株式会社アカツキの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/11/05

執筆: 山中恵子

売上高28%増!『ロマンシング サガ リ・ユニバース』が牽引した「アカツキ」の第2四半期決算

2020年3月期 第2四半期 累積業績

  • 売上高:156億1,600万円(前年同期比+28.3%)
  • 営業利益:60億6,500万円(前年同期比+14.4%)
  • 経常利益:60億200万円(前年同期比+14.5%)
  • 四半期利益:38億5,800万円(前年同期比+1.9%)

モバイルゲーム事業を手がける「アカツキ」の決算を見ていきます。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し売上高28.3%増、営業利益14.4%増と堅調に推移しています。これは、モバイルゲーム事業、ライブエクスペリエンス事業ともに好調に推移したことによるものです。

なかでも、2018年12月にリリースした株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」が貢献。「ロマンシング サガ リ・ユニバース」は2019年5月に1,500万ダウンロードを突破し、ストアセールスランキングで1位を獲得するなど、モバイルゲーム事業の新たな収益の柱へと成長を遂げました。

また、9月にリリースした欅坂46・日向坂46応援[公式]音楽アプリ「UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)」は、リリース初日にストアセールスランキングで最高7位を獲得するなど、好調な滑り出しに。10⽉9⽇付けで200万ダウンロードを達成しています。

ライブエクスペリエンス事業のうんこミュージアムも好調で、上海への進出が決定しました。

一方、営業利益は累積では増益ですが、第2四半期では投資を進めたため前年同期比で減益となっています。また、四半期純利益は、減損損失6億5,000万円を計上したことなどにより前年同期比1.9%増にとどまっています。

【グラフ】ゲーム/⾮ゲーム別収⽀推移


「Buddy」を設立

アカツキは10月2日、PvP(Player versus Playerの略で、対人戦のゲーム)特化型カジュアルゲームスタジオ「Buddy」を設立したと発表。


「Buddy」公式サイト

本スタジオの開発タイトル第⼀弾として、HTML5をベースに開発したFacebookインスタントゲーム「TRiPAL」の配信を開始しました。

なお、業績予想については開示されていません。

画像出典元:「株式会社アカツキ」決算説明資料

 

 

2020年3月期 第1四半期 累積業績(19年8月更新)

  • 売上高:67億6,300万円(前年同期比+42.8%)
  • 営業利益:24億6,300万円(前年同期比+70.9%)
  • 経常利益:24億2,300万円(前年同期比+71.5%)
  • 四半期純利益:15億9,700万円(前年同期比+63.0%)

モバイルゲーム事業を手がける「アカツキ」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の売上高は+42.8%成長、利益面ではすべての項目で2桁増益となっています。

「ドラゴンボールZドッカンバトル」の大型イベントがあった前四半期に対しては減収減益となったものの、前年同期に対しては大幅な増収増益を達成しています。モバイルゲームで失速する企業が多いなか、アカツキの既存タイトルは底堅く推移しています。

【グラフ】四半期推移

収益の柱は「ドラゴンボールZドッカンバトル」ですが、2018年12月にリリースした「ロマンシング サガ リ・ユニバース」も好調に推移し、モバイルゲーム事業の新たな収益の柱へと育っていきそうです。

オリジナルタイトル「⼋⽉のシンデレラナイン」はTVアニメが4⽉から放送開始され、ゲーム以外でのファン創出に期待がかかります。

ライブエクスペリエンス事業(LX事業)では、2019年3月にオープンした「アソビル」がオープン後約3ヶ月間で来館者数が100万人を突破。特に、「うんこミュージアム」は⼤きな反響を得、ダイバーシティ東京プラザでの横展開も決定しました。

アカツキの売上高の9割はゲーム関連ですが、徐々に非ゲーム関連での売上が伸びてきました。ただし、非ゲーム関連ではまだ利益は出ていません。

費用面では、⾃社IPのアニメ化関連費⽤や新規タイトル等の開発費⽤が増加。アソビルの本格稼働により従業員が増加し、人件費も増加しています。

財政面では、現預⾦236億5,000万円と潤沢です。

投資の成果

アカツキはこれまで、Heart Driven Fundを通じて複数社のスタートアップに投資しています。2018年11⽉の開始以降、現在までの投資総額は約17億円。7月31日には、投資先第⼀号の上場として、株式会社ツクルバが東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。

