サンバイオ株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/06/17

執筆: 編集部

新株式発行で70億円を調達!研究開発費11億円をかけ再生細胞薬を開発する「サンバイオ」の第1四半期決算

2020年1月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:1億8,900万円(前年同期比+19.5%)
  • 営業利益:△12億4,800万円
  • 経常利益:△7億2,700万円
  • 四半期純利益:△7億3,600万円

2020年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。2019年2~4月期の最終損益は7億3600万円の赤字となり、赤字幅は縮小しました。

サンバイオは、脳梗塞や外傷性脳損傷など中枢神経系疾患を対象に、再生細胞薬の開発・製造・販売を手掛けている創薬ベンチャーです。

北米において大日本住友製薬株式会社と締結している再生細胞薬「SB623」の共同開発及び販売ライセンス契約により受領した開発協力金収入等により、事業収益は前年同期比19.5%増の1億8,900万円となりました。

一方、営業損失については、慢性期脳梗塞及び慢性期外傷性脳損傷を対象とした2つの開発プログラムに係る臨床試験費用等を含む費用として、研究開発費10億9,500万円を計上した結果、△12億4,800万円(前年同期は営業損失10億400万円)で減益となりました。

また、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)からの補助金分として、営業外収益2億9,000万円、為替差益2億3,700万円を計上したことにより、経常損失は△7億2,700万円(前年同期は経常損失8億3,600万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は△7億3,600万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失8億3,700万円)で増益となりました。

なお、サンバイオは「再生細胞事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。

新株式を発行

2019年5月、海外募集による新株式を発行し70億9,700万円を調達しました。

この調達は、日米欧のSB623の販売需要を見越したもので、SB623の量産化能力の向上と安定供給体制確保を図るために、製造委託先企業の複線化とSB623の在庫確保に充当する予定とのこと。なお、この在庫は、まずは国内の慢性期外傷性脳損傷用途として販売される予定です。

2020年1月期 連結業績予想

2020年1月期は、SB623外傷性脳損傷プログラムに係る開発及び国内での市販後に向けた製造・流通・販売体制構築に向けた費用により、赤字が拡大する見通しです。

  • 事業収益:7億1,300万円(前期比△3.8%)
  • 営業利益:△58億8,700万円
  • 当期純利益:△53億9,500万円

 

画像出典元:「サンバイオ株式会社」決算説明資料

 

 

2019年1月期 通期決算(19年3月更新)

  • 事業収益:7億4,100万円(前期比+51.2%)
  • 営業利益:△37億3,300万円
  • 経常利益:△29億1,900万円
  • 当期純利益:△29億2,000万円

2019年通期の業績は、開発協力金収入等の収入により事業収益7億4,100万円(前期比+51.2%)、最終△29億円の赤字となりました。赤字幅は前期より縮小しました。

開発協力金収入とは、主に北米において大日本住友製薬株式会社と締結しているSB623の共同開発及び販売ライセンス契約により受領した開発協力金となります。

事業費用44億7,500円のうち研究開発費は37億1,200万円となりました。ほぼ計画通りに推移しました。

慢性期外傷性脳損傷の治験に成功

SB623 臨床試験実施実績

日米の慢性期外傷性脳損傷プログラムのフェーズ2臨床試験は、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成」という良好な結果を公表しました。

これにより、日本の慢性期外傷性脳損傷プログラムにおいては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020年1月期中に再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指します。

既に承認後のSB623の国内普及に向けた製造・物流・販売体制の構築に着手しており、流通・販売体制構築準備の一環として株式会社ケアネット等4社と共同研究を開始しました。

一方、米国で大日本住友製薬株式会社と共同で進めている慢性期脳梗塞プログラムのフェーズ2b臨床試験は、2019年1月に主要評価項目未達という解析結果を公表しました。

この発表を受け、失望感が広がり株価が暴落。サンバイオはマザーズ銘柄としては時価総額がトップクラスであったため、マザーズ市場全体にも影響が及び最終的にマザーズ指数が8%安となりました。

10月末には3,000円付近だったサンバイオ株は、再生細胞薬SB623への期待からわずか3ヶ月で3倍以上にまで上昇しました。高騰による反動も大きく、これが暴落へとつながりました。サンバイオショックとも言われています。

