凸版印刷株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 武井彩菜

印刷テクノロジーに新テクノロジーを組み合わせ '社会的価値創造企業' を目指し続ける「凸版印刷」の第2四半期決算

2020年3月期 第2四半期決算

  • 売上高:7,126億2,100万円(前年同期比+2.1%)
  • 営業利益:162億6,200万円(前年同期比+51.1%)
  • 経常利益:155億1,100万円(前年同期比+13.2%)
  • 四半期純利益:690億3,500万円(前年同期比+739.5%)

2019年12月、東京都にCO2削減クレジット10万tを寄付した「凸版印刷」の決算を見ていきます。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となっています。

ペーパーメディアの需要が減少し、原材料価格の値上がりや単価下落など依然として厳しい経営状況が続く印刷業界。

しかし一方でSDGsの達成に向けた各企業の積極的な取り組みにより、包装材分野を中心に環境配慮型・サービスの需要は高まってきています。

このような環境下のなかで成長領域を定め、グループ連携を強化して「印刷テクノロジー」を進化させることにより事業拡大を目指す当社。

また新たな収益モデルを早期確立すべく、新規事業では積極的に経営資源を投入。

以上の結果、当期の売上高は前年比増収の7,126億円となりました。


凸版印刷とは

明治維新を出発点に日本が近代化への道を歩みだした1900年、凸版印刷合資会社を創立。

産業化が進みつつあった日本では、新技術を用いて新しいニーズに応える企業が続々と誕生し、トッパンの創業者たちは証券印刷やパッケージ印刷などの分野にビジネスチャンスを見出しました。

1910年代、産業化が進んだ日本の都市部では、百貨店ポスター・労働組合ポスター、情報の受け渡し手段など多岐に渡り、印刷物が大きな役割を果たすようになります。

その後の都市部でのさらなる大衆文化の発展は、印刷業界に大量生産と低コストが求められる時代の幕開けとなりました。

しかし1990年バブル崩壊後、世界的にIT化の普及が進み、印刷の縮小という危機的状況に陥ります。

そんな中、凸版は紙製飲料缶「カートカン」やホログラムに超微細文字を埋めこむ新技術「ナノテキスト」の開発など革新を続け、2007年に「世界で最も持続可能な100社」に選出(2008、2009年とあわせ3年連続選出)、2014年に経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選出。

更に2017年には経済産業省の健康経営優良法人認定制度における、特に優良な法人として「ホワイト500」に認定されています。

事業内容

創業以来培ってきた「印刷テクノロジー」をベースに、さまざまな事業展開を図り、現在では世界約160拠点で、約51,000人が働く企業グループへと発展。

事業内容は「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の大きく3分野に分けられます。

その中で2025年に向けて、最も社会価値を創出できる領域として、「健康・ライフサイエンス」「教育・文化交流」「都市空間・モビリティ」「エネルギー・食料資源」の4つの成長領域を設定

今後さらにグローバルビジネスフロンティアビジネスに挑戦していくことで、社会的価値の創造を目指しています。

また、デジタル革命によりパラダイムシフトした現代社会においては、長年培ってきた「印刷テクノロジー」に未来を変える新たなテクノロジーを組み合わせたトータルソリューションの開発と提供を行っています。

特にビジネスモデルの変革をけん引する「トッパン・デジタルトランスフォーメーション(T-DX)」においては、デジタルマーケティングや製造DXなどに注力し、ソフトとハードの両面から課題解決に貢献。

グローバル分野では、今後の人口増大に伴い市場の拡大が期待できるパッケージ、建装材分野と、技術的な優位性が発揮できるセキュア関連分野において事業拡大を図っています。

画像出典元:「凸版印刷株式会社」公式HP

会社概要

会社名 凸版印刷株式会社
事業内容 「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」および「エレクトロニクス事業分野」の3分野にわたり幅広い事業活動を展開。
所在地 東京都台東区台東1丁目5番1号
設立日 1900年
代表 麿秀晴
資本金 1,049億8,600万円

 

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