5月に使いたい時候の挨拶と季語は?今すぐ使える例文も紹介

5月に使いたい時候の挨拶と季語は?今すぐ使える例文も紹介

記事更新日: 2023/05/01

執筆: 太田繙

せわしない新年度から落ち着きを取り戻しつつある5月。

ビジネスやお礼のお便りなど、時候の挨拶を入れた文書を出すことも多いのではないでしょうか。

今回はビジネス文書やお便りを出す際に使用できる、5月の時候の挨拶を例文を添えて紹介します。

フォーマルでもカジュアルな場面でも使用できる季語をわかりやすくまとめました

5月の時候の挨拶にはどんなものがある?

5月はゴールデンウィークや端午の節句などイベントの様子を、時候の挨拶として使用することができます。

時候の挨拶を使用するときはお便りを出す相手にあわせて、親しい人へ出す話し口調のような「口語調」、取引先や目上の方に向けて格調高く、かしこまった印象の「漢語調」を使い分けましょう。

5月の口語調の季語

5月の季語は新緑や夏の兆しを感じさせる文言が多く、お便りを送る時期によって使用する季語が異なります。

5月上旬から中旬にかけては「風薫る5月となりました」や「新緑が目に鮮やかに」などの挨拶文がおすすめです。

5月中旬から下旬にかけては、気温の高まりや梅雨が近づくことで「初夏の風が心地よくなりました」や「梅雨の気配を感じる季節になりました」などの表現を用います。

5月のソフトな口語調の季語は以下です。

  • 木々を渡る風もさわやかなころとなりました
  • 風薫る季節となりました
  • 新緑が目に鮮やかな、すがすがしい季節となりました
  • 五月晴れの爽やかな日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか

 

5月の漢語調の季語

口語調に比べて格調高い漢語調は、ビジネスシーンでの利用におすすめです。

5月の漢語調は口語調同様、お便りを送る時期によって推奨される季語が異なります。

5月下旬から使用することの多い「向暑の候(こうしょのこう)」は、その年の気温によって6月上旬頃まで使える季語です。

漢語調は定型文ではありますが、その時の気候やお便りを送る地方の季節感を損なわないよう使用することが推奨されています。

「○○の候」は「○○の折」や「○○のみぎり」に置き換えて使用することもできるので、使いやすいものを選ぶようにしましょう。

  • 薫風(くんぷう)の候
  • 新緑の候
  • 葉桜の候
  • 若葉の候
  • 向暑の候

 

フォーマルな5月の時候の挨拶

ビジネスシーンなどフォーマルな場面で使える5月の時候の挨拶を、時期別に一覧にしました。

お便りを出す際の参考にしてみてください。

今回紹介している例文の中には、5月全般で使用できるものもあるので、お相手の住んでいる地域と季節感が異なる場合には、そちらの例文を使用するのもいいでしょう。

5月上旬に使える挨拶の書き出し例文

心地よい五月晴れの折から、お元気にお過ごしのことと存じます。

 惜春の折、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

八十八夜も過ぎ、新緑が目に鮮やかな季節となり、つつがなくお過ごしのことと存じます。

暦の上では立夏を迎え、行く春が名残おしいこのごろ、ますますご活躍のことでしょう。

立夏を過ぎましたが、まだ春の名残が感じられるこのごろ、お元気にお過ごしのことと存じます。

拝啓 薫風の候、すがすがしい好季節の折から、ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。(5月全般)

すがすがしい若葉の季節を迎え、貴社にはより一層ご発展のこととお慶び申し上げます。(5月全般)

 

5月中旬に使える挨拶の書き出し例文

目に鮮やかな新緑の候、貴社の皆様におかれましては、爽やかな5月をお迎えのことと存じます。

● 薫風緑樹をわたる好季節となり、貴社の皆様におかれましては、ますますご活躍のことと存じます。

 若葉の折、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

● 初夏の日差しに若葉が照り輝く季節、つつがなくお過ごしのことと存じます。

● さわやかな五月の風を感じ、日々が心地よく感じられるこのごろ、お元気にお過ごしでしょうか。

 

5月下旬に使える挨拶の書き出し例文

 春から夏へと季節が変わりゆくこのごろ、ますますご活躍のことでしょうね。

 走り梅雨に濡れる木々も緑を増すこのごろ、つつがなくお過ごしのことと存じます。

● 強まる日差しに夏の訪れを感じる季節を迎え、貴社におかれましては一層活気に満ちあふれていることと存じます。

● 向暑の候、貴社の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。

 万緑のみぎり、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段、大慶に存じます。

 天地万緑が渦をなす折から、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

カジュアルな5月の時候の挨拶

親しい人だけでなく、保育園や学校、地域のお便りなど、幅広く使用できるカジュアルな5月の時候の挨拶を集めてみました。

メールの書き出しにも使用できるので、送るお相手の好みに合わせた言葉を選んでみてください。

5月上旬に使える挨拶の書き出し例文

 八十八夜も過ぎ、茶畑の緑が一層色濃く感じられる季節になりました。

● 新年度の疲れも溜まる時期ですが、ゴールデンウィークは楽しく過ごされましたでしょうか。

 新年度が始まってはや1ヵ月。新しい生活にも慣れたころでしょうか。

 風薫る5月となりましたが、皆様おかわりありませんでしょうか。

 晴れ渡る青空に鯉のぼりがひるがえる季節となりましたが、皆様にはますますご清栄のことと存じます。

 初夏の風もすがすがしい季節になりました。お元気でお過ごしですか。

● はや行く春を惜しむ頃となり、夏への期待感に胸をふくらませるこの頃ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

