【例文付き】11月の時候の挨拶|ビジネスとカジュアルで使える!好感度UPの秘訣も

【例文付き】11月の時候の挨拶|ビジネスとカジュアルで使える!好感度UPの秘訣も

記事更新日: 2024/11/11

執筆: 川崎かおり

11月の時候の挨拶は、寒さが増す季節に心温まる言葉を選びたいものですね。

この記事では、ビジネスシーンはもちろん、プライベートの親しい友人や知人向けのカジュアルな例文もご用意しました。

ちょっとした工夫で、あなたの印象はもっと素敵に変わります。

季節感あふれる言葉で、あなたの想いを伝えてみませんか?

11月の時候の挨拶とは

11月の時候の挨拶をチェックする前に、時候の挨拶の基本構成や種類について理解しておきましょう。

基本構成

時候の挨拶とは、手紙やハガキの書き出しに使う、「季語」(季節の言葉)を含んだ挨拶です。

季語は各月ごとにふさわしいとされるものがあるので、挨拶状を出す時期に適したものを選びましょう。

挨拶状にはビジネスやフォーマルなシーンで使うもの・プライベートで使うものの2種類がありますが、どちらも基本的な構成は以下のようになります。

  • 頭語(拝啓など)
  • 前文(時候の挨拶)
  • 主文(本文)
  • 末文(結びの挨拶)
  • 結語(敬具など)
  • 後付け(日付・署名・宛名)

上記を意識しながら、必要な内容を加えてください。

漢語調と口語調の2種類がある

漢語調とは「○○の侯」「○○のみぎり」などの言葉で記す時候の挨拶。

主にビジネスシーンやフォーマルなシーンで使います。

口語調とは「日射しが暖かくなってまいりました」「日ごと寒さが厳しくなってまいりました」など、柔らかい言葉で記す季節の挨拶です。

親しい人とのやり取りに使われるのが一般的で、カジュアルな挨拶状に使われます。

時候の挨拶を入れて挨拶状を作るときは、送る相手にふさわしいスタイルを選択しましょう。

詳しい挨拶文の書き方を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

季語は上旬・中旬・下旬に合うものを

同じ11月でも、初めと終わりとではずいぶん様子が異なります。

季語を選ぶときは、挨拶状を送るタイミングにふわさしい言葉を選ぶのが鉄則です。

「上旬・中旬・下旬ってどうやって判断するの?」と迷う人は、古代中国の暦の一つ「二十四節気」をベースに考えるとよいでしょう。

二十四節気から11月の区分を考えた場合、2023年の上旬・中旬・下旬の区別は以下のようになります。

  • 上旬:11月7日まで(立冬の前まで)
  • 中旬:11月8日~11月22日まで(立冬)
  • 下旬:11月22日~(小雪)

なお二十四節気は、年によって多少異なるため、挨拶状を出す際は、その年の節気を確認しましょう。

11月らしさを表わすときはイベントに注目

カジュアルな挨拶状については、特に厳しい季語の決まりはありません。

「11月のムードを分かりやすく伝えたい」と思ったときは、11月のイベントに注目すると季節感が高まります。

11月の主なイベントとして、以下のものがあります。

  • 年賀はがきの発売:11月1日
  • 文化の日:11月3日
  • 酉の市:11月11日
  • 七五三:11月15日
  • 勤労感謝の日:11月23日


アメリカのイベントにも11月らしさを感じさせるものがあるので、挨拶状のヒントとしてもよいかもしれません。

  • ニューヨーク・シティマラソン:11月第1日曜日
  • サンクスギビング・デイ(感謝祭):11月第4木曜日
  • ブラックフライデー:11月第4金曜日
  • サイバーマンデー:感謝祭後最初の月曜日

