経理業務の中でも高頻度に発生するのが、経費精算業務です。
こうした経費精算業務では、いかに効率良く正確に業務を遂行できるかが問われます。
一方で、企業において経営に影響を及ぼす経理業務の中でも、課題を抱えやすい業務でもあります。
そこで今回は経費精算における課題に焦点を当てて、企業が抱えやすい課題と解決方法、経費精算システムを導入するメリット、おすすめの経費精算システムまで解説します。
このページの目次
経費精算業務には、さまざまな課題があります。ここでは、ありがちな課題をピックアップしています。
領収書などの証憑書類から経費精算を行う際、経理担当者が手作業で集計作業や帳票への入力作業を行う企業も少なくないでしょう。
こうしたところでは、手作業ゆえに計算ミスや入力ミスのリスクが常にあるといえます。
さらには、ミスが原因で修正作業や再計算などの余分な作業が発生して、時間の浪費が起こることもあります。
証憑書類や経費精算専用の申請書類を提出してもらう場合、内容や必要事項に抜け漏れがあることも少なくありません。
仮に抜け漏れがあった場合、経理担当者はその確認に時間を取られることにもなりかねないのです。
差し戻しをしたとしても、再提出時のチェック体制が甘ければ、再び確認業務が必要になるなど経理担当者にかかる作業負担が増大します。
企業によっては、証憑書類と併せて自社独自の申請書類への記載も求めているところもあるでしょう。
この場合、照合作業から集計・入力・管理といった多岐にわたる作業を精算対象ごとに行わねばならず、業務フローが煩雑になりがちです。
経理担当者の業務は、経費精算だけに留まりません。精算業務の一つ一つは小さな作業でも、件数が多くなるほどに人員への負荷も高まります。
企業の中には、小口現金で経費精算を行っているところもまだまだ多いのではないでしょうか。
たとえば、外出時の交通費や交際費などを一旦従業員が立替ておき、精算時に現金で返還するといったケースです。こうした企業では、小口現金の管理も経理担当者の業務になります。
毎日のルーティンワークに残高確認が加わるわけですが、残高が合わなければ差異が発生した理由や原因を追求するのに人手と時間が必要になります。
小口現金を扱っていると、必然的に時間や労力をかける業務が発生するリスクが高まるといえるのです。
企業にはいろいろな従業員がいます。常に疑いの目を向けられるのは、従業員としては不本意かもしれません。しかし、企業としてはどんなときもリスクへの備えはしておくのが望ましいもの。
経費精算という名目で金銭の授受が発生する以上、不正請求のリスクはあるものと考えておくべきです。
従業員に疑いの目を向けなくて済むように、不正請求に対するリスク管理はしておきましょう。
経費精算における課題が見えたところで、どのようにして解決していけばいいのかを考えてみましょう。
経費精算では、証憑書類や申請書類を提出する際の社内ルールを徹底することです。
それによって、経費精算時の書類の不備への二度手間を減らせます。また、申請時にはルール順守のためのペナルティも検討しておきましょう。
ペナルティがあることで、ルールの徹底を図れるうえ、経理担当者の業務負担も軽減することが可能です。
経理担当者が抱える業務負担が大きい場合は、単純に人的リソースを増やすのも方法の一つです。作業ごとに担当を分けるなどして、一人当たりの業務負担を軽減するようにしましょう。
業務負荷が軽くなれば、経理部門に求められるその他の業務にも人員を割けるようになります。
人的リソースを増やすのにも限界があるため、経費精算システムを導入してプロセスや業務全体の効率化や生産性向上を図るのも、解決策として大変有効です。
特に経費精算の作業量が多い企業では、積極的にシステム導入を検討することをおすすめします。
経費精算システムは、交通費や交際費などの経費精算を効率化したり、デジタル処理したりするためのITシステムです。
このようなシステムを導入するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
経理清算システムでは、手作業で行われてきた業務の多くを自動化したり、デジタル処理したりできるようになります。
たとえば証憑書類と申請書類の照合で、抜けや漏れ、間違いがあったときにシステム側がアラートを出してくれるため、人の目でのチェック作業が省けます。
また、外出先でもシステムにアクセスできる機能を持つものであれば、書類提出のためにわざわざ帰社する必要性もありません。
上司の承認も外出先で可能となるため、経理精算もスムーズに行いやすくなります。
経費精算のみならず他の会計システムとの連動性も高まるため、全体的に経理業務を簡易化することにも役立ちます。
経費精算システムが自動的に処理を行ってくれることから、人の手を省けるようになります。
それまで人手を投入していた業務から人員を引き上げられるようになるのですから、経理業務における人的コストを削減することにも繋がります。
人的リソースが不足している企業において、これはとても大きなメリットといえるのではないでしょうか。
また、月末月初などに集中する経理業務のために残業で対応していたというところでは、経費清算システムに任せられる作業が増えるため、従来と比較して残業時間の削減も図れます。
証憑書類は保管せなばならないものですが、紙ベースで保管したり管理したりするとなると保管コストや手間もかかります。しかし、経費精算システムでは申請から管理までがオンライン化できます。
受理・入力・保管・管理といった一連業務をシステムだけで完結させられることから、業務の簡略化にもなります。
処理フローが煩雑な場合、不正や不備に気づくのが遅くなりがちです。フローが簡略であれば、経理担当者の目も行き届きやすく、不正や不備があっても迅速に対処可能です。
経費精算システムを導入すれば、多くの経理業務をシステム上で完結させられるようになります。
これまで別々に管理していた経理情報を一元化できるようになるため、各作業の工数が減り、経理部門全体の生産性向上にも繋がります。
機能が充実しているにも関わらず、月額600円(1人あたり)と他サービスと比べて安いです。
勤怠管理・人事管理など他のジンジャーシリーズと連携して1つのプラットフォームで利用できるのも非常に便利なポイント。
人事データを1つのプラットフォームにまとめることで業務効率化をはかれるほか、費用を抑えることもできます。
サポート体制が整っており、サポート満足度91%と高い満足度を誇るサービスです!
