第4期決算の当期純利益・利益剰余金は、前期に比べ増加したものの、△2億7,880万円の最終赤字となりました。
リバーフィールドは、2017年12月、資本金を8億8,408万円、資本準備金を8億7,408万円、減少することを発表しています。
結果、第4期の資本金・資本準備金は1億円となりました。また、利益剰余金と当期純利益が同額となっていることからも、今回の減資の目的は、節税と欠損填補であるという認識で間違いないでしょう。
減資のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてお読み下さい。
また、リバーフィールドは、2016年8月に、株式会社ルネッタを、同年12月には、有限会社ゆめ企画を吸収合併しています。
流動資産は、3年連続右肩上がり、第4期では、流動比率700%達成となっています。流動比率の平均は120〜150%、理想は200%以上とされており、リバーフィールドの資金繰りは順調であることが読み取れます。
そして、注目すべきポイントは、流動資産が前期に比べ、200.4%も増加している点でしょう。
今回、流動資産が大幅増加となった要因は、第3期から第4期に掛けて、リバーフィールドが行った資金調達であると考えられます。
リバーフィールドは、2017年7月末、芙蓉総合リースと三恵技研工業を引受先として、合計5億円を調達。同年10月18日には、SBIインベストメントをはじめとする4社から第三者割当増資を実施しています。
結果、リバーフィールドが行った調達資金の総額は、11.5億円となりました。株主資本も、1億6,112万円から、10億3,231万円と充実、会社としての体力が大幅に強化された形です。
ただし、第三者割当増資には、既存株主の持株率低下を招くなど、負の側面もあります。増資そのものにもメリット・デメリットがあり、資金調達をする際には十分な注意が必要です。
リバーフィールドは、2018年6月に、J-スタートアップ企業に選定、7月には、週刊東洋経済の特集「すごいベンチャー100」に取り上げられています。
画像出典元:「週刊東洋経済」公式サイト
リバーフィールドは、2012年に文部科学省の大学発新産業創出拠点プロジェクトに採択され、2014年5月に設立されました。
現在は、東京工業大学発の医療機器ベンチャーとして、手術を支援する医療機器の開発・販売を行なっています。
リバーフィールドは、2014年設立から「国立大学発ベンチャー企業として事業の公共性・公益性を重んじ、科学技術に根ざした新産業の創出発展に寄与する。」を企業理念、およびミッションとして掲げてきました。
少々硬い印象を受けますが、一方で、開発者および社会人として社会の発展に対し、誠実に向き合っている姿勢が伝わってきますね。
現在、リバーフィールドは、内視鏡ホルダーロボット「EMARO」を製品化し、販売しています。
空気圧で駆動し、術者のヘッドセンサーの動きに連動して操作ができるEMAROは、柔軟で滑らかな動作と、安定した視野を実現しました。
リバーフィールドは、遠隔手術において「手術の操作感」のフィードバックを術者へ返すシステムなどの開発も進めており、次世代の医療機器の開発を促進させていく方針です。
ロボット技術を応用した治療用機器は、国内だけでなく世界でもマイナーな市場。いくら高いポテンシャルを秘めていても、まだまだ市場が小さい業界での技術開発や、決断にはリスクが伴います。
リバーフィールドは、間違いなく世に出し実用化するため、敢えて大手の医療機器メーカーとは連携せず、大学発のベンチャーとしてスタートしました。とても勇気ある決断だとわたしは思います。
現在、リバーフィールドは、国内だけでなく、海外での事業展開も積極的に行なっていく方針を示しています。
しかし、薬事制度での承認取得をはじめ、海外進出には多くのリソースを必要とするもの。いかに、今回の調達で得た開発資金を活かし、成果に繋げるかどうかが、今後のリバーフィールド発展の鍵となりそうですね。
リバーフィールドの創業メンバー
画像出典元:「リバーフィールド」公式HP
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