経費精算書のテンプレート付き|書き方や注意点・経費について解説

経費精算書のテンプレート付き|書き方や注意点・経費について解説

記事更新日: 2021/05/21

執筆: 高浪健司

事業活動を行い、利益を上げていくためには様々な経費がかかります。

経費精算書は従業員が経費を立て替えた分の清算を行うために使用される書類で、スムーズかつ適切に精算処理を行うためには欠かせない重要な書類です。

この記事では、経費精算書のテンプレートをはじめ、精算書の正しい書き方から経費精算の基本的な流れや業務ポイントなどについて、詳しく解説していきます。

経費精算書テンプレート

経費精算には経費精算書が不可欠です。なお、経費精算書は決められた書式はありませんので、下のテンプレートを活用しながら自社の方針に合うよう上手くアレンジしてみてください。

テンプレート1. シンプルな縦型

 

テンプレート2. シンプルな横型



 
 

経費精算書とは?

企業活動には様々な経費がかかります。得意先訪問や出張など、時には従業員が費用を立て替えるケースもあります。

経費精算書は、業務で必要となる費用を立て替えた場合、後日その立て替えた費用を清算するために使用する書類のことです。 

なお、経費には様々な種類があり、経費として計上できるもの、そうでないものがあります。

経費精算書を用いて経費を精算するのであれば、経費の種類や計上できる判断基準など、経費について正しく理解しておくべきです。

経費の種類

企業が利益を得るために使う費用のことを経費といいます。経費額は納税額に大きく係わり、経費額が多ければ納める納税額も少なくなります。

かといって何もかも経費にして良いというわけではありません。

まずは経費として計上できる具体的な種類を確認しておきましょう。

経費の主な種類
人件費 消耗品 交通費 旅費交通費
広告宣伝費 新聞図書費 通信費 租税公課
修繕費 水道光熱費 支払手数料 外注費用

 

人件費

従業員を雇用する際に発生する費用の全般を指します。具体的は「給与・ボーナス・退職金」がそれに該当します。

消耗品

ボールペンやコピー用紙、パソコン周辺機器など業務で使用するもので、10万円未満の物品が消耗品として経費となります。

逆に10万円を超えると減価償却が必要となるため経費にはできません。

交際費

会議や打ち合わせなどを目的とした飲食代や、茶菓子代、贈答品の代金、お中元、お歳暮など、事業に係わる者に対する接待や贈り物などにかかる費用は交際費として計上できます。

ただ、交際費は経費のなかでも線引きが難しく、税務署のチェックも厳しい傾向にあります。

旅費交通費

主に営業活動で外出した際の交通費(電車・バス・タクシー・駐車場)や、出張の際の宿泊費が旅費交通費として経費に該当します。

広告宣伝費

雑誌、新聞、チラシ、パンフレット、アフィリエイトなど、不特定多数の消費者に対して販売促進を目的とした広告や宣伝にかかる費用は広告宣伝費として経費になります。

ちなみに、広告宣伝費はあくまで不特定多数が対象です。得意先や顧客など、特定の人を対象としたものは広告宣伝費ではなく交際費になります。

新聞図書費

書籍や参考書、新聞、雑誌など、事業を遂行するうえで必要な情報を得る目的で購入した費用は、新聞図書費として計上することができます。

ただし、オフィスや休憩室などに雑誌や新聞を備え付ける。そういった場合は新聞図書費ではなく福利厚生費となります。

通信費

電話使用料やインターネット回線使用料、書類を送付するための切手代などが通信費として計上することができます。

ただし、ハガキや便箋は消耗品費、祝電やお悔やみなどの電報は交際費。このように、それぞれ経費の項目が異なりますので注意が必要です。

租税公課

租税は国や地方自治体に納める税金。公課は国や地方自治体、その他の公共団体などに対する公的負担金。これら「租税」と「公課」を合わせた勘定科目が租税公課です。租税公課は主に「印紙代・収入印紙・個人事業税・固定資産税・不動産取得税・自動車税」などが経費となります。

修繕費

事業で使用している建物や機械装置、器具備品や自動車などの修理や、パソコンやエレベーターなどの定期的な保守点検にかかる費用が修繕費です。

なお、税法として修繕費は下記のようなケースが該当します。

  • 20万円未満の支出または3年以内の周期で定期的に行われる場合
  • 修理費や改良費が固定資産の前期末における取得価額の約10%相当以下の支出かつ、60万円未満であること

水道光熱費

水道料金や電気料金、ガス料金、灯油代などの費用を経費として計上することができます。ただし、自宅兼事務所にしている場合は、あくまで事業にかかった部分だけが経費です。

支払手数料

金融機関で振り込みを行う際の振込手数料、オフィスを借りる際の仲介手数料、税理士など依頼した際に支払う報酬、こうした事業を行う際に発生する報酬や手数料などが経費になります。

外注工賃

外部業者に委託した際に発生する費用です。具体的には工事や各種デザイン、ホームページ作成などにかかる費用です。業務の一部をアウトソーシングした費用も外注工賃になります。

ただし、税理士、弁護士、司法書士など専門性の高い業務を依頼した場合は外注工賃ではなく支払手数料になります。

どこまでが経費になるのか?