また、eスポーツにも投資していますが、こちらは苦戦しています。League of Professional esportsは体制を縮⼩。

⼀⽅で、⽶国のeスポーツ領域のスタートアップ2社に少額投資を既に実施しています。今後も、eスポーツを注⼒領域として取り組んでいくとしていますが、いずれも海外。eスポーツ後進国である日本での投資はやはり難しいのでしょうか。

なお、業績予想については開示されていません。

画像出典元:「株式会社アカツキ」決算説明資料

 

 

2019年3月期 通期決算

  • 売上高:281億3,000万円(前期比+28.3%)
  • 営業利益:136億3,500万円(前期比+29.4%)
  • 経常利益:135億200万円(前期比+28.9%)
  • 当期純利益:78億5,800万円(前期比+29.2%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し大幅な増収増益となりました。売上⾼・営業利益ともに前期比約+30%と⼤きく成⻑し、過去最⾼を更新しました。営業利益率は前期比で0.5ポイント上昇し、48.5%となりました。

既存タイトルの継続成⻑と新規タイトルのヒットにより、主力事業であるモバイルゲーム事業が好調に推移しました。

なかでも、主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」と株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」が牽引しました。

【グラフ】ゲーム/⾮ゲーム別収⽀推移

【ゲーム関連】
  • 売上収益:268億2,700万円
  • セグメント利益:176億8,300万円
【非ゲーム関連】
  • 売上収益:13億円
  • セグメント損失:△39億8,100万円

各セグメントの業績

アカツキの主な事業はモバイルゲーム事業ですが、リアルな体験を提供するLX事業やその他事業も展開しています。売上の95%がゲーム関連です。

モバイルゲーム事業

モバイルゲーム事業は、既存タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」と新規タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」が牽引しました。

  • 「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」(バンダイナムコエンターテインメントより配信)

2015年に配信を開始した「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の国内外での人気はいまだ衰えず、2018年には全世界で2億5000万ダウンロード突破という驚異的な数字を記録。国内外で実施した2億5000万DLキャンペーンイベントや周年イベントなどが好調に推移しました。

また、台湾⼦会社の体制を強化した結果、特に海外が成⻑しました。

  • 「ロマンシング サガ リ・ユニバース」(スクウェア・エニックスと共同開発)

23年ぶりとなる「ロマンシング サガ」完全新作の新規ゲームアプリ「ロマンシング サガ リ・ユニバース」を12月にリリース。初月に1,000万ダウンロードを突破し、ストアセールスランキングも最高2位を獲得するなど順調な滑り出しとなりました。

リリース後も毎⽉のイベント時にストアセールスランキング10位以内にランクインし、好調を維持しています。

LX事業

ライブエクスペリエンス事業(LX事業)においては、リアルエンターテインメント領域への取り組みを積極的に行いました。

テクノロジーを活⽤した新しい体験創出の場として「アソビル」を3⽉15⽇にオープン。「うんこミュージアムYOKOHAMA」はオープンより約1ヶ⽉で来場者数5万⼈を突破しました。

なお、2017年11月にこの領域におけるオリジナルコンテンツ創出を目的として買収した2社(株式会社ASOBIBA及び株式会社アプト)を2018年4月1日に経営統合し、株式会社アカツキライブエンターテインメントとして、当連結会計年度より連結子会社化しています。

新興・融合・その他

新興/融合領域においては、 eスポーツ領域への投資をはじめとして複数のトライを実施しました。

協業を通じた取り組みの例としては、⾯⽩法⼈カヤック(株式会社カヤック)と共同で⼿掛けた体験型コンテンツ「うんこミュージアムYOKOHAMA」。

投資を通じた取り組みの例としては、アーティスト・クリエイターといった個⼈への投資や、企業とのコラボレーションなど柔軟かつ幅広いアプローチでの価値創出を⽬的としてHeart Driven Fundを⽴ち上げました。

2020年3月期 業績予想

2020年3月期の業績予想は開示されていません。ゲーム事業・LX事業は不確定要素が多いことに加え、新興/融合領域で様々なチャレンジを実施していくため、合理的な見込みを算出することが困難であるとのことです。

