株式会社ベネッセホールディングスの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/08/29

執筆: 山中恵子

営業黒字転換!介護・保育事業が収益の柱となった「ベネッセホールディングス」の第1四半期決算

2020年3月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:1,088億5,100万円(前年同期比+4.7%)
  • 営業利益:1億5,000万円
  • 経常利益:△4億6,900万円 
  • 四半期純利益:△15億9,700万円

進研ゼミをはじめとする教育、語学、介護・保育事業を展開する「ベネッセホールディングス」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し増収増益、営業利益は黒字に転換しています。最終15億9,700万円の赤字となりましたが、前年同期から赤字幅は縮小しました。

増収の主な要因は、国内教育事業、グローバルこどもちゃれんじ事業、介護・保育事業の増収、及びClassi、EDUCOMの連結子会社化が寄与したことによるものです。

営業利益は、国内教育事業と介護・保育事業における増収による増益等により、前年同期22億7,000万円の赤字から黒字に転換。

セグメント別の業績

セグメント別の業績をもう少し詳しく見ていきましょう。

  • 国内教育事業

「進研ゼミ」で価格改定と延べ在籍数増加による増収、及びClassi、EDUCOMを連結子会社化したことが寄与し、前年同期比7.2%の増収。

一方、利益面では、増収による増益等により損失が半減したものの、12億5,900万円の赤字に

  • グローバルこどもちゃれんじ事業

台湾で延べ在籍数減少による減収があったものの、中国と国内の「こどもちゃれんじ」で価格改定による増収があったことにより、前年同期比4.9%の増収に。

一方、営業利益は、中国における販売コスト増、及び国内事業において販売費の投下時期を早めたこと等により、前年同期比27.0%の減益に。

  • 介護・保育事業

高齢者向けホーム及び住宅数を前年同期比8ホーム拡大し、入居者数が順調に増加。前年同期比で増収増益となり、当四半期では圧倒的な収益の柱となっています。

  • ベルリッツ事業

為替換算時のマイナス影響に加え、中国からの留学生の減少等によるELS事業(留学支援事業)の減収、及び北欧の語学教育事業のフランチャイズ化による減収により前年同期比6.5%の減収。

利益面は、コスト削減により損失が縮小したものの、13億3,400万円の赤字に。

以上、国内教育事業とベルリッツ事業は赤字、グローバルこどもちゃれんじ事業は増収減益、介護・保育事業は増収増益と、事業別では介護・保育事業が好調です。

なお、通期業績予想に変更はありません。

画像出典元:「株式会社ベネッセホールディングス」決算補足資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年6月更新)

  • 売上高:4,394億3,100万円(前期比+1.1%)
  • 営業利益:162億4,500万円(前期比+28.7%)
  • 経常利益:121億5,000万円(前期比+31.3%)
  • 当期純利益:49億200万円(前期比△60.5%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し増収、営業利益は大幅な増益となったものの最終利益は前期比△60.5%となりました。

国内教育事業、グローバルこどもちゃれんじ事業、介護・保育事業が好調に推移し、TMJ譲渡により剥落した売上高やベルリッツ事業の赤字等を吸収。

当期純利益は、前期においてTMJの株式譲渡による子会社株式売却益126億円の計上があったこと等により、前期比△60.5%の減益となりました。

営業利益率は前期比0.8%増の3.7%、ROE(自己資本当期純利益率)は前期比4.4%減の2.9%に。

【グラフ】業績ハイライト画像出典:公式HP

ベネッセは、2014年に個人情報流出が発覚して以降、「進研ゼミ」の会員数が減少し、2015年3月期、2016年3月期と2期連続の赤字となりました。

とはいえ、一時期400万人を超えていた会員数は、個人情報流出以前から減少傾向にありました。

2017年より会員数は増加に転じていますが、2019年4月の国内通信教育講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数は274万人という目標に届かず262万人止まりに。

背景には少子化、「スタディサプリ」などのオンライン学習サービスへのシフト等があります。

中期経営計画では2020年度に300万人という目標を掲げていますが、今後は「会員数成長」から「利益成長」の戦略へ変更するとのことです。

画像出典:2018年3月期 定時株主総会プレゼンテーション資料

ベネッセは、「進研ゼミ」事業の再生と再成長に向けた施策に注力する一方、「進研ゼミ」依存の事業構造から、バランスのとれた収益構造を持つ事業ポートフォリオへの転換を目指し、「事業の選択と集中」に取り組んできました。

2017年にTMJの保有全株式をセコムに譲渡したのも、その一環です。

また、2018年度からは、5カ年の中期経営計画「変革と成長 Benesse2022」をスタートさせました。中期経営計画1年目の業績を詳しく振り返ります。

セグメント別の業績

国内教育事業(売上高構成比:43.7%)

  • 売上高:1,920億6,400万円(前期比+5.5%)
  • 営業利益:100億5,500万円(前期比+10.6%)