自分は経費になると思って計上したものの、実際には経費として認められず、ペナルティが科されてしまうケースが多々あります。

経費というのは、どこまでが経費になるのかといった判断基準が難しいものですが、経費になるものとしての判断基準は、あくまで「会社の利益を上げるために直接必要となる費用」です。つまり、事業とは関係のない費用は経費にはならないということです。 

たとえば、私生活で使用する日用品、趣味に係わる道具、友人や知人との食事代、こうした費用は事業との関係性がないので経費にはなりません。

また、法人税や法人住民税、法人事業税などの納税に関しても経費にはなりません。さらに、事務用品を消耗品として経費にすることができても、未使用の状態だと経費になりませんので注意が必要です。消耗品が経費になるのは原則として使用した分だけです。

経費・費用・損金の違い

「経費」「費用」「損金」この用語の意味を正しく知っておくことは経理業務を行ううえで重要ですので、正しく理解しておくと良いでしょう。

費用

費用は、一般的に会社が支出したすべての金銭のことをいいます。会計上、費用は経済的価値の減少に該当し、減価償却費のような金銭の支出がないものも含まれます。

損金

損金は、法人税を計算する際に用いる言葉で、費用や経費と比べて対象範囲が狭く限定的に使われます。なお、法人事業税、所得税、酒税、固定資産税、不動産取得税などの税金は損金で、法人税や住民税、延滞税、加算税などは損金になりません。

経費

経費は、費用と同じく経営上発生する費用全般を指します。ただ、所得税に損金という言葉はありませんので、所得税の計算では損金の代わりに「経費」や「必要経費」という言葉を用いることもあります。

なお、経費という言葉は文脈によって意図する範囲が変わるなど、広範囲にわたって使用されます。

経費精算の手順

では続いて、一般的な経費精算を行う際の手順について解説していきます。流れとしては下のように進めていくのが一般的です。

社員が経費を立て替える

取引先などに訪問した際の交通費、出張に行った際の宿泊費、文房具など業務で使う備品の購入費。

こうした費用を立て替えた場合は経費精算が必要となりますので、速やかに経費精算書を作成します。また、領収書やレシートを必ずもらうようにしてください。

領収書・経費精算書を経理に提出する

経費精算書を作成して経理に提出します。なお、経費精算書に記載する内容としては、支払日時や目的、金額などです。

作成が終わったら領収書やレシートを必ず添付し、上長の承認印をもらったうえで経理に提出します。 

経理が内容を確認

経費精算書と領収書等が提出されてきたら、申請金額に間違いはないか、必要項目の記載漏れがないかなど、経理担当者が内容を細かくチェックします。

立て替えた分の精算

経費精算書など提出された書類を確認したのち、内容に問題がなければ精算が行われます。精算の方法に関しては、それぞれ会社によって取り決めなどが異なります。

帳簿に記帳する

経費精算の手続きが一通り完了したら、経費精算書の内容に従って帳簿に記入します。帳簿は会社にとって非常に重要なものとなりますので、記帳の際はミスが無いよう気を付けましょう。

経費精算書の書き方

経費精算書といっても特に決まったルールやフォーマットが存在しているわけではありません

そのため、企業によって書き方はそれぞれ異なりますが、一般的に共通しているのは下記の項目です。

経費精算書に入れるべき必要事項

  • 申請日
  • 申請者氏名
  • 所属部署
  • 金額(支払った額金額)
  • 支払先(先方の会社名など)
  • 支払内容
  • 承認欄
  • 備考欄


上記の基本的な必要事項を抑えたうえで、自社に合わせて作成してください。

経費精算業務のポイント

経費精算というのは細かい作業が多く、精算の件数が増えれば増えるほど手間や人的ミスも増します。経費精算は会社にとって非常に重要な業務であり、1円のミスも許されません。

そのため、いかに人的ミスを防止し確実にこなしていくか。こうした取り組みが経費精算業務を行ううえで重要となります。

なお、いかに人的ミスなどを防止し、確実に精算処理を行うか。それには複数人でチェックを行う「ダブルチェック」の徹底がポイントとなります。

また、申請者による記入漏れや添付書類の付け忘れなど、こうした書類の不備は経費精算業務の効率を下げる原因となります。申請する際は、記入漏れなど不備がないよう徹底させることも重要なポイントです。 

必要事項の記入漏れなどの不備を無くし、さらにダブルチェックを徹底することで、ミスなく確実な経費精算業務ができるのです。

  • 従業員の記入漏れや添付書類等の未提出など申請不備をなくす
  • 複数人によるダブルチェックで人的ミスをなくす


 一見すると基本的なことのように思えますが、この2つのポイントを意識することは非常に重要なことなので、ぜひ徹底するよう心掛けてみてください。

まとめ

事業活動には様々な経費がかかります。 

しかし、経費精算の処理業務というのは非常に煩雑化しやすいうえ、人的ミスが許されないなど、経理担当者の負担も大きい業務であるといえます。

人的ミスを未然に防止し、確実に精算処理を行うためには、経費精算時に関するルール決めはもちろんのこと、要点をおさえたしっかりとした経費精算書の存在が欠かせません。

是非ここで紹介したテンプレートや書き方などを参考にしていただきながら自社に合わせた経費精算書を作成し、活用してみてください。

また、経費精算業務をよりスムーズかつ確実に行いたいという場合は、経費精算システム導入を検討することをおすすめします。

画像出典元:O-DAN

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