2月の時候の挨拶|ビジネス・カジュアルに使える31例文を紹介!

2月の時候の挨拶|ビジネス・カジュアルに使える31例文を紹介!

記事更新日: 2024/02/02

執筆: Ryo.Yama

2月は暦の上では「春」ですが、まだまだ厳しい寒さが残る時期です。

あらたまった手紙やメールを送る際には、冬から春へと向かう様子を表す時候の言葉を選ぶと2月にふさわしい挨拶状になります。

この記事では2月の時候の挨拶を、ビジネス・カジュアルシーンや上旬・中旬・下旬に分けてご紹介します。

書き出しから結びまで、すぐに使える実践的な例文をまとめていますので、ぜひ使ってみてください。

時候の挨拶とは

時候の挨拶とは、季節や天気などに合わせた書き出しの言葉で、手紙や文書、メールなどの冒頭によく使われます。

送る相手や、各月の上旬・中旬・下旬とタイミングによって適した表現が異なります。

ビジネスシーンで送る挨拶状の基本的な構成は以下のとおりです。

頭語 「拝啓」「謹啓」など
時候の挨拶 季語を用いた言葉
相手を気遣う言葉 相手の健康や活躍を祝う言葉
本文 挨拶文で伝えたい本題
結びの挨拶 相手の健康や繁栄を祈る言葉
結語 「敬具」「かしこ」など


また、手紙やメールを送る相手によって「漢語調」「口語調」と2種類の書き方があります。

 

漢語調と口語調の使い分け方

時候の挨拶には、かしこまった表現である漢語調と、ややカジュアルな表現である口語調があり、シーンによって使い分ける必要があります。

漢語調はビジネスシーンや目上の人への挨拶、口語調は友人・知人相手に使うのが一般的です。

漢語調(ビジネス用)の使い方

漢語調の時候の挨拶は、基本的に以下のような仕組みで成り立ちます。

季節を表す言葉+「の候」「の節」「の折」「のみぎり」のどれかの組み合わせ

 「立春の候」「梅花の折」などは目にしたことがあるかもしれません。

「候」「折」「みぎり」はどれも現代語の「時期」や「頃」を表し、「立春の候」であれば「立春の時期」という意味になります。

なかでも「の候」がもっともポピュラーでどの言葉にも組み合わせやすいので、まずはこれを押さえておくと良いでしょう。

口語調(プライベート用)の使い方

口語調の表現は、季節の言葉を入れつつ柔らかく話し言葉のように書きます。

「春が待ち遠しい日々が続きます」「まだまだ寒さが続きますね」など、2月の天気を盛り込む表現がポピュラーです。

漢語調ほどルールが厳格ではないので、イベントの話題や個人的なできごとを盛り込むなど、相手によってはある程度自由に書いてOKです。

続いて、すぐに使える具体的な時候の挨拶の例文を紹介していきます。

ビジネスシーンとカジュアルシーンに分けて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ビジネスに使える2月の挨拶の書き出し

