送料無料で公正取引委員会による立入検査を受けた「楽天」の決算を見ていきましょう。
業績ハイライトを見る限りでは好調に見えますが、2019年12月期通期の業績は前期に対し増収減益、最終318億8,800万円の赤字となっています。
まずは、売上収益構成比から見ていきましょう。売上収益の約6割が、楽天市場や楽天トラベルなどのインターネットサービス。なお、インターネットサービス(その他)には海外EC事業やスポーツ事業、投資事業が含まれています。
売上収益は、すべてのセグメントにおいて前期比で2桁増収を達成。これは、楽天市場をはじめとする国内ECや楽天カード等、既存事業が好調に推移したことによるものです。
営業利益は、国内ECにおける物流事業やモバイル事業への先行投資、Rakuten Rewards (Ebates) のリブランディング費用等が響き、前期比で約6割減と大幅な減益に。
また、持分法を適用しているライドシェア大手の米国リフト社に対する投資について、1,028億7,300万円の減損損失を計上したことにより、最終318億8,800万円の赤字に転落しました。
コアビジネスは順調に成長し、海外事業の収益も改善、楽天エコシステムも拡大する一方で年間ポイント発行数は3,200億ポイントとなったと胸を張る三木谷社長ですが、送料無料で公正取引委員会による立入検査を受けたり、携帯キャリア事業の進捗が遅れるなど問題も抱えています。
楽天は、3月18日より全店舗において3,980(税込)円以上は送料無料とする方針を打ち出していましたが、これに関して、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受けたと2月10日に発表。
三木谷社長は、もともと全体の約80%が送料無料注文であること、また大型商品は対象外とするなどルールを見直すことにより、本施策で影響を受ける注文は全体の約8%と小さいものであると説明。
名店舗の負担が増えないよう、店舗には自由に適正な商品価格の見直しを促しており、仮に今回の施策が原因で退店を検討する店舗に対しては、Amazonなどの外部の販売チャネルの案内支援や楽天市場出店料の払い戻しなど、できるだけの対応をしていくとしています。
優越地位の濫用とも言われていますが、合計金額のわかりやすさは消費者保護の観点からも必要であるとし、「送料無料」から「送料込み」に名称変更して予定通り3月18日より実施の方向です。
一方、公正取引委員会は2月28日、楽天に対する緊急停止命令の申立てを東京地方裁判所に対して行ったと発表。
公正取引委員会の排除措置命令があるまで「送料無料」と表示する施策など、出店事業者が一律に別途送料を収受し得ないこととなる施策を実施してはならないとの決定を求めました。
楽天による「共通の送料込みライン」の導入は、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、不当に取引の相手方に不利益となるように取引の条件を変更しているものであって、独占禁止法違反の疑いがあるというのが申立ての理由です。
これに対して楽天は、「本施策は法令上の問題はないものと考えている」とコメントしています。
それでは、セグメント別の業績を詳しく見ていきましょう。
主力である国内ECの流通総額が前期比13.4%増の3.9兆円に達するなど好調に推移しましたが、物流投資が続き増収減益に。
楽天は、配送業者による物量制限や配送料金値上げによる影響を緩和するため、自社物流網の整備・強化を行っています。2020年1月にはRakuten EXPRESS(楽天エクスプレス)の人口カバー率が61%となりましたが、楽天が自社物流網を整備・強化すればするほど、今まで配送を担ってきた配送業者の取扱量は減少していくことになるでしょう。
【グラフ】国内EC 四半期業績推移
なお、楽天市場流通総額における楽天カード決済比率は年々上昇しており、2019年12月には63.7%になりました。
フィンテック事業は、楽天カードが牽引し前期比で増収増益を達成。
楽天カード会員基盤の拡大に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長し、売上収益及び利益の増加に貢献したほか、銀行サービスにおいては、ローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加や事務の効率化等により売上収益及び利益拡大が続いています。
一方、楽天ペイメントは53億円の赤字、証券サービスにおいては、国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の減少等により減収減益となりました。
