就職困難者向け就労支援サービス、発達障害のある子ども向け学習支援サービスを行う「LITALICO」の決算を見ていきます。
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し売上高は+10.1%成長したものの、営業利益、経常利益は2桁減益となっています。
増収となった要因は、すべての事業が好調に推移したことによるものです。セグメントごとの売上高は、LITALICOワークス事業が31億9,800万円(前年同期比8.8%増)、LITALICOジュニア事業が28億2,300万円(前年同期比8.7%増)、その他事業が6億1,300万円(前年同期比24.9%増)とすべての事業が成長。
営業利益については、人件費や広告宣伝費等が前年同期比で増加したことに加え、新事業である福祉施設向けサービス事業、家族向けサービス事業への先行投資が響き、2桁減益に。
純利益は特別利益を計上したことにより、前年同期比で増益となっています。
当第2四半期連結累計期間の新規拠点開設数は、就労移行支援事業5拠点、児童発達支援事業6拠点、学習教室事業2拠点、その他(LITALICOワンダー事業)3拠点。その結果、LITALICOワークス事業(障害者就労支援)79拠点、LITALICOジュニア事業(発達障害児教育)108 拠点、LITALICOワンダー事業(プログラミング教育)15拠点となりました。
通期の業績予想に変更はありません。下期では、既存事業においては新規出店を継続し、新事業においては投資を拡大しながらも、7期連続の増収増益を見込んでいます。
画像出典元:「株式会社LITALICO」決算説明資料
就職困難者向け就労支援サービス、発達障害のある子ども向け学習支援サービスを行う「LITALICO(リタリコ )」の決算を見ていきます。
2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し売上高は+8.3%成長したものの、営業利益・経常利益は2桁減益に。純利益は特別利益を計上したことにより、前年同期比で+41.8%と大幅な増益となっています。
事業別に見ても、LITALICOワークス事業、LITALICOジュニア事業、その他事業すべてにおいて前年同期比で売上高が伸長しています。
一方、営業利益は販売費及び一般管理費の増加に加え、その他事業が1億円の赤字となったことにより大幅な減益に。
純利益が大幅増となったのは、2019年4月1日に子育て情報メディア Conobie 事業を株式会社 NTTドコモに譲渡し、特別利益2億4,060万円を計上したことによるものです。
新規出店は順調に進んでおり、当第1四半期連結累計期間において、就労移行支援事業3拠点、児童発達支援事業2拠点、その他(LITALICOワンダー事業)1拠点を新規に開設しています。
なお、営業利益の進捗率は18.3%ですが、通期の業績予想について変更はありません。
2019年3月期通期の業績は、前期に対し増収増益となりました。
一般就労等を希望する障害者等を対象とした「LITALICOワークス事業」の強化や業務効率の改善、発達障害がある児童を対象とした「LITALICOジュニア事業」への投資を継続しました。
なお、2018年3月期は単体実績、2019年3月期は連結実績ですが、連結と単体の差は軽微のため、両者を比較しております。
LITALICOワークス事業、LITALICOジュニア事業、その他事業すべてにおいて、既存拠点及び新規開設拠点が順調に推移し、すべてのセグメントで増収増益となりました。
【グラフ】事業拠点数推移
当連結会計年度の新規開設数は、LITALICOワークス事業8拠点、LITALICOジュニア事業4拠点、その他(LITALICOワンダー事業)3拠点となり、全186拠点へ。
2019年4月には、“聞こえ”の課題の解決に向けた革新的なスマートデバイスを開発する韓国のスタートアップ企業 「Olive Union, inc.」の持分法適用会社化を決定。
Olive社は、2016年7月に創業。世界中の“聞こえ”の課題の解決に向けて、スマートフォン連携を前提に設計され、高性能で安価、さらにデザイン性にも優れた革新的なスマートデバイス「Olive」を開発しています。
米国のクラウドファンディングでの先行販売で、約9,000台(約1億円)を受注、目標金額の1,600%以上の資金を集め、話題となりました。
追加投資も予定しています。
スマートデバイス「Olive」
経常利益には、Olive Unionの持分法投資損失△1億8,000万円が含まれています。
また当期純利益には、2019年4月に株式会社NTTドコモへ事業譲渡した、子育て情報メディア「コノビー」の売却益による特別利益2億2,000万円が含まれています。
7期連続の増収増益を計画。
今期は、25拠点(前期比+10拠点)の新規出店を計画しています。2020年3月期に全211拠点を目指します。
画像出典元:「株式会社LITALICO」決算説明資料・公式HP
