株式会社バンダイナムコホールディングスの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/09/09

執筆: 山中恵子

営業利益27%増!上期の業績予想を上方修正した「バンダイナムコホールディングス」の第1四半期決算

2020年3月期 第1四半期 累積業績

  • 売上高:1,592億5,100万円(前年同期比+5.5%)
  • 営業利益:228億3,000万円(前年同期比+27.6%)
  • 経常利益:238億2,900万円(前年同期比+22.2%)
  • 四半期純利益:169億2,400万円(前年同期比+15.6%)

玩具・模型の製造販売、家庭用ゲームの制作販売などを手がける「バンダイナムコホールディングス」の決算を見ていきます。

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し売上高は+5.5%成長、すべての利益項目で2桁増益となっています。第1四半期として過去最高の売上を達成。

売上を押し上げたのが、国内外でハイターゲット層(大人層)に向けた商品が好調だったトイホビー事業。ガンプラ(ガンダムのプラモデル)や、コレクターズフィギュアなどの商品が国内外で人気です。

今年はガンダム40周年、2020年にはガンプラ40周年を予定しており、国内外での需要はますます高まると予想されます。

利益を押し上げたのは、セグメント利益が前年同期比41.4%増となったネットワークエンターテインメント事業。

ネットワークコンテンツにおいて、新作タイトルが前年同期5本だったのに対し当第1四半期では1本だったことにより開発費および広告宣伝費が減少。また、家庭用ゲームにおいては、既存タイトルのリピート販売やフルパッケージ販売のダウンロード比率が56%と高い水準で推移。これらが要因で大幅な増益に。

グループ全体のIP別売上高は、1位 ドラゴンボール、2位 機動戦士ガンダム、3位 ワンピースですが、仮面ライダー、ウルトラマンも伸びています。

一方、リアルエンターテインメント事業は増収となったものの、新業態の展開強化や業務用ゲームにおいて新製品開発を行うなどして赤字に。

また、映像音楽プロデュース事業、IPクリエイション事業はともに減収減益となっています。

上期の業績予想を上方修正

業績好調により、上期の業績予想を利益のみ上方修正しました。なお、通期の業績予想は変更ありません。

【上期の業績予想】
  • 売上高:3,400億円 → 変更なし(前年同期比+1.6%)
  • 営業利益:310億円 → 400億円(前年同期比△9.0%)
  • 経常利益:315億円 → 410億円(前年同期比△10.5%)
  • 四半期純利益:230億円 → 290億円(前年同期比△15.2%)

上期は増収減益、通期では減収減益を見込んでいますが、バンダイナムコホールディングスの業績は堅調に推移しているので、通期の業績予想も今後上方修正される可能性も否定できません。

バンダイナムコ ホールディングスの株価推移画像出典元:グーグルファイナンス

株価も右肩がりです。国内外において変化が激しい市場環境が継続しているとはいえ、今後も底堅い業績が続くと期待されます。

画像出典元:「株式会社バンダイナムコホールディングス」補足資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年6月更新)

  • 売上高:7,323億円(前期比+8.0%)
  • 営業利益:840億円(前期比+12.0%)
  • 経常利益:868億円(前期比+15.2%)
  • 当期純利益:633億円(前期比+17.1%)

2019年3月期通期(2018年度)の業績は、前期に対し大幅な増収増益となりました。

各事業において主力IPや商品・サービスが好調に推移したほか、グループを横断した事業連携が効果を発揮し、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。

中期ビジョン「CHANGE for the NEXT 挑戦・成長・進化」を掲げた3ヵ年の中期計画1年目は、IP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」が奏功し、好調なスタートを切りました。

なお、IP戦略投資としては、IP創出や IPマーケティングへの投資を中心に60億円の投資を行ったとのこと。

IP別売上高は、2位の機動戦士ガンダムを大きく離し、ドラゴンボールが1,290億円と圧倒的No.1の売上となりました。

セグメント別の業績



トイホビー事業

  • 売上高:2,428億円(前期比+9.2%)
  • セグメント利益:217億円(前期比+50.0%)

トイホビー事業は、国内・アジアを中心に、ガンプラやコレクターズフィギュア、プライズ等のハイターゲット層(大人層)に向けた商品や、カード関連商品の売上等が好調に推移しました。

国内においては、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル、「ドラゴンボール」「仮面ライダー」「プリキュア」等の定番IP商品が好調に推移。

海外においては、アジア地域では「機動戦士ガンダム」「ウルトラマン」の商品等が人気となったほか、中国市場での事業展開を強化しました。

欧米地域では、コレクターズフィギュアや「ドラゴンボール」シリーズのカード商品等のハイターゲット層に向けた展開を推進しました。

 

ネットワークエンターテインメント事業

  • 売上高:3,409億円(前期比+4.4%)
  • セグメント利益:475億円(前期比△5.2%)

ネットワークコンテンツにおいては、「ドラゴンボール」や「ワンピース」等の既存主力タイトルが好調に推移し、第4四半期のネットワークコンテンツ売上高は四半期としては過去最高となりました。

家庭用ゲームにおいては、「SOULCALIBUR Ⅵ(ソウルキャリバー6)」「ACE COMBAT7: SKIESUNKNOWN(エースコンバット7:スカイズ・アンノウン)」「JUMP FORCE(ジャンプフォース)」等の新作タイトルが計画本数を上回ったほか、リピート販売が好調に推移。

 

リアルエンターテインメント事業

  • 売上高:1,014億円(前期比+12.1%)
  • セグメント利益:42億円(前期比+34.6%)

リアルエンターテインメント事業は、国内既存店の好調により見込みを上回りました。

業務用ゲームにおいては、「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」等の販売が好調に推移。アミューズメント施設においては、新業態の出店等が好調に推移しました。

 

映像音楽プロデュース事業

  • 売上高:455億円(前期比+11.9%)
  • セグメント利益:87億円(前期比+32.9%)

映像音楽プロデュース事業は、「アイドリッシュセブン」や「アイドルマスター」等のパッケージ販売や、ライブイベント関連の好調が継続しました。

 

IPクリエイション事業

  • 売上高:224億円(前期比+32.4%)
  • セグメント利益:50億円(前期比△4.6%)

IPクリエイション事業は、IPに係るライセンス収入の売上が見込みを上回りました。

「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!サンシャイン!!」「アイカツ!」シリーズ等の新作映像の公開を行い、話題喚起をはかり人気となりました。

 

2020年3月期の業績予想

2020年3月期は、ネットワークエンターテインメント事業における開発費・技術研究費等の増加などにより前期に対し減収減益となる見込みです。

  • 売上高:7,200億円(前期比△1.7%)
  • 営業利益:700億円(前期比△16.7%)
  • 経常利益:710億円(前期比△18.3%)
  • 当期純利益:500億円(前期比△21.1%)

2019年度は、スピーディなコンテンツへの投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」が始動します。

ALL BANDAI NAMCO での成長としては、映画公開に合わせて行われた「ドラゴンボール」の北米7都市ツアーに続き、7月のサンディエゴ・コミコンを皮切りに世界8都市でツアーを開催予定。

重点地区として位置付けている中国では、中国マカオ特別行政区(マカオ)にてVR事業を開始することを5月21日に発表。2019年秋に「VR ZONE MACAU」を開業予定です。

画像出典元:「株式会社バンダイナムコホールディングス」プレゼン資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 売上高:5,287億6,300万円(前年同期比+9.4%)
  • 営業利益:698億5,500万円(前年同期比+30.7%)
  • 経常利益:714億5,500万円(前年同期比+30.6%)
  • 四半期純利益:535億100万円(前年同期比+30.9%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。特に利益面では大幅な増益となり、同期間において売上高、営業利益ともに過去最高を更新しました。

主力IPや商品・サービスが好調に推移し、全ての事業において売上が拡大しました。

グループ全体のIP別売上高は、1位 ドラゴンボール、2位 機動戦士ガンダム、3位 ワンピースとなっています。ドラゴンボールは、国内外で不動の人気を誇っています。

ハイターゲット(高い年齢層)向けの「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルや「ドラゴンボール」シリーズのカード関連商品等が好調に推移しました。

家庭用ゲームでは、株式会社ディンプスと共同開発した新作タイトル「SOULCALIBUR VI(ソウルキャリバー6)」が順調なスタートを切りました。

中期計画1年目

今期は、「CHANGE for the NEXT 挑戦・成長・進化」というビジョンのもと、2018年4月よりスタートした3ヶ年の中期計画の1年目となります。

IP軸戦略の核となるIP創出に力を入れること、国内外の各地域で ALL BANDAI NAMCO で一体となり総合力を発揮していくことに注力する」としていますが、中期計画1年目としては順調なスタートを切ったと言えるでしょう。

国内では少子化傾向にあり、玩具やゲーム市場は先細りのイメージがありますが、ハイターゲット層向けの商品の開発やグローバル展開を積極的に行う戦略により成長を続けています。

2018年12月には、中国市場におけるトイホビー事業とリアルエンターテインメント事業展開を強化するため、子会社2社を中国に設立しました。

さらに2019年1月には、北米にトイホビー事業のハイターゲット層向け展開強化を目的とした子会社を設立しました。

業績予想を上方修正

業績好調により、2019年通期業績予想を上方修正しました。

  • 売上高:6,500億円→7,100億円(前期比+4.7%)
  • 営業利益:600億円→750億円(前期比△0.0%)
  • 経常利益:610億円→760億円(前期比+0.8%)
  • 当期純利益:430億円→540億円(前期比△0.2%)

