株式会社リンクアンドモチベーションの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/04/04

執筆: 山中恵子

売上・営業利益ともに過去最高を更新!HRテックで組織を改善する「リンクアンドモチベーション」の通期決算

2018年12月期 通期決算

  • 売上収益:399億4,100万円(前年比+8.3%)
  • 営業利益:38億2,500万円(前年比+13.7%)
  • 当期利益:19億1,800万円(前年比△8.5%)

2018年通期の業績は、売上収益・営業利益ともに過去最高を更新しました。組織開発ディビジョンのモチベーションクラウドの事業以外は予想を下回りましたが、「組織開発ディビジョン」「個人開発ディビジョン」「マッチングディビジョン」全てのセグメントにおいて増収増益を達成しました。

営業利益率は、前年9.1%から9.6%に向上しました。

一方、当期利益は、持分法適用会社であるインバウンドテック社の事業計画達成の遅れに伴い、持分法のれんの減損損失を4億円計上したため、前年比減となりました。

販売管理費は、業容拡大や本社移転などにより、人件費・地代家賃・販売関連費用等すべて増加しました。

各セグメントの業績

セグメントは、「組織開発ディビジョン」「個人開発ディビジョン」「マッチングディビジョン」に区分され、それぞれに事業KPIが設定されています。

KPIとはKey Performance Indicatorの略で、最終的な目標を達成するための過程を評価する指標です。

セグメント別 事業KPI

各セグメントのKPIは

  • 組織開発ディビジョン:モチベーションクラウド月会費売上・顧客粗利単価
  • 個人開発ディビジョン:受講者数 ・ 生涯単価(LTV※)
    ※ LTVとはLife Time Valueの略で、顧客が解約するまでの受講料の合計です。
  • マッチングディビジョン:稼働人数・紹介人数

となります。これを踏まえて各セグメントの業績を振り返ります。

組織開発ディビジョン

組織開発ディビジョンは、コンサル・アウトソース事業とイベント・メディア事業で構成されています。組織開発ディビジョンの業績は、以下のとおりです。

  • 売上収益:132億7,700万円(前年比+13.5%)
  • セグメント利益:87億8,600万円(前年比+19.9%)
(事業KPIの結果
  • モチベーションクラウド月会費売上:1億3,066万円(前年比+115%)

【グラフ】モチベーションクラウド月会費売上の推移

  • 顧客粗利単価:695万円(前年比+23%)

【グラフ】顧客粗利単価の推移

事業KPIとして定めている、モチベーションクラウド月会費売上・顧客粗利単価ともに順調に推移しました。

次に、組織開発ディビジョンにおける、それぞれの事業の業績です。

イベント・メディア事業は前年比減となりましたが、利益率の高いコンサル・アウトソース事業は好調に推移しました。

1. コンサル・アウトソース事業

収益性の高い「コンサルティング」、モチベーションクラウドを含む「会員・データベース」が大幅に伸長しました。

重点指標である、組織改善クラウドサービス「モチベーションクラウド」は2016年7月よりサービス提供を開始以降、順調に推移し、2018年12月末時点で累計導入件数は718件に達しました。

2018年12月単月における「モチベーションクラウド」の月会費売上は1億3,000万円を達成。2019年末には2億1,000万円の月会費売上を見込んでいます。

2. イベント・メディア事業

コンサル・アウトソース事業から受注していたイベント制作を意図的に大幅に減少させた一方で、グループ会社の加入により、IR系メディア制作が伸長したことで売上収益は前年比で微減、売上総利益は前年比減となりました。

個人開発ディビジョン

個人開発ディビジョンは、キャリアスクール事業と学習塾事業で構成されています。個人開発ディビジョンの業績は、以下のとおりです。

  • 売上収益:78億7,900万円(前年比+9.1%)
  • セグメント利益:29億8,300万円(前年比+19.0%)
事業KPIの結果)
  • 年間平均受講者数:17,830人(前年比+6%)
  • 12月時点でのLTV:46万2,754円(前年比+11%)

【グラフ】年間平均受講者数(左)とLTV(右)の推移

事業KPIとして定めている、年間平均受講者数・LTVともに順調に推移しました。

次に、個人開発ディビジョンにおける、それぞれの事業の業績です。

両事業とも好業績でしたが、特に学習塾事業は大幅に事業が拡大しました。

3. キャリアスクール事業

「プロシリーズ」「国家試験」「英会話」が順調に推移しました。なかでも「英会話」は、2017年4月よりグループインしたマンツーマン英会話教室の講座をオンライン化し、75を超える既存のキャリアスクールに展開したことで、売上が前年比+89.1%と大幅に増加しました。

4. 学習塾事業

中学受験生向け個別指導塾「SS-1」が2017年にグループインしたことにより、学習塾事業の教室数の展開が加速し、売上が前年比+54.7%と大幅に増加しました。

マッチングディビジョン

マッチングディビジョンは、ALT配置事業と人材紹介・派遣事業で構成されています。マッチングディビジョンの業績は、以下のとおりです。

  • 売上収益:201億600万円(前年比+3.8%)
  • セグメント利益:49億6,200万円(前年比+10.8%)
(事業KPIの結果)
  • 年間平均派遣稼働人数:5,472人(前年比+1%)
  • 年間紹介人数:1,552人(前年比+14%)