基幹事業である国内教育事業は、進研ゼミ、学校向け教育事業、学習塾事業、英語事業等それぞれ堅調に伸び、増収増益となりました。

進研ゼミの商品強化や、「GTEC(スコア型英語4技能検定)」関係の投資など教育改革に対する投資を行いましたが、増収による増益がこれらの投資を吸収しました。

グローバルこどもちゃれんじ事業(売上高構成比:12.8%)

  • 売上高:564億4,300万円(前期比+8.1%)
  • 営業利益:32億5,800万円(前期比+40.0%)

グローバルこどもちゃれんじ事業は、日本事業と中国事業が好調に推移し、増収増益となりました。

国内においては、「こどもちゃれんじ」の延べ在籍数が増加。中国においては、延べ在籍数が増加したことに加え、価格改定により増収となりました。

「しまじろうコンサート」等の周辺事業も順調に伸長しました。

一方、台湾の在籍数は減少。なお、2018年7月号から、インドネシアにおいて「こどもちゃれんじ」を開講しました。

介護・保育事業(売上高構成比:26.6%)

  • 売上高:1,169億9,900万円(前期比+4.6%)
  • 営業利益:113億9,600万円(前期比+28.8%)

2番目に大きなセグメントへと成長した介護・保育事業は、高齢者向けホーム及び住宅数を前期比6ホーム拡大し、入居者数が順調に増加し、増収増益となりました。

増収による増益に加え、前年に実施した処遇改善により社員の充足が進み人材委託費用が減少したこと等により大幅な増益となりました。

ベルリッツ事業(売上高構成比:11.2%)

  • 売上高:492億7,500万円(前期比△4.0%)
  • 営業損失:△47億4,800万円の営業損失(前期は△39億9,900万円の営業損失)

ベルリッツ事業は、中国等からの生徒の減少によるELS事業の減収、及び欧州等において語学レッスン数が減少し、47億円の赤字となりました。

2020年3月期の業績予想

2020年3月期の業績は、前期に対し増収増益となる見込みです。

  • 売上高:4,590億円(前期比+4.5%)
  • 営業利益:200億円(前期比+23.1%)
  • 経常利益:160億円(前期比+31.7%)
  • 当期純利益:95億円(前期比+93.8%)

ベルリッツ事業を除く全ての事業において増収増益を見込んでいます。

具体的な要因としては、「進研ゼミ」の延べ在籍数増加、ClassiとEDUCOMの連結子会社化の影響、「こどもちゃれんじ」の日本・中国の延べ在籍数の増加、介護・保育事業における延べ入居者増等。

ベルリッツ事業においては、構造改革を進めることで2021年3月期には黒字転換の予想。

中期経営計画では、2020年度(2021年3月期)に売上高5,000億円、営業利益350億円、営業利益率7.0%、ROE10%以上を業績目標と掲げているベネッセ、目標達成なるか注目です。

画像出典元:「株式会社ベネッセホールディングス」決算説明会資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 売上高:3,240億700万円(前年同期比△0.9%)
  • 営業利益:155億2,700万円(前年同期比△9.5%)
  • 経常利益:126億4,300万円(前年同期比△17.0%)
  • 四半期純利益:65億8,200万円(前年同期比△66.8%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となりました。

減収の主な要因は、TMJの全株式をセコムに譲渡したことに伴い売上高126億6,200万円が剥落したこと、東京教育研及びお茶の水ゼミナールの決算期変更、ベルリッツ事業の減収等によるものです。

減益の主な要因は、「進研ゼミ」の期初の商品強化と販売費の前倒しによる費用の増加、ベルリッツ事業の減収による減益、グローバルこどもちゃれんじ事業の減益等によるものです。

各セグメントの業績

国内教育事業とグローバルこどもちゃれんじ事業は増収減益、介護・保育事業は増収増益、ベルリッツ事業は減収減益となりました。介護・保育事業は好調に推移していますが、ベルリッツ事業は伸び悩んでいます。

介護・保育事業は、高齢者向けホーム及び住宅数を拡大し入居者数が増加したことにより前年同期比+5.4%の増収に、人材委託費用が減少したこと等により前年同期比+58.3%の増益となりました。

ベルリッツ事業は、米国への留学生が減少し、欧州等においての語学レッスン数も減少しています。ベルリッツ事業は30億円の営業赤字となりました。

ClassiとEDUCOMを連結子会社化

2019年1月8日付で、プラットフォームの開発・運営を行うClassi株式会社を連結子会社としました。

Classiは、株式会社ベネッセホールディングスとソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)の合弁会社として、2014年4月に設立されました。

「Classi(クラッシー)」は先生・生徒・保護者がつながる学習支援プラットフォームで、全国の小中学校・高校・専門学校・大学で活用されています。特に、高校領域において強みを持ち、全国の高校(約5,000校)の4割超となる約2,100校に導入され、国内トップクラスのシェアを誇ります。

