連結範囲に含まれ事業規模が拡大したことによるものです。

NewsPicks USAにおける先行投資による持分法投資損失の影響などにより、経常利益は5億3,300万円(前期比+2.9%)となりました。

Quartzの売上高は買収した時点からの売上計上のため、Quartzの売上高24.1億円は5ヶ月間のものです。Quartz込みの成長率は105%になりますが、既存事業だけでも成長率52%となっています。

1月に業績予想を上方修正しましたが、業績予想達成率は100%、EBITDAの計画についても103%達成しました。

SPEEDA事業は拡大

SPEEDA事業の当連結会計年度における業績は、前期に対し大幅な増収増益となりました。

  • セグメント売上高:39億6,397万9,000円(前期比+36.5%)
  • セグメント利益:5億6,576万8,000円(前期比+36.2%)

企業・業界情報や統計データを束ねる情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」B2B 向けサービスにおいては、既存顧客による契約IDの追加及び事業会社による新規導入を中心に国内外において販売が堅調に推移し、当期末におけるID数は2,571ID(国内2,276ID、海外295ID)となりました。

SPEEDAは、ID×単価が売上高となるストックビジネスであり、ストックビジネスとして規模を拡大しながら成長率も上げています。

投資フェーズである「entrepedia」「FORCAS」においては、計画通り先行投資が進みました。特にBtoBのSaaS事業であるFORCASは堅調に顧客基盤が拡大し、月額売上も着実に増加しています。

1

entrepedia(アントレペディア)

国内におけるスタートアップ企業のデータベースを提供

2

FORCAS(フォーカス)

B2Bビジネスのマーケティングを支援するプラットフォーム

NewsPicks事業の利益は倍増

NewsPicks事業の当連結会計年度における業績は、前期に対し大幅な増収増益、セグメント利益は倍増となりました。第3四半期連結会計期間よりQuartz社がNewsPicks事業に含まれています。

  • セグメント売上高:53億9,787万7,000円(前期比+224.8%)
  • セグメント利益:2億6,455万7,000円(前期比+102.4%)

NewsPicks

経済ニュースメディア(日本市場向け)「NewsPicks(ニューズピックス)」B2C 向けサービスにおいては、知名度の向上、オリジナル記事、動画コンテンツや外部メディアからの優良な記事の配信を通じて会員ユーザー数、有料課金ユーザー数ともに順調に増加し、有料課金売上が増加しました。

また、スマートフォン向けの広告に対する需要も高く、広告売上も増加しました。

有料会員数は順調に増加しており、特に第4四半期には過去最大の増加となりました。その結果、当期末における会員ユーザー数は380万1,000人、有料課金ユーザー数は9万5,268人となりました。

上場時、NewsPicksは投資フェーズの事業で赤字でしたが、現在は黒字化し、SPEEDAと並んで収益の柱となっています。

Quartz

経済ニュースメディア(米国市場向け)「Quartz」B2C 向けサービスにおいては、Quartz社買収後における統合作業が順調に進み、第4四半期連結会計期間において想定通りに広告売上の獲得が進みました。また、同社の買収に伴って発生したのれんの償却費を計上しています。

現在、米国のメディア業界においては新興メディアの成長が鈍化し、ここ数ヶ月だけで2,000人のメディア業界の職が失われました。そのような環境下、NewsPicksと同様に外部のトラフィックに依存しないブランド広告を発信するビジネスモデルのQuartzは順調に業績を拡大しました。

さらに、この広告モデルを発展させ、問題提起からソリューション提供まで行うソリューション事業に変化させることで、クライアント1社あたりの売上高は非常に高くなっています。これが成長を拡大させる要因となっています。

ただし、この広告・ソリューション事業は季節変動の大きいビジネスでもあり、年間の売上高の半分を第4四半期が占めます。

米Quartz事業に20億円投資

2019年12月期の連結業績予想は以下の通りです。SPEEDA事業、NewsPicks事業ともに2018年12月期同水準の売上高成長率、収益拡大を見込んでいます。

  • 売上高: 135億円 (前期比+44.5%)
  • 営業利益 :△13億1,000万円 
  • EBITDA: △5億円
  • 経常利益 :△13億4,000万円 
  • 当期純利益 △15億6,000万円

国内新規事業であるFORCASにおいては、引き続き成長投資を行います。

米国におけるQuartzにおいては、既存の広告・ソリューション事業をしっかりと収益化・黒字化し、新規事業の「コミュニティ」と「有料課金」に最大20億円の成長投資をする予定です。

これにより一時的に赤字となりますが、中長期的には高成長すると見込んでいます。

画像出典元:「株式会社ユーザベース」決算説明会資料

 

 