ゲーム事業においては新規タイトル3本のリリースを計画。LX事業においては「アソビル」を軸に、コンテンツの価値・ブランド⼒を⾼めることに注⼒していく予定です。

アカツキの事業内容

アカツキという社名は「世界に夜明けを」という意味で、日本語の「暁」が由来。

共同創業者である塩田元規氏と香田哲朗氏が出会ったのは、株式会社ワークスアプリケーションズのインターンシップに参加したことがきっかけ。一緒に課題に取り組む間に意気投合し、ゲームの力を通して世界を幸せにしたいという思いで2010年、ゲームの開発・運営を行う株式会社アカツキを創業。

「サウザンドメモリーズ」などのゲームがヒットし、2015年に配信を開始した「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」でさらに急成長。2016年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。同年、LX(ライブエクスペリエンス)事業を開始し、翌2017年に東京証券取引所市場第一部へ市場変更。

何事にも「ワクワクする」ということを軸にチームづくりや事業に向き合っているのがアカツキの特徴の一つです。

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モバイルゲーム事業

心が動くワクワク体験を届けるゲームの開発・運営

 

【主なタイトル】

  • ロマンシング サガ リ・ユニバース
  • 新テニスの王子様 RisingBeat
  • アイドルマスター SideM  LIVE ON ST@GE!
  • 八月のシンデレラナイン
  • ドラゴンボールZ ドッカンバトル
  • サウザンドメモリーズ
  • シンデレライレブン
  • シンデレラナイン
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ライブエクスペリエンス事業(LX事業)

ワクワク・感動するリアルな体験を提供

 

  • アソビル(ASOBUILD):複合型体験エンターテインメントビル
  • PONG!PONG!:卓球アクティビティ
  • SOTOASOBI(そとあそび):アウトドア・レジャーの予約サービスアプリ
  • ASOBIBA:サバイバルゲームフィールド
  • hacocoro:パーティクリエイションサービス
  • DAIGOMI:チーズレストラン
  • goody:ケータリングサービス
  • ARCHERY HUNT等

【今期オープン予定】

  • PITCH CLUB
  • PuChu!(プチュウ)
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新興・融合・その他

協業や投資を通じ、新たな価値創出にトライ

 

【具体例】

  • 他社と共同でコンテンツやゲームの開発
  • eスポーツへの投資、スタートアップ投資
  • 東京ヴェルディへの出資

画像出典元:「株式会社アカツキ」決算説明資料・公式HP

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年2月更新)

  • 売上高:185億9,600万円(前年同期比+16.4%)
  • 営業利益:83億200万円(前年同期比+5.0%)
  • 経常利益:82億3,700万円(前年同期比+5.0%)
  • 四半期純利益:57億7,500万円(前年同期比+2.0%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。これは主に、株式会社スクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」の貢献及びLX事業(ライブエクスペリエンス事業)の利益改善によるものです。

第3四半期の売上高は64億円、営業利益は30億円となりました。前四半期比では減収減益となりましたが、12月は売上高・営業利益とも単月で過去最高となりました。

費用は、「ロマンシング サガ リ・ユニバース」のリリースに伴い関連費用が増加しました。従業員推移は、ゲーム関連・非ゲーム関連人員ともに増加し、ここ1年で従業員数は1.8倍に増加しました。

各セグメントの業績

国内ゲーム事業は、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」((株)バンダイナムコエンターテインメントより配信)において年末に開始した映画との連動イベントが好調で、ストアセールスランキング1位を獲得しました。

「ロマンシング サガ リ・ユニバース」

「ロマンシング サガ リ・ユニバース」は12月6日にリリースされ、初月に1,000万ダウンロードを突破し、ストアセールスランキングも最高2位を獲得するなど順調な滑り出しとなりました。

海外ゲーム事業は、第3四半期において大型イベントがないことが影響し減収減益となりました。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は引き続き好調です。

LX事業は、第2四半期に「Wowful」の提供を終了したことにより利益が改善しました。

「√Letter ルートレター」のハリウッド映画化

子会社であるAkatsuki Entertainment USAは、映画制作の第一弾として株式会社角川ゲームスのミステリーアドベンチャーゲーム「√Letter ルートレター」をハリウッドで映画化することを発表しました。

「√Letter ルートレター」は、島根県を舞台に15年前の文通相手を探して謎を解くミステリーアドベンチャーゲームです。アカツキとしての投資額は数億円程度となる見込みです。