楽天カード会員数は1月に1,900万人を突破。5ヶ月で100万人増加し、100万人増加ペースは過去最高を達成。
【グラフ】楽天カード 四半期業績推移
なお、楽天ペイの月間決済者数は、2019年12月には4,600万人となりましたが、こちらは投資フェーズです。
モバイル事業は、MVNO事業の収益が堅調に拡大したものの、2019年10月より、音声・データ通信サービスを無償で利用できる「無料サポータープログラム」を約5,000名対象に開始したことに伴い、減価償却費、ローミング費用が発生し601億円の赤字に。
1月には、「無料サポータープログラム」において最大2万人の2次募集を開始しています。
【グラフ】モバイル 四半期業績推移
2020年12月期の業績予想は、具体的な数字は非開示となっていますが、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、2019年12月期比で2桁の成長率を目指すとしています。
通信基地局の建設状況は順調と強調している携帯キャリア事業においては、3月3日に料金プランの発表、4月に4Gサービス開始、6月に5Gサービス開始予定となっています。
計画通りとなるか、注目です。
画像出典元:「楽天株式会社」スライド資料
楽天市場をはじめ、楽天ペイ、楽天モバイルなどを展開する「楽天」の決算を見ていきます。
2019年12月期第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益、最終141億1,700万円の赤字で着地しています。
増収となった要因は、インターネットサービス、フィンテック、モバイル、すべての事業で2桁増収を達成したことによるものです。
なかでも、消費税増税前の駆け込み需要やキャッシュレス促進の影響もあり、 第3四半期では国内ECと楽天カードの売上収益が前年同期比でそれぞれ+24.6%、+22.4%と大きく成長。楽天カードの会員数は1,800万人を突破、楽天銀行の口座数は800万を突破、また消費税増税後には楽天ペイの利用者が急増しました。
そのほか、高収益事業である広告事業も成長しています。
一方、営業利益については、主に自社物流網の整備・強化、楽天ペイメントやモバイル事業への先行投資等により前年同期比で2桁減益に。モバイル事業は334億7,200万円の赤字です。
最終赤字となったのは、持分法を適用しているLyft社に対する投資について、株式の市場価格が著しく下落したため当第3四半期連結会計期間において1,028億7,300万円の減損損失を計上したことによるものです。
楽天は物流施設の拡充に注力しており、2021年以内に楽天市場におけるGMSカバー率は50%となる見通しです。また、来年年初から全店舗において3,980(税込)円以上は送料無料とする方針も打ち出していますが、これに対しては一部の出店者が反発。
モバイル事業においては「コアテクノロジー」「顧客獲得」「基地局開設」、この3つが揃えば3大キャリアの中に割って入っていけるだろうと三木谷社長は自信を見せていますが、一番コストと時間がかかる基地局開設は遅れています。
11月13日、「ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINE経営統合」という報道があり、翌14日には両社とも「協議を行っているのは事実」と認めました。これを受け、楽天の株価は下落。経営統合が実現すれば、ECや金融サービスなどで競争が激化していくでしょう。
なお、通期の業績予想に変更はありません。前期比で2桁成長を見込んでいます。
画像出典元:「楽天株式会社」決算スライド資料
インターネットサービスをはじめ、フィンテック事業、モバイル事業を展開する「楽天」の決算を見ていきます。
2019年12月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し売上収益は+14.5%成長、すべての利益項目で2桁増益となっています。同期間としては売上収益、営業利益ともに過去最高を更新。
売上収益は、インターネットサービス、フィンテック、モバイル、すべての事業で2桁成長。
営業利益は、主力サービスである国内ECとフィンテック事業は減益、モバイル事業は赤字となったものの、投資先企業である米国Lyft(リフト)社が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったことに伴い、第1四半期に有価証券評価益1,104億3,300万円を計上したことにより大幅な増益に。