2018年第3四半期 累積業績

  • 売上高:54億3,100万円(前年比+71%)
  • 営業利益:1億500万円(前年比-77%)
  • 経常利益:△5億9,400万円
  • 純利益:△5億9,400万円

2018年第3四半期の累積業績は、売上高は前年比+71%で54億3,100万円、営業利益は前年比-77%で1億500万円、純利益は△5億9,400万円となりました。

売上高は急速に成長しており、2018年7月に買収したQuartzも業績を後押ししました。

今期の営業利益が前年比-77%となった理由は、Quartzと新規サービスの先行投資によるものです。新規サービスにはスタートアップのデータベース「entrepedia」とBtoB企業の営業・マーケティング活動を支援する新サービスの「FORCAS」があげられます。


SPEEDAは今期の業績を踏まえて、通期業績予想を上方修正しました。引き続き急成長するSPEEDAに注目していきたいです。

2018年12月期 第2四半期決算

  • 売上高30億6,800万円(前年同期比51%増)
  • 営業利益2億9,200万円(前年同期比900万円減)
  • 当期純利益6,700万円(前年同期比1億8,000万円減)

ユーザベースの売上高は、創業以来、最高記録を更新し続けています。

今期の営業利益減少は、一時的な広告投資の実施によるものと考えられます。今期ユーザベースは、NewsPicks事業において「さよなら、おっさん。」と題したプロモーションを、新聞広告や交通広告で展開しました。広告実施への具体的な投資金額は、合計2億4,000万円です。

次に、主要事業であるSPEEDA事業とNewsPicks事業の近年の売上成長率を詳しく見ていきましょう。

ユーザベースは今期、前年を上回る売上高成長率を達成しました。(47%→51%)

SPEEDA事業、NewsPicks事業共に順調に事業規模を拡大しており、高い成長率を維持しています。このことからもユーザベースはまだ発展途中であることが伺えます。

ここで、ユーザベースを支えているSPEEDA事業、NewsPicks事業の登録IDの推移や会員数の推移を見ていきましょう。

SPEEDA 国内外登録IDの推移

SPEEDAの登録IDは、国内・海外合わせて2,299件を突破しています。

ダントツのトップシェアは、日本の2,025件で、続くアジア圏は、274件となっています。国内外での事業拡大を達成、SPEEDAの売上高は、18億1,000万円(前年同期比36%増)となりました。

ID数増加に比例して、今期は、過去最高の数字を記録しています。

NewsPicks 会員数の推移

また、NewsPicksの有料会員も順調に増加をし続け、会員数7万3,570人を突破しました。今まではテキストコンテンツだけの展開でしたが、動画コンテンツを開始した結果、有料会員の増加率が上昇しています。

それに伴い、売上高は12億5,000万円(前年同期比81%増)をマーク。広告売上や有料課金売上はもちろん、コンテンツ外部販売やイベント売上などその他での収益増加も大幅な業績向上に貢献したと言えるでしょう。

ユーザベースの事業内容

ユーザーベースの事業は主に2つあります。

1

SPEEDA事業

こちらは、B2B向けのサービスで、企業・業界情報や統計データを束ねる情報のプラットフォームのようなもの。

2

NewsPicks事業

こちらは、B2C向けサービスで、国内、海外で利用されているソーシャル経済メディアです。

ユーザベースは「経済情報で、世界を変える」を経営理念にこれまで事業を大きく展開してきました。

上場時に提示した計画通り、2019年~2020年頃には、正常収益が30%に到達できる目途が立ってきているようです。

ユーザベースの今後の計画

ユーザベースの今後の事業計画としては、既存株主に最大限配慮した上で、ユーザベースグループの更なる成長のために資金調達を進める方針を固めています。具体的には、米国事業の拡大に伴い、グループ全体で前期比約100%の成長を目指すとの発表を行いました。

今後は、買収に伴い発生するのれん償却費など一時コスト等が発生することが懸念され、当期純利益は下回る見込みであるようです。

ユーザベースは、現在SPEEDAとNewsPicksで得た収益を、新規事業であるFORCASとentrepediaに投資しており、今後も継続していく方針です。

SPEEDAは主要サプライヤーとの契約変更を行い、達成可能なコスト構造を実現する方針で、2020年までにEBITDAマージン30%超え目指します。

NewsPicksは、Quartzとのインテグレーションを本格的に開始し、年内にNew Yorkにおいて統合後の新戦略を発表予定とのことです。

画像出典元:「ユーザベース」決算説明会資料

会社概要

会社名 株式会社ユーザベース
事業内容 情報インフラの提供
所在地 東京都港区六本木7-7-7
設立日 2008年4月1日
代表 稲垣 裕介・梅田 優祐(共同経営者)
資本金 13億2,800万円

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