仮想デスクトップソリューションを中心に事業を展開する「アセンテック」の決算を見ていきます。なお、アセンテックは2019年9月20日に東京証券取引所マザーズ市場から東京証券取引所市場第一部へ市場変更しています。
2020年1月期第3四半期累計期間の業績は、前年同期に対し2桁増収増益と好調に推移。
アセンテックはITインフラ事業の単一セグメントですが、「仮想デスクトップビジネス」「仮想インフラ及びストレージビジネス」「プロフェッショナルサービスビジネス」「クラウドサービスビジネス」の4つの事業領域で構成されています。
デスクトップ環境をサーバー側に集約しネットワークを介してデスクトップの画面イメージを配信し、シンクライアント端末やパソコン、タブレットなどによりユーザが利用するソリューションです。
高いセキュリティ性や運用管理負担の低減のほか、端末側にデータが保存されないため、端末の紛失や盗難が生じた場合にも、データ流出のリスクが低減されるというメリットがあります。
売上に貢献したのは、主力の仮想デスクトップビジネスと仮想インフラ及びストレージビジネス。仮想デスクトップビジネスにおいては、テレワークの導入及びサイバーセキュリティ対策需要が増加。
また、仮想インフラ及びストレージビジネスにおいても、地方公共団体や国内大手クラウド事業者などのITインフラを受注したことや、自社製品であるリモートPCアレイ製品の拡販が順調に推移。
営業利益は、増収により増益となりました。
上図の2020年1月期部分は予想値ですが、売上構成比を見ると、仮想インフラ及びストレージ、プロフェッショナルサービスの2サービスが年々伸長していることがわかります。
業績好調により、8月に業績予想は上方修正されています。
利益面では事業拡大に伴う人件費増などがあるものの、売上増による利益増に加え、継続収入の拡大により前回の業績予想を上回る見込みとなったとのこと。4年連続での過去最高の売上高、利益を見込んでいます。
画像出典元:「アセンテック株式会社」決算説明会資料
2020年第2四半期の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。
第2四半期累計期間の売上高は、仮想デスクトップビジネスの事業領域で、テレワークの導入及びサイバーセキュリティ対策需要の増加に伴い、売上高が堅調に推移しました。
また、仮想インフラ及びストレージの事業領域においても地方公共団体や国内大手クラウド事業者などのITインフラを受注したことや、自社製品であるリモートPCアレイ製品の拡販が進んだことにより売上高が堅調に推移しました。
これらの結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高は33億2,500万円(前年同四半期比4.2%増)、営業利益は25億5,100万円(前年同四半期比4.0%増)、経常利益は2億6,400万円(前年同四半期比5.6%増)、四半期純利益は1億8,200円(前年同四半期比5.4%増)となりました。
第2四半期の売上は通気販売目標の半分ほどの契約ID数を売上、2020年1月期の売上目標は順調に達成できそうです。
画像出典元:「アセンテック株式会社」決算説明資料
2020年第1四半期の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。
アセンテック株式会社は、仮想デスクトップに関連する製品開発、販売、コンサルティングサービスの提供などを行っています。
仮想デスクトップビジネスの事業領域で、テレワークの導入及びサイバーセキュリティ対策需要の増加に伴い、売上高が堅調に推移しました。
また、仮想インフラ及びストレージの事業領域においても、国内大手クラウド事業者などのITインフラを継続的に受注したことや、リモートPCアレイ製品の拡販が進んだことにより売上高が拡大しました。
その他、事業戦略の1つである「継続収入ビジネスの拡大」として、サブスクリプション型に完全移行した自社製品ソフトウエア型シンクライアント「ResalioLynx(レサリオリンクス)」の受注及び、自営保守のサービス提供が増加し、継続収入ビジネスが急速に拡大したことが、今期の増収増益の要因となっています。
もう1つの事業戦略として「自社製品の開発と展開」を掲げているアセンテックは、台湾Atrust社と協同開発した大規模仮想デスクトップ対応の「リモートPCアレイ200」や、RPA利用に適した「リモートPCアレイ50」等の新製品を2019年1月に発表し、販売開始しました。
また、2019年6月14日に、低コストで既存Windows PCをシンクライアント化できるソフトウェアディファインド・シンクライアント「Resalio Lynx700」(レサリオリンクス)に搭載している機能について、特許を取得。
本特許内容は、事業戦略を支えるキー・テクノロジーの1つで、2017年9月に特許出願していました。
2020年1月期通期の業績予想は、前期に対し増収増益を見込んでいます
2020年1月期も、さらなる増収増益を図り、4年連続での過去最高の売上高、利益を見込んでいます。
ITインフラ事業において、仮想デスクトップ、仮想インフラ及びストレージ、クラウドサービスの事業領域で、商品ラインナップを拡充ならびに自社製品の開発・販売体制の強化に注力し、売上を拡大していく方針です。
【グラフ】売上予算の推移と実績
画像出典元:「アセンテック株式会社」決算説明資料
2019年1月期通期の業績は前期に対し増収増益となりました。
売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、すべて期初予算を上回り、過去最高売上、利益を達成しました。
アセンテックは、ITインフラ事業の単一セグメントです。
増収増益の主たる要因は、テレワーク導入案件の増加や、企業のサイバーセキュリティ対策需要の増加に伴い、仮想デスクトップビジネスの事業領域が堅調に推移したためです。VDI(仮想デスクトップ)ビジネスは、売上高の53.9%と半分以上を占めています。
また、先進のハイパーコンバージド製品案件や、複数の国内大手クラウド事業者のITインフラを、継続的に受注したことにより、仮想インフラ及びストレージの事業領域も好調に売上高が拡大しました。
その他、システムエンジニア部門の体制強化により、VDI関連のプロフェッショナルサービスも順調に売上を伸ばしています。
2009年、株式会社エム・ピー・ホールディングスの新設分割子会社「エム・ピー・テクノロジーズ」として設立。
仮想デスクトップソリューションの関連製品・サービスの販売を開始しました。
仮想デスクトップとは?
12年、秋葉原にVDIイノベーションセンターを設立し、同年「アセンテック株式会社」に社名変更。
アセンテックの名称は「ascent(=向上、推進、上昇)」と「technology(=技術)」を組み合わせた造語です。
17年4月、東京証券取引所マザーズに上場しました。
18年8月には、東京都台東区にインフラソリューションラボ(システム検証センター)を設立。
営業活動をワンストップで提供できるよう、製品・サービスの常設デモ設備、商談ルームを設置し、効率の向上を目的としています。
ビジネスモデル(事業系統図)
仮想デスクトップ総合ソリューションベンダーとして、ハードウェア、仮想化ソフトウェア、セキュリティソリューション、サーバやストレージといったITインフラ、そして構築サポートに至るまで、ワンストップで提供しています。
製品&ソリューション
画像出典元:「アセンテック株式会社」決算説明会資料・公式HP
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