株式会社AMBITIONの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 編集部

約20億円分が下期への期ずれとなった「AMBITION」の第2四半期決算

2020年6月期 第2四半期決算

  • 売上高:121億500万円(前期比△9.9%)
  • 営業利益:△2,100万円
  • 経常利益:△9,500万円
  • 当期純利益:△1億3,700万円

デザイナーズマンションを中心とした物件紹介を行う「株式会社AMBITION」の決算を見ていきます。

【グラフ】売上高推移

売上高は、創業以来毎年増収を継続しているものの、インベスト事業において、連結子会社ヴェリタス・インベストメントの新築物件1棟およびAMBITIONインベスト部の大型案件、あわせて約20億円分が下期への期ずれとなり、前年同期比8.9%の減収しました。

【グラフ】営業利益推移

営業損益は例年、売上高以上に下期偏重の傾向でインベスト事業で約3億円分が下期への期ずれとなった他、RPA事業における先行投資を当初の予算をやや上回る約2.2億円実施したことや、少額短期保険事業のシステム投資を約0.6億円実施したことも相まって、一時的な赤字を計上となったものの、下期に利益率の高い案件が多く、今期は極端な下期偏重の年度になりそうです。

なお、業績予想は変更はありません。

 

画像出典元:「株式会社AMBITION」決算説明資料

2019年6月期 通期決算(19年9月更新)

  • 売上高:296億3,600万円(前期比+27.3%)
  • 営業利益:15億9,400万円(前期比+39.7%)
  • 経常利益:14億3,300万円(前期比+40.9%)
  • 当期純利益:7億3,600万円(前期比+20.4%)


デザイナーズマンションを中心とした物件紹介を行う「株式会社AMBITION」の決算を見ていきます。

2019年6月期通期の連結業績は、前期に対し大幅な増収増益となっています。

【グラフ】セグメント別売上高

特に、不動産物件の売買をあつかう「インベスト事業」が好調で、売上比率がコア事業の「プロパティマネジメント事業」を超え50%に。
株式会社ヴェリタス・インベストメントが扱う、都内プレミアムエリア(港区、中央区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区)を主としている新築投資用デザイナーズマンションの販売が好調だったことが要因です。

一方、「プロパティマネジメント事業」は管理戸数は10,250戸(前期比10.5%増)、入居率は97.7%(前期比10.1%増)と、安定的な管理戸数増加で売上に貢献しています。

 

「株式会社 Re-Tech RaaS」を設立

2019年7月、不動産会社向けRPA開発・販売会社として「AMBITION」と「RPAテクノロジーズ」の合弁会社「株式会社 Re-Tech RaaS (リテックラース)」を設立。

 

2020年6月期 業績予想

  • 売上高:312億5,600万円(前期比+5.5%)
  • 営業利益:16億4,700万円(前期比+3.3%)
  • 経常利益:14億7,000万円(前期比+2.6%)
  • 当期純利益:9億2,9000万円(前期比+26.1%)


2020年6月期の通期の業績予想は、前期に対し増収増益を見込んでいます。

売上高は、インベスト事業の新規案件数が限られていることから前期比105.5%の堅調な成長となる見込み。営業利益は、RPA事業への積極的な先行投資等により前期比103.3%の微増を計画しています。

画像出典元:「株式会社AMBITION」決算説明資料

 

 

2019年6月期 第3四半期 累積業績(19年6月更新)

  • 売上高:236億700万円(前年同期比+42.6%)
  • 営業利益:18億800万円(前年同期比+229.9%)
  • 経常利益:16億8,300万円(前年同期比+261.6%)
  • 四半期純利益:10億2,800万円(前年同期比+282.7%)

2019年第3四半期の業績は、大幅な増収増益となりました。営業利益は創業以来、過去最高の増益となりました。

不動産管理業の「株式会社AMBITION」は、デザイナーズマンションを中心とした物件紹介や、オーナーに代わって物件の維持管理・入居者管理・賃貸管理などの業務を行っています。