このほか、地元の11月恒例のお祭りやイベントも、季節のムードたっぷりな季語となるでしょう。

ビジネスで使う11月の挨拶

ビジネスシーンで11月の挨拶状を送るときは、漢語調で記すのがマナーです。

季節の挨拶に相手の繁栄を祈る文言を添え、失礼のない挨拶状を送りましょう。

ビジネスシーンでおすすめの、11月の挨拶を上旬・中旬・下旬に分けて紹介します。

11月全般に使える書き出しの例文

霜月(しもつき)の候 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます

落葉(らくよう)の候 皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます

 霜月とは、旧暦の11月を指し、秋の終わりから冬の始まりへと季節が移り変わっていく様子を表します。

また落葉は、木々の葉が色づき、散る様子を表し、秋の深まりを感じさせます。

11月は寒さが感じられるようになりますが、地域の気候や状況に合わせて使い分けましょう。

11月全般に使える結びの例文

師走に向けて何かとご多忙のことと存じますが 皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます

深冷(しんれい)の折 皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます

 師走とは、旧歴の12月を表し、一年で最も忙しい月という意味があります。

年末の慌ただしい時期に向けて、相手への配慮を示す言葉として適切です。

また深冷とは、風が冷たくなり、寒さが深まってきたことを意味します。

秋から冬へと移る季節に、相手の健康を心から願っているという気持ちを込めましょう。

11月上旬に使える書き出しの例文

暮秋(ぼしゅう)の侯 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます

初霜(はつしも)の侯 貴社におかれましてはいよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます

暮秋とは、秋の終わりを意味する言葉です。

挨拶状に使うと、「秋も暮れてきましたね」「そろそろ秋も終わりですね」という意味になります。

また初霜とは、文字通り初めて霜が降りること

冬の季語のような印象がありますが、二十四節気における「霜降(そうこう)」の期間(10月下旬から11月上旬)に使うのが一般的です。

ただし近年は地球温暖化の影響で、11月でも暖かい日が多いかもしれません。

実際の気候とあまりにもかけ離れているときは、「霜」を使うのは控えましょう。

11月上旬に使える結びの例文

向寒(こうかん)の折 社員皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます

晩秋(ばんしゅう)の折 皆様のご健康とますますのご発展を心よりお祈り申し上げます

向寒とは、日増しに寒くなっていくことを表わす言葉。

「これから寒くなりますが、皆様が元気で活躍されますように」という意味となります。

また晩秋は、秋の終わりを示す言葉です。

実際の体感はどうであれ、立冬を過ぎると冬となります。「晩秋」を使うなら、上旬までとしましょう。

11月中旬に使える書き出しの例文

立冬のみぎり 皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます

夜寒(よさむ)の侯 貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます

立冬とは、二十四節気の19番目の節気です。例年11月7日頃から21日頃までとなります。

昔の人々は、立冬を過ぎると本格的な冬支度を始めていたのだとか。

秋が過ぎ冬の気配が近づいてくる11月中旬に、ぴったりな季語といえるでしょう。

また「夜寒」とは、「夜になると寒さが際立つようになってきた」という意味です。

「寒夜(かんや・さむよ)」とすると冬の季語になるので、注意してくださいね。

11月中旬に使える結びの例文

美しい紅葉の季節 皆々様のご多幸とご健勝を衷心よりお祈り申し上げます

冷雨(れいう)のみぎり、ご自愛専一にてお過ごしください

鮮やかな紅葉を楽しめる11月中旬は、その美しさをたたえる文言を入れると気が利いています。

なお「衷心」とは、「真心」のこと。「心からお祈りします」をさらに固くした言い回しです。

また11月中旬になると、雨で気温がグッと低くなることがあります。

挨拶状を送る相手には「自分の体を第一にしてください」と伝えましょう。

11月下旬に使える書き出しの例文

小雪(しょうせつ)の侯 皆様におかれましてはますますご壮健のこととお慶び申し上げます

惜秋(せきしゅう)の侯 貴社におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます

小雪は、二十四節気の20番目の節気です。「小雪が舞う寒い季節がやってきた」ことを意味し、初冬にふさわしい季語となります。

惜秋は、「秋が去ってしまって寂しい」というような意味です。

11月下旬ともなると、秋の気配はどんどん薄くなっていきます。

葉っぱが落ち、風景の色がなくなってきた頃に使うと、風情のある季語となるでしょう。

11月下旬に使える結びの例文

錦秋(きんしゅう)の折 皆々様のご多祥を心よりお祈り申し上げます

木枯らしのみぎり 皆様お風邪など召されぬようご自愛くださいませ

錦秋とは、紅葉が美しく色づいている様子を指します。

街路樹や山の色が赤や黄に染まっているときは、その様子を結びの挨拶にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

