テクノロジーをベースとしたグローバルICT企業「富士通」の決算を見ていきます。
2020年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収となったものの、すべての利益項目で2桁増益となっています。
まずは、売上収益構成比から見ていきましょう。主力事業である法人向けのテクノロジーソリューションが8割近く占めています。なお、ユビキタスソリューションはパソコン、デバイスソリューションはLSIと電子部品で構成されています。
海外売上比率は前年同期38.3%から3.7ポイント低下し、34.6%となっています。
売上収益は、デバイス事業の再編や為替が円高に推移したことなどにより前年同期比で減収に。デバイスにおいて、前年同期に売却した半導体販売子会社及び電子部品事業子会社が連結対象外となったことが響きました。
再編ビジネスを除いた本業は、国内サービスとユビキタスが牽引し増収となっています。ユビキタスは、国内を中心にWindows7のサポート期限終了に対応したパソコンの買換え需要が大きく貢献。
営業利益は、国内サービスなどの増収効果や採算性の改善、費用減などにより前年同期比8割増と大幅な増益を達成しています。
費用減のうち、リソースシフト効果は150億円。
富士通は2018年に経営体制の見直しを発表。これに伴い、「成⻑に向けたリソースシフト」として、5,000名規模のリソースシフトによる成⻑領域の増強と、間接/支援機能の効率化、適正化に取り組んできました。リソースシフトの実施により、グループ外へのキャリア転進を希望する従業員は2,850名で、2019年3月31日付で退職しています。
この結果、ビジネスモデル変革の効果は年間で221億円となる見込み。なお、欧州のビジネスモデル変革は計画通り進んでいるとのことです。
富士通は1月30日、デジタルトランスフォーメーションを実現する新会社「Ridgelinez株式会社」を設立したと発表。事業開始は4月1日から。
あわせて、経営体制の見直しを発表。IT企業からDX企業への変革を加速するため、部門・BGレベルで体制を再編していくとしています。
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)とは、「デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらすもの」と定義されています。
富士通はDXビジネスに、今後5年間で5,000億円の投資を実行していくそうです。
業績好調により、通期の業績を上方修正しました。
前回予想より、売上収益500億円、営業利益400億の増額修正。これは、国内ビジネスが好調なことに加え、採算性の改善によるものです。
ICT分野において各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクト及び電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っています。
ICTとはInformation and Communication Technologyの略で、直訳すると情報通信技術。
IT(情報技術)とほぼ同義語ですが、ITは情報技術そのものを指すことに対して、ICTは通信技術を利用したコミュニケーションを指します。
ITは技術そのもの、ICTはその利用方法という違いがあります。
主要ビジネスは「テクノロジーソリューション」で、「ユビキタスソリュー ション」「デバイスソリューション」については、子会社が中心となって最先端のテクノロジーを駆使した製品の開発、製造、販売、サービスの提供を行っています。
主として法人向けにITを活用したビジネスソリューション(ビジネス最適化)をグローバルに提供しています。
①ソリューション/ SI
②インフラサービス
①システムプロダクト
ITシステムを構築するサーバ(メインフレーム、UNIX、基幹PCサーバなど)やストレージシステム、ミドルウェアなど
②ネットワークプロダクト
通信インフラを支える携帯電話基地局や光伝送システムなど
パソコン、携帯電話、モバイルウェアで構成されています。
LSI事業と電子部品事業で構成されています。
画像出典元:「富士通株式会社」プレゼンテーション資料・経営方針説明会資料
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