「SNSを活用したブランディングを進めたい!」
そう考えていても、「何を投稿すればいいのか分からない」と悩む企業担当の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSブランディングで得られる効果や企業の成功事例、さらにSNSブランディングを成功させるための5つのコツをご紹介しています。
これからSNSブランディングを始めたい方、成果を出したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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このページの目次
ブランディングとは、「このジャンルといえば?」と聞かれたときに、真っ先に自社の商品やサービスを思い浮かべてもらう、つまり第一想起の獲得を目指す取り組みのことです。
「ハンバーガーなら〇〇」「コーヒーなら〇〇」など、各自思い浮かべるものがあるはずです。
このような第一想起を得るには、「他と何が違うのか」「なぜ選ばれるべきなのか」といった独自の価値を、明確に伝え続けることが大切です。
そのため、生活に身近なSNSを活用して、自社のブランドイメージを浸透させていく企業が増えてきています。
SNSブランディングとは、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを使って、「企業ブランドイメージの浸透」や「認知の広がり」を発信していく取り組みのことです。
SNSは日常の中にあるメディアであるため、顧客との心理的距離が近く、自然な形でブランドの価値観や世界観を伝えることができます。
単なる情報発信や宣伝ではなく、「この企業(人・サービス)、他とは違う」と感じてもらえる独自の価値を、SNSを通じて印象づけていくことができます。
スマートフォンの普及とSNS利用者の増加により、世界のSNSユーザーは49億人※を超え、日本国内でもInstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどが日常的に使われています。
※参考:総務省「令和6年版 情報通信白書」より
特に若年層では、テレビや検索よりもSNSを通じて商品やサービスを知るケースが増加。こうした背景から、SNSは単なる情報発信の場ではなく、ブランドの価値観や世界観を伝え共感を生む「ブランディングの起点」として注目されています。
また、X(旧Twitter)やInstagram・TikTokではアルゴリズムによる偶発的な発見(=発見性)も期待できるため、少ない広告予算でも一気に認知を獲得するチャンスがあります。
その後の導線として商品購入やサービス利用といった集客につなげることも可能なため、SNS上での関係構築がとても重要視されています。
他にも、SNSブランディングが注目されるポイントを解説します。
総務省の調査によれば、SNSを活用する企業の割合は年々増加し、現在では8割を超える企業がSNSマーケティングを実施しています。
※参考:総務省「令和5年 通信利用動向調査」より
また、SNS運用によって実際に「採用応募数が増えた」「ECサイトの売上がアップした」「メディア掲載につながった」といった成功事例も多く、広告に頼らずに成果を出す方法として広まりつつあります。
若い世代を中心にテレビ離れ・新聞離れが進み、広告を目にする機会が減少しています。
SNSを活用した手法では「初期費用ゼロで始められる」「投稿の反応がすぐに見える」「自分のペースで続けられる」という点から、特に中小企業や個人事業主にとっては非常にコスパの良いブランディング手法といえるでしょう。
▶従来の手法
・テレビ視聴率の低下
特に20〜30代ではテレビ離れが顕著で、TVCMではリーチできない層が増加(出典:ビデオリサーチ調査)
・広告スキップやバナー無視の傾向
YouTubeのスキップ機能や広告ブロッカーの普及により、広告の到達率が低下
▶SNSの活用
・SNSは低コスト&ターゲット精度が高い
少額予算でも運用可能。特定層にダイレクトにリーチでき、効果測定も容易
・「バズる」で無名ブランドも成長可能
InstagramやTikTok発で認知が急拡大し、実店舗での売上につながる事例が多数
・短期間で改善サイクルを回せる
フォロワー数やクリック数などが即座に可視化され、改善しやすい
このように、SNSは限られた予算でも柔軟に運用できるコストパフォーマンスの高い施策として、マーケティング担当者から高い注目を集めています。
SNSで発信を続けていても、「なんとなく投稿して終わり」になっていませんか?
