『ドラゴンクエストウォーク』を株式会社スクウェア・エニックスと共同開発した「コロプラ」の決算を見ていきます。
2020年9月期第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し2桁増収、各段階利益も黒字に転換しています。これは、「ドラゴンクエストウォーク」がフルに寄与したことによるものです。
加えて、コスト構造の変化とコストコントロールにより、営業利益率は前年同期マイナス値から34.5%にまで回復。好調な滑り出しとなりました。
【グラフ】リリース時期別売上推移
一方、今まで売上を牽引してきた「白猫プロジェクト」を含む2014年度ものが大幅な減収となり、前四半期比では売上高は横ばいで推移。
「ドラゴンクエストウォーク」はダウンロード数1,000万を超え、『Google Play ベスト オブ 2019 ベストゲーム』や『Yahoo!検索大賞2019』ゲーム部門賞なども受賞。今後、どこまで業績に貢献していくのか注目です。
なお、業績予想は非開示ですが、第2四半期は「アリス・ギア・アイギス」が2周年を、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」が7周年を迎えます。また、広告宣伝費は約9億円を予定とのことです。
コロプラは、2003年に創業者の馬場功淳氏が位置ゲー「コロニーな生活」を個人で提供したのが始まり。2005年に「コロニーな生活」を改良し、「コロニーな生活☆ PLUS」の提供を開始。
その後、 組織的に展開するため、「コロニーな生活☆PLUS」の愛称である「コロプラ」を社名として株式会社コロプラを設立しました。
2010年にKDDI株式会社と業務提携。2011年にスマートフォン向けアプリの開発を開始し、2012年に東京証券取引所マザーズに上場、2014年に東京証券取引所第一部に市場変更。以降、順調に売上を伸ばし、2016年には株式会社エイティングを子会社化。
しかし、2017年には任天堂より特許権侵害に関する訴訟を提起され、2019年にはセルラン操作目的の不適切取引発覚などで株価は急落。業績も2016年9月期をピークに落ち込んでいます。
事業内容は、主にスマートフォンアプリを中心とした国内・海外向けモバイルゲームサービスを提供しています。また、VR(仮想現実)デバイスを対象としたアプリの提供も始めています。
主に英語圏および東アジアにモバイルゲームアプリを配信
VRデバイス向けにサービスを提供
画像出典元:「株式会社コロプラ」決算説明会資料
2019年9月期通期の業績は、前期に対し2桁減収減益となっています。最終赤字は回避できましたが、営業利益率は前期から7.6ポイント低下し7.6%に。
減収となった要因は、「クイズ RPG 魔法使いと黒猫のウィズ」や「白猫プロジェクト」といった既存ゲームの売上高が前期比で減少したことによるものです。
営業利益は、広告宣伝費をはじめとする各種費用の適正化により販売費及び一般管理費が前期比で減少したものの、売上高減少による影響を補いきれず、大幅な減益に。
【グラフ】通期連結決算推移
経常利益は、営業利益の減少に加え、前期比で投資有価証券売却益が減少したことから前期実績を大きく下回りました。なお、海外も低調に推移しています。
一方、四半期推移を見ると、第4四半期は前四半期比で増収増益、営業利益率は0%から21.7%と大幅に改善しています。これは、決算に寄与した日数が20日にも満たなかった「ドラゴンクエストウォーク」の貢献によるものです。
パブリッシングはスクウェア・エニックスであるため、「ドラゴンクエストウォーク」の売上高はグロス(総額)計上ではなくネット(純額)計上。このため利益率が大幅に改善したというわけです。
【グラフ】四半期連結決算推移
リリース時期別売上推移からも「ドラゴンクエストウォーク」の貢献度がわかります。第4四半期は「白猫プロジェクト」の周年イベントの影響で2014年度ものが伸長していますが、2019年度ものも大きく伸長。
2019年度ものは、「バクレツモンスター」「最果てのバベル」「ドラゴンクエストウォーク」ですが、「バクレツモンスター」は8月29日をもってサービスを終了し、「最果てのバベル」は厳しい状況が続いています。よって、2019年度ものが大きく伸長したのは「ドラゴンクエストウォーク」によるものだと言えるでしょう。
ようやくミルフィーユのバランスが整いました。あとは、これが続くかどうかです。
【グラフ】リリース時期別売上推移(連結)
「ドラゴンクエストウォーク」はリリース以降、セールスランキング 1位が続き、現在はランキングが落ちたとはいえ10位以内をキープ。また、約1ヶ月で800万ダウンロード突破。株価もリリース後、急騰しました。
コロプラの株価推移