スマートフォン/タブレット向け「Classi ホーム」を提供開始

さらに同日付で、Classi株式会社が公立小中学校向け校務支援システムの開発・販売を行う株式会社EDUCOM(本社:愛知県春日井市)を連結子会社としました。

EDUCOMは、「元気な学校づくり応援します。」という企業スローガンのもと、全国の小・中学校や教育委員会向けに教職員の校務の効率化を支援する統合型校務支援システム「EDUCOM(エデュコム)マネージャーC4th」をクラウド・オンプレミス双方で提供しています。

ClassiとEDUCOMは、「学習支援」×「校務支援」に関する教育サービスを共同提供する目的で戦略的パートナーシップを締結しました。

これにより、校務負荷の軽減と効率化を図り、先生が子どもたちと向きあう時間の確保につなげていきます。加えて、Classiの授業・学習支援系データとEDUCOMの各種校務系データとを連携・活用し、質の高いきめ細やかな学校指導サービスの提供を目指します。

ベネッセの事業内容

今期より、事業セグメントを従来の「国内教育カンパニー」「海外事業カンパニー」「介護・保育カンパニー」「語学カンパニー」の4区分から「国内教育事業」「グローバルこどもちゃれんじ事業」「介護・保育事業」「ベルリッツ事業」の4区分に変更しました。

1

国内教育事業

小学生から大学受験者までを対象とした通信教育事業、学校向け事業、学習塾・予備校事業、子ども向け英語教室事業等を行っています。

 

【主なグループ会社】

(株)ベネッセコーポレーション、(株)東京個別指導学院、(株)アップ、(株)東京教育研、(株)お茶の水ゼミナール、(株)進研アド、(株)ベネッセビースタジオ、ベネッセ教育総合研究所

2

グローバルこどもちゃれんじ事業

日本、中国、台湾、インドネシアで、幼児向けを中心とした通信教育事業等を行っています。

 

【主なグループ会社】

(株)ベネッセコーポレーション、倍楽生商貿(中国)有限公司

3

介護・保育事業

入居介護サービス事業(高齢者向けホーム及び住宅運営)、在宅介護サービス事業、介護研修事業、看護師及び介護職の人材紹介事業、保育園・学童運営事業等を行っています。

 

【主なグループ会社】

(株)ベネッセスタイルケア、(株)ベネッセMCM、(株)ベネッセパレット、(株)ベネッセシニアサポート

4

ベルリッツ事業

語学教育事業、ELS事業、グローバル人材教育事業等を行っています。

 

【主なグループ会社】

ベルリッツ コーポレーション

5

その他

【主なグループ会社】

(株)ベネッセコーポレーション、(株)ベネッセインフォシェル、(株)サイマル・インターナショナル

画像出典元:「株式会社ベネッセホールディングス」決算補足資料・公式HP

 

 

2019年第2四半期 累積業績(18年12月更新)

  • 売上高:2,147億6,600万円(前年比-3.1%)
  • 営業利益:86億7,500万円(前年比-25.5%)
  • 経常利益:68億4,600万円(前年比-32.7%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:30億2,800万円(前年比-51.1%)

2019年第2四半期連結累計期間の業績は、減収減益となりました。減収の要因は、(株)TMJの全株式をセコム(株)に譲渡したことに伴い、同社及びその子会社5社の前年同期の売上高126億6,200万円が剥落したことと、学習塾の決算期変更によるものです。

減益の要因は、「進研ゼミ」の期初の商品強化と販売費の前倒しによる費用の増加、ベルリッツ事業の減収減益等によるものです。

各セグメントの業績

国内教育事業は、「進研ゼミ」の延べ在籍数が増加したこと等により増収となりました。「高校講座」は伸び悩んでいますが、「こどもちゃれんじ」と「小学講座」は好調です。2014年に顧客情報の漏洩が発覚した後、会員数は減少しましたが、徐々に回復してきています。

次年度以降、教育改革の中で小学生に課せられるプログラミング教育を先取りしたプログラミング教材の受講希望者が多く、既に14万人利用しています。教育事業はマーケティング強化のため追加投資する予定です。

グローバルこどもちゃれんじ事業においても、国内の延べ在籍数が増加し増収となりました。

介護・保育事業は、高齢者向けホーム及び住宅数を拡大し入居者数が増加したことにより増収となりました。介護・保育事業は安定的に拡大しています。

ベルリッツ事業は、米国への留学生の減少等によるELS事業の減収、及び欧州と中南米において語学レッスン数が減少したことにより減収となりました。

画像出典元:「ベネッセホールディングス」決算説明会資料

会社概要

会社名 株式会社ベネッセホールディングス(Benesse Holdings, Inc.)
事業内容 持株会社・グループ全体の経営方針策定および経営管理等
所在地 岡山市北区南方3-7-17
設立日 1955年(昭和30年)1月28日
2009年10月1日持株会社化に伴い、「株式会社ベネッセコーポレーション」より商号変更
代表 安達 保
資本金 136億円
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