第一想起されるブランドになるためには、単なる情報発信ではなく記憶に残る価値を伝えることが重要です。
ここでは、マーケティング施策の一環としてSNSを活用し、第一想起されるブランドを目指すため実践のヒントをご紹介します。
▶たとえば自社がフラワーショップだった場合
ロゴやビジュアル | トーンを統一し、記憶に残るブランドイメージを構築 |
ブランドの世界観やストーリー | 運営者の想いやこだわりと共に発信 |
差別化ポイント | 他店舗にはないアレンジセンスや商品選定の視点を言語化 |
ブランドとして記憶に残るには、デザインや言葉で一貫性のある印象を届けることが大切です。
こうした取り組みを一貫して展開していくことで、生活者の中で「花を買うならあの店」と第一想起されるポジションを築くことができるでしょう。自社のSNSを見直し、ぜひ取り入れてみてください。
SNSブランディングについて解説してきましたが、「じゃあどのSNSを使えばいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。
ここでは、ビジネスでよく使われる主要SNSの特徴や得意なコンテンツ別に比較しました。
自社にピッタリのSNSを選ぶ参考にしてください。
主な特徴 | 得意なコンテンツ | ユーザー層 | |
世界観・ビジュアル重視。検索性も高く集客しやすい | 写真/動画(リール)/ストーリーズ | 20〜40代/女性中心 | |
X | 情報の拡散力が高く、リアルタイム性が強い | テキスト中心 | 10〜40代/男女 |
TikTok | ショート動画でバズりやすく、フォロワー外にも届きやすい | 短尺動画(15秒〜1分) | 10〜20代/Z世代中心 |
YouTube | 長尺で深い情報提供が可能。検索流入も強い | ハウツー動画/密着/レビューなど | 幅広い年齢層 |
コミュニティ機能が強く、イベント集客にも◎ | 長文投稿/イベント情報/グループ活用 | 30〜50代中心/BtoBと相性良し |
無理にすべてを運用するのではなく、まずは1〜2つのSNSに集中するのが成功のポイントです。
SNSブランディングは、他の広告媒体とは違ったメリットがあります。
ここからはSNSブランディングによって企業が得られる4つのメリットについて、ご紹介します。
SNSで継続的に発信をすることで、見込み客に「名前を覚えてもらう」ことができます。
SNSにはフォロワーのジャンルやポストから、エンゲージメントの高いユーザーに投稿を表示する独自のアルゴリズムが活用されています。
そのため、ターゲット層に興味を持ってもらえるような投稿ができれば、いままでアプローチできなかったユーザーにも認知してもらいやすくなります。
SNSは基本的に無料で利用でき、プロモーション投稿をする場合もWeb広告より安価なため、情報発信のハードルが低いのが大きな魅力です。
SNSブランディング | 従来型の広告 | |
費用 | 基本無料(工夫次第) | 数万円〜数十万円 |
期間 | 長期的に蓄積できる | 一時的(数週間) |
接点 | 投稿や拡散で新しい層にも届く | 広告を見た人のみ |
自社の認知度が高まれば、プロモーション投稿をしなくてもフォロワーが指名購入してくれる可能性が高まります。
SNSブランディングは「広告に頼らず集客したい」という企業にぴったりです。
SNSの最大の特徴は「拡散力」。いいねやシェアによって、フォロワー以外の人にも情報が届くことがあります。
広告代理店を通さずに投稿できるため、タイムセールなどのリアルタイムな情報発信がしやすいでしょう。
また、ハッシュタグを活用すれば検索にも強いため、フォロワーに拡散されれば他のSNSユーザーにも情報が伝わり、より多くのターゲット層へリーチできます。
ユーザーの反応が数値化されて確認できるSNSは、PDCAを回して効率的なブランディングにも最適です。
SNSではフォロワーからのリアルな声を直接受け取ることができるため、ターゲット層のニーズや興味を分析しやすいです。
など、アンケート機能やレビューキャンペーンを実施すれば、より多くのデータが集まるでしょう。
また、SNSブランディングによってユーザーから一定の信頼が得られると、個人で商品レビューやサービス紹介をしてくれる可能性もあります。
UGC(User Generated Content)と呼ばれる一般ユーザーから投稿されたレビューはほかのユーザーからの信頼性が高く、ブランド力向上にもつながりやすいです。
