クックパッド株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/03/25

執筆: 山中恵子

レシピサイト一強の時代はもはや終わった!?大幅な減収減益となった「クックパッド」の通期決算

2018年12月期 通期決算

  • 売上収益:118億7,600万円(前期比△11.4%)
  • 営業利益:16億6,400万円(前期比△69.1%)
  • 税引前当期利益:14億4,900万円(前期比△74.3%)
  • 当期利益:4億700万円(前期比△88.3%)

2018年通期の業績は、前期に対し大幅な減収減益となりました。減収の主な要因は、国内のクックパッドの会員事業のうち、dグルメをはじめとする通信キャリアとのレベニューシェアの売上収益が減少したこと、及び広告事業の売上収益が減少したことによります。

減益の主な要因は、人件費、業務委託費、広告宣伝費や地代家賃が増加したことに加え、のれん及び事業用固定資産の減損損失を6億3,700万円計上したことによるものです。

2018年度は、海外事業と動画事業を中心に積極的に投資を実施しました。

右肩上がりに成長し、高い営業利益率をキープしてきたクックパッドですが、2016年をピークに売上も株価も下降しています。クックパッドの内紛、及び他社レシピ動画サービスの成長時期と重なります。

売上が減少しても2017年度の営業利益率は40.2%と高いままでしたが、2018年度の営業利益率は14.0%と大幅に低下しました。

各セグメントの業績

クックパッドは、主に会員事業と広告事業で成り立っています。売上構成比は会員事業が7割、広告事業が3割弱ですが、両事業とも減収となりました。

会員事業

会員事業の収益は、プレミアム会員収入と通信キャリアと展開するレベニューシェアの売上収益で構成されています。会員事業の業績は、以下のとおりです。

  • 売上収益:84億7,100万円 (前期比△3.6%)

プレミアム会員収入は前期比2億6,000万円増加しましたが、レベニューシェアの売上収益が5億7,000万円減少しました。

レベニューシェアの売上収益が減少した要因については、dグルメの会員数が減少した、またはPV数が減少した等考えられますが、詳細については明らかにされていません。

プレミアム会員数は200万人を突破しました。海外の平均月間利用者数は好調に推移し、4,021万人となりました。レシピ数も、国内のレシピは305万品、海外のレシピは212万品と積み上がりました。

2018年12月末には展開国数71ヵ国、言語数26言語となり、特にロシア語圏やインドネシア語圏が好調に推移しています。

一方、国内の平均月間利用者数は2016年をピークにじりじりと減少しています。スマートフォンからの利用が拡大してきましたが、頭打ちになった模様です。

2016年ごろからは他社レシピ動画サービスが急成長していますが、クックパッドがレシピサイトNo.1であることには今も変わりありません。しかしながら、「レシピサイトといえばクックパッド」ではなくなっているのが現状です。

広告事業

広告事業の業績は、以下のとおりです。

  • 売上収益:32億6,700万円 (前期比△19.5%)

内部要因としては、サービス開発優先のための販売枠制限、営業体制の変化。外部要因としては、食品業界における広告資源のテレビCMや店頭販促へのシフトが挙げられます。その結果、前期に対し売上収益が7億9,000万円減少しました。

当第4四半期では若干収益が改善しましたが、ネットワーク広告・ディスプレイ広告・タイアップ広告すべてにおいて減少傾向となっています。

クックパッドのあゆみ

クックパッドの創業者は、現執行役兼取締役である佐野氏。1997年に有限会社コインを設立し、1998年に料理レシピの投稿・検索インターネットサービスである「kitchen@coin」を開始。翌年クックパッドに改称。

「毎日の料理を楽しみにする」を理念としたサービスであり、ユーザーのためという思いが強い佐野氏は、単純に広告を載せて収益化を図るというビジネスモデルを良しとせず、理念に合わない広告は載せないという姿勢を貫きました。

そのため、創業後はしばらく赤字が続くことになります。2007年、穐田氏がエンジェル投資家としてクックパッドに出資し、社外取締役に。2009年に上場を果たし、会員数も伸び、事業が軌道に乗ります。2012年に穐田氏が佐野氏の後継社長となって以降は、さらに急成長を遂げます。

しかし、事業の多角化を推進する穐田氏に創業者である佐野氏が反対姿勢を示し、内紛へと発展穐田氏は2016年に退任しますが、イメージ悪化は免れず株価は急落。売上もそれ以降、下降気味となっています。

穐田氏は現在、くふうカンパニー取締役会長となり、タレントの菊川怜さんと結婚されています。

クックパッドのこれから

通期業績予想は開示されていません。

2017年より10年間は、サービス開発、ユーザーベース獲得、ブランド構築に積極的に投資を行っていく予定です。海外に積極的に展開し、それぞれの国において圧倒的No.1のポジションを実現していきます。

また、従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めるとともに、優秀な人材の確保を目的として、ストック・オプション制度を導入することを発表しました。

再び成長軌道に乗ることができるか、今後の展開に注目です。

画像出典元:「クックパッド株式会社」決算説明資料・公式HP

 

 

2018年第3四半期 累積業績(18年11月更新)

  • 売上収益:88億円(前年比-13.4%)
  • 営業利益:20億円(前年比-50.4%)
  • 税引前四半期利益:20億円(前年比-54.8%)
  • 四半期利益:6億円(前年比-71.7%)

2018年第3四半期は、前年同期に比べて減収減益となりました。

減収の理由として、国内クックパッドの会員事業および広告事業の売上収益の減少が挙げられます。投稿レシピ数と海外の利用者数は増加傾向にありますが、国内の利用者数は減少し続けています。

また、人件費や業務委託費の増加、料理動画スタジオの開設により地代家賃の増加、為替差損の計上等が要因で営業利益も前年比-50.4%と大幅に減少しました。

「kurashiru」や「DELISH KITCHEN」などの動画レシピサイトへの顧客流入は著しいものです。遅れをとった形でクックパッドも動画事業に進出しましたが、今後は「cookpad storeTV」の事業をさらに加速させていく予定です。

会社概要

会社名 クックパッド株式会社(英文社名 : Cookpad Inc.)
事業内容 料理レシピ投稿・検索サービス『クックパッド』の企画・運営、その他関連事業
所在地 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー12F
設立日 1997年10月1日
代表 岩田 林平
資本金 52億8,456万8,000円(2017年12月末)
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