マネックスグループ株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

記事更新日: 2019/05/14

執筆: 山中恵子

純利益82%減!トレステの減損や仮想通貨市場低迷が響いた「マネックスグループ」の通期決算

2019年3月期 通期決算

  • 営業収益:521億7,500万円(前期比△2.7%)
  • 税引前利益:17億9,000万円(前期比△79.3%)
  • 当期利益:11億8,100万円(前期比△82.4%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し減収減益となりました。米国セグメントは好調だったものの、日本における株式市場売買代金の減少や仮想通貨市場の低迷などにより減収となりました。

また、日本株取引ツール「トレードステーション」の固定資産について減損損失を計上したことやコインチェックの赤字が響き、前期に対し8割減益となりました。



各セグメントの業績

日本

日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントは成長が鈍化しているとはいえ、グループ内ではトップの営業収益を維持しています。

  • 営業収益:277億2,900万円(前期比△11.1%)
  • セグメント利益:12億4,700万円(前期比△78.5%)

昨年、相場が大きく崩れたことにより日本の株式市場において個人投資家の売買が減少したこと、また信用取引手数料を引き下げたことにより委託手数料が減少し、受入手数料が133億100万円(前期比△21.6%)に。受入手数料が前期比で36億6,700万円も減少したことが響き、減収となりました。

また、前連結会計年度には新証券基幹システムのライセンス供与6億1,000万円が含まれていたこと、日本株取引ツール「トレードステーション」に関する固定資産の減損損失18億円を計上したことにより、日本セグメントは大幅な減益となりました。

一方、FX収益は増加しており、減収とはなりましたが、相対的に収益の下支えとなりました。

米国

米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。

  • 営業収益:227億9,800万円 (前期比+14.0%)
  • セグメント利益:19億7,800万円(前期比+602.6%)

金利上昇で金融収支が増大し、取引量拡大により委託手数料も増加。大幅な増収増益となり、セグメント利益は前期比7倍と大きく成長し、過去最高となりました。

アメリカ子会社は、今や稼ぎ頭へと成長しています。



アジア・パシフィック

アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(マネック スBoom証券)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(マネックスオーストラリア証券)で 構成されています。

  • 営業収益:8億2,900万円 (前期比△11.6%)
  • セグメント損益:△4,800万円

香港市場の取引量の減少により減収、4,800万円の赤字となりました。



クリプトアセット事業

クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社で構成されています。

  • 営業収益:21億1,600万円
  • セグメント損失:△17億3,200万円

仮想通貨市場の低迷に加え、内部管理態勢の整備のための費用がかさみ、17億円の赤字となりました。

販売費及び一般管理費は、人件費や事務委託費などにより47億6,600万円かかっており、今後は収益の強化を行うとともにコストの見直しが課題となります。



投資事業

投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。

  • 営業収益:4億1,400万円(前期比△85.1%)
  • セグメント利益:3億8,200万円(前期比△86.3%)

保有株式評価益および売却益で4億円計上。なお、前連結会計年度の金融収益は、 保有銘柄の売却による売却益を計上したことによるものです。



コインチェックとの連携

4月よりマネックス証券での取引でたまる「マネックスポイント」の交換先として、コインチェックが取扱う仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、リップル)と交換できるようになりました。

仮想通貨に興味はあるが購入までには至らないというユーザーに気軽に仮想通貨を持ってもらおうという狙いです。

また、ビットコインお小遣いアプリ「Cheeese(チーズ)」では、簡単なアンケートの回答や仮想通貨の記事を読むだけでビットコインを獲得することができます。

今後は日本セグメントだけでなく、好調な米国セグメントとも連携し、コインチェックの黒字化を目指します。

仮想通貨市場は低迷していましたが、ここに来てビットコインが急騰。2ヶ月で42万円から86万円に。今後の仮想通貨市場の動向に注目です。

ビットコインチャート

今後の見通し

成長が鈍化している日本セグメントにおいては、コスト管理や選択と集中を行っていくとのこと。

さらに、AIなどのテクノロジーの融合を促進し、新しい技術を使ったブロックチェーン開発に投資を行い、新しい金融を目指すとしています。

なお、2020年3月期の業績予想は開示されていません。

画像出典元:「マネックスグループ株式会社」決算説明資料

 

 

2019年3月期 第3四半期 累積業績(19年3月更新)

  • 営業収益:401億1,600万円(前年同期比+4.5%)
  • 税引前利益:32億2,300万円(前年同期比△40.7%)
  • 四半期利益:26億9,600万円(前年同期比△42.2%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収減益となりました。コインチェックの赤字が響きました。

  • 受入手数料:199億9,600万円(前年同期比△6.4%)
  • トレ ーディング損益:50億1,400万円(前年同期比+73.3%)
  • 金融収益:145億6,200万円(前年同期比+11.4%)

