三菱御三家の一つ「三菱商事」の決算を見ていきます。
2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し減収減益となっています。2017年3月期から総合商社トップの座を維持してきた三菱商事ですが、2020年3月期上期の純利益は伊藤忠商事に抜かれ、2位に陥落。
【参考】5大商社の上期純利益
1位 伊藤忠商事:2,890億円(前年同期比+12.0%)
2位 三菱商事:2,423億円(前年同期比△21.6%)
3位 三井物産:2,341億円(前年同期比+5.1%)
4位 住友商事:1.524億円(前年同期比△15.0%)
5位 丸紅:1,117億円(前年同期比△26.4%)
石油化学事業における取引数量の減少、オーストラリアの原料炭事業における生産コストの上昇や市況下落、さらに原油デリバティブ取引関連の損失が響きました。
【グラフ】業績推移(上期)
三菱商事は9月20日、シンガポール連結子会社において、デリバティブ取引に関連して総額約3.2億ドルの損失が発生する見込みであると発表。
事の経緯は、中国向け原油取引を担当していた中国籍の元現地プロパー社員が社内規程に違反し、1月よりデリバティブ取引を繰り返しを行い、7月以降の原油価格下落によりデリバティブ取引損失が拡大。8月中旬に当該社員が欠勤し、担当していた原油取引やデリバティブ取引を精査したことで発覚。
当該社員を9月19日付で刑事告訴しましたが、損失額は約342億円となり、シンガポール連結子会社は清算することになりました。
足元の業績を踏まえ、通期の業績予想を下方修正しました。2020年3月期は、前期に対し2桁減益となる見込みです。
オーストラリアの原料炭事業、自動車関連事業、LNG関連事業などを中心に巡航利益が減少する見込みであること、また原油デリバティブ取引関連の損失を計上したことから、当初予想から800億円減の5,200億円となる見込みです。
三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる約1,400の連結事業会社と協働しながらビジネスを展開。2019年度より事業ポートフォリオは7グループ体制から改編し、
① 天然ガス
② 総合素材
③ 石油・化学
④ 金属資源
⑤ 産業インフラ
⑥ 自動車・モビリティ
⑦ 食品産業
⑧ コンシューマー産業
⑨ 電力ソリューション
⑩ 複合都市開発
の10グループ体制となっています。うち、収益の柱は 、天然ガス、金属資源、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューションの6グループです。
画像出典元:「三菱商事株式会社」決算公表資料・公式HP
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