独自開発のAIエンジンKIBITを提供する「FRONTEO」の決算を見ていきます。
【グラフ】リーガルテックAI事業 売上高・営業利益の推移
リーガルテックAI事業において、売上は下げ止まりとなり、売上成長に向けて順調にビジネスモデル転換を推進中しており、AIレビュー製品「KIBIT Automator」の提案活動が奏功し、国内において大型案件を受注いたしました。また、上期に実施の米国子会社のコスト削減効果により、赤字幅が大幅に縮小いたしました。
AIソリューションにおいても売上は底堅く推移したが、成長率は想定を下回りました。
業績予想につきましては、変更はありません。
画像出典元:「株式会社FRONTEO」決算説明資料
独自開発のAIエンジンKIBITを提供する「FRONTEO」の決算を見ていきます。
事業別で見てみますと、「リーガルテックAI」事業はAIを主体としたビジネスモデルへの転換に時間を要しており、本格展開を十分の行えず売上が低迷しました。「AIソリューション」事業は期末偏重型の傾向があるなか、上期売上高5.9億円(前年同期比49%増収)と順調に成長しました。
2020年3月の連結業績予想について、売上高を116億円から105億円(前期比6.8%減)へ、営業利益を2億円から△7億7,500万円へ、当期純利益は、1000万円から△10億円へ下方修正しました。
リーガルテックAI事業の大規模訴訟が収束し、新規案件獲得に向けた営業体制が十分でないのが主な要因です。引き続き、米国子会社のコスト改善やシニアマネンジメント層の強化を進めるとともに、AIソリューション事業で着実に案件を獲得することで下期営業黒字化を目指します。
画像出典元:「株式会社FRONTEO」決算説明資料
2019年3月期通期の業績は、前期に対し減収増益となりました。
株式会社FRONTEO(フロンテオ)は、人工知能を活用したデータ解析事業を行っています。
独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」、「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を柱とする高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、医療分野といった様々なフィールドに貢献しています。
4期ぶりに営業利益、経常利益、当期純利益とも黒字を達成。しかし期初の予想を売上が大きく下回り減収となりました。
主な要因は、リーガルテックAI事業において、下期に見込んでいた大口パイプラインのロストが響き、2019年3月期通期の売上高が期初計画比大幅未達で着地したためです。
FRONTEOは「リーガルテックAI事業」と「AIソリューション事業」2つのセグメントで展開しています。
【グラフ】リーガルテックAI事業 売上高・営業利益の推移
本来はリーガルテックAI事業だけでStage 3のボックス圏(グラフのグレーゾーン)を維持し、その中で利益を確保する体制を取っていましたが、このボックスを大幅に下回ったことにより、第4四半期単体においては赤字となりました。
売上の低下が大きな要因です。
【グラフ】リーガルテックAI事業 顧客ホームカントリー別売上高の推移
目標としていた日本・アジア案件の売上高増加には至らず、且つ、米国・欧州も減少しており、全体的な売上高は下がっています。
【グラフ】リーガルテックAI事業 大型案件顧客の推移
2019年3月期は、6件の大型案件を受注。
しかし、そのうちアジア案件は1件となり、5件以上の目標は未達となりました。既存の顧客のコスト削減等があり、結果的に売上も減少となりました。
【グラフ】AIソリューション事業 分野別 売上高・営業利益の推移
一方、AIソリューション事業は、案件の大型化及び導入社数の積み上げにより、通期売上高は前年度比1.5倍。初の通期営業黒字に転換しました。
【グラフ】AIソリューション事業 導入企業数の推移
導入企業数も前年比で2.2倍、累積導入企業数は176社になりました。
2020年3月期 通期の予想は、前年に対し増収減益を見込んでいます。
リーガルテックAI事業は、選別受注・採算重視で活動を継続し、決定力不足の要因となっている営業・マーケティングのシニアマネジメント層の強化など営業組織力の向上を迅速に進め、受注確度向上や売上高増加を計画。
結果的に営業利益は前年度を割ることになりますが、来年度以降の成長に向けての基盤を固めていきたいとのこと。
