トビラシステムズ株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 山中恵子

迷惑情報フィルタ月間利用者数は約369万人「トビラシステムズ 」の通期決算

2020年10月期 通期決算

  • 売上高:9億8,100万円
  • 営業利益:4億600万円
  • 経常利益:3億9,200万円
  • 四半期純利益:2億4,800万円

迷惑情報フィルタシステムの開発・提供を行う「トビラシステムズ」の決算を見ていきます。

【表・グラフ】売上高・営業利益業績(前年度対比)

売上高、各利益ともに過去最高を記録しました。営業利益は前年度比で77.4%の成長率でした。

【グラフ】営業利益の増減分析

利益率の高いストック売上高が伸び、コストは昨年対比でマイナスになり、迷惑情報フィルタ事業においてストック売上が伸長しました。迷惑情報フィルタ月間利用者数は約369万人となりました。(2019年10月末時点)

2020年10月期 業績予想

  • 売上高:12億2,700万円
  • 営業利益:4億6,800万円
  • 経常利益:4億4,900万円
  • 四半期純利益:3億700万円

売上高、各利益、過去最高を更新する見込みで、売上高は昨年の成長を上回る年間20%以上の成長率、一時的な売上を見込まず半期推移で増収基調の見込みとなるようです。
営業利益も上期で本社移転に伴う一時的コスト(1,000万円程度)増加も上場後の半期推移で、増益基調の見込みです。


画像出典元:「トビラシステムズ株式会社」決算説明資料

2019年10月期 第2四半期 累積業績(19年7月更新)

  • 売上高:4億9,000万円
  • 営業利益:2億3,100万円
  • 経常利益:2億1,900万円
  • 四半期純利益:1億5,000万円

2019年4月25日に東京証券取引所マザーズに上場した、迷惑情報フィルタシステムの開発・提供を行う「トビラシステムズ」の決算を見ていきます。

トビラシステムズの迷惑情報フィルタシステムは、大手通信キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)にも採用されているので、利用されている方も多いのではないでしょうか。

例えば、auユーザーでスマートパスに入会していれば、アプリのダウンロードと設定で無料で使用できます。

2019年10月期第2四半期(累計)の決算を見ると、売上・利益ともに計画を上回り好調に推移しているのが分かります。

売上が増加しているのは、2019年2月よりY!mobile(ソフトバンク株式会社)においてシニア向けスマートフォンに迷惑情報フィルタアプリが標準搭載されたことが主な要因です。

迷惑情報フィルタ月間利用者数は、2019年4月末時点で271万人(前期比末83万人増)と堅調に増加しています。直近1年間で約141万人増、つまり1年で利用者数は約2倍になっています。

【グラフ】迷惑情報フィルタ月間利用者数推移

売上以上に利益が拡大しているのは、原価や販売費及び一般管理費といったコスト削減に成功したためです。

特筆すべきは、47.1%という大変高い営業利益率2016年10月期以降、受託開発型から継続課金型モデルへ移行したことで高収益体質が実現した模様です。

下の「修正業績予想を基にした業績推移」のグラフを見ると、明らかに2016年10月期より営業利益率が飛躍的に上昇しています。

業績予想を上方修正

業績好調により、2019年10月期の業績予想を上方修正しています。

  • 売上高:9億200万円 → 9億5,000万円(前期比+12.8%)
  • 営業利益:3億1,800万円 → 3億8,000万円(前期比+66.0%)
  • 経常利益:3億1,800万円 → 3億6,700万円(前期比+64.8%)
  • 当期純利益:2億900万円 → 2億3,200万円(前期比+56.8%)

「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」等に代表される特殊詐欺に加え、昨今では「アポ電強盗」やSMSを活用して個人情報を盗むなど、犯罪の巧妙化や凶悪化が進んでいます。

一方、スマートフォンでの迷惑電話・詐欺電話への対策をとっていないとする人の割合は66.3%にも上ります。

おそらく対策の仕方がわからない、またこのようなサービスがあることを知らないといった人も多いのではないでしょうか。

事実、携帯電話の総契約台数に占めるオプションパック加入台数の割合は24.7%程度と低い水準です。今後は、サービスの認知向上も必要になると思われます。

【グラフ】修正業績予想を基にした業績推移

トビラシステムズ とは

トビラシステムズの前身は2006年、自治体や企業の業務をテクノロジーで安全かつ効率的にするために岐阜県に設立された、株式会社A&A tecnologiaです。

2008年に本社を名古屋に移し、2010年に大きな社会問題となっていた振り込め詐欺を撲滅させようと、迷惑電話フィルタ「トビラフォン」の開発に着手。同年、「トビラシステムズ株式会社」に社名を変更しました。

そして、2011年に迷惑電話フィルタ「トビラフォン」を開発、リリース。

2012年に愛知県警察と特殊詐欺電話の実証実験を開始。2015年に警察庁と特殊詐欺電話に関する覚書を締結し、全国の特殊詐欺に関する情報提供を受ける体制を構築しました。

事業内容は、「迷惑情報フィルタ事業」と「その他」の2つです。

1

迷惑情報フィルタ事業

 

① モバイル向けフィルタサービス

大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク)等のオプションパックにアプリ形式で迷惑電話フィルタを提供

 

 

 

② 固定電話向けフィルタサービス

主に回線契約のオプションパックとして、ホームゲートウェイ内蔵型サービスとして展開

 

 

 

③ ビジネスフォン向けフィルタサービス

迷惑電話フィルタ「トビラフォン Biz」を販売パートナーを通じて展開

 

2

その他

ホームページ制作運営支援システム「HP4U」の販売、受託開発

画像出典元:「トビラシステムズ株式会社」決算説明資料

 

 

第12期決算公告(19年3月更新)

業績推移

決算期
(百万円)
16/10
(第10期)
17/10
(第11期)
18/10
(第12期)
売上高 275 592 842
経常利益 12 192 223
当期純利益 17 109 148

第12期の決算は

  • 売上高:8億4,246万円
  • 経常利益:2億2,275万円
  • 当期純利益:1億4,794万円

となっています。

販売実績

事業内容

迷惑情報フィルタ事業

個人向け・法人向けの迷惑電話や詐欺電話をブロックする迷惑電話フィルタのシステム開発、運営を行っています。

マザーズ上場へ

3月22日、株式会社東京証券取引所より、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場が承認されました。
2019年4月25日に上場予定です。

出典:公式HP・有価証券届出書

会社概要

会社名 トビラシステムズ株式会社
事業内容 迷惑電話フィルタのシステム開発および運営
所在地 愛知県名古屋市中区錦2-5-12
設立日 2006年12月
代表 明田 篤
資本金 5,230万円
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