コア事業であるプロパティマネジメント事業の継続した成長と、新築投資用デザイナーズマンションの好調な販売が利益拡大に大きく貢献しました。

一方、繁忙期(新入学・就職時期)に向け、管理戸数を確保したことによる売上原価の増加、その管理人員の増加及び将来に向けた管理システム投資による販売費及び一般管理費が増加しています。

セグメント別の業績

AMBITIONは、住居用不動産の賃貸借(サブリース)を行う「プロパティマネジメント事業」、「賃貸仲介事業」、住居用不動産物件の売買及び一般顧客の不動産物件の売買仲介を行う「インベスト事業」の3つのセグメントに分かれています。

【グラフ】売上高の構成比率(前3Q比較)

  • プロパティマネジメント事業

売上高は101億9,396万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は6億8,722万円(前年同期比7.3%減)で増収減益となりました。

管理物件数の増大及び高入居率の維持を基本方針として事業展開しており、管理戸数は10,182戸(前年同期末比1,078戸増)、入居率は2019年3月末に大型案件を獲得したことにより、97.1%となりました。(2019年3月末時点)

 

  • 賃貸仲介事業

売上高は7億2,172万円(前年同期比9.3%減)、セグメント利益は8,359億円(前年同期比43.1%減)で減収減益となりました。

賃貸仲介事業は、都内11拠点及び神奈川県7拠点、埼玉1拠点、千葉1拠点の計20拠点を運営し、賃貸物件の仲介事業を行っています。

東京圏内における競争環境は激化しており、企業の人事異動等による一般消費者の賃貸住居の仲介ニーズを捉えた営業活動を行いましたが、結果に繋がりませんでした。

  • インベスト事業

売上高は125億2,130万円(前年同期比112.4%増)、セグメント利益は20億6,693万円(前年同期比274.0%増)で大幅な増収増益となりました。

株式会社ヴェリタス・インベストメントが販売している、有名デザイナー監修、都内プレミアムエリア(港区、中央区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区)を主としている新築投資用デザイナーズマンションの好調な販売が寄与し、363件(前年同期比141件増)の物件売却を行いました。

2019年6月期 業績予想

  • 売上高:292億6,800万円(前期比+25.7%)
  • 営業利益:15億1,600万円(前期比+34.6%)
  • 経常利益:13億4,600万円(前期比+32.3%)
  • 当期純利益:8億4,600万円(前期比+37.8%)

2019年6月期通期業績を上記の通り、第2四半期時点で上方修正しており、第3四半期での変更はありませんでした。

上方修正した理由としては、2つあげています。
連結子会社の「株式会社ヴェリタス・インベストメント」が開発を手掛ける、新築投資用デザイナーズマンションの販売が、期初の販売スケジュールよりも早期に完売したため、当初の予想を上回る物件の販売見通しとなったこと。
また、中古マンション販売においても順調に販売戸数を伸ばし、想定していた物件販売戸数を上回る見通しであることから、通期の連結業績予想を上方修正しました。

画像出典元:「株式会社AMBITION」決算説明資料

 

 

2019年6月期 第2四半期 連結業績(19年4月更新)

  • 売上高:134億3,600万円(前年同期比+48.4%)
  • 営業利益:5億5,700万円(前年同期は900万円)
  • 経常利益:4億8,300万円(前年同期は△3,500万円)
  • 当期純利益:2億6,200万円(前年同期は△4,800万円)

2019年第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な増収増益となりました。

増益の要因は、コア事業であるプロパティマネジメント事業にて管理戸数が増加したこと、またインベスト事業にてマンション販売が好調だったことによるものです。

各セグメントの業績

各セグメントの業績は、以下の通りです。

【グラフ】売上高の構成比率(前2Q比較)

  • プロパティマネジメント事業

売上高は前年同期比8.2%増の66億2,230万円、セグメント利益は前年同期比15.1%増の3億9,654万円で増収増益となりました。

プロパティマネジメント事業は、主に住居用不動産の賃貸借(サブリース)を行っています。
管理物件数の増大、高入居率の維持を基本方針として事業展開し、管理戸数9,776戸(前年同期末比8.6%増加)となり、入居率は95.3%となりました。
前年度同期の97.7%と比べて2.4%低い数字で推移していますが、これは繁忙期(毎年1月~3月)における入居可能物件を多く獲得したためです。

