TOP > インタビュー一覧 > 1人3万円のコストでSaaS営業を圧倒的に効率化!ITツール活用事例(株式会社Donuts)
ジョブカン勤怠管理・採用管理をはじめとした「ジョブカンシリーズ」を展開している株式会社Donuts。
ジョブカンシリーズは導入実績が7万社を超えるなど、順調な成長を続けています。
今回はそんなDonuts社が、どのツールにどれくらいの費用をかけて、どう活用しているのか、ジョブカン採用管理 チームリーダーの加藤卓大さんに取材しました。
このページの目次
ーまず、営業チームで導入しているITツール・サービスは何がありますか?
弊社で導入しているのは、Salesforce、マルケト(Marketo)、FORCAS、ベルフェイスです。
これらを連携させて営業を効率化しています。
ー具体的にどのように組み合わせて活用しているのでしょうか?
基本的にはCRMとして使っているSalesforceに情報を集約させています。
マルケトは、主にWebでのユーザー行動の把握やメールマーケティングに活用していて、Web上での資料請求やメール開封などのアクションをSalesforceでも確認できるように連携させています。
FORCASは、CRMの情報を充実させるために使っています。Salesforceに企業名が登録されると、自動的に会社URLや設立年月日、業種などの属性情報が追記されるようになっています。
※取材内容をもとに編集部が作成
ー全体としてかけている費用感は、どれくらいですか?
弊社の営業メンバーはだいたい50名程度ですが、一人あたり3万円程度ですね。
ーそれぞれのサービスの費用や使い勝手を教えて下さい。まず、Salesforce はどういう風に活用していますか?
Salesforceは、営業活動の可視化に使っています。
メンバーの活動を可視化することで、基準値に照らして異常があればすぐに検知できるようになります。
例えば「今週は架電数に対する商談獲得数が先週より少ない」「どのメンバーの成約率が高いか」などを、すぐに確認できます。
他にも、オンライン商談を導入した場合に訪問時と成約率がどのくらい変わるかなど、施策の効果検証が可能なので、Salesforceを導入してから営業がデータドリブンに変わりました。
Donuts社の実際のSalesforceダッシュボード
Salesforceを入れる前は、Excel(エクセル)で管理していましたが、時間をかけて数値入力しているわりに、グラフを作って可視化するところまでなかなかできていませんでした。
Salesforceでは、ダッシュボードですぐに定点観測したい情報をみることができるので、大きな生産性向上につながったと思います。
ー生産性向上のほか、Salesforceの導入メリットはありましたか?
結果が可視化されているので、社内の情報共有にも使いやすいと感じます。
上司から数字を出せと言われたときに、ぱっとダッシュボードを見せれば解決するのはありがたいですね。
あとは日報にダッシュボードのスクショを貼って「このKPI達成しました!」みたいなこともやっています。
ー逆にSalesforceの良くないところはあるでしょうか?
良くないところというか、気をつければいけないのは一定営業を経験し、GOALから逆算したプロセス構築の考え方が出来るメンバーでなければ使いこなせないという部分だと思います。
例えばダッシュボードの設定をしっかり行わないと、Salesforceの良さは十分に出ないのですが、最初はなかなか難しいと思います。
ちなみに私の場合は、前職でもSalesforceを使って営業していましたが、レポートやダッシュボードの設計まで担当したのは弊社に参画してからです。
何が出来るかは把握していたので、一ヶ月程度で設計の方法は一通り習得しました。
Salesforceを導入する場合には、これまでに使ったことがある人がいたほうがスムーズに進むと思います。
ー費用を抑えるための工夫は何かしていますか?
レイヤーが上だからと言って無暗にアカウントを渡すのではなく、マネージャークラスでも個別に必要性を議論してアカウント付与するなど、ライセンス数を極力減らすような工夫はしています。
ー次に、MA(マーケティングオートメーション)ツールについて教えて下さい。CRMはSalesforceなのに、MAはPardotではないんですね?
そうなんです。実際導入時には、Pardotも検討しました。
いろいろ話を聞いたり調べたりしたところ、検討していた当時は、Pardotとマルケトの料金はそんなに変わらず、使いやすいのはPardot、機能が充実しているのがマルケトという印象を持ちました。
弊社の場合は、高度な機能まで使いたいというニーズがあったので、最終的にマルケトを導入しました。
Donuts社の実際のMarketo利用画面
ーマルケトはどのように活用していますか?