【グラフ】年間平均派遣稼働人数(左)と年間紹介人数(右)の推移

事業KPIとして定めている、働人数・紹介人数ともに堅調に推移しました。

次に、マッチングディビジョンにおける、それぞれの事業の業績です。

人材派遣事業が伸び悩んだものの、ALT配置事業は堅調に推移しました。

5. ALT配置事業

文部科学省が推進する「英語教育」の拡大を的確に捉え、堅調に推移しました。

6. 人材紹介・派遣事業

収益性の高い「外国人サポート」「動員・紹介」に注力したことにより、売上収益は前年比微減となりましたが、売上総利益は前年比+13.7%となりました。

2019年12月期の業績予想

  • 売上収益:425億円(前年比+6.4%)
  • 営業利益:45億円(前年比+17.6%)
  • 当期利益:25億7,000万円(前年比+33.9%)

2019年12月期は、売上収益・営業利益・当期利益全ての項目で過去最高の業績を見込んでいます。

リンクアンドモチベーションの事業内容

リンクアンドモチベーションは、2000年に創業した世界初の「モチベーション」にフォーカスした経営コンサルティング会社です。基幹技術である「モチベーションエンジニアリング」は、経営学、社会システム論、行動経済学、心理学などの学術成果を統合して生み出された独自の技術です。

社員のモチベーションを成長エンジンとする「モチベーションカンパニー」を実現するため、組織変革をワンストップでサポートしています。

また、M&Aを繰り返し、教育領域や人材領域などにも事業の幅を広げていきました。ベンチャー企業への支援も行っています。

1

組織開発ディビジョン

企業を取り巻くステークホルダー(社員・応募者・顧客・株主)との関係構築と関係強化を支援

 

コンサル・アウトソース事業

独自の診断フレームに基づいて組織のモチベーション状態を診断し、採用、育成、制度、風土など、組織人事にかかわる様々な変革ソリューションをワンストップで提供

 

従業員エンゲージメントを管理するためのクラウドサービス「モチベーションクラウド」の提供しています。

「モチベーションクラウド」のイメージ

 

「モチベーションクラウド」は月額従量課金モデルのビジネスであり、継続的に組織改善のためのPDCAをまわすことで従業員エンゲージメントの向上が期待できます。

 

導入企業一例

 

イベント・メディア事業

企業の“モチベーションカンパニー創り”をサポートするため、事業活動上での様々なコミュニケーションシーンにおけるイベントやメディアを制作

2

個人開発ディビジョン

小中高生から社会人を対象に、受験からプログラミング・資格・語学に至るまで、主体的・自立的なキャリア創りをトータル支援

 

キャリアスクール事業

  • 大学生や社会人を主な対象とした、パソコンスクールの「AVIVA」
  • 資格スクールの「DAIEI」
  • プログラミングスクールの「AVIVA PRO」
  • 外国語スクール
    「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」
    「ロゼッタストーン・プレミアムクラブ」
    「ハミング バード」

 

学習塾事業

  • 中高生向けの学習塾「モチベーションアカデミア」
  • 中学受験生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」
3

マッチングディビジョン

「求人ニーズのある組織」と「キャリアアップをしたい個人」のマッチング、企業や学校法人への人材紹介・派遣・配置によって支援

 

 ALT配置事業

全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負をサービスとして提供

 

 

人材紹介・派遣事業

  • 就職を希望している学生を企業の説明会や面接に接続させる新卒動員・紹介事業
  • 転職を希望している社会人を企業とマッチングさせる中途紹介事業
  • 販売員・事務員などの人材を派遣する派遣事業
  • 外国人雇用を促進したい企業に外国人の採用・育成・労務サポートをワンストップで提供
4

ベンチャー・インキュベーション

出資に加え、組織人事コンサルティングのノウハウなどを提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援

 

出資先の主な選定基準は

 

1. ”モチベーションカンパニー”創りへの共感

2. 株式上場を目指していること

 

の2点です。

 

出資先一覧

画像出典元:「株式会社リンクアンドモチベーション」決算説明会資料

 

 

2018年第3四半期 累積業績(18年11月更新)

  • 売上収益:298億7,500万円(前年比+10.3%)
  • 営業利益:30億4,200万円(前年比+30.0%)
  • 税引前利益:30億1,400万円(前年比+33.8%)
  • 四半期利益:19億3,900万円(前年比+28.8%)

2018年第3四半期連結累計期間においては増収増益となり、過去最高の業績を達成。全てのディビジョン(組織開発ディビジョン・個人開発ディビジョン・マッチングディビジョン)の収益性が向上したことで、営業利益は予想値を上回り、前年比+30.0%となりました。

各セグメントの業績

組織開発ディビジョンでは、組織改善クラウドサービス「モチベーションクラウド」の累計導入件数が2018年9月末時点で641件に達し、順調に推移しています。

「モチベーションクラウド」は、業界・規模を問わず、従業員とのエンゲージメント向上を目指す各業界のリーディングカンパニーからの支持が高まっています。

個人開発ディビジョンでは、キャリアスクール事業における「プロシリーズ」「国家試験」「英会話」が順調に推移しました。

特に「国家試験」は、働き方改革によって拡大する働く個人の余暇時間を背景に、「社労士」や「宅建」などの資格取得ニーズが向上しています。

マッチングディビジョンでは、全国の小・中・高等学校の外国語指導講師(ALT:Assistant Language Teacher)の派遣および英語指導の請負サービスを提供していますが、民間企業で圧倒的なNo.1シェアを確立しています。また、2020年に開催される東京オリンピックを見据えて英語教育市場は拡大傾向となっています。

画像出典元:「リンクアンドモチベーション」決算説明会資料

会社概要

会社名 株式会社リンクアンドモチベーション (Link and Motivation Inc.)
事業内容 モチベーションエンジニアリングによる企業変革コンサルティング
所在地 東京都中央区銀座 6-10-1 GINZA SIX 12F
設立日 2000年3月27日
代表 小笹 芳央(代表取締役会長)
坂下 英樹(代表取締役社長)
資本金 13億8,061万円 (2017年12月31日現在)
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