経費精算にルールは必須!作成時に入れるべき事項とポイントを解説

経費精算にルールは必須!作成時に入れるべき事項とポイントを解説

記事更新日: 2020/07/31

執筆: 高浪健司

経費精算というのは申請者・承認者・経理担当者など、経費精算業務に関わるすべての従業員に対して手間や時間がかかります。

そのため、経費精算に関する社内ルールをしっかりと定め、そのルールに従って運用していくことが何よりも重要な取り組みとなります。

そこで今回は、経費精算におけるルールの必要性や作成ポイントなど、経費精算に関するルール作成について、詳しく解説していきます。

経費精算にルールが必要な理由

経費精算というのは申請から精算に至るまでの業務フローが煩雑であるため、申請する側・処理する側、ともに手間や時間、労力がかかります。

そのため、経費精算に関するルールはしっかりと規定しておくべきところですが、比較的小規模な会社では経理精算に関するルールを特に設けず、大雑把に進めているケースも少なくありません。

ではまず、経費精算に関してなぜルールを規定する必要があるのか、その理由を説明します。

 1. 経費の無駄遣いを抑制

経費精算に関して特にルールを設けていない場合、出張の際にかかる交通費や食事代、宿泊費などの費用を『どうせ経費で落とせるから』などと必要以上に使用してしまうことが考えられます。

そのため、出張時の宿泊費に関して上限額の設定や、移動にかかる交通費は最安値となるルートでなければならないなどのルールを設けます。そうすることで、経費の無駄遣いが抑制され、必要な分にだけ経費が使えるようになります。

2. 法的リスクを回避する

経費精算処理がルーズな状態である場合、経費を不正に使用されてしまうなどのリスクが高まります。

経費の不正使用というのは会社の利益を低下させるだけではなく、万が一不正が明るみに出た場合、社会的信頼を失墜させるなど法的リスクもあります。

こうした経費の不正使用や法的リスクは、経費精算のルールしっかり定めることで回避することができるようになるのです。

3. 節税効果

経費には課税対象となるもの、非課税扱いとなるものがあります。

たとえば事業の売上を目的とし、取引先の人と打ち合わせを兼ねて食事をするとします。その場合、一人5,000円以下であれば会議費として計上することができ、非課税扱いとなります。

また、出張をすれば出張手当が発生する場合がありますが、出張旅費規定を作成していれば出張手当は所得税の課税対象外となります。つまり、経費精算の規定を作ることで会社・従業員ともに節税効果が得られるのです。

4. 経理部の負担軽減

申請するのを忘れていたなどの理由で、長期間経過してから申請書が提出されるケースがよくあります。

これは経費精算に関して特にルールを決めていないがために発生しがちなパターンです。領収書やレシートなど長期間経過してしまっているものに関しては、金銭の動きが非常に把握しづらく処理も煩雑になります。

もともと経費精算は手間や時間、労力がかかる業務ですので、処理が煩雑になるとさらに負担が大きくなります。

そのため、一定の期間を提出期限と定めることで申請の後回しを防ぐことができるため、経理担当者の負担軽減に繋がります。

また、経費というのはどこまでが経費になるのか線引きが曖昧な部分が多く、経理担当者が経費として認めるか否かの判断をその都度行わなければなりません。

しかし、経費の使用に関するルールが全従業員に浸透していれば、従業員自ら判断できますので申請の差し戻しも減り、経理担当者の負担も軽減されます。

5. 従業員間における不公平感を無くす

経費の妥当性に関しては、申請の処理を担当する経理担当者が内容を確認しその都度判断します。そのため、たとえ同じ申請内容だったとしても承認されたりされなかったりと、承認結果にズレが生じる場合があります。

申請者はそのズレに対して「自分だけ承認されなかった」など不公平感を生む可能性があります。また、経理担当者よりも申請者の方が上の立場だった場合、承認できない内容だとしても、立場上却下しづらいという状況に陥るケースも考えられます。

しかし、経費精算に関してしっかりルールを決めておけば、承認や否認もそのルールに従って平等に処理することができます。そのため、経理担当者によって結果が異なってしまうことや従業員間における不公平感を生むこともないでしょう。