また木枯らしとは、晩秋に吹く北寄りの風のこと。

冬の到来を感じさせる言葉なので、11月下旬にぴったりです。

相手の健康を祈る言葉と合わせて使いましょう。

カジュアルに使える11月の挨拶

近しい間柄の人や肩肘を張る必要がない相手には、漢語調の挨拶ほどマナーやスタイルを気にする必要はありません。

やわらかい言葉を選び、親しみのこもったメッセージを伝えましょう。

カジュアルに使える11月の挨拶状にぴったりな、口語調の挨拶を紹介します。

11月全般に使える書き出しの例文

年末に向け、何かと行事が目白押しかと存じますが、お楽しみの予定はございますか

深まる秋、何かとご多忙の折とは存じますが、お変わりなくお過ごしでしょうか

 カジュアルな挨拶状には、「いかがお過ごしですか」といったような相手の近況を尋ねる言葉を盛り込むと、より親しみやすく、温かみのある印象を与えることができます。

また11月は、秋が深まり冬へと季節が移り変わる時期です。

相手の状況を慮りながら、季節の移ろいを表現しましょう。

11月全般に使える結びの例文

寒さが増していく季節ですが、どうぞ健やかにお過ごしください。

暖かいこたつが恋しい頃になりました。お風邪など召されませんよう気をつけてお過ごしください。

 11月になると、日に日に寒さが増していきます。

季節の移り変わりを感じさせつつ、相手の健康への配慮を示しましょう。

また日本には、「こたつ開き」という習慣があり、亥の月(現在の11月)の最初の亥の日にこたつを出すと、縁起が良いといわれています。

11月上旬に使える書き出しの例文

今年も残すところあと2カ月。皆様お変わりはございませんか

来年の年賀はがきもついに発売となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか

11月に入れば、あっという間に新年がやってきます。

「あと2カ月になってしまった」と伝えるのは、11月らしい書き出し文です。

また郵便局は、例年11月1日に年賀はがきの発売を始めます。

11月上旬の挨拶状には、ふさわしい季語といえるでしょう。

11月上旬に使える結びの例文

○○園の山茶花(さざんか)も、見頃を迎えているようです。今度ぜひ花見に行きましょう。

暖かかったり寒かったりと不安定な気候が続きます。くれぐれもお体を大切になさってくださいね。

山茶花は10月頃から咲き始める、冬を代表する花です。

11月上旬に見頃を迎える地域も多いので、季語として取り入れるとよいでしょう。

また11月上旬は秋と冬を行ったり来たりして、気候が定まりません。

体調を崩す人も多いので、相手の体を労る文言を入れるのがおすすめです。

11月中旬に使える書き出しの例文

七五三の晴れ着姿を目にするようになりました。皆様ご機嫌いかがですか

紅葉も見頃を迎えています。紅葉狩りには行かれましたか

11月中旬のイベントといえば、七五三です。

晴れ着で歩く親子を見かけるようになったら、挨拶状でその様子を伝えてみましょう。

また11月中旬になると、紅葉の深みも増していきます。

地域にもよりますが、紅葉の最盛期を迎えるところも多いので、11月中旬の挨拶とするとよいでしょう。

11月中旬に使える結びの例文

牡蠣のシーズンになり、牡蠣小屋も賑わっているようです。近いうちにご一緒しましょう。

夜の冷え込みが一段と厳しくなりました。暖かくして、風邪など召されないようご自愛ください。

11月は、牡蠣のオンシーズン。中旬ともなると牡蠣の産地では牡蠣小屋が立ち、大いに賑わいます。

11月の風物詩として、季語に取り入れてみてもよいでしょうよいでしょう。

また11月も半ばを過ぎると、夜が長く、寒さも厳しくなります。

「風邪を引かないでね」の一言は、思いやりのある結びの言葉となるはずです。

11月下旬に使える書き出しの例文

もうすぐ勤労感謝の日ですね。お休みはどこかへ行かれますか

ブラックフライデーセールの時期が近づいてまいりました。お買い物のプランは立てられましたか

11月23日は勤労感謝の日で、祝日となります。

11月下旬らしい季語となるので、挨拶文に取り入れましょう。

近くに住む相手なら、お出かけの約束を取り付けてもよいかもしれません。

また近年は、アメリカの「ブラックフライデー」を取り入れて、11月の第4金曜日にセールを行うショップが増えています。

大幅な値下げや目玉商品の登場が期待できるので、話のネタにはもってこいです。

11月下旬に使える結びの例文

年末がさし迫り、気ぜわしくなる季節です。無理をされませんよう、自愛専一でお過ごしください。

今年も残すところあと1カ月。お互い健康に気を付けながら励みましょう。

11月下旬ともなると、年末のあれこれが視野に入ってきます。

結びの挨拶には、「今年もあと少し」というニュアンスを入れるのがおすすめです。

最後に相手の健康を気遣う言葉や、「お互いに頑張ろう」というニュアンスを含めると、全体がきれいにまとまります。

こんな挨拶状は好感度アップ!