顧客ニーズに合致した投稿を増やしてリピーターが増加すれば、UGCによってより多くのユーザーに認知されるでしょう。
SNSは便利な反面、リスクや注意点もあります。
ここでは、初心者がつまずきやすいポイントを2つご紹介します。
SNSブランディングのデメリットは、投稿内容によって炎上してしまうリスクがあることです。
企業が意図せず炎上するケースが多く、一度悪いイメージがついてしまうと信頼を回復するのに時間がかかります。
特にPRと表記せずに宣伝するステルスマーケティングは、2023年10月に規制も厳しくなり、多くのユーザーに不信感を与えかねません。
SNSブランディングを行う際は、投稿する社員を限定したり、投稿前に複数の人がチェックを行うなどの運用ルールを定めましょう。
投稿内容が不安な時は、一晩置いてから見直すのもおすすめです。
一方的な宣伝や、フォロワーの関心とズレた投稿は、逆に“嫌われる”原因にもなります。
SNSには情報が溢れかえっているため、ユーザーのニーズにあっていない投稿ばかりでは、飽きられてしまいます。
投稿前に「これは誰のための投稿?」と確認し、反応が少ない投稿は振り返って改善を行いましょう。
SNSブランディングを検討する際は、ターゲット層のニーズを分析し、運用後もユーザーの声から投稿内容を工夫していくことが重要です。
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ここからはSNSブランディングを成功させるコツを5つご紹介します。
成功事例を見て「やってみたい!」と思った方も多いはず。SNSブランディングを成功させるには、投稿内容はもちろん、キャンペーン内容などの検討も必要です。
ここでは、初心者でも実践しやすいポイントを5つにまとめました。ぜひ、参考にしてください。
SNSブランディングを成功させるには、どのターゲット層にアプローチしたいのか明確なペルソナを定める必要があります。
理想のフォロワー像を決める
など、細かいペルソナ設計を行うことで、ブランディングのコンセプトがブレることなく投稿することができます。
SNSブランディングは発信内容が統一されていないと、情報を届けたいユーザーに響きません。
複数の担当者でSNSを運用する際は、ターゲティングがブレていないか確認してから投稿するようにしましょう。
「毎日投稿しなきゃ!」と気負うと挫折しがち。しかし、SNSはコンスタントに続けることが一番の成果につながります。
SNSブランディングを行う際は、最低でも週1回以上の投稿がおすすめです。
「続けること=見てもらえるチャンスが増える」と考え、無理なく継続できるペースを見つけましょう。
また、新商品が出たときだけでなく、キャンペーンや季節にあった投稿など定期的な情報発信をすることで、ユーザーへの認知度も高まるのでおすすめです。
発信内容に“あなたらしさ”や“ブランドらしさ”がにじむと、ファンがつきやすくなります。
特にInstagramは画像の良さでインプレッションが大きく異なるため、目を惹く画像の作成は欠かせません。
これらを参考に、自社のイメージにあった画像や文章をピックアップし、商品の特徴をわかりやすく解説することで多くのユーザーから注目されるでしょう。
SNS上での特別なプロモーションの実施は、拡散と交流の両方に効果的です。
たとえば、「10,000人などキリよいフォロワー数に応じて特別クーポンの配布キャンペーン」などを行うとより多くのフォロワー獲得につながります。
また、限定クーポンを利用する顧客も増えるため、一定以上の売上も期待できます。
初心者でも参加しやすい企画にしたり、ハッシュタグを決めて集計しやすくするのがおすすめです。
キャンペーンを実施する際は、普段よりも投稿を多めに行うとより拡散されやすいので、実施期間に合わせて投稿方法も工夫してみましょう。
活用するSNSによっては、ハッシュタグを有効活用することでより多くのユーザーにアピールできます。
ハッシュタグを活用すると、興味関心の高いユーザーに投稿を見つけてもらいやすくなるため、自社専用のタグを使ってみるのもいいでしょう。
特にTwitterは適切なハッシュタグをつけて投稿すると、親和性の高いユーザーに表示されやすくなります。