一時期は時価総額5,000億円を突破し、2位のメルカリに大差をつけて断トツ1位でしたが、現在は時価総額1,400億円、首位から5位に転落しました。

【グラフ】サンバイオの株価推移出典:Google Finance

開発を断念したとの誤解もありますが、慢性期脳梗塞についても引き続き開発を行っていきます。現在、この詳細結果は解析中であり、その結果等を踏まえ、今後の開発及び事業計画を組み立てていきます。

資金調達と減資

現金及び預金は124億5,300万円と財務基盤は安定しています。



資金調達

2018年3月に第三者割当による行使価額修正条項付き第13回新株予約権を発行し、110億5,800万円を調達。

さらに、11月に株式会社三井住友銀行と株式会社三菱UFJ銀行から10億円と20億を、12月に株式会社みずほ銀行から20億円の長期コミットメントライン契約をそれぞれ締結し、資金を確保しました。

減資

2019年3月、資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金を処分すると発表しました。減少する資本金及び資本準備金は、それぞれ約49億円。減資分をその他資本剰余金に振り替えた後、繰越利益剰余金の欠損額(約98億円)を補填。振替後の繰越利益剰余金の額は0円となります。

これにより、税負担の軽減及び財務体質の健全化を図ります。

ストック・オプション

2019年3月、従業員の業績向上に対する意欲や士気を喚起するとともに優秀な人材を確保することを目的として、従業員に対してストック・オプションとしての新株予約権を発行すると発表しました。

再生細胞薬SB623とは

SB623とは、健常人から採取した骨髄液を加工・培養して作製された他家由来の間葉系幹細胞であり、神経組織に投与すると損傷した神経細胞の再生を促す効果が期待されています。

かつてノーベル賞を受賞した神経解剖学者、サンティアゴ・ラモン・イ・カハールが「損傷した生体哺乳類の中枢神経系は再生しない」と言ったことから、その後100年そのドグマが存在していました。

それを覆したのが慶応義塾大学医学部教授の岡野栄之教授(サンバイオ創業科学者)です。岡野教授は、1998年に成人の脳内に神経幹細胞が存在することを発見しました。

これにより、脳は再生できるかもしれないという可能性が開かれ、発見から3年後、2001年に米国カリフォルニア州にてSanBio, Inc.を設立。2013年には日本法人サンバイオ株式会社を設立しました。

SB623は汎用性が高く、パーキンソン病やアルツハイマー病などにも適用が期待できます。

 

サンバイオのこれから

サンバイオは、開発型ベンチャーから製薬企業へと脱皮し、再生医療分野でのグローバルリーダーになることを事業目標としています。SB623は、たった一剤だけでそれほどのポテンシャルを持っています。

1

製薬企業へ脱皮するために

  • 国内にて外傷性脳損傷適応での承認申請を行う
  • 国内において販売体制を構築する
  • 安定供給体制の基盤を整える
2

グローバルリーダーに成長するために

  • 外傷性脳損傷適応でのグローバル試験を開始する
  • 脳梗塞/脳出血適応での開発を進める
  • グローバル展開のため適応拡大も含めたパイプライン強化を行う

外傷性脳損傷における6か月データの詳細解析結果は、4月に開催される米国脳神経外科学会にて発表予定です。

米国ではアメフト等でも社会問題化するほど外傷性脳損傷患者が多く、慢性期外傷性脳損傷の患者は530万人にも上ります。それだけ市場規模は大きく、治験成功の発表は大変インパクトのあるものになると考えられます。

国内では、既に開始しているSB623の国内普及に向けた製造・物流・販売体制の構築を引き続き進めていきます。

人材においても、サンバイオには再生医療のトップランナーが集まっています。脳の神経組織を再生させる世界初の細胞医薬の実用化に期待が高まります。

画像出典元:「サンバイオ株式会社」決算説明会資料

会社概要

会社名 サンバイオ株式会社
(英文社名) SanBio Company Limited
事業内容 再生細胞医薬品の開発・製造・販売
所在地 東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー28F
設立日 2013年2月 (創業 2001年2月)
代表 代表取締役社長 森敬太
代表取締役会長 川西徹
資本金 38億7,500万円(2018年1月末現在)

 

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