ビジネスシーンにおける漢語調の時候の挨拶には、2月全般で使える表現と、上旬・中旬・下旬に適した表現があります。

厳密に使い分ける必要はありませんが、意識して書くとより洗練された文面になります。

2月全般の例文

拝啓 梅花の候、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

拝啓 向春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 「梅花」とは字の如く「梅の花」のこと。

挨拶状で使用すると「梅の花が咲き始める季節になりましたね」という意味になります。

また、「向春」は「春が訪れようとしている頃」をあらわしています。

どちらもこれから春に向かう2月にピッタリの時候の挨拶といえるでしょう。

ただし、雪が多い地域や寒さの厳しい地域の方に送る際は、雪が溶け始めた頃に使うと良いかもしれません。

2月上旬の例文

謹啓 立春の候、〇〇様におかれましては、ますますご壮健のこととお慶び申し上げます。

謹啓 晩冬の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

「立春」とは「春の気配が立ちはじめる時期」で、ご存知のとおり2月4日付近をさします。

旧暦では1年の始まりとして用いられており、現代でもポピュラーなため誰に対しても使いやすい表現です。

「晩冬」は冬の終わりを表し、こちらは立春よりはやや早い1月から2月のはじめに用いると良いでしょう。

2月中旬の例文

謹呈 残寒の候、〇〇様におかれましては、ますますご清祥のことと存じ上げます

謹呈 余寒の候、貴社ますますご隆盛のことと存じ上げます。

「残寒」と「余寒」はどちらも、立春を過ぎてもなお寒さが残る様子を表す言葉で、2月4日を少し過ぎてから2月の中旬頃までに用いるのが一般的です。

なお、実際に寒さが厳しい時期に使うと、よりスマートな印象を与えられます。

2月下旬の例文

拝啓 雨水の候、〇〇様におかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。

拝啓 早春の候、貴社ますますご繁栄のことと存じ上げます。

「雨水」は「降る雪が雨へと変わり、氷は溶けて水になる」という意味で、2月18日付近を示す言葉です。

「早春」は、読んで字のごとく「早い春」つまり春の始まりを感じる様子を表します。

「雨水」は下旬のやや早いタイミング「早春」は実際に寒さが和らいだタイミングで使うと良いでしょう。

カジュアルに使える2月の挨拶の書き出し

カジュアル向けの口語調の場合は、上旬・中旬・下旬の区別はあいまいで、どちらかと言うと実際の気温や天気などに合わせて書き分けることを意識しましょう。

2月全般の例文

梅のつぼみがふくらみ、さわやかな香りが漂うこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

春が待ち遠しい時期になりましたね。〇〇様は風邪などひかれておりませんか。

 2月全般で使える表現としては「梅」や「春」を盛り込んだ表現が挙げられます。

特に「春が待ち遠しい」「春が近づいている」などは時期や天気を問わず使えるので、まず押さえておきたい表現です。

「梅」に関しては、地域によっては実際につぼみがふくらみ始めるタイミングで使うとより洗練された印象を与えられます。

2月上旬(まだ寒さの厳しい時期)の例文

節分を過ぎても厳しい寒さが続きますが、体調にはお変わりございませんか。

立春を迎え、暖かな日々が待ち遠しいこの頃。〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。

2月上旬は、季節の区切りとなる「節分(2月3日付近)」「立春(2月4日付近)」といったポピュラーな言葉があるため、それを使うのが無難です。

「寒さが厳しい」「雪がちらつく」などの表現で実際の気温や天気を反映するとよりスマートかもしれません。

2月中旬(少しずつ寒さが和らいできた時期)の例文

雪解けの水も徐々にぬるんで参りました。〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。

寒さの中に春を感じる時期になりました。お変わりありませんか。

寒さが和らぐ時期になったら、「雪解け」「雨」「水」などの言葉を使ってその様子を表現しましょう。

よりカジュアルで柔らかい印象を与えるなら「春を感じる」「春が近い」など、より普段の会話に近い言葉を使うのもありです。

2月下旬(暖かさを感じられるようになってきた時期)の例文

つい先日、東京では春一番が吹きました。そちらの様子はいかがでしょうか。

少しずつ日差しが春めいてきましたね。〇〇様はいかがお過ごしですか。

2月も下旬になって本格的に春が近づいてきたら、季節の変化や暖かさを感じるような表現を用いてそれを表しましょう。

「春一番」「日差し」「陽気」などが特に適しています。

なお、下旬になっても気温が上がらない年や寒い地域では、上旬、中旬に用いるような言葉の方が良い場合もあります。

ビジネスに使える2月の結びの挨拶

時候の挨拶のメインは冒頭ですが、結びでも季節を感じさせる言葉と相手を気遣う言葉などで締めくくると、さらに好印象です。

2月ならではの表現は必須ではありませんが、入れる場合は冒頭と表現が被らないようにしましょう。

2月特有の例文

立春の折、貴社皆様のご健勝を心よりお祈りいたします。

三寒四温の候、何卒ご自愛くださいますようお願い申し上げます。

残雪の折、ご自愛専一にてお過ごしください。

梅香のみぎり、皆様のご多祥を心よりお祈り申し上げます。

2月特有の表現を入れる場合、冒頭の時候の挨拶と同じく「季節の表現」+「候」「折」「みぎり」という仕組みで書き出します。

上の例文に加えて、先ほど紹介した書き出しの表現を用いてもOKです。

そのあとに続けて、相手の健康や幸運を祈る文章で締めくくりましょう。

1年を通じて使える例文

今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

これからも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。

貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

日頃ビジネスシーンで良く使うこうした表現も、結びの挨拶としては十分に実用的です。

季節の表現は使いすぎるとくどい印象を持たれる可能性もあるので、よほど丁寧な文面でない限りは、こうした一般的な表現を使ってしまっても問題ありません

カジュアルに使える2月の結びの挨拶

ビジネスと同様、こちらも2月ならではの表現は必須ではありません

入れるならあくまで簡潔な表現にとどめると読みやすい文面になります。

2月特有の例文

春とは名ばかりで寒さが続きますが、体調など崩されませんようご自愛ください。

季節の変わり目に、風邪など引かれませぬよう暖かくしてお過ごしください。

日差しが暖かくなる頃に、またお会いできることを願っています。

梅の花を待ちながら、お互い体を大切に過ごしましょう。

今年は花粉の到来も早いようです。時節柄、無理せずお過ごしください。

 カジュアルな文面の結びの挨拶も、基本的には冒頭の挨拶と同じように、時期や天気、気温に合わせた言葉を盛り込んで表現します。

「寒さ」「春」「日差し」などのポピュラーな言葉に加えて、「花粉症」「受験」など2月ならではの言葉を盛り込んでもOKです。

1年を通じて使える例文

ご多幸をお祈り申し上げます。

変わらず元気でお過ごしください。

またお会いできる日を楽しみにしております。

相手との関係性や内容にもよりますが、カジュアルな文面でもこうした季節を問わない一般的な挨拶で締めくくって問題ありません。

大事なのは相手に気遣いや親しみを伝えることなので、あまり型にとらわれ過ぎず自由に書き、余裕があれば時期を意識するくらいがおすすめです。

2月の季語や主なイベント

ここまで紹介した表現以外にも、以下のような季語や2月ならではのイベントの言葉などを入れると、より相手の心に響く文面になります。

例文をベースに、アレンジを加えたい時の参考にしてみてください。

2月に使える季語

  • 初春
  • 春めく
  • 余寒
  • 梅見
  • 白魚
  • 猫の恋
  • はこべ
  • クロッカス
  • ミモザ

 

2月の暦・イベント

  • 初午
  • 節分
  • 針供養
  • 建国記念日
  • 旧正月
  • バレンタインデー
  • うるう年
  • 受験

 ぜひ、挨拶状を送る方の趣味や趣向に合わせた季語を選んでみてください。

まとめ

あらたまって手紙やメールを送る機会は減ってきていますが、ビジネスシーンや目上・年配の方相手には、時候の挨拶は今でも必要なマナーです。

2月だけでも数多くの表現があるため、全て暗記するのではなく、まずはよく使うものをひとつふたつだけ覚えて使えるようにすると良いでしょう。

そのうえで、余裕があれば天気や時期に合わせて季語やイベントなどのキーワードを盛り込んでみましょう。

画像出典元:Pixabay、Unsplash

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