そのほか、SNSマーケティングについても知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
ここでSNSブランディングの成功事例をご紹介します。
情報発信やブランディングの方向性に迷ったらぜひ参考にしてください。
親近感のあるゆるい投稿が話題となったのがシャープ株式会社です。
「シャープさん」の愛称でさまざまな企業、ユーザーとコミュニケーションをとっていて、いまではX(旧Twitter)のフォロワーが84万人もいます。
企業アカウントであるものの自社製品の宣伝以外に、今日のごはん何にする?など一般ユーザーに親しみある投稿が多いのが特徴です。
幅広い年代のファンがいるため、イベントやキャンペーンを実施すると拡散されやすく、普段のコミュニケーションが成功した事例といえるでしょう。
白を基調に青いボトルが特徴のブルーボトルコーヒージャパンは、清潔感のあるInstagramの投稿が人気です。
ブルーボトルコーヒーが掲げる「ホスピタリティ」と「デザイン」が感じられる投稿は、商品情報以外にもコーヒーの美味しい淹れ方などを紹介しています。
企業イメージの湧きやすい投稿はファンもつきやすく、コーヒーブランドとして確固たる地位を定着させた成功事例といえます。
無印良品のInstagramアカウントのフォロワー数は295.8万人と、世界的な人気を誇る国内企業です。
ただ商品を紹介するだけでなく、コンセプトや特徴がわかる写真、キャッチコピーをいれているおかげで、ブランドが大切にしたいイメージを的確に伝えられています。
また、無印良品はさまざまなSNS企画を実施して、ユーザーの声を聞き取ることを重要視しているそうです。
ユーザーのニーズを分析し、投稿や商品企画に反映させたことでブランドイメージの向上ができた事例ではないでしょうか。
神奈川・東京・埼玉エリアでタクシー事業を展開する三和交通株式会社は、TikTokアカウントで社長や部長が踊る動画などを投稿し、大きな話題を呼びました。
2025年5月時点でフォロワー数は36万人を超え、企業のTikTokアカウントとしては異例の成功を収めています。
三和交通の動画は、多くのユーザーから「おもしろい」「元気がもらえる」「また見たい」といったコメントが寄せられ、動画をきっかけにタクシーを利用する人も増えているようです。
三和交通のSNS戦略は、これまでのタクシー会社の真面目なイメージを覆し、業界全体に大きな影響を与えました。
タクシー会社に限らず、あらゆる企業が参考にできる事例といえるでしょう。
北欧雑貨などのECサイト「北欧、暮らしの道具店」は、2022年にYouTube公式チャンネルの総再生回数が1億回を突破しました。
成長の背景には、オリジナルドラマやドキュメンタリーなど、カテゴリごとにシリーズ展開することで企画のクオリティを安定させ、次のエピソードを見るための登録を促進するサイクルを生み出したことが挙げられます。
また、月に1回のペースで企業コラボの動画を制作・配信し、花王株式会社や森永乳業株式会社など、2024年7月時点で50本以上の動画を公開しています。
YouTube動画による世界観の構築と商品訴求のノウハウで、成功した事例といえるでしょう。
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本を活用することでSNSブランディングの基礎から応用まで体系的に学ぶことができます。
「SNSブランディングは初心者」という方に最適な本を厳選しました。
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SNSブランディングは、ブランドイメージの向上やファンの獲得につながる、今注目の施策です。
SNSは若年層を中心に、あらゆる世代に広く利用されており、これまでアプローチできなかった層との接点をつくるチャンスでもあります。
そして何より大切なのは、難しいテクニックよりも「無理なく続けること」と「誰に届けたいのかを明確にすること」。
最初のうちは難しいと感じるかもしれませんが、相手の立場に立って発信を続けていけば、少しずつ共感が集まり、ファンが増えていきます。
ぜひ今回ご紹介したSNSブランディングを成功させるコツを参考に、まずはできるところから、投稿を始めてみましょう。
画像出典元:Adobe Stock
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