画像出典元:SBI証券
スマホゲーム事業においては、年間3~4本程度の新規リリースを予定しているとのこと。また、M&Aを含め、スマホゲーム領域以外へも強化を図っていくとしています。
「ドラゴンクエストウォーク」が「ポケモンGO」のように根強い人気を誇るゲームとなっていくのかにも注目です。なお、業績予想は非開示となっています。
画像出典元:「株式会社コロプラ」決算説明会資料
モバイルゲームサービスを提供する「コロプラ」の決算を見ていきます。なお同日、従業員によるセールスランキングの操作を目的とした不適切取引の件について調査を行った、特別調査委員会による調査報告も開示されています。
2019年9月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益、最終1億4,900万円の赤字となっています。
既存タイトル、新規タイトルともに売上が伸びず減収に。第3四半期は「白猫プロジェクト」の周年イベントの準備期間であることに加え、新規タイトル不振で売上高は前四半期比18.6%減に。
今期は「バクレツモンスター」と「最果てのバベル」をリリースしましたが、「バクレツモンスター 」は8月をもってサービス終了、「最果てのバベル」はリリース直後に不適切取引が発覚と厳しい状況が続いています。
【グラフ】四半期連結決算推移
営業利益はコストコントロールにより、累計では黒字で着地。一方、第3四半期の営業利益は売上減少が響き、前年同期比99.9%減の0円に。
不適切取引については、当第3四半期において、課金額800万円と広告宣伝費800万円を相殺するとともに、プラットフォーム使用料200万円を連結損益計算書に計上する処理を行っています。
コロプラは6月21日、役職者を含む従業員2名が、セールスランキングの操作を目的として自社費用850万円をもって自社ゲームタイトル「最果てのバベル」に課金することを取引先に依頼し、6月13日に取引先が課金を実施した疑いが判明した、と発表。
「最果てのバベル」は6月12日にリリースされているので、翌日にセールスランキング 操作を目的とした課金を行ったことになります。不適切取引が発覚したきっかけは、匿名による情報提供。
6月18日に情報提供を受け、同日に2人にヒアリングをしたところ認めたため、20日に自宅謹慎処分、21日に不適切取引があったことを開示、26日に特別調査委員会を設置、という流れになっています。
8月13日に公表された調査報告によると、過年度を含め本件以外に類似取引の存在は認められなかったとのこと。
処分に関しては、関与した従業員2名は懲戒処分。また、取締役CCOの森先氏は取締役を辞任、代表の馬場氏ら2人は月額報酬を3ヶ月間10%減額すると発表。
調査報告によると、この件の発端となったA氏は、海外では自己負担金で課金を行い、セールスランキング 上昇を図ることが恒常的に行われているという風評を耳にし、機会があれば自ら課金ブーストを実施してみたいという思いが以前よりあったとのこと。
思いはあっても実際に実行に移すことはなかったものの、「最果てのバベル」については課金ブーストを行うことでプロモーションに一定の効果が期待できると考え、広告宣伝の一環だとして課金を取引先のD社に依頼。
依頼された取引先D社は、レンタルと私物のスマートフォン計149台で847万8,000円分の課金を実行。この課金でセールスランキング は一定程度引き上げられたと思われますが、実際にはそれほど伸びていないのが実情です。
この件が尾を引いているのか、ゲーム自体に魅力がないのか、「最果てのバベル」は不振が続いています。
なお、D社はこの取引の請求書をコロプラに送付しておらず、支払いは未払いとなっています。
業績予想は開示されていませんが、7月には「白猫プロジェクト」5周年イベントを実施しており、第4四半期の売上に貢献する見込みです。
また、年内にはスクウェア・エニックスとの協業タイトル「ドラゴンクエストウォーク」をリリース予定。
6月3日、「ドラゴンクエスト」シリーズ初の位置情報RPG「ドラゴンクエストウォーク」をスクウェア・エニックスと共同開発していることを発表すると、低迷していたコロプラの株価は急上昇。
しかし、不適切な取引発覚後に再び急落。財政基盤はしっかりしているとはいえ、問題が続き、業績も悪化する一方のコロプラ。新たな収益の軸となるタイトルが出ないことには復活は困難だと言えるでしょう。
画像出典元:「株式会社コロプラ」決算説明会資料・公式HP
2019年9月期 第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な減収減益、最終損益6,800万円の赤字となりました。