なお、Lyft社を第2四半期より持分法適用会社としたことに伴い、有価証券評価損109億4,300万円を計上していますが、報告期間を統一することが実務上不可能であるため、Lyft社に関する持分法による投資損益は第3四半期より計上されるとのこと。
このほか、ぐるなび、および米国におけるモバイル通信分野のテクノロジーカンパニーであるアルティオスター社(Altiostar Networks, Inc.)も持分法適用会社に。また、光免疫療法を開発する楽天メディカル社は、第3四半期より持分法適用会社となる予定です。
第2四半期のグローバル流通総額は前年同期比+25.0%の4.5兆円となり、第1四半期の4.1兆円を合わせると上期のグローバル流通総額は8.6兆円に。今期もしくは来期には20兆円に達する見通しです。
セグメント別の業績を見る前に、楽天モバイルについて。
8月8日の決算説明会で、「10月のMNOサービスのローンチは規模を絞ったものとしている」と表明していたとおり、まずは5,000名を対象に、音声・データ通信を無償で利用できる「無料サポータープログラム」を10月より実施すると、9月6日に発表。
本プログラムは2020年3月31日まで提供予定となっていますが、安定稼動確認後、有料の正式なプランを2020年3月31日までには開始するとしています。この発表を受け、携帯キャリア事業への本格参入が遅れているとして、楽天の株価は急落。
携帯会社による価格競争が期待されていましたが、料金プランの発表もなく、肩透かしを食らったかたちとなりました。
楽天は既に、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークにおけるデータ通信の実証実験に成功しています。構築するネットワークを完全にクラウド上で稼働することにより、圧倒的にコストを抑えることができ、大容量、高速、多接続といったことが実現できるようになるとのこと。
三木谷社長は、「アマゾンが自社用のクラウドを作りAWSという形で展開し、今やクラウドからの収益が大きく占めるようになったことと同じようなことが、将来的には楽天でも起こるだろう」と。
9月6日の携帯キャリア事業説明会では「基地局建設は当初遅れていたが、現在は順調に進んでいる」と強調。また、eSIM対応の自社製スマホ「Rakuten Mini」も発表されました。本格参入の時期がいつになるのか、注目です。
それでは、上期のセグメント別業績をもう少し詳しく見ていきましょう。
主力サービスである国内ECは2桁増収となりましたが、物流への投資が続き、国内ECの営業利益は前年同期比18.6%減に。自社物流網の拡大に加え、送料体系の統一にも取り組んでおり、来年年初から全店舗において3,980(税込)円以上は送料無料とする方針を打ち出しています。
【グラフ】国内EC 四半期業績推移
大幅な増益となったのは、「その他」の投資事業に含まれるLyft社の有価証券評価益1,104億3,300万円によるものです。
一方、第2四半期における投資事業はLyft社の投資評価損284億円が響き、投資評価損は44億円となっています。
売上収益が2桁増収となった主な要因は、楽天カード会員増に伴うショッピング取扱高やリボ残高が伸長したほか、銀行サービスにおいてローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加によるものです。加えて、保険サービスにおいて楽天損害保険株式会社を完全子会社化したことも寄与。
【グラフ】楽天カード 四半期業績推移
楽天カード、楽天銀行、楽天証券の会員・口座数は右肩上がりに成長しています。
インターネット銀行を制するものは金融を制するとし、楽天は海外での銀行業務も積極的に展開しています。2017年には、ヨーロッパでの商業銀行業務を開始。2019年7月には台湾における銀行業認可を取得し、現在は米国での銀行業務の認可申請中です。
一方、証券サー ビスにおいて国内株式市場の伸び悩みによる手数料収入の減少や、楽天ペイメントへの投資が響き、フィンティック事業は前年同期比で減益となりました。
MVNOサービス「楽天モバイル」、メッセージング及びVoIPサービス「Viber」の売上収益は大幅に増加した一方で、携帯キャリア事業サービス開始に向けた実証実験や通信ネットワークの構築などへの投資が響き赤字に。
楽天モバイルは7月9日、9月1日を効力発生日としてDMM.comが運営するDMM mobile事業を買収しユーザーを引き継ぐと発表。これにより、契約数は220万回線になる見込みです。
【グラフ】モバイル 四半期業績推移
なお、2019年12月期の連結業績予想に変更はありません。株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、前期比2桁成長を目指すとのこと。
