経費精算に関わる業務が効率化できれば人員や時間を他の大切な業務に使うことができるようになります。経費精算システムを導入すればそうしたことも可能になります。
この記事では一般的な経費精算のやり方を解説し、経費精算システムを導入すればどんなメリット・デメリットが生まれるのかを紹介します。
このページの目次
経費精算とは、従業員が立て替えて支払いをした経費を会社が払戻す業務のことです。
どんなものが経費に含まれるのか、その代表例をいくつか紹介し、一般的な経費清算の流れを解説します。
事業に関係する支出はすべて経費として認められます。
一般的に経費に分類されるものには、旅費交通費、交通費、接待交際費、通信費、消耗品費、光熱費や賃貸料があります。給与手当や福利厚生費なども実は経費に含まれます。
従業員が旅費交通費、交通費、接待交際費、消耗品費などを立て替えた場合、精算書に領収書を添付して提出し、経理部門から払い戻しを受けることになります。
旅費交通費はいわゆる出張旅費のことです。出張で泊りがけになる場合の交通費・宿泊代などが含まれます。
交通費は普通に取引先に会いに行く場合などの交通費のことです。
紙ベースの一般的な経費精算の流れは以下の通りです。
1. 従業員が経費を立て替える
2. 領収書をもらう
3. 経費精算書に領収書を添付して上司に承認印をもらい経理部門に提出
4. 経理部門が内容を確認して問題がなければ精算
5. 経理担当者が小口の現金を渡した場合、出納帳に記入する
それぞれの工程をやり方と共にもう少し詳しく説明します。
従業員が取引先を訪問するための交通費、出張に行った際の旅費、会社の備品の購入代金を立て替えて支払いました。
本来会社が負担するべき費用を従業員が肩代わりしたわけですから、経費精算が必要になります。
従業員は経費を立て替えましたという証拠のために領収書をもらいます。
ですから領収書の宛名は個人名ではなく会社の名前になります。
経費精算書に領収書を添付して上司の承認印をもらい経理部門に提出します。
経費精算書には以下の項目への記入もしくは押印が一般的には求められます。
経理部門で受け取った経費精算書と領収書の内容を確認します。
内容に問題がなければ精算となります。
支払い日と支払い方法は、その会社の取り決めにしたがって行われます。週1回のところもあれば、週2回精算される会社もあります。
従業員が「消耗品を立て替えて購入した」「次の出張に必要な経費を仮払いして欲しい」と言ってきた場合、経理担当者は、その場で領収書や出張申請書を確認し現金を渡す場合もあります。
経理部門で管理している小口現金から出金があった場合、それを出納帳に記入しておかなければなりません。
これも経費精算に関係する大切な業務のひとつです。
紙ベースの経費精算の流れややり方を把握すると、そこにいくつかの問題点があることが分かります。
1. 申請から精算まで時間がかかる
2. 計算ミスや入力ミスが起こる可能性がある
3. 経理部門が小口現金をきちんと管理しないといけない
4. 従業員からの経費精算の申請が多いと作業が大変
従業員が経費を立て替えし、経費申請書を記入し、上司の承認印をもらい、そして経理部門に書類を提出し、内容に問題がなければ精算されるという一般的な経費精算の流れでは、従業員の申請から精算まで時間がかかるという問題があります。
例えば、社外での仕事が多い従業員は領収書をまとめて清算書を作成する時間を取るのが難しい場合がります。承認印を押してもらう上司に内容を確認してもらう必要があります。
経理部門に書類を提出しても記入漏れや計算ミスがあった場合、再提出しなければなりません。
こうしたそれぞれの工程での手間を考えると、申請から精算まで時間がかかるということがよく分かります。
申請者側の従業員がいくつかの領収書をまとめて精算する場合があります。
金額を正しく計算しなければなりません。
経理担当者も受け取った領収書や精算書の金額を会計ソフトなどに入力する必要があります。
こうした作業の中で計算ミスや入力ミスが起こり、修正に時間がかかり、他の仕事が中断することも問題です。
経理部門は日常的な支払いのためにいくらかの現金を手元に置いておきます。これが小口現金です。
経費精算で少ない払い戻しの場合、小口現金からその場ですぐに支払うという場合もありますが、そうした場合小口現金からの出金をその場で出納帳に記録しておかなければなりません。
こうした小口現金の管理が経理部門の負担となるという問題があります。
従業員数が多い、支店や営業所など拠点がいくつかある企業などの場合、精算の申請がたくさんあり経営部門の仕事を圧迫するという問題点が生れます。
さらに、申請件数が多ければ、先に紹介したような計算ミスや入力ミスの起こる確率も高くなります。
書類記入や会計ソフトへの入力、申請書の内容確認、精算といった作業はわずか数分で済みます。
しかし、それを年間でたくさんの件数行っているとすれば、その作業にかかる人員や時間、経費を削減する方法を考える必要があります。
紙ベースの一般的な経費精算のやり方では、いくつかの問題が生じることが分かりました。
こうした問題を解決するのが「経費精算システム」です。
経費精算システムを導入すれば従業員は簡単に経費精算を申請できるようになります。
例えば、乗換案内と連携したシステムで交通費の計算が簡単に出来る、領収書をスマホのカメラで撮影して登録するなどの方法で簡単に経費の申請ができます。
スマホで利用できる経費精算システムを利用すれば、外出先からの申請も可能です。
経費管理システムは経理部門の仕事の効率化にも役立ちます。
従業員が経費精算システムに入力した情報は電子データ化され一元管理されるので、経理部門の再入力作業は不要です。
申請内容はきちんと可視化され、それにより内容をきちんとチェックできる体制ができ、経費の水増し申請や私的目的での支出の申請などの不正行為の防止にもつながります。
では、経費精算システムを導入することでどんなメリット・デメリットが生まれるのかを最後に解説します。
経費精算システムを導入すれば次の3つのメリットが生まれます。
1. 経費精算業務の効率化
2. 経費精算がスムーズに行える
3. 生産性の向上
経費精算システムを導入すれば、領収書やレシートはスマホカメラで撮影し、経費申請書は指定されたフォーマットに入力するだけになります。
経理部門もこれまでならば、経費申請書や領収書の情報を再入力する必要がありましたが、それもいらなくなります。
こうして手作業や入力の手間が省けることで経費精算業務の効率化が図れます。
スマホやタブレットなどのマルチデバイスに対応した経費精算システムを導入すれば、従業員は必要が生じた場合、いつでもどこからでも経費精算の申請ができるようになります。
承認者の上司も内容をすぐに確認することができるので、承認作業もスムーズに行えます。
外出している従業員の多い会社や、複数の拠点がある会社などではこうしたメリットを十分に生かすことができます。
経費精算システムを導入すれば、授業員・上司・経理部門それぞれの作業負担を軽くするので、それによって時間を有効に用いることができるようになります。
例えば、申請書類を探したり、領収書を集めて計算したリする作業から解放されます。
こうして生み出された時間を有効活用すれば会社全体としての生産性の向上に結び付きます。
次に、経費精算システムを導入することで予想されