株式会社カカクコムの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/06/07

執筆: 山中恵子

営業利益率45.7%!食べログや求人ボックスが急成長した高収益企業「カカクコム」の通期決算

2019年3月期 通期決算

  • 売上収益:548億3,200万円(前期比+17.2%)
  • 営業利益:250億7,000万円(前期比+9.6%)
  • 当期利益:166億9,700万円(前期比+6.4%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し増収増益となりました。

増収の主な要因は、「食べログ」の飲食店販促事業、「食べログ」「価格.com」の広告事業、「求人ボックス」、および連結子会社カカクコム・インシュアランスの各事業における売上収益が増加したことによるものです。

営業利益においては、「食べログ」に係る広告宣伝費が増加したため、前期に対し増益となったものの達成率は99.5%となりました。

【グラフ】カカクコムグループ積上トラフィック

グループ全体の月間利用者数は年々増加し、2019年3月には2億7,118万人に。「食べログ」利用者の比率が圧倒的に多いですが、新興メディア・ソリューションの比率も徐々に伸びてきました。

営業利益率は45.7%と収益性も高く、売上・利益とも右肩上がりに成長しています。「価格.com」の伸びは頭打ちになってきましたが、「食べログ」が急成長。

加えて、新興メディア・ソリューションも急速に伸びています。カカクコムは、収益性といい、事業規模といい、インターネット・メディア分野で手堅く安定した成長が続いています。

各セグメントの業績

売上収益の内訳は

  • 価格.com:225億1,000万円(前期比+2.4%)
  • 食べログ:243億5,200万円(前期比+20.9%)
  • 新興メディア・ソリューション:62億5,000万円(前期比+81.5%)
  • ファイナンス事業:17億2,000万円(前期比+41.1%)

となりました。

全体の売上収益のうち80%超が「価格.com」と「食べログ」で占められますが、「食べログ」が順調に伸び、2019年3月期は「価格.com」を上回りました。

【グラフ】四半期別 売上構成の推移

詳細を見ていきます。

【価格.com】

「価格.com」は、サービス事業および広告事業が好調に推移しました。月間利用者数は2019年3月に5,615万人に。

ショッピング事業は、消費材の売上が減少した一方で、耐久財の売上が増加。消費財の流通総額は前期比で16.3%減少しました。

サービス事業は、金融、通信及び引越の各領域の売上が増加。広告事業は、家電、自動車メーカーに加えてスマートフォンメーカーの広告が増加しました。

【食べログ】

新プラン契約店舗数およびネット予約人数の増加により、飲食店販促事業の売上収益が増加。月間利用者数は1億1,917万人、有料サービス加入者数は100.3万人となりました。

飲食店販促事業は、3月時点で新料金プランの契約店舗数が37,100店舗に。また、ネット予約契約店舗の増加によりネット予約人数が順調に推移しました。

一方、ユーザー会員事業においては、有料サービス加入者数が減少

広告事業は、地方自治体、商業施設といった“施設・観光” 業種の取引額が拡大したことによりバナーおよび記事広告が大幅な増収となりました。

【新興メディア・ソリューション】

「求人ボックス」およびカカクコム・インシュアランスの各事業における売上が増加しました。新興メディア・ソリューションは急成長しています。

 

2020年3月期の業績予想

2020年3月期の業績は、前期に対し増収増益となる見込みです。

  • 売上収益:620億円(前期比+13.1%)
  • 営業利益:267億円(前期比+6.5%)
  • 当期利益:180億円(前期比+7.8%)

今後は、グループ全体の月間利用者数の増加および新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業の売上構成比20%を目指すとのこと。

また、事業規模拡大のためのオフィス増床に伴う費用が一時的に発生する予定です。

画像出典元:「株式会社カカクコム」決算補足説明資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 売上収益:398億8,400万円(前年比+19.1%)
  • 営業利益:181億9,600万円(前年比+12.4%)
  • 税引前利益:180億4,800万円(前年比+11.6%)
  • 四半期利益:121億1,200万円(前年比+9.7%)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:120億7,900万円(前年比+9.5%)

2019年第3四半期決算の業績は、増収増益となりました。
通期業績予想に対して、売上収益は76.7%、営業利益は72.2%の進捗率となっています。

各セグメントの業績

カカクコムは「インターネット・メディア事業」「ファイナンス事業」の2つのセグメントがあります。

インターネット・メディア事業はさらに「価格.com業務」「食べログ業務」「新興メディア・ソリューション業務」の3つに分別されています。

 