比較的小規模な会社かつ営業活動など外出する頻度が低い場合は特にルールを定めなくても問題なく経費精算を進めることができるかもしれません。

しかし、経費の扱いに関しては非常に煩雑化しやすくトラブルに発展しやすいものですので、企業規模に関係なく経費精算におけるルールはしっかり作成するべきなのです。

経費精算のルールに盛り込むべき事項

経費精算に対するルールが決められていなければ経理担当者の業務負担は増えますし、さらには経費精算に関するトラブルにも発展し兼ねません。

そのため、経費精算を行う会社であれば経費精算に関するルールの制定は必須であると言えます。

では続いて、経費精算のルールにはどのような内容を盛り込むべきなのか、ルール作成における基本事項をお伝えします。

経費の適用範囲

経費の適用範囲を定めます。なお、経費の適用範囲というのは基本的に業務上で必要なものに関しては経費として認められますが、どの範囲を経費にするかは会社の判断によります。

そのため、社内でよく話し合い、適切な適用範囲を決めましょう。

また、役員と正社員のみが対象なのか、それともアルバイトや非正規社員なども含めるのか、経費の適用対象範囲についての規定も必要です。

申請期間の設定

外出する頻度が高く忙しい営業担当者にとって、経費精算の申請は非常に面倒な作業となるため、つい後回しにしてしまいがちです。

長期間経過すると領収書などの重要書類を紛失する可能性が高くなるだけではなく経理担当者の負担も増えます。

経費精算には申請から精算まで多くの手間がかかりますので、できるだけ早めの申請が理想です。そのため「経費発生日から1ヶ月以内」など、申請期限を設定すると良いでしょう。

領収書がない場合の処理方法

経費精算を行う際は基本的に領収書やレシートの提出が必要です。しかし、時として領収書のもらい忘れや紛失、公共交通機関の利用時や結婚祝、慶弔費など、申請時に領収書が無いケースも考えられます。

このように、領収書が無い場合の処理方法として、出金伝票を用いるなどの規定が必要です。

書式(フォーマット)の準備

申請時の不備やミスを減らし、スムーズな申請を実現するため、会社指定の申請書をあらかじめ準備すると良いでしょう。

なお、申請書のフォーマットを作成する際は、「申請しやすい・確認しやすい」を意識しながら作成することがポイントです。

経費精算に関するルール作成のポイント

さて、経費精算のルールを作成する際、ルールに盛り込むべき基本事項をお伝えしました。次に、経費精算に関するルール作成においてポイントとなる大事な部分をお伝えします。

仮払い制度の規定

経費精算は営業活動など業務に関わる活動をする際にかかる経費を従業員が一時立て替え、その後経費精算書など書類と引き換えに現金を払い戻すといったもの。

つまり、立て替える金額が大きければ大きいほど従業員に対する金銭的負担も大きくなってしまうということです。

経費立て替えによる従業員への負担を軽減するためにも仮払いの規定を作成し、出張する前に想定額を支給することができる仕組みを作ることが重要です。

自己決済の禁止

経費の申請から承認まで自ら行う自己決済は、経費の不正計上の原因になりやすいので注意が必要です。そのため、自己決済を防ぐためにも申請者と承認者が同一人物とならぬよう配慮する必要があります。

また、上下関係によって承認が甘くなってしまうことも考えられるため、最終的に経費精算の確定を行う決済者を決めるというのも方法のひとつです。

例外は認めない

経費精算に限らず、これは会社組織としてのあり方ですが、例外を作っての特別対応は絶対に認めてはいけません。

例外は、たとえ一度でも認めてしまうと他の従業員に不公平感を与えたり不信感を抱かせたりするなど、定めたルールも名ばかりとなってしまいます。

定めたルールに対して、例外は一切認めないよう徹底することが大切です。

経費精算は種類ごとのルール決めが重要

経費精算には、主に「交通費」「交際費」「出張費」の3種類の経費が関わってきます。そのため、ルールに関しても交通費・交際費・出張費、それぞれしっかり決める必要があります。