通信サービスにおいては、2019年10月の携帯キャリア事業開始に伴い、特定基地局開設等に係る関連費用の発生が見込まれます。
今期より、「インターネットサービス」「フィンテック」に加え、新たに「モバイル」セグメントを設け、3つの報告セグメントとしています。
インターネット・ショッピングモール「楽天市場」をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
【提供サービス】
インターネットを介した銀行及び証券サービス、クレジットカード関連サービス、生命保険サービス、損害保険サービス及び電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
【提供サービス】
通信及びメッセージングサービスの提供等を行う事業により構成されています。
【提供サービス】
画像出典元:「楽天株式会社」スライド資料・公式HP
2019年第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し大幅な増収増益となりました。
今期より、「インターネットサービス」「フィンテック」に加え、新たに「モバイル」セグメントを設け、3つの報告セグメントとしていますが、売上収益はすべての事業において堅調に推移しました。
大幅な増益となった要因は、3月29日に投資先企業である、米ライドシェア業界2位のLyft社が米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったこと等に伴い、有価証券評価益1,104億3,300万円を計上したことによるものです。
主力サービスである国内ECにおいては、国内EC流通総額が前年同期比+13.3%と大きく成長し、前期比2桁増収に。
一方、自社物流網の整備・強化や、海外子会社「Rakuten」ブランド認知度向上のための積極的な販促活動等の投資により国内ECは減益となりました。
なお、投資事業はインターネットサービスの「その他」に含まれるため、インターネットサービスは大幅な増収増益となりました。
フィンテック事業においては、楽天カードの会員基盤拡大や、銀行サービスのローン残高の伸長に伴う貸出金利息収益の増加等により増収。
一方、証券サービスにおいて国内株式市場の伸び悩みを背景とした手数料収入の大幅な減少や、12億円の赤字となった楽天ペイメントが響き、減益となりました。
モバイル事業においては、会員基盤の拡大により売上収益を伸ばしています。
一方、2019年10月のMNOサービス開始に向け店舗網等への投資を拡大していることから、64億2,500万円の赤字となりました。
さらに、2025年3月までに累計2,000億円の5G設備投資を予定しています。
具体的な数字は開示されていませんが、今期は、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については前期比2桁成長を目指すとしています。
2019年10月より、いよいよ楽天が携帯キャリア事業を開始します。
2017年12月に携帯キャリア事業への新規参入を表明した楽天ですが、先行き不透明感により株価は低迷。しかし2019年4月、総務省から第5世代移動通信システム(5G)の周波数帯を割り当てられたこともあり、期待感が広がりました。
また、熾烈を極めているキャッシュレス市場においては6月、楽天ペイとSuicaの提携が発表されました。2019年に入ってから株価が徐々に上昇している楽天、今後の株価の動向にも注目です。
画像出典元:「楽天株式会社」決算説明会資料
2018年連結会計年度の業績は、前期に対し大幅な増収増益となりました。売上収益、営業利益ともに過去最高を更新し、売上収益は初めて1兆円を超えました。
売上収益はインターネットサービス、FinTechともに堅調に推移しましたが、牽引したのはFinTechです。営業利益においてもFinTechは増益となりましたが、インターネットサービスは物流関連への投資や将来の成長に向けた先行投資が響き、減益となりました。
SPU(スーパーポイントアッププログラム)等の施策により、クロスユースが進みアクティブユーザーが増加した結果、楽天エコシステム(経済圏)のメンバーシップバリューは4.6兆円(前期比+10.5% )となりました。
国内EC流通総額の成長は2018年後半にかけて加速し、3.4兆円(前期比+11.2%)となりました。
国内EC流通総額とは、市場・トラベル(宿泊流通)・ブックス・ゴルフ・チケット・ブランドアベニュー・ドリームビジネス・ラクー・ビューティ・マート・デリバリー・楽天ダイレクト・カーライフ・クーポン・ ラクマ・楽天デリバリープレミアム・Rebates・Raxy・楽天西友ネットスーパー等の合計です。