既存タイトルは、6周年を迎えた「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」の売上が伸長したのみで、その他は横ばい、または減少。
【グラフ】リリース時期別売上推移
一方、広告宣伝費の大幅な抑制、注力タイトルの厳選による外注費減少などコストコントロールに努めたことにより、第2四半期は黒字に転換しました。
業績は下降気味ですが、財政状態は安定しています。現金及び預金は577億4,000万円保有し、自己資本比率は92.0%。のれんの償却も終了しました。
新作ゲームを次々と投入し、ミルフィーユのように売上を積み重ねていく戦略がほころび始めたのが2016年9月期から。
折しも2016年9月には、任天堂より「『白猫プロジェクト』が任天堂保有の特許権を侵害する」と指摘を受けました。
1年以上にわたり、任天堂の特許権を侵害しないことを説明したものの受け入れられず、2017年12月22日付けで任天堂より特許権侵害に関する訴訟を提起されました。
これがきっかけとなったわけではありませんが、以降ヒット作に恵まれず、2019年9月期 第1四半期では上場以来初の赤字に転落。
【グラフ】四半期連結決算推移
第2四半期はコストコントロールに努め黒字転換したわけですが、第3四半期では待望の新作「最果てのバベル」をリリース予定。
シナリオ担当は野島一成氏、サウンド担当は崎元仁氏など豪華クリエイターを起用したスマホ向けRPG。これが業績回復のきっかけとなるか注目です。
新作リリースに加え、第3四半期は「白猫プロジェクト」「白猫テニス」の周年準備期間でもあるため、広告宣伝費は約6億円を予定しています。
なお、今期の業績予想は開示されていません。
画像出典元:「株式会社コロプラ」決算説明会資料
2019年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となり、上場以来初の赤字に転落しました。既存タイトルの売上高は年々減少し、「バクレツモンスター(バクモン)」をはじめとする新作も振るわず、売上高は98億4,800万円(前年同期比20.4%減)となりました。
従業員数に大きな変動はなく人件費は横ばいとなりましたが、創立10周年を記念した施策(コロプラフェス 2018等)に関連する費用が一時的に加算されたこと、新作本数が増加したことに伴う外注費の増加により、最終損益△3億7,600万円の赤字となりました。
売上高、営業利益ともに2016年上期をピークに年々下がっています。今四半期では営業利益率ががくんと下がり△2.0%となりました。
既存タイトル、新作ともに苦戦を強いられていますが、唯一「アリス・ギア・アイギス」を含む2018年度もの(他に「ツムツムランド」「DREAM!ing」)の売上が伸長しました。
海外においても2016年上期をピークに売上高が下がっていますが、ここ2年は横ばいで、コストを伴わない売上増により営業利益は増加傾向にあります。
株式会社コロプラは、2018年10月1日に創立10周年を迎えました。2003年に創業者の馬場功淳氏が位置ゲー「コロニーな生活」の運営を個人で始め、2008年に法人化しました。2012年12月に東京証券取引所マザーズに上場し、2014年4月に東京証券取引所第一部に市場変更。
10周年記念として特設サイトの開設、企業CMの放映、コロプラフェス2018の開催、10周年記念プレゼントクエストなどの施策を行いましたが、この10周年関連で計上した一時的なコストは約4億円に上ります。この費用も赤字転落の要因の一つとなっています。
今後は、引き続き「新しい遊び方の提案」と自社IP派生もの、他社IPものの開発に注力するとしています。
画像出典元:「株式会社コロプラ」決算説明会資料
営業黒字転換!3Qは消費増税と暖冬の影響を受けた「RIZAPグループ」の第3四半期決算
セ・リーグに所属する球団運営会社とその親会社の決算をまとめてみました!
出版社発マンガアプリサービスを中心に急成長する「Link-U」の第2四半期決算
事業拡大期で黒字を継続している「ツクルバ」の第2四半期決算
マザーズ上場へ!電子マネー決済やQRコード決済等、消費者ニーズに合わせた決済手段を提供「GMOフィナンシャルゲート」の第21期決算
世界最速でiPS細胞の具現化を目指すバイオベンチャー「ヘリオス」の通期決算
インフルエンサーマーケティングやMimiTVも好調の「トレンダーズ」の第3四半期決算
マザーズ上場へ!「ヒト.モノ.コト」の正しさを認証、セキュリティシステムで証明、サービスの信頼性を支える「サイバートラスト株式会社」の第19期決算
LINEがグループで300億円出資を決定!巣ごもり消費で需要拡大が期待される「出前館」の第2四半期決算
最終27億円の赤字!新型コロナ追い討ちで資金繰りが悪化している「ペッパーフードサービス」の通期決算