迷惑情報フィルタシステムの開発・提供を行う「トビラシステムズ」の決算を見ていきます。
【表・グラフ】売上高・営業利益業績(前年度対比)
売上高、各利益ともに過去最高を記録しました。営業利益は前年度比で77.4%の成長率でした。
【グラフ】営業利益の増減分析
利益率の高いストック売上高が伸び、コストは昨年対比でマイナスになり、迷惑情報フィルタ事業においてストック売上が伸長しました。迷惑情報フィルタ月間利用者数は約369万人となりました。(2019年10月末時点)
売上高、各利益、過去最高を更新する見込みで、売上高は昨年の成長を上回る年間20%以上の成長率、一時的な売上を見込まず半期推移で増収基調の見込みとなるようです。
営業利益も上期で本社移転に伴う一時的コスト(1,000万円程度)増加も上場後の半期推移で、増益基調の見込みです。
画像出典元:「トビラシステムズ株式会社」決算説明資料
2019年4月25日に東京証券取引所マザーズに上場した、迷惑情報フィルタシステムの開発・提供を行う「トビラシステムズ」の決算を見ていきます。
トビラシステムズの迷惑情報フィルタシステムは、大手通信キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)にも採用されているので、利用されている方も多いのではないでしょうか。
例えば、auユーザーでスマートパスに入会していれば、アプリのダウンロードと設定で無料で使用できます。
2019年10月期第2四半期(累計)の決算を見ると、売上・利益ともに計画を上回り好調に推移しているのが分かります。
売上が増加しているのは、2019年2月よりY!mobile(ソフトバンク株式会社)においてシニア向けスマートフォンに迷惑情報フィルタアプリが標準搭載されたことが主な要因です。
迷惑情報フィルタ月間利用者数は、2019年4月末時点で約271万人(前期比末83万人増)と堅調に増加しています。直近1年間で約141万人増、つまり1年で利用者数は約2倍になっています。
【グラフ】迷惑情報フィルタ月間利用者数推移
売上以上に利益が拡大しているのは、原価や販売費及び一般管理費といったコスト削減に成功したためです。
特筆すべきは、47.1%という大変高い営業利益率。2016年10月期以降、受託開発型から継続課金型モデルへ移行したことで高収益体質が実現した模様です。
下の「修正業績予想を基にした業績推移」のグラフを見ると、明らかに2016年10月期より営業利益率が飛躍的に上昇しています。
業績好調により、2019年10月期の業績予想を上方修正しています。
「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」等に代表される特殊詐欺に加え、昨今では「アポ電強盗」やSMSを活用して個人情報を盗むなど、犯罪の巧妙化や凶悪化が進んでいます。
一方、スマートフォンでの迷惑電話・詐欺電話への対策をとっていないとする人の割合は66.3%にも上ります。
おそらく対策の仕方がわからない、またこのようなサービスがあることを知らないといった人も多いのではないでしょうか。
事実、携帯電話の総契約台数に占めるオプションパック加入台数の割合は24.7%程度と低い水準です。今後は、サービスの認知向上も必要になると思われます。
【グラフ】修正業績予想を基にした業績推移
トビラシステムズの前身は2006年、自治体や企業の業務をテクノロジーで安全かつ効率的にするために岐阜県に設立された、株式会社A&A tecnologiaです。
2008年に本社を名古屋に移し、2010年に大きな社会問題となっていた振り込め詐欺を撲滅させようと、迷惑電話フィルタ「トビラフォン」の開発に着手。同年、「トビラシステムズ株式会社」に社名を変更しました。
そして、2011年に迷惑電話フィルタ「トビラフォン」を開発、リリース。
2012年に愛知県警察と特殊詐欺電話の実証実験を開始。2015年に警察庁と特殊詐欺電話に関する覚書を締結し、全国の特殊詐欺に関する情報提供を受ける体制を構築しました。
事業内容は、「迷惑情報フィルタ事業」と「その他」の2つです。
① モバイル向けフィルタサービス
大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク)等のオプションパックにアプリ形式で迷惑電話フィルタを提供
② 固定電話向けフィルタサービス
主に回線契約のオプションパックとして、ホームゲートウェイ内蔵型サービスとして展開
③ ビジネスフォン向けフィルタサービス
迷惑電話フィルタ「トビラフォン Biz」を販売パートナーを通じて展開
ホームページ制作運営支援システム「HP4U」の販売、受託開発
画像出典元:「トビラシステムズ株式会社」決算説明資料
第12期の決算は
となっています。
個人向け・法人向けの迷惑電話や詐欺電話をブロックする迷惑電話フィルタのシステム開発、運営を行っています。
3月22日、株式会社東京証券取引所より、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場が承認されました。
2019年4月25日に上場予定です。
出典:公式HP・有価証券届出書
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