京セラ株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/05/10

執筆: 編集部

2期連続で売上高過去最高を更新!売上高2兆円を目指し、積極的な投資を行う「京セラ」の通期決算

2019年3月期 通期決算

  • 売上高:1兆6,237億1,000万円(前期比+3.0%)
  • 営業利益:948億2,300万円(前期比+4.5%)
  • 税引前利益:1,406億1,000万円(前期比+8.2%)
  • 四半期利益:1,032億1,000万円(前期比+30.4%)

2019年3月通期の業績は、前期に対し増収増益となりました。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ466億7,100万円(3.0%)増加の1兆6,237億1,000万円となり、2期連続で過去最高を更新しました。

ソーラーエネルギー事業の受注減により「生活・環境」の売上は減少したものの、前連結会計年度に実施したM&Aの貢献もあり、「電子デバイス」や「産業・自動車用部品」の売上が増加しました。

一方、利益は一時損失として、ソーラーエネルギー事業において、ポリシリコン原材料に関する長期購入契約の和解費用等523億1,300万円、有機材料事業において有形固定資産及びのれん等の減損損失161億8,400万円をそれぞれ計上しましたが、増収及び各部門での原価低減効果により、前連結会計年度に比べ増加しました。

各セグメントの業績

京セラのセグメントは、「産業・自動車用部品」「半導体関連部品」「電子デバイス」「コミュニケーション」「ドキュメントソリューション」「生活・環境」の6つに分かれています。

【表】2019年3⽉期 事業セグメント別売上⾼

生活・環境セグメントの売上が減少したものの、産業自動車用部品、電子デバイスの売上が増加。
半導体関連部品、生活環境事業が一時損失を計上したことで減益となりましたが、産業自動車用部品、電子デバイスの売上増加により、グループ全体では増収増益となりました。

以下、セグメント別に細かく見ていきましょう。

  • 産業・自動車用部品

売上高は前期比9.3%増の3,143億3,900万円、利益は増収及び原価低減により、22.5%増の384億5,000万円となり、増収増益となりました。

前連結会計年度に実施したM&Aにより、機械工具の売上が増加したことに加え、産業機械向けファインセラミック部品の売上が堅調に推移しました。事業利益率は前連結会計年度の10.9%から12.2%へ上昇しています。

  • 半導体関連部品

売上高は前期比3.1%減の2,492億1,700万円、利益は前期比64.8%減の109億3,200万円となり、減収減益となりました。

スマートフォン及び光通信用セラミックパッケージの売上が減少しました。また、有機材料事業において減損損失161億8,400万円を計上しています。事業利益率は前連結会計年度の12.1%から4.4%へ低下しました。

  • 電子デバイス

売上高は前期比19.6%増加の3,648億2,700万円、利益は前期比43.5%増の669億2,600万円となり、増収増益となりました。

前連結会計年度にAVXが実施したM&Aによる貢献に加え、スマートフォン向けセラミックコンデンサの売上が増加しました。事業利益率は前連結会計年度の15.3%から18.3%へ上昇しました。

  • コミュニケーション

売上高は前期比1.4%減の2,520億6,700万円、利益は前期比134.1%増の103億9,300万円となり、減収増益となりました。

エンジニアリング事業を中心に増収となったものの、通信機器事業は主に国内向け端末の販売台数の減少により、減収となりました。

一方、事業利益は、通信機器事業において低採算製品の縮小及び原価低減による収益性改善が進んだことから、増益となりました。事業利益率も前連結会計年度の1.7%から4.1%へ上昇しました。

  • ドキュメントソリューション

売上高は前期比1.1%増の3,751億4,700万円、利益は前期比6.6%増の435億2,800万円となり、増収増益となりました。

為替変動の影響はあったものの、複合機等の販売台数が堅調に推移したことに加え、M&Aの貢献もあり増収となりました。

また事業利益は、増収に加え、コスト低減や生産性向上により増益となり、事業利益率は前連結会計年度の11.0%から11.6%へ上昇しました。

  • 生活・環境

売上高は前期比28.6%減の801億1,400万円、利益は670億1,600万円の損失(前期は554億92百万円の損失)となり、減収減益となりました。

主な原因は、ソーラーエネルギー事業の売上が減少したことによるものです。ソーラーエネルギー事業において、生産拠点の集約等、原価低減に取り組んだものの、減収及びポリシリコン原材料に関する長期購入契約の和解費用等523億1,300万円を計上したことが影響しています。