5月中旬に使える挨拶の書き出し例文

 ゴールデンウィークはしっかりとリフレッシュできましたでしょうか。

 連休も終わり、だんだんと夏を感じさせる陽気の日が増えてきましたね。お変わりなくお過ごしですか。

 野山の緑が鮮やかな色を見せる季節、お元気でご活躍のことと思います。

 季節は春から夏への変わり目ですが、お障りなくお過ごしでしょうか。

● おだやかで過ごしやすい季節になりましたね。お変わりありませんか。

● 暦の上ではもう夏、心なしか日差しも明るさを増してまいりました。

 

5月下旬に使える挨拶の書き出し例文

 走り梅雨に濡れ、花々がいっそう色鮮やかになりました。お元気でご活躍されていることと思います。

 若葉が初夏の日差しに輝く季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。

 穏やかな日和が続き、皆様お健やかにお過ごしのことと存じます。

 衣替えの準備にせわしない初夏の候となりました。

 日中何もせずとも汗ばむくらいに暖かい日も増えてきました。そろそろ衣替えの時季ですね。

 暦の上ではもう夏ですが、肌寒い毎日がつづいております。お障りなくお過ごしでしょうか。

● まだ五月というのに真夏のような強い日差しで、本格的な夏が近いことを感じさせます。

 

5月の時候の挨拶と一緒に使うフォーマルな結びの挨拶

5月の時候の挨拶と共に使用する結びの挨拶は、できるだけ冒頭で使用した時候の挨拶を繰り返さないよう気をつければ、決まった形はありません。

お相手の健康を気遣い、5月らしい前向きなメッセージを贈ってみましょう。

結びの挨拶のポイント

ビジネスやフォーマルな場面で使用する結びの挨拶には、送るお相手の活躍や繁栄を祈るフレーズを用いることが望ましいです。

5月ならではの心地いい風や、初夏を感じさせるようなフレーズを使って、今後ともよろしくとお願いする結びの挨拶を選んでみてください。

5月に使える結びの挨拶例文

5月に使えるフォーマルな結びの挨拶をまとめて一覧にしました。

参考にしてみてください。

 初夏の風が薫る好季節、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

● 季節の変わり目ですので、健康には十分にご留意なされて、ますますご活躍されますことをお祈り申し上げます。

 爽やかな初夏のみぎり、貴社ますますのご活躍を心よりお祈りいたします。

 暦の上では立夏を過ぎましたが肌寒い日もございますので、ご自愛専一にてお願い申し上げます。

 吹く風も夏めく好季節、さらなるご活躍を心よりお祈りいたします。

 梅雨入りも間近でございます、くれぐれもご自愛下さい。

 五月晴れの空のように皆様のお気持ちが晴れやかでありますよう、お祈り申し上げます。

 

5月の時候の挨拶と一緒に使うカジュアルな結びの挨拶

カジュアルな5月の時候の挨拶と共に使用する結びの挨拶は、健康や幸せを願うようなフレーズを選ぶのがおすすめです。

結びの挨拶のポイント

プライベートやカジュアルな間柄のお相手に出すお便りは、健康や幸せを願うフレーズのほかに、新年度の忙しさを気遣うような結びの挨拶も好まれます。 

新緑の青さや本格的な夏を感じさせるようなフレーズを用いて、今後のお付き合いもよろしくとお願いする文章もおすすめです。

フォーマルな結びの挨拶同様に、5月の過ごしやすい季節が思い浮かぶようなフレーズをイメージして書き出すと、より季節感が感じられるお手紙になるでしょう。

5月に使える結びの挨拶例文

5月に使えるカジュアルな結びの挨拶をまとめて一覧にしました。

参考にしてみてください。

 過ごしやすい時季とはいえ、ご無理をなさいませんようご自愛ください。

 連休のお疲れが出るころかと思います。どうかくれぐれもご自愛ください。

 梅雨の季節となりましたので、くれぐれもお体にはお気をつけください。

 新生活にも少し慣れてきたころでしょうか。ますますのご活躍をお祈りしております。

 初夏の風も爽やかな頃、心穏やかにお過ごしください。

 我が家のつつじが満開となっています。ぜひとも近いうちにお越しください。

 汗ばむ日があるかと思えば、肌寒い日もある気まぐれな気候ですが、お体には十分お気をつけください。

● 暑い季節に向かいます。皆様がお健やかに過ごされますようお祈りいたしております。

 

まとめ

5月の時候の挨拶を使用したお便りは、鯉のぼりや端午の節句、母の日など、5月にちなんだ行事や季語を意識してみるとスムーズに書き出せます。

菖蒲や藤、カーネーション、新茶、ツバメなど、花や動植物の話題を入れても季節感が出やすいです。

ご自身が感じる5月にふさわしいフレーズを用いれば、より心に響くお便りになります。

今回の例文を組み合わせるなどして、オリジナルの挨拶も考えてみてくださいね。

画像出典元:O-DAN、写真AC

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