時価総額9兆円超、年収は2,000万円以上と言われる「キーエンス」の決算を見ていきましょう。
2020年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。同期間での減収減益は、リーマン・ショック後の不況直撃以来、10年ぶりのことです。
米中貿易摩擦の影響が続いており、海外売上比率の高いキーエンスにとっては痛手となりました。また、欧州でも設備投資需要に弱さが見られているとのこと。
一方で、営業利益率は50.1%と相変わらずの高収益企業であり、また自己資本比率は前年同期から1.9ポイント上昇し96.7%と盤石な財務基盤を維持しています。
なお、通期の業績予想は開示されていません。
キーエンスは、2018年6月にキーエンス財団を設立。社会に貢献する人材の育成に寄与することを目的とし、返済の必要のない奨学金による経済的支援を行っています。
電子応用機器の製造及び販売を行う「キーエンス」の決算を見ていきます。
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。
米中貿易摩擦の影響により海外では設備投資に慎重な動きがみられ、国内では輸出が減少。その結果、売上高は前年同期比で減少しました。営業利益は2桁減益、営業利益率は前年同期54.9%から4.8ポイント低下の50.1%となりましたが、相変わらずの高収益体質を維持。
キーエンスの株価推移
画像出典元:SBI証券
キーエンスは10月31日、 11月20日を基準日として普通株式1株を2株に分割すると発表。配当が実質2倍となることもあり、株価は急騰しました。
また同日、代表取締役の異動も発表されました。12月21日付で現取締役センサ事業部長兼事業推進部長の中田 有氏が代表取締役社長に就任するとのことです。
高収益、高年収企業として知られる、ファクトリー・オートメーション総合メーカー「キーエンス」の決算を見ていきます。
2020年3月期第1四半期の売上高は前年同期に対し6.0%減の1,346億7,200万円、利益面では全ての項目で2桁減となっています。
リーマショックを乗り越え、右肩上がりで成長してきたキーエンスですが、米中貿易摩擦の影響を受け、FA(ファクトリー・オートメーション)用センサーなどの販売が落ち込みました。製造業を中心として設備投資に慎重な姿勢はしばらく続きそうです。
とはいえ、高収益体質は変わらず、営業利益率は49.2%と高い利益率を維持しています。
2019年3月期 通期の業績は前期に対し増収増益となり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。販売体制の強化や新商品の売上が貢献し、国内・海外ともに好調に推移しました。
営業利益率は前期比1.5ポイント減の54.1%となりました。
売上高は、海外が国内を大きく上回っています。
通商問題や各国経済の先行き不透明感がある中、企画開発面ではマルチカラー同軸変位計やカメラ内蔵レーザ変位センサ等の新商品の開発を行い、営業面では人材の採用・育成や海外販売体制の強化に努めました。
財政状態も盤石です。
「平成の30年間で時価総額が拡大した企業ランキング」(松井証券作成)では、時価総額増加率6375%で日本電産に続き2位となりました。
一方、通期では最高益を叩き出しましたが、直近3ヶ月の第4四半期の業績(1-3月期)は前年同期に対し増収減益となりました。米中貿易摩擦による中国経済停滞の影響が出るか今後注目です。
なお、業績予想については開示されていません。
【グラフ】業績ハイライト
画像出典元:「株式会社キーエンス」公式HP
2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。
IR資料には「企画開発面での充実、営業面での強化を図った」としか記載がありませんが、業績は好調に推移しました。
営業利益率は54.6%。前年同期の55.2%から0.6ポイント低下しましたが、超がつくほどの高収益体質です。
変則決算が続き、業績推移がわかりづらいですが、公式HPの業績ハイライトによると、今期を含めここ10年、売上高・営業利益・純利益・営業利益率すべてにおいて右肩上がりに成長しています。
【グラフ】業績ハイライト
安全性・成長性・収益性・規模においてトップクラスのキーエンスは、東洋経済オンラインの「新・企業力ランキングトップ300社」で3位を獲得しました。(1位はヤフー、2位は東京エレクトロン)
その他、さまざまな評価をされています。以下はその一部です。
キーエンスの強みは、何といっても超がつくほどの健全経営、そして無借金であること。数字を見ると一目瞭然です。当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、以下のとおりです。
45カ国200拠点にグローバル展開し、25年間の平均成長率は10%超、過去5年間の海外事業の平均成長率は25%超となっています。
なぜ、これほどまでの高収益を生み出せるのか。
それは、キーエンスのビジネスモデルに秘訣があります。キーエンスのビジネスモデルの特徴は、「ファブレス経営」「企画開発力」「コンサルティング営業」の3点です。
ファブレス経営とは、自社工場を持たず、製造は他社に委託する経営手法です。生産設備への投資を抑えられるので、企画・開発・営業に集中できるというメリットがあります。
キーエンスは、商品の特性とマッチした技術、生産ラインを持つ工場を柔軟に選択し、国内と海外の協力会社に製造をアウトソースしています。世界情勢や市場の変化に左右されず、付加価値の高い商品を大量生産するため、ファブレスという経営手法を取り入れているのです。
ファブレス経営を取り入れることで生産体制を意識せずに柔軟な企画・開発が可能となり、結果、新商品の7割が「世界初」「業界初」という企画開発力を発揮しています。
そうして生まれた商品を販売する手法は、キーエンスならではの代理店を介さない直販体制。
代理店や販社を経由して届ける方法ではユーザーが抱えている課題やニーズをくみ取りにくいため、全世界に拠点を置き、代理店を介さない直販体制を整備。これがキーエンスの信頼関係を築く「グローバルダイレクトセールス」です。
商品を販売するだけの営業ではなく、専門知識を持った営業担当者が生産現場に足を運び、現場にある課題に対してFAで解決策を提案するコンサルティング営業を行っています。
実際に営業担当者が現場に足を運ぶことで、業界の市場やトレンド、需要を予測することができ、正確な需要予測と見込み生産を行うことで、オーダーのあった商品をその日のうちに届ける「全世界当日出荷」が可能になりました。
キーエンスはBtoB企業であるため一般には馴染みがないかもしれませんが、ファクトリー・オートメーション総合メーカーです。
ファクトリー・オートメーション(Factory Automation:FA)とは
ファクトリー・オートメーションとは、生産工程の自動化を図るシステムのことです。その中核をなすものがキーエンスの主力商品でもあるセンサです。
ライン上を流れるワークの数をカウントしたり、不良品を発見したり、人間の目や手で行ってきたことを各種センサを導入することにより自動化でき、生産性と収益力を飛躍的に高めることが期待できます。
キーエンスは1974年に設立以来、FA用センサをはじめ、測定器や画像処理機器などの付加価値の高い商品で“ものづくり”の現場を支え続けてきました。
現在では自動車や半導体、電子・電気機器、通信、機械、科学、薬品、食品など、取引のある企業は25万社以上にのぼります。
生産性向上、工程改善、自動化、品質向上、安全性向上、環境対策、省エネといった面で”ものづくり”の生産現場を支えていますが、海外では人件費高騰、国内では労働人口減少に備え、ますます需要が高まる見込みです。
なお、業績予想は開示されていません。キーエンスは、IRに積極的ではないというのも特徴の一つです。
画像出典元:「株式会社キーエンス」公式HP(グループ会社含む)
2019年第2四半期の連結業績は、売上高は前年比+17.3%で2,939億円、営業利益は前年比+16.6%で1,614億円、純利益は前年比+13.1%で1,137億円となりました。
ファクトリーオートメーション用の機器の製造・販売を行うキーエンスは、国内・海外の個人消費、設備投資が堅調に推移したことにより業績は好調です。
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