2020年3月期 連結業績予想

  • 売上高:1兆7,000億円(前年同期比+4.7%)
  • 営業利益:1,400億円(前年同期比+47.6%)
  • 税引前利益:1,800億円(前年同期比+28.0%)
  • 四半期利益:1,250億円(前年同期比+21.1%)

2020年3月期の売上高は、3期連続で過去最高となる1兆7,000億円を予想。税引前利益も約3割の大幅増となる1,800億円を見込んでいます。

⽬標に向けての重点施策として、事業拡⼤に向けた積極投資の継続を掲げており、設備投資額、研究開発費は過去最高の見通しとなっています。

各セグメントの業績予想は以下の通り。

全セグメントで増収となる見通しですが、スマートフォン市場の伸び悩みが予想されることから増収率は1桁前半にとどまっています。
一方で機器・システム事業では、特にドキュメントソリューションや生活・環境事業の伸びを見込んでおり、急成長を見込んでいます。

京セラは、2021年3月期の目標として、売上高2兆円、税引き前利益率15%の達成を掲げています。
それに向けて「生産性向上やプロセス改革」と「社内シナジーの強化及び外部協業の加速」を挙げており、目標達成に向けた重点施策として「事業投資に向けた積極投資の継続」「生産性倍増プロジェクトの一層の推進」「ソーラーエネルギー事業の事業モデルの転換」の3つを柱に掲げています。

積極投資の継続の一つとして、注力分野でのM&Aを積極的に行っていくとしています。

また、設備投資額と研究開発費を合わせた事業への投資額は3年前の1,200億円台から大幅に増加し、今期は2,000億円を予想しています。

設備投資への一例として、19年4⽉に稼働開始したベトナムの「京セラドキュメントテクノロジーベトナム第3⼯場」、8⽉稼働開始予定の「⿅児島川内⼯場 20⼯場」など続々と増設予定となっています。

研究開発では、19年5⽉以降順次稼働予定の「みなとみらいリサーチセンター(横浜市⻄区)」、19年4⽉に再編した「けいはんなリサーチセンター(京都府相楽郡)」の2点に集約させ、研究開発のスピードアップを図るとしています。好⽴地を活かしたオープンイノベーションの推進及び⼈材獲得を狙っています。

他にも、自社設備の開発・製造の新拠点として「滋賀野洲⼯場 新⼯場棟」が2020年4月稼働開始予定となっています。
生産性倍増プロジェクトを加速させる重要拠点として、スマートファクトリーの早期実現に向けた取り組みを進めています。

ロボットやAIを活用した高度な生産設備を自社で開発・制作していくとし、新棟建設によって設備の開発・制作スペースを現在の2倍に拡張することで、別々の場所にある各部門を集約し、よりスピーディーな開発体制の確立を図っていく狙いです。

画像出典元:「京セラ株式会社」決算説明会資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 売上高:1兆2,144億1,700万円(前年同期比+6.1%)
  • 営業利益:605億7,600万円(前年同期比△44.1%)
  • 税引前利益:1,041億円(前年同期比△29.3%)
  • 四半期利益:794億1,900万円(前年同期比△14.7%)

 2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。売上高は、第3四半期連結累計期間としては2期連続で過去最高を更新しました。

「電子デバイス」や「産業・自動車用部品」の売上がいずれも2桁増となり、グループ全体の増収を牽引しました。

減益の主な要因は、ソーラーエネルギー事業において、ポリシリコン原材料に関するヘムロック社との長期購入契約の和解費用523億1,300万円を計上したことに加え、有機材料事業において、有形固定資産及びのれんに係る減損損失161億8,400万円を計上したことによるものです。

各セグメントの増減要因



1. 赤枠は好調

上記図の赤枠の「電子デバイス」「産業・自動車用部品」「ドキュメントソリューション」は増収増益となったセグメントです。前期から行ってきた積極的な投資やM&Aの効果が現れ、業績を伸ばすことができました。

2. 青枠は収益改善

青枠の「コミュニケーション」は、低採算製品の縮小を進めてきたことにより収益が改善しました。

通信機器事業では、採算面で課題のあった海外端末事業において収益性を重視するという方針のもと、期初からラインナップの見直しを実施しました。これにより携帯端末の販売台数が減少し減収となりましたが、収益は改善しました。