AIソリューション事業は、ビジネスインテリジェンス分野が引き続きAIソリューション事業の収益を牽引することで、増収基調を維持する見通しと予想しています。
画像出典元:「株式会社FRONTEO」決算説明資料
2019年第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年比7.5%減となりましたが、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、全てにおいて黒字化を達成しました。
「アジアの大口案件顧客の積み上げ」を最重要課題に掲げ、営業体制強化に努めていますが、新規獲得目標5社に対しQ3累計で3社獲得となりました。
大型案件顧客とは、1年間での売上高が1億円を超過した顧客のことを指します。
独自開発のeディスカバリ支援システム「Lit i View(リットアイビュー)」によるアジア言語の解析力、人工知能(AI)技術の活用による効率性や全工程をワンストップでサポートする対応力を武器に、アジア企業の案件獲得に向けてクロスボーダー営業の体制構築を重点的に取り組んだ結果、韓国および台湾での案件が好調に推移しています。
一方、大口パイプラインとして追っていた米国司法省案件において、ロスト・期ズレが発生した結果、売上高が前年同期に比べ12.0%減りました。
国内においてビジネスインテリジェンス、ヘルスケアの各分野が好調に推移した結果、ストックビジネスであるAIソリューション事業においてKIBIT製品の導入社数を144社と積み上げ、セグメント全体の売上高は前年同期に比べ25.0%増えています。
昨年12月、IT調査・コンサルティング会社であるアイ・ティ・アールが発表した市場調査レポート「ITR Market View:AI市場2018」で、国内AI言語解析市場において、2016年度から3年連続でシェアNo.1を獲得しました。
2019年3月の連結業績予想について、売上高を138億円から114億2,100万円(前期比6.5%減)へ、営業利益を7億円から2億4,600万円(同38.8%増)へ、前期8億2,800万円の赤字だった最終利益の予想は、3億円から1,400万円へ下方修正しました。
リーガルテック事業で受注を目指していた大口パイプラインについて、最終段階での失注や一部米国司法省案件の期ずれなどが発生したことが要因となっています。
今後については、顧客の米国現地法人へのアプローチ強化も同時に進めていくことで、受注確度向上、売上高増加に繋げていく方針です。
国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分析を行うeディスカバリ(電子証拠開示)や、デジタル・フォレンジック調査を支援する企業として2003年8月に設立。自社開発した人工知能「KIBIT(キビット)」を使い、情報解析を支援するデータ解析企業です。
自社開発のデータ解析プラットフォーム「Lit i View」、日・中・韓・英の複数言語に対応した「Predictive Coding(プレディクティブ・コーディング)」技術などを駆使し、企業に訴訟対策支援を提供しています。
2007年6月東証マザーズに上場、2013年5月ナスダック市場に上場しています。
2016年7月、社名を「株式会社UBIC」から「株式会社FRONTEO」に変更しました。
画像出典元:「株式会社FRONTEO」決算説明会資料
営業黒字転換!3Qは消費増税と暖冬の影響を受けた「RIZAPグループ」の第3四半期決算
セ・リーグに所属する球団運営会社とその親会社の決算をまとめてみました!
出版社発マンガアプリサービスを中心に急成長する「Link-U」の第2四半期決算
事業拡大期で黒字を継続している「ツクルバ」の第2四半期決算
マザーズ上場へ!電子マネー決済やQRコード決済等、消費者ニーズに合わせた決済手段を提供「GMOフィナンシャルゲート」の第21期決算
世界最速でiPS細胞の具現化を目指すバイオベンチャー「ヘリオス」の通期決算
インフルエンサーマーケティングやMimiTVも好調の「トレンダーズ」の第3四半期決算
マザーズ上場へ!「ヒト.モノ.コト」の正しさを認証、セキュリティシステムで証明、サービスの信頼性を支える「サイバートラスト株式会社」の第19期決算
LINEがグループで300億円出資を決定!巣ごもり消費で需要拡大が期待される「出前館」の第2四半期決算
最終27億円の赤字!新型コロナ追い討ちで資金繰りが悪化している「ペッパーフードサービス」の通期決算