社内に3人程度のマルケトユニットを作って、メールマーケティングなどを行っています。
使いこなせる人が少ないのが課題ですが、習得にも時間がかかることから、このような体制をとっています。
マルケトを使ってやってほしいことがあったら、現状はマルケトチームに頼むという形で進めています。
ーFORCAS(フォーカス)というサービスは知らなかったのですが、どのようなサービスですか?
FORCASは営業ターゲットの絞り込みに使えるサービスです。
CRMと連携するなどして既存顧客のデータをFORCASに取り込むことで、業界、売上、従業員数などを自動的に分析し、成約確度が高いと予測される見込み顧客を特定してくれます。
出典元:FORCAS公式HP
ーどのように活用していますか?
例えば、私のチームでは採用管理のサービスを提供しているのですが、新卒採用を行っているかどうかという情報も自動的に分析し、ソートしてくれるのが便利ですね。
FORCASの導入によって、そもそもターゲットにならない企業へのアプローチをなくしたり、企業の特色によってアプローチを変えることができました。
Donuts社の実際のFORCAS利用画面
ー他に便利な機能などありますか?
CSの方がターゲットを設定する際の分析方法までアドバイスしてくれるのがありがたいです。
導入したあとの活用までサポートしてくれるサービスだと思います。
ーベルフェイスはオンライン商談のサービスですよね?どのくらいの商談をベルフェイスで行っていますか?
もともとは遠方の商談だけベルフェイスで行っていたのですが、2ヶ月ほど前からほぼすべての商談をベルフェイスで行うようにしています。
Donuts社の実際のbellface利用画面(商談前)
ーオンライン商談の一番の懸念は、成約率の低下だと思います。変化はありましたか?
確かに気になりましたが、成約率はキープできています。これは私も驚きました。
例えば、往復にそれぞれ1時間ずつ、商談が1時間かかるとすると、訪問営業は1アポ3時間かかりますよね。それに対してオンライン商談なら必要なのは1時間だけです。
訪問営業を1回している間にベルフェイスは3アポこなせます。単純に考えれば生産性3倍ですよね。
ーオンライン商談だと名刺交換をすることがなくなりますが、名刺管理はしていないのですか?
そうですね。ほとんど名刺をもらうことがないので、名刺管理はしていません。
その点、決裁者が誰かをあまり握れていないのが今の課題です。
決裁者をピンポイントで攻めるような営業体制の会社には向いていないのかもしれないですね。
ーここまで導入しているサービスの活用方法について教えていただきましたが、これまでに導入してワークしなかったツール・サービスはありますか?
あまりないですが、強いてあげるのであればTrello、Googleハングアウトでしょうか。
Trelloは、セールスチームで営業以外の業務を抱えたときのタスク管理に使っていたのですが、あまりワークしなかったのでやめました。
そもそもセールスのメンバーが営業以外のタスクを持つこと自体があまり良くないので、基本的にはマネージャーがこれらを巻き取るようにしました。
GoogleハングアウトはSlackと並行して使っていますが、メンションができないのと、ファイルのアップロードができないという理由で、今は主に雑談にしか使っていないですね。
ー最後に、おすすめしたいサービスを教えてください!
やっぱり一番はSalesforceですが、それ以外だとユニポスもおすすめです。
ーユニポス(Unipos)はどのようなサービスですか?
ピアボーナスのサービスです。
従業員同士で、日頃の仕事や感謝に応じてポイントを送り合うことができます。
ポイントは成果給に反映されたりします。
弊社ではユニポス大賞というのを設けて、一番ポイントを集めた人が10万円をもらえる制度もあったりします。
出典元:ユニポス公式HP
ー従業員同士で評価し合えるのはいいですね!
そうですね。先程申し上げたSalesforceやマルケトの使い方の教え合いなどを活発にする効果もあると感じています。
ー本日はご協力ありがとうございました!
(評価順)
S:ユニポス
A:ジョブカンシリーズ(勤怠管理・労務管理・経費精算・ワークフロー・給与計算・採用管理)
A:FORCAS
A:ベルフェイス
B:マルケト
B:Slack
B:Gsuite
C:Googleハングアウト(Gsuiteのプランに含まれている)
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