ビジネスシーンの挨拶状での挨拶状は形式が重視されがち。

しかしプライベートの挨拶状なら、型を気にする必要はありません

挨拶状を書くときは、受け取った相手がうれしくなるような内容を加えましょう。

挨拶状の内容に迷ったとき、おすすめの挨拶状パターンを紹介します。

共通の趣味・興味に関する話題

山田次郎 様

 街路樹のイチョウが黄金色に染まりつつある今日この頃 お変わりはございませんか。

 さて先日 山田さんが絶賛されていた映画を視聴しました。物語のスピーディーな展開に我を忘れ、楽しい一時を過ごせましたよ。主役の演技にはまってしまって、出演作品を一から見直している今日この頃です。次回お会いするときは、またおすすめの映画をおしえてくださいね。

 寒さも厳しくなってまいりますので、くれぐれも自愛専一にてお過ごしください。

 令和○年○月○日

鈴木花子

 相手の心を動かすなら、趣味や興味の話題が1番。

共通の趣味・興味があれば、挨拶状にしたためてみましょう。

例えば上記は、相手に勧められた映画の話題について書かれた挨拶状。

ポイントは、感想だけではなく「またおすすめを教えてください」と伝えることです。

頼りにしている・信頼しているという姿勢を示すことで、相手はあなたの挨拶状に対し親しみや喜びを感じてくれるでしょう。

近況報告

山田次郎 様

 夜ごとに寒さ厳しくなる折 お風邪など召されていませんか  

 さて先日、娘の七五三で○○神社へお参りしました。慣れない着物でどうなるかと思ったのですが、つつがなくお参りを終えることができました。周囲には同じくきれいに着飾った子どもがたくさんいて、華やかで晴れやかな一日となりました。

娘も山田様に会いたがっております。こちらに寄られることがあれば、ぜひ我が家にも顔を見せにいらしてくださいね。

 冬の気配がすぐ近くに迫っています。無理して体調を崩されませんよう、ご自愛ください。

 令和○年○月○日

鈴木花子

離れている相手には、近況報告をすると喜ばれます。

最近の出来事をピックアップして、簡単にまとめましょう。

したためる内容はどんなことでも構いませんが、悲しい話や愚痴は好ましくありません

読み終えた相手がうれしくなる、明るい話題を探してください。

11月にお歳暮を贈るのは早すぎる??

お歳暮は、お世話になった人に心ばかりの品を贈る、日本古来の習慣です。

「暮れのご挨拶」として送るのがマナーですが、「手が空いている11月のうちに、お歳暮を贈りたい」という人もいるでしょう。

11月にお歳暮を贈るのは、早すぎるのでしょうか?

お歳暮を贈る時期や、11月のお歳暮の可否について考察します。

「正月事始めの日」を過ぎてからが一般的

お歳暮は、12月13日の「正月事始めの日」以降、12月31日までに贈るのがしきたりです。

そもそもお歳暮という習慣は、年越しに祖先の霊をまつる「御魂祭(みたままつり)」に由来しているのだとか。

お正月の準備の一つとみなされており、12月中に贈るべきとされていました。

ただし近年は、お歳暮を贈る時期が早くなっています

特に関東はその傾向が顕著で、11月下旬頃から配送の手配をする人が少なくありません。

関東以外の地域でも「12月に入ってすぐ」というのが一般的となっており、古来の習慣は薄れてきているようです。

11月にお歳暮を手配しても問題なし

なぜお歳暮の時期が早くなったのかというと、お正月の過ごし方が変わってきているためです。

近年はお正月の特別感が薄くなっており、全ての人がお正月を家で過ごすわけではありません。

お歳暮も「正月準備として贈る」のではなく「お世話になった人に贈る」という意義が強くなっており、昔ほど時期にこだわる必要がなくなっています

またデパートが早割を実施しているのも、お歳暮が早くなっている理由の一つ。

有名デパートでは、10月からお歳暮コーナーを展開しています。

人気商品や限定品は早いうちから売り切れるため、人の動きも早くなっています。

11月配達のお歳暮も増えている

近年は、11月中に配達まで済ませてしまうケースが増えています。

特に都心部ではその傾向が強く、「10月に手配して11月にお届け」というケースもあるようです。

11月にお歳暮を贈っても、マナー違反といわれることはないでしょう。

ただし、習慣やしきたりは地域によって大きく異なります。

まずは周囲の人に、お歳暮を贈るタイミングをそれとなく聞いてみるのがおすすめです。

まとめ

11月は、秋と冬が混在する季節です。

挨拶状に時候の挨拶を加えるときは、実際の気候にマッチした季語を選択することが大切です。

相手の体調をいたわる一文も入れ、受け取った人がうれしく感じるような挨拶状を作りましょう。

「暮秋」「夜寒」「錦秋」など、11月には美しい季語がたくさんあります。

上手に取り入れれば、相手の心に刺さる時候の挨拶となりますよ。

画像出典元:PAKUTASO、PhotoAC、O-DAN

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