セグメントは、インターネットサービスとFinTechの2つとなります。
インターネットサービスセグメントは、インターネット・ショッピングモール楽天市場をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営や、これらのサイトにおける広告等の販売、メッセージング及び通信サービスの提供、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
売上収益に占めるインターネットサービスの比率は、約7割となります。インターネットサービスの業績は、以下のとおりです。
主力サービスである国内ECにおいては、配送業者による物量制限、配送料金値上げの影響を受けたことを踏まえ、物流拠点の整備・強化を進めています。
投資事業においては、革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業への投資を進めており、それらの投資について株式評価損益を計上しました。
MVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「楽天モバイル」、メッセージング及びVoIPサービス「Viber(バイバー)」においても積極的な販促活動等が奏功し、売上収益が大幅に増加しました。
2019年1月18日時点で、楽天モバイル実店舗は422店舗となりました。
FinTechセグメントは、インターネットを介した銀行及び証券サービス、クレジットカード関連サービス、生命保険、損害保険サービス及び電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
売上収益に占めるFinTechの比率は、約3割となります。FinTechの業績は、以下のとおりです。
楽天カードの会員基盤の拡大により手数料収入が増加したほか、 銀行サービスの拡大等の貢献により売上収益及び営業利益が堅調に増加しています。
一方、2018年第3四半期連結会計期間に発生した西日本豪雨をはじめとした台風等の大規模自然災害に対する保険金支払等の発生により、 損害保険サービスにおいて営業損失を計上しました。
4月より、さらなる成長のため、新組織体制へと移行します。
2019年12月期の連結業績予想は、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益について、2018年12月期に比べ2桁成長を目指すとしています。
注力していく分野は、コマース事業、モバイル事業、決済事業、広告事業。
コマース事業においては、物流基盤・配送サービスの拡充を行う予定。
モバイル事業においては、米国におけるモバイル通信分野のテクノロジーカンパニーであるアルティオスター社と戦略的資本業務提携について合意。
決済事業においては、楽天ペイメント株式会社を4月に新設し、楽天ペイ(実店舗決済)事業、ポイントパートナー事業、楽天Edy事業、みんなのビットコインを承継させ、キャッシュレスペイメント事業をさらに促進させていくとのこと。
3月18日にリリースされた新楽天ペイアプリでは、すべての決済手段が単一のプラットフォームに統合。楽天のスマホ決済対応箇所は約300万箇所となりました。
広告事業では、2021年に広告売上2,000億円を目指した取り組みを行うとしています。
画像出典元:「楽天株式会社」決算説明会資料
事業の基軸であるインターネットサービスとFinTechが堅調に推移し、2018年累計の売上収益と営業利益は過去最高を記録しました。
第3四半期においても売上収益は2,782億円(前年比+17.7%)と過去最高を達成しました。一方で、災害に対する保険金支払や先行投資によってNon-GAAP 営業利益は521億円(前年比-9.9%)、IFRS 営業利益は439億円(前年比-14.9%)と減益となっています。
インターネットサービズセグメントにおいては、流通総額の成長に伴って売上収益も大幅に増加しました。MVNOサービス「楽天モバイル」、メッセージング及びVoIPサービス「Viber」も売上収益が大幅に増加しています。
FinTechセグメントにおいては楽天カード会員数が1,600万人を突破し、会員基盤の拡大により手数料収入が増加したほか、銀行サービスの拡大、好調な国内株式市場を背景とした証券サービスの貢献により、売上収益及び営業利益が堅調に増加しています。
今後はKDDI(株)との決済、物流、通信分野における事業協争に期待がかかります。
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