初期費用:30万円
月額費用:600円/人
他のジンジャーシリーズと合わせて利用することで、よりお得に利用できます。
ジョブカン経費精算を導入した会社で、多いのがコストパフォーマンスを評価する声。必要な機能を、リーズナブルな料金で提供しているのが、ジョブカン経費精算の魅力です。
ジョブカン経費精算の大きな特徴は料金体系。初期費用がゼロ円で、月額利用料もユーザ 1人あたりの料金なので、はじめて経費精算システムを導入する、小規模の会社にかなりオススメです。
初期費用:無料
月額費用:1ユーザ 400円
最低利用料金が5,000円(13人以上)という条件があるものの、 1ユーザに対する課金システムのため少人数の会社でも導入しやすいです。
TOKIUM経費精算(旧:レシートポスト)の最大の特徴は、領収書の画像を撮影して送るだけかんたんに経費申請ができること。
似たような機能を持つ経費精算システムは多くありますが、その多くはOCRという機械による自動入力のため、入力ミスが避けられず、確認や修正の手間が生じます。
TOKIUM経費精算はオペレーターが代行入力してくれるため、入力精度が圧倒的に高く、手直しの手間がかかりません。
iOS/Android いずれも専用アプリが用意されているため、利用しやすいです。
初期費用:30万円
月額費用:ユーザー数無制限で30,000円~
初期設定サポートは初期費用に含まれています。
スマートフォンへの対応や、UIなどの使いやすさに定評があるConcur Expense。その高い評価により、国内経費精算市場8年連続トップシェアを獲得しています。
非常に機能が充実しており、カスタマイズ性も高いのが特徴です。
また、「経費精算を無くそう」をコンセプトに、タクシー配車アプリの「JapanTaxi」「DiDi」、「タイムズカーシェア」、名刺管理アプリの「Sansan」や、スマホ決済アプリ「PayPay」と連携するなど、様々なサービスと連携して経費精算を効率化できるのも注目です。
<Standardプラン>
初期費用:無料
月額利用料:29,000円~
<Professionalプラン>
レポート数に応じた従量課金制で、会社の規模など条件により価格が異なります。
詳細はこちらより資料をご確認ください。
Concur Expense 含む経費精算システムの資料をDL
「経費BANK」は初期費用0円で操作性の高いワークフローを実現しており、SBIビジネスソリューションズが運営する経費精算システムです。
操作の簡単さ・分かりやすさを目指すことで操作ミスや計算ミスを無くしており、信頼性と確実性を重要視する企業には最適です。
また、現在使用中の会計ソフトに合わせて仕分けデータを出力可能なので、振込作業なども楽に確実に行えます。
初期費用:無料
5IDまで | 10IDまで | 20IDまで | 30IDまで | |
月額費用 | 1,500円 | 3,000円 | 6,000円 | 9,000円 |
※利用ID数が200を超える場合は別途見積りが必要です。
画像出典元:「バクラク経費精算」公式HP
「バクラク経費精算」は、複数枚の領収書を”わずか5秒”でAI-OCRが読み取ります。
読み取った値は申請データに自動で反映されるため、金額・支払先の手入力は不要。
データの目視チェックを重視する企業にはあまり向いていませんが、入力ミスの防止効果が大いに期待できます。
申請内容はSlackで通知されるため、スピーディーな経費精算作業が実現。申請時のミスを軽減させたい企業には、うってつけのシステムです。
月額費用:30,000円~
無料トライアルがあるので、使用感を試せます。
経費精算における課題の多くは、人とプロセスに集約されます。
部門内の業務フローを改善しても、社内全体のプロセスに問題があれば、そのしわ寄せは経理担当者に集まります。
経費精算は業務量の少ない作業ではありませんから、積極的に課題解決のために動き出したいものです。
画像出典元:Pixabay
キャッシュレス決済で経費精算するメリットとは|運用の課題と注意点
領収書電子化のやり方は?電子帳簿保存法のルールやメリットを解説!
経理のテレワーク導入プロセスを解説!必要な3つのクラウドとは?
経費精算書のテンプレート付き|書き方や注意点・経費について解説
【比較】経費精算のConcurと楽楽精算を解説!機能・違い・料金は?
経費精算から始める働き方改革|現状から見る効率化のポイントとは?
【比較】jinjer経費とマネーフォワード クラウド経費の機能・違い・料金を解説!
経理業務の効率化は実現可能か?必要性や具体的施策、メリットを解説
徹底比較!Concur・楽楽精算・ジンジャー経費の特徴とは?
旅費精算とは?方法・流れ・精算書の書き方・注意点を解説!