  • 賃貸仲介事業

売上高は前年同期比4.6%減の4億17万円、セグメント損失は1,090万円(前年同期はセグメント利益782万円)で減収減益となりました。

賃貸仲介事業では、都内11拠点、神奈川県7拠点、埼玉県1拠点、千葉県1拠点の計20拠点を運営し、賃貸物件の仲介事業を行っています。

企業の人事異動等による一般消費者の賃貸住居の仲介ニーズを捉えた営業活動を行ったが、東京圏内における競争環境は激化しており、結果に繋がりませんでした。

  • インベスト事業

売上高は前年同期比149.9%増の63億2,086万円、セグメント利益は前年同期比154.9%増の8億5,594万円で、増収増益となりました。

インベスト事業は、住居用不動産物件の売買、一般顧客の不動産物件の売買仲介を行っており、186件(前年同期比88件増)の物件売却を行いました。

インベスト事業の躍進

有名デザイナー監修、都内プレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)を主としている新築投資用デザイナーズマンションが、期初の販売スケジュールよりも早期に完売。好調な販売が、インベスト事業の躍進に寄与しました。

外国籍の契約数の急激な増加

現在、約18,000戸の管理物件に占める外国人居住率は7%に上っており、外国籍の累計契約数が直近で1,900件を上回り、2015年時点から3倍超に急増しています。2019年4月からの新在留資格運用に向けて外国人労働者の環境整備急ぎます。

AMBITION(アンビション)とは

不動産の賃貸仲介やプロパティマネジメントを行う「株式会社AMBITION」は、2007年9月に設立しました。

賃貸仲介事業ではデザイナーズマンションを中心とした物件紹介、プロパティマネジメント事業では、オーナーに代わって物件の維持管理・入居者管理・賃貸管理などの業務を行っています。1期目に5億円、2期目には2倍の10億円の売上を達成しました。

2010年、株式会社ジョイント・ルームピアをM&Aで5店舗取得し、社名を「株式会社アンビション・ルームピア」へ改称。

2014年9月、東京証券取引所マザーズ市場へ上場しました。

2016年には、東京大田区における「特区民泊」に認定され、民泊業を開始。

2017年、「株式会社ホープ少額短期保険」を設立。ANBITIONグループの管理物件仲介物件に関わる顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険など、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険を提供しています。

ヴェリタス・インベストメントを子会社化

2017年10月、投資用デザイナーズマンションの開発・売買・賃貸借・管理・仲介を行う「株式会社ヴェリタス・インベストメント」をM&Aで取得し、完全子会社化しました。ヴェリタス・インベストメントは、2008年3月に設立以来、入居率ほぼ100%を保つなど順調に収益を上げてきた企業です。

この統合により、不動産の開発販売から管理・リーシングまでの一気通貫サービスを提供することが可能になりました。

事業内容

1

賃貸仲介事業

お部屋探しを行う事業。
一人暮らし向けデザイナーズ賃貸物件専門サイト 「アンビション・ルームピア」、横浜エリア特化型の賃貸物件不動産「VALOR」を運営。

2

プロパティマネジメント事業

マンションの募集、管理を行う事業。
東京23区を中心にデザイナーズマンションを約16,000戸管理している他、敷金・礼金・保証金ゼロの新しい賃貸スタイル「スーパーゼロプラン」を提供。

3

インベスト事業

中古マンションを仕入れ、リノベーションを施し適正価格で市場に提供する事業。
投資用、居住用マンションの売買の他、一等ビルのプロデュース、及び販売等も行っている。

画像出典元:「株式会社AMBITION」決算説明資料

会社概要

会社名 株式会社AMBITION
事業内容 賃貸不動産事業、売買不動産事業、プロパティマネジメント事業、リーシングマネジメント事業、Web営業事業、法人営業事業、賃貸管理受託事業
所在地 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル18F
設立日 2007年9月
代表 清水 剛
資本金 3億7978万円
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