今期も11億円の赤字となっております。
投資フェーズがまだ続いているようですね。18年は2本のリリースがありました。
また第27回モンブラン国際文化賞を受賞しました。
法人としては日本で初めての受賞です。
寺田倉庫は、保管するものの本質を学び、極めて最適な条件で保存するために、積極的な設備投資を行っています。
また、従来の倉庫業の枠組みを超え、保管だけに留まらず、預かったものの価値を高めて後世に引き継ぐための保存や修復、及び空間活用のノウハウを活かして文化発信の拠点となる事業を積極的に進めています。
とりわけ1970年代より開始したワインセラー事業は、保管環境の世界標準とされる「温度14℃±1℃、湿度70%±10%」の温湿度設定において業界内で高い評価を得ています。
2018年3月の当期純利益は17億円の最終赤字となりました。2016年3月では13億円の黒字収益ですが、翌年から急激に当期純利益がマイナスになっている点が気になります。
2011年からの当期純利益の推移を見てみましょう。
グラフを見ても2011年から2016年では継続的に黒字化を達成しており、赤字となったのはここ最近です。
そこで、寺田倉庫の1年間の動向をまとめてみました。これだけの新しいビジネスを展開しているスピード感のある企業です。
以上のことを踏まえると、2017年3月から当期純利益が減少した理由は事業拡大のための先行投資だと考えられます。
しかし、なぜ1950年に創業された老舗企業がこれだけスピード感を持って事業を拡大できるのでしょうか。
寺田倉庫は、1950年10月創業。長年、食糧庁の指定倉庫として米の保管事業に携わっていました。1956年から天王洲地区に本社を設置。その頃から美術品、映像フィルム、ワインなどの保管事業を開始しました。しかし、BtoBで大手顧客を相手にすれば、景気の波に影響を受けやすく、価格競争に巻き込まれてしまうという問題を抱えていました。
寺田倉庫の本社
そこで、2011年中野善壽氏を社長に迎え入れることで一気に経営再建へ。事業のピポットにより売上は7分の1になりましたが、従業員を14分の1に減らして販管費を抑えることで、キャッシュフローを8倍に。その資金でwebと写真を活用した新たな収納サービス「minikura」を展開し、月額課金制の衣料品レンタルair Closetなどのベンチャー企業と資本・業務提携も開始しました。
また、寺田倉庫の本拠地となる天王洲アイル地区の活性化にも力をいれており、本社内にイベントホール、音楽スタジオ、茶室などを開設し、品川区の施設にギャラリーを誘致しています。2011年を皮切りに老舗企業とスタートアップの顔の2つを持つ寺田倉庫に生まれ変わったため、スピード感を持って事業を拡大できるというわけです。
これまで台湾や中国などアジアのコングロマリット企業に飛び込んで、経営メンバーとして腕をふるってきた異色のキャリアを持っています。経営に関わった企業は合計で6つ。2011年に寺田倉庫の代表取締役に就任。
「モンブラン国際文化賞」は、モンブラン文化財団によって1992年より毎年実施されているアワード。文化芸術の分野において、長年にわたり情熱と強いビジョンを持って若い才能の育成や、アーティストの活動をサポートし続けている個人または団体の栄誉をたたえてきました。そんな「モンブラン国際文化賞」の今年度の受賞者が2018年5月28日に発表され、日本からは寺田倉庫が受賞。日本における法人格の受賞は初となりました。
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