では、精算ルールを決める際のポイントを、それぞれ詳しくご紹介していきます。

交通費について

バスや電車などの公共交通機関からタクシー、飛行機など、営業活動で利用する移動手段は様々です。そのため、交通費に関する精算ルールも決めておかなければなりません。

バスや電車の利用に関して

前述のとおり、バスや電車などの公共交通機関に関して、基本的に領収書の発行がないため、精算時は実際に利用した区間をもとに計算する必要があります。

しかし、目的地まで行くための経路が複数存在しており運賃もそれぞれ異なる場合があります。

そこで、精算ルールとして下記のように規定すると良いでしょう。

  • 最安値の経路で移動した場合の料金を計算し支給する
  • 定期区間は控除しなければならない

 

タクシーの利用に関して

バスや電車など公共交通機関に比べ、タクシーを利用すると交通費が高くなることがほとんどです。そのため、移動には原則としてタクシーは利用せず公共交通機関の利用を徹底することで経費の無駄遣いを減らします。

なお、やむを得ずタクシーを利用する際は「最寄駅から目的地まで○キロ以上距離があり、尚且つ公共交通機関が無い場合のみ」などと具体的に定めると良いでしょう。

飛行機の利用に関して

ご存知のとおり飛行機にはエコノミー・ビジネス・ファーストなどクラスによって料金が異なります。

そのため、社長・役員はビジネスクラス、その他はエコノミークラスなど、役職によって利用できるクラスを分けるようにすると良いでしょう。

車(自家用・社用)の利用に関して

車を利用して移動した場合、一般的には移動した距離数に応じてガソリン代を支給することになります。

なお、目的地によっては高速道路を使用するケースも出てくるかと思われますので、高速道路の利用条件に関しても規定しておきましょう。

なお、下記のページでは交通費精算について、さらに詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

 

交際費について

接待交際費というのは原則として法人税の課税対象となります。

しかし、飲食関連において一定の基準をクリアすることで、一部または全額非課税扱いとなるため、節税対策のためにもしっかり精算ルールを設けるべきでしょう。

報告書の詳細記入の徹底

接待交際費は「飲食関連であるか」また「金額はいくらか」など内容によって法人税の扱いが変わります。その内容とは…

接待交通費と言っても飲食関連に限り、上記の内容を意識することで一部もしくは全額を経費として計上することができます。

なお、経費として計上する場合は原則として、下記の必要情報が揃っている必要があります。

1. 飲食を行った年月日

2. 飲食費の合計と飲食店の名称および所在地

3. 飲食に参加した人数

4. 参加者の氏名と企業名および関係性

5. その他参考事項

経費として計上する場合、上記の金額に加え必要事項が揃っていることが前提となります。

そのため、あらかじめ飲食費の上限金額を設定し、尚且つ交際費報告書として必要事項を記入するだけで済むようフォーマットを用意しておくと申請もスムーズです。

出張旅費について

では続いて、出張旅費精算についてのルール作成ポイントです。出張旅費精算は税金が絡んでくることや認識のズレが生じやすくトラブルのもとにもなりやすいため、しっかりと規定しておくことが重要です。