新規IPの立ち上げ、ガンダム40周年に向けたプロモーション費用、グローバルでのECインフラ整備費用、家庭用ゲームの開発費コスト先行などの要因により、第4四半期は営業利益が前年同期を下回る見込みです。

通期では過去最高の売上高、営業利益は前年並みを目指します。

バンダイナムコの事業内容

バンダイナムコホールディングスは、「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループとなる」ことをビジョンに掲げ、2005年にバンダイとナムコが経営統合して設立されました。

合併直後は業績が低迷し、2009年には営業利益がほぼゼロとなりましたが、6年目からV字回復。それ以降、堅調に推移しています。

2019年3月期より中期計画の各戦略を推進するため、グループの組織体制の変更を行いました。

この組織体制見直しに伴い、トイホビー事業・ネットワークエンターテインメント事業・映像音楽プロデュース事業としていた報告セグメントを、トイホビー事業・ネットワークエンターテインメント事業・リアルエンターテインメント事業・映像音楽プロデュース事業・IPクリエイション事業に変更しました。

1

トイホビー事業

玩具、カプセルトイ、カード、菓子・食品、アパレル、生活用品、プラモデル、景品、文具などの企画・開発・製造・販売

 

中期ビジョン

突き破り創り出せ!そして世界を“あっ”と言わせよう! 

主幹会社:株式会社バンダイ

2

ネットワークエンターテインメント事業

ネットワークコンテンツの企画・開発・配信、家庭用ゲームなどの企画・開発・販売

 

中期ビジョン

存在感のある『世界企業』へ

主幹会社:株式会社バンダイナムコエンターテインメント

3

リアルエンターテインメント事業

アミューズメント機器の企画・生産・販売、アミューズメント施設の企画・運営などリアルエンターテインメント事業

 

中期ビジョン

いま、ここにしかないエンターテインメント体験を世界中に生み出す

主幹会社:株式会社バンダイナムコアミューズメント

4

映像音楽プロデュース事業

映像音楽コンテンツおよびパッケージソフトの企画・製作・販売、ライブエンターテインメント事業

 

中期ビジョン

映像・音楽・ライブ No.1企業グループへ

主幹会社:株式会社バンダイナムコアーツ

5

IPクリエイション事業

アニメーションの企画・制作、著作権・版権の管理運用、アニメ作品に係る音楽制作ならびに楽曲および原盤の管理・運用

 

中期ビジョン

アニメ制作会社からIPプロデュース集団への進化

主幹会社:株式会社サンライズ

画像出典元:「株式会社バンダイナムコホールディングス」補足資料・公式HP

 

 

2019年第2四半期 累積業績(18年12月更新)

  • 売上高:3,346億6,500万円(前年比+8.4%)
  • 営業利益:439億3,500万円(前年比+25.7%)
  • 経常利益:458億200万円(前年比+28.3%)
  • 親会社株式に帰属する四半期純利益:341億8,800万円(前年比+21.3%)

2019年第2四半期連結累計期間においては、前年同期および年初見込みを大きく上回り、上半期としては過去最高業績となりました。トイホビーと映像音楽プロデュースの業績が伸びたほか、各事業の主力IP(Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産)や商品・サービスが安定的に推移しました。

少子化が進む中、ただゲームや玩具を提供するだけでなく、キャラクターを軸にして戦略を立てる「IP軸戦略」をグループ一体となって取り組むことで売上を伸ばしています。中でも牽引しているのが、キャラクターではドラゴンボールと機動戦士ガンダム、商品ではハイターゲット層(大人層)向け商品です。

各セグメントの業績

トイホビー事業はハイターゲット層向けの強化が功を奏し、ハイターゲット層向けフィギュア・カードなどが好調です。特に、ガンプラ(機動戦士ガンダムシリーズのプラモデル)は国内だけでなく、中国を中心にアジアでも高い人気を誇っています。

同じくドラゴンボールもハイターゲット商材が⼈気で、欧米地域ではドラゴンボールのトレーディングカードゲームやコレクターズアイテムが好調です。

ネットワークエンターテインメント事業では、主⼒タイトルの好調が継続しました。今後は、eスポーツへの取り組みを強化します。

映像音楽プロデュース事業では、ラブライブ!サンシャイン!!、アイドルマスターシリーズの映像パッケージソフトや音楽パッケージソフト等が人気となりました。

今後は、 トイホビー・ネットワークエンターテインメント以外の事業についても中国市場に本格的に展開していく予定です。

画像出典元:「バンダイナムコ」補足資料・説明会資料

会社概要

会社名 株式会社バンダイナムコホールディングス
事業内容 バンダイナムコグループの中長期経営戦略の立案・遂行
グループ会社の事業戦略実行支援・事業活動の管理
所在地 東京都港区芝5-37-8 バンダイナムコ未来研究所
設立日 2005年9月29日
代表 田口 三昭
資本金 100億円
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