2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。これは、LITALICOワークス事業、LITALICOジュニア事業、その他事業すべてにおいて既存拠点及び新規開設拠点が順調に推移したことによるものです。
当第3四半期連結累計期間の新規拠点開設数は、就労移行支援事業6拠点、児童発達支援事業1拠点、放課後等デイサービス事業1拠点、学習教室事業1拠点、その他(LITALICOワンダー事業)3拠点となりました。
株式会社LITALICOライフの事業内容
LITALICOは非連結子会社であった株式会社LITALICOライフを今期より連結の範囲に含めました。
2019年第1四半期より四半期連結財務諸表を作成しているため、2018年の数値及び対前年増減率は記載されていませんが、連結と単体の差は軽微であるため両者を比較した数字を算出しました。
通期の予想は以下のとおりです。
既に経常利益及び純利益においては通期予想を上回る業績となっていますが、下期に新規事業への積極的な投資を実行予定のため業績予想は据え置かれています。
LITALICO(りたりこ)の社名の由来は、日本語の"利他"と"利己"を組み合わせた造語です。
「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、2008年より就労移行支援事業を、2011年より教育事業を開始し、障害のある当事者に直接届ける店舗サービスを展開し拡大させてきました。その知見を一般教育分野にも応用し、2014年にはIT×ものづくり教室を開始しました。
現在、店舗サービスとしては「LITALICOワークス」「LITALICOジュニア」「LITALICOワンダー」を展開しており、2018年には事業拠点数が173拠点となっています。
LITALICOワークスは、働くことに困難のある方向けの就労支援サービスです。
身体障害・知的障害・精神障害のある方に限らず、発達障害や難病のある方など幅広い方に利用いただける環境を整えています。
2018年3月時点で拠点数は66拠点、登録者数は3,685名となっています。2019年には74拠点を目指しています。
LITALICOジュニアは、学ぶことに困難がある子ども向けのオーダーメイド学習教室です。
専門の講師がいるため、勉強が苦手な子どもや、友達との関わりが苦手な子ども、自閉症、ダウン症、LD、ADHD、広汎性発達障害などの診断を受けている子どもも安心して通うことができます。
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの福祉サービスも利用できます。2018年3月時点で拠点数は98拠点、生徒数は8,575名となっています。2019年には拠点数100を目指しています。
LITALICOワンダーは、子ども・小学生向けのプログラミング教室・ロボット教室です。
「考える、つくる、伝える」をテーマに、プログラミングやロボット、3Dプリンターを活用したデジタルファブリケーション、デザインなど、最先端のものづくりを横断的に学ぶことができます。
2018年3月時点で拠点数は9拠点、生徒数は2,200名となっています。2019年には拠点数12を目指しています。
さらに、2015年にはネット事業を開始し、子育て情報メディア「Conobie」、発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」をリリース。2018年には、働くことに障害のある方の就職情報サイト「LITALICO仕事ナビ」をリリースしました。
今後は、これらの確立されたインターネットプラットフォームを起点にして、障害分野でのトータルソリューションを提供していき、さらに福祉事業者へのサポートや障害のある子どもの家族のライフプランニングにも挑戦していくとしています。
画像出典元:「株式会社LITALICO」公式HP
2019年第2四半期連結累計期間は、既存拠点の稼働が順調で大幅な増収増益となりました。
上半期は、就労移行支援事業4拠点、児童発達支援事業1拠点、放課後等デイサービス事業1拠点、その他(LITALICOワンダー事業)3拠点、新規出店をしました。
LITALICOワークス事業、LITALICOジュニア事業、その他事業ともに既存拠点及び新規開設拠点が順調に推移したことにより収益が拡大しました。
障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わることになり、障害者雇用率を2018年4月に2.2%、2020年度末までに2.3%への引き上げが決定。
また、公立小中学校のうち「通級指導」の2017年度の設置学校数は昨年対比で15.5%増加し5,283校に、対象者は10万8,946人で過去最高を更新するなど発達障害への社会認知が進んでいます。
このような背景から、障害者就労支援・発達障害児教育はますます需要が拡大していくでしょう。さらに、今後は当事者だけでなく、家族や施設対象のサービスも展開していきます。
画像出典元:「株式会社LITALICO」決算説明会資料
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