東京ヴェルディ株式会社への出資

既存株主からの株式譲渡により東京ヴェルディの株式を取得し、東京ヴェルディを関連会社化しました。また今シーズンに引き続き、東京ヴェルディの2019シーズンから2021シーズンにおけるコーポレートパートナー契約を締結しました。

今後、東京ヴェルディの運営をサポートするため、運営メンバーの派遣を行う予定です。アカツキのエンターテインメント事業における知見を活かし、東京ヴェルディの事業をサポートし、より多くのファン、サポーターに愛されるチームを目指していく予定です。

コーポレートパートナー契約及び出資に伴う拠出額が2019年3月期連結業績に与える影響は軽微です。

画像出典元:「株式会社アカツキ」決算説明資料

 

 

2019年3月期 第2四半期 累積業績

  • 売上高:121億7,300万円(前年同期比+19.0%)
  • 営業利益:53億100万円(前年同期比+5.0%)
  • 経常利益:52億4,100万円(前年同期比+4.7%)
  • 四半期純利益:37億8,800万円(前年同期比+4.8%)

2019年第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。主力タイトルである株式会社バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が売上を牽引しました。

第2四半期単体の売上高は74億円、営業利益は39億円となり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。

従業員推移は第1四半期では非ゲーム関連の人員が大幅増でしたが、第2四半期ではゲーム関連の人員が微増となりました。

各セグメントの業績

国内ゲーム事業は過去最高に迫る水準となりました。全世界2億5,000万DL突破!!地球まるごと!大激突キャンペーンにより「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が国内ゲーム事業の好調を大きく牽引しました。

「八月のシンデレラナイン」「アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE!」「新テニスの王子様 RisingBeat」も好調に推移しました。

海外ゲーム事業

「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の海外リリース3周年イベント及び2.5億ダウンロード記念イベントの実施により、海外ゲーム事業は過去最高の四半期売上高・営業利益を達成しました。


LX事業ーリアルエンターテインメント事業

ライブエクスペリエンス事業(LX事業)は、アカツキライブエンターテインメント及びSOTOASOBIの事業成長により売上高が過去最高に達しました。

LX事業におけるリアルエンターテインメント事業では実施イベントにおいて参加者から非常に高い満足度を獲得し、リアルコンテンツ運営のノウハウの蓄積が進みました。

一方、LX事業におけるプラットフォーム事業では投資の選択と集中を進め、2017年に提供を開始した、体験やイベント・施設の検索予約サービス「Wowful(ワオフル)」の提供を9月30日をもって終了しました。

eスポーツ領域への投資開始

プロスポーツチームのeスポーツ部門が参加するeスポーツリーグ「LPE」を設立・運営するスペインのPROFESSIONAL ESPORTS LEAGUE(PEL社)の株式を300万ユーロ(3億8,300万円)で取得し、子会社化しました。

eスポーツ市場は、2022年にはグローバルで約30億ドル(約3,300億円)規模にまで成長するとみられており、特に海外市場が非常に魅力的な市場になると予想されています。

今回出資を行ったPEL社が運営するLPEは、複数のスポーツ種目におけるプロスポーツチームのみが参加する唯一のeスポーツリーグです。既にFCバルセロナやサントスFCなどのプロスポーツチームが参加を表明しています。

アカツキのこれから

ゲーム事業においては、今後も既存タイトルへの投資を継続していくとのこと。

また、23年ぶりとなる「ロマンシング サガ」完全新作の新規ゲームアプリ「ロマンシング サガ リ・ユニバース」(株式会社スクウェア・エニックス配信)の共同開発について発表。10月10日より開始した事前登録では登録者数40万人を突破しました。

eスポーツ領域においては、プロスポーツチームが参戦する強みを活かし、eスポーツリーグとして世界最大のオープンプラットフォームを目指すとしています。

画像出典元:「株式会社アカツキ」決算説明資料

会社概要

会社名 株式会社アカツキ(Akatsuki Inc.)
事業内容 モバイルゲーム事業、ライブエクスペリエンス事業
所在地 東京都品川区上大崎2-13-30 oak meguro 8階
設立日 2010年6月
代表 塩田 元規
資本金 27億1,900万円
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