受入手数料が減少したのは、日本セグメントで委託手数料が減少したことによるものです。トレーディング損益が大幅な増加となったのは、コインチェックを連結の範囲に含めたことによるものです。

金融収益が増加したのは、日本セグメントにおいて信用取引収益が増加したことや米国セグメントにおいて受取利息が増加したことによるものです。

  • 費用合計:375億5,600万円(前年同期比+12.3%)

費用が増加したのは、コインチェックを連結の範囲に含めたことなどにより販売費及び一般管理費が前年同期比+13.5% となったことによるものです。

コインチェックのサービス再開

コインチェックは新規口座開設及びサービスの一部を停止していましたが、2018年10月に新規口座開設及び一部取扱仮想通貨の取引を再開し、11月末で全取扱仮想通貨の取引が可能となりました。

また、2019年1月11日に仮想通貨交換業の登録が完了しました。

サービス再開によりクリプトアセット事業の収支が改善していますが、当第3四半期連結累計期間のセグメント損失は11億7,200万円となりました。2019年度中の黒字化を目指します。

マネックスグループは、仮想通貨の巨額流出問題を起こしたコインチェックを買収したことによりリスクを抱えることになりましたが、一方でブロックチェーンに関わる若くて有能なエンジニアを得ることができました。

日本では仮想通貨市場は低迷していますが、米子会社 TradeStation Crypto を通じて2019年中に米国の仮想通貨市場に参入すると発表しました。

マネックスグループとは

マネックスグループは、金融商品取引業、仮想通貨交換業、有価証券の投資事業を主要な事業とし、日本・米国・中国(含む香港)・オーストラリアにリテール向けのオンライン証券ビジネスの本拠地を持ちます。

グローバルFX事業、資産運用事業、投資教育そしてM&Aアドバイザリーサービスを含む幅広い事業・サービスを展開するグローバルなオンライン金融機関グループです。

2018年4月にコインチェックを完全子会社化し、当第1四半期連結会計期間よりコインチェックをグループに加えました。

さらに、マネックスベンチャーズを中心とした有価証券の投資事業も拡大していることから、従来の「日本」「米国」「アジア・パシフィック」の3つの報告セグメントから、「日本」「米国」「アジア・パシフィック」「クリプトアセット事業」「投資事業」の5つの報告セグメントに変更しました。

1

日本セグメント

(日本における金融商品取引業)

 

主に、マネックス証券株式会社

2

米国セグメント

(米国における金融商品取引業)

 

主に、TradeStation Securities, Inc.

3

アジア・パシフィックセグメント

(香港、豪州における金融商品取引業)

 

主に

  • Monex Boom Securities(H.K.) Limited(マネック スBoom証券)
  • Monex Securities Australia Pty Ltd(マネックスオーストラリア証券)
4

クリプトアセット事業セグメント

(仮想通貨交換業)

 

コインチェック株式会社

5

投資事業セグメント

(有価証券の投資事業)

 

主に

  • マネックスベンチャーズ株式会社
  • MV1号投資事業有限責任組合

画像出典元:「マネックスグループ株式会社」決算説明会

 

 

2019年第2四半期 連結業績(18年10月更新)

  • 営業収益:264億円(前年比+7.3%)
  • 税引前利益:18億3,000万円(前年比-39.2%)
  • 四半期利益:17億4,500万円(前年比-13.3%)

セグメント別状況

営業収益の内訳

  • 受入手数料:138億8,500万円(前年比-5.3%)
  • トレーディング損益:32億900万円(前年比+77.5%)
  • 金融収益:97億3,300万円(前年比+11.8%)
  • その他営業収益:3億7,300万円(前年比+33.7%)

費用の内訳

  • 金融費用:25億5,500万円(前年比+18.7%)
  • 販管費:221億9,300万円(前年比+14.7%)

その他セグメント別状況

  • 税引前四半期利益:18億3,000万円(前年比-39.2%)
  • 四半期利益:16億7,700万円(前年比-13.3%)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益:17億4,500万円(前年比-13.4%)

コインチェックについて

コインチェックは既存顧客が保有する仮想通貨の売却のみ受け付けており、収益源が売却時の手数料に限定されるため、2019年上半期は約8億円の赤字となりました。

一方で、2018年10月31日のプレスリリースで新規口座開設・仮想通貨の入金/購入を再開することを発表。マネックスグループのCEO松本大氏は「業務が再開できれば、早期に黒字化可能」と見通しを示していたので、2019年下半期には期待したいです。

「マネックスグループ」のニュースリリース

会社概要

会社名 マネックスグループ株式会社
事業内容 金融商品取引業等を営む会社の株式の保有
所在地 東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル25階
設立日 2004年8月
代表 松本 大
資本金 103億9,355万円
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