  • 価格.com業務

ショッピング事業は、消費財の流通総額の減少により消費材の売上が減収した一方で、耐久財が増収したため、売上収益は前年同期比0.4%増となりました。
サービス事業は、金融サービス比較や引越の事業者比較サービスが好調で、売上収益は前年同期比2.3%増。
広告事業は、記事広告やバナー広告が増加したため売上収益は前年同期比8.0%増となっています。

  • 食べログ業務

飲食店販促事業は、新規契約の獲得と旧料金プランから新料金プランの切替により12月時点で新料金プランの契約店舗数は35,100店舗と好調に増加しました。
またネット予約契約店舗の増加により、ネット予約人数が前年同期比+51.6%増の894万人と順調に進捗しました。その結果、売上収益は前年同期比29.3%増となっています。

広告事業は、飲食店と連携した企画型広告の収入が増加したため売上収益は前年同期比6.9%増となりました。

一方、ユーザー会員事業は、有料サービス加入者数の減少により売上収益は前年同期比2.2%減となっています。

  • 新興メディア・ソリューション業務

「キナリノ」の企画型広告収入が増加、「求人ボックス」のトラフィック増加に伴い手数料収入が増加したことで、売上収益は前年同期比105.8%増となりました。

  • ファイナンス事業

前期に引き続き、連結子会社のカカクコム・インシュアランスによる保険代理店業務において、生命保険・損害保険の申し込み数、広告収入が増加しています。売上収益は前年同期比44.2%増となりました。

2019年3月期の業績予想

第2四半期連結累計期間及び通期の連結業績予想に変更はありませんでした。

価格.com、食べログともに、引き続き堅調な成長を継続するとともに、新興メディア・ソリューション事業、ファイナンス事業の売上構成比を中期的に20%増を目指します。

 

 

2019年第2四半期 累積業績(18年12月更新)

  • 売上収益:256億4,500万円(前年比+18.4%)
  • 営業利益:116億8,300万円(前年比+11.3%)
  • 税引前利益:116億800万円(前年比+10.8%)
  • 四半期利益:76億8,100万円(前年比+7.4%)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:76億5,700万円(前年比+7.3%)

2019年第2四半期連結累計期間においては増収増益となり、上期業績予想に対して売上収益は106.9%、営業利益は102.2%を達成し好調な結果となりました。

好調な理由は、食べログの飲食店販促事業、食べログ、価格.comの広告事業及び新興メディア・ソリューションの既存事業の成長と新規連結によるものです。今期から売上収益は食べログが価格.comを上回るようになりました。

各セグメントの業績

価格.comショッピング事業では、家電・パソコンなどの耐久財の手数料収入が増加しました。価格.comサービス事業では、通信・金融サービス比較や引越の事業者比較が好調に売上を伸ばした一方、自動車関連サービス比較が減収しました。

食べログは飲食店販促事業が好調に進捗し、売上収益59億5,200万円と前年同期比+21.2%となりました。2018年9月には、月間利用者数(サイトを訪れた人をブラウザベースで数えた人数)は1億人を突破し、新料金プランの契約店舗数は3万店舗を超えました。今後は契約店舗数とネット予約人数をさらに拡大し、ネット予約ができるグルメサイトとしてNo.1を目指します。

新興メディア・ソリューション事業では、求人ボックス、キナリノ、スマイティが好調に売上を伸ばしました。

ファイナンス事業では、連結子会社(株)カカクコム・インシュアランスによる保険代理店業務において、生命保険及び損害保険の申し込み数、広告収入が増加しました。

今後は、主力事業の価格.com、食べログの安定した収益を確保しつつ、新興メディア・ソリューション事業とファイナンス事業の売上構成比を伸ばすことに取り組みます。

画像出典元:「カカクコム」決算説明資料

会社概要

会社名 株式会社カカクコム
事業内容 購買支援サイト「価格.com」、レストラン検索・予約サイト「食べログ」、その他旅行・不動産・保険等の口コミと比較サイトの運営など
所在地 東京都渋谷区恵比寿南3丁目5番7号 デジタルゲートビル
設立日 1997年12月1日
代表 畑 彰之介
資本金 9億1,600万円(2018年3月末 現在)
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