出張の定義を明確にする

営業活動には通常の外回りと遠出の出張がありますが、どこまでが外出でどこからが出張になるのか基準が定かでないと申請者は困惑してしまいます。

そのため、「片道○㎞以上の移動を伴う業務」など移動する距離や、宿泊の有無によって定義している企業が多いです。

出張手当・宿泊費の金額設定

出張旅費では、1日の上限額をあらかじめ設定し、出張手当(日当)と宿泊費を定額にして支給とすることができます。

この場合、出張手当は1日単位で役職に応じて一律定額支給とし、宿泊費は社長・役員・一般従業員など立場によって金額を区分するケースが多いです。

また、海外出張の場合は宿泊料金なども高くなるほか、従業員の心身的負担も大きくなることが考えられます。

そのため、国内出張よりも金額設定を上げるなど国内・海外とで区別するのも良いでしょう。

食事代の扱い

出張時における食事代については、出張手当に含めるケースが一般的です。しかし、食事代を別途支給するといったケースもあります。

別途食事代を支給する場合、食事代としての申請等も必要になってくるので、申請等のルールも明確に規定しておきましょう。

仮払いの規定

前述のとおり、出張にかかる経費を想定し、あらかじめ従業員へ現金を渡しておくことを「仮払い」といいます。

仮払いが無いと従業員が経費を立て替えることになり大きな負担となってしまいますので、出張が多い企業ほど仮払い制度の設置は必要です。

なお、仮払いに関する規定は企業によって様々ですが、最低限「仮払いと認める金額設定」や、「仮払金からの過不足金額の精算」については規定しておく必要があります。

出張中におけるトラブル時の規定

出張中、事故や天災など何らかのトラブルに見舞われたり、仕事が長引いてやむを得ず出張期間を延長せざるを得ない状況になったりなど、様々なアクシデントが考えられます。

そのため、出張時に起こりうる事態を想定し、出張手当の取り扱いや宿泊費の支給など処理方法に対して事前に規定しておくようにしましょう。

なお、下記のページでは出張費精算について、さらに詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

 

経費精算をシステム化すると便利!

すでにご存知の方も多いかと思いますが、経費精算を行う際の流れとしては…

1. 出張などで使う経費を従業員が立て替える

2. 領収書やレシートを発行してもらい、紛失しないよう保管する

3. 帰社後、経費精算書を作成し、領収書等を添付して上長へ提出する

4. 提出された経費精算書を上長が確認し、承認印を押印する

5. 経費精算書等が経理部に提出される

6. ダブルチェックを行いながら経理担当者が細かく内容をチェックする

7. チェック後、特に問題がなければ精算となり払い戻しが行われる

8. 払い戻しの際、小口現金を使用した場合は必ず出納帳に記入する

9. 提出された領収書は最低7年間保管する

一般的に経費精算を行う場合はこうした多くの手順を段階的に進めていく必要があるため、申請者も、承認者も、経費担当者も、それぞれ非常に面倒かつ手間のかかる業務となります。

しかし、近年ではこうした手間のかかる経費精算業務も、申請から承認、精算処理に至るまでをシステム化し、一元管理することができる便利なサービスが多くリリースされています。

それこそ経費精算のルールに即していない不備のある申請を自動でチェックし、警告を促したり、申請ができないようにしたりする機能もあります。もちろんこれも会社が決めたルールに合わせて設定することが可能です。

また、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードをリーダー(スマートフォンやタブレット端末を使用したアプリ)にかざすだけで交通費のデーターを自動で読み込み、そのまま交通費精算ができるサービスもあります。

こうした経費精算システムを導入することで、これまで面倒で手間や時間がかかっていた経費精算業務も格段に効率化され、従業員に与える業務負担も大幅に減らせます。

つまり、経費精算システムは経費精算に関わるすべての人をラクにしてくれるのです。

ただし、一口に経費精算システムと言っても、サービスによって使える機能は様々ですので、サービスの特徴をよく確認したうえで、自社に合ったサービスを選ぶようにしてください。

下記記事では、人気の経費精算システム12選を徹底比較しています。口コミも掲載しているので、サービスの導入を検討している人は、役立ててください!

 

まとめ

事業を展開していくうえで、経費精算というのは必ずついて回る業務です。そのため、経費精算に関する社内ルールを策定するということは非常に重要な取り組みです。

そもそも経費はお金が関係することですので、ルールをしっかり策定していなければ不正行為など法的トラブルや従業員間における不平不満、経費の無駄遣いなど、会社に悪影響を与えるリスクが高まります。また、経費精算の処理ミスなども増えてくるため、経理担当者に対する負担も大きくのしかかってきます。

つまり、経費精算において社内ルールを策定することは必須事項であり、社内ルールなくして適切な経費精算および管理を行えない。ということが言えるのです。

経費精算は会社にとって非常に重要な業務であり、ミスや無駄を無くし、適切かつ堅実に遂行していかなければなりません。

近年ではこうした経費精算業務の手助けとなる便利なシステムも多くリリースされています。

ぜひそういった便利なツールを積極的に用いて、社内ルールに基づいた健全な経費精算を実施するよう、徹底していくことが大切です。

画像出典元:PhotoAC

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