 3. 緑枠は一時的な損失計上

緑枠の「半導体関連部品」「生活・環境」では、一時的な損失の計上により大幅な減益となりました。

「半導体関連部品」は、光通信やスマートフォン用セラミックパッケージの需要減により減収となりました。有機材料事業においては、スマートフォン向け基板の需要低迷等により赤字となり、生産設備及びのれんを減損しました。

「生活・環境」では、ソーラーエネルギー事業の売上が減少しました。

2019年3月期業績予想

2019年3月期業績予想を下方修正しました。

  • 売上高:1兆6,000億円(前期比+1.5%)
  • 営業利益:760億円(前期比△16.2%)
  • 税引前利益:1,200億円(前同比△7.7%)
  • 当期利益:900億円(前期比+13.7%)

下方修正した主な要因は2点あります。

1点目は、主要市場での需要減スマートフォン市場の生産調整に加え、産業機械市場でも半導体製造装置用部品等での投資抑制の影響を受けています。また、「ドキュメントソリューション」では欧米市場での販売が、「生活・環境」ではソーラーエネルギー事業の売上が前回予想を下回る見通しです。

2点目は、第3四半期に計上した「半導体関連部品」での固定資産の減損損失の影響です。

当期の業績予想は下方修正しましたが、2期連続で過去最高の売上高を更新できる見通しです。

京セラの事業内容

京セラグループでは、素材から部品、デバイス、機器、さらにはサービスやネットワーク事業にいたるまで、多岐にわたる事業をグローバルに展開しています。

【部品事業】

1

産業・自動車用部品

  • ファインセラミック部品
    (例)SOFC(固体酸化物形燃料電池)で活躍するファインセラミックス
  • 自動車部品
  • 液晶ディスプレイ
    (例)安全運転支援に貢献するヘッドアップディスプレイ用液晶ディスプレイ
  • 機械工具
  • 光学部品
2

半導体関連部品

  • セラミックパッケージ・基板
    (例)水晶デバイスの小型化に貢献/高演色LED照明
  • 有機パッケージ・プリント配線板
  • 有機化学材料
3

電子デバイス

  • 電子部品
    (例)さらに広がるIoT端末の小型化を支える超小型水晶振動子
  • プリンティングデバイス

【機器・システム事業】

1

コミュニケーション

  • スマートフォン
    (例)TORQUE(トルク)
    ※「TORQUE」は京セラ株式会社の登録商標
  • タブレット
  • 携帯電話
  • IoT/M2M
  • 情報通信サービス (京セラコミュニケーションシステム)
2

ドキュメントソリューション

  • プリンター・複合機 (京セラドキュメントソリューションズ)
  • ソリューションビジネス (京セラドキュメントソリューションズ)
    ※世界で初めてドイツの環境ラベル「ブルーエンジェル」を取得
3

生活・環境/その他

  • ソーラーエネルギー関連(京セラ/京セラソーラーコーポレーション)
  • 医療用製品
  • 宝飾品・キッチングッズ
  • ホテル(京セラ興産)

【研究開発】

世界的な情報サービス企業であるクラリベイト・アナリティクスが企業や研究機関の中から「特許数」「特許の成功率」「グローバル性」「引用における特許の影響力」をベースに毎年100社選定する、「TOP 100 グローバル・イノベーター2017」を受賞。2014年から、4年連続の受賞となります。

京セラグループは、研究開発の成果である知的財産分野でも世界をリードしています。

画像出典元:「京セラ株式会社」説明会資料

 

 

2019年第2四半期 連結業績(18年10月更新)

  • 売上高:8,006億円(前年比+8.4%)
  • 営業利益:826億円(前年比+19.2%)
  • 税引前利益:1,057億円(前年比+16.4%)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:784億円(前年比+23.6%)

 

 

2018年3月期 通期決算

セグメント別の売上高(2018年)

地域別売上高の構成比(2018年)

売上高の推移

画像出典元:「京セラ」公式HP

会社概要

会社名 京セラ株式会社
事業内容 セラミックス製品、情報・通信機器、半導体及び環境製品
所在地 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6
設立日 1959年4月
代表 谷本 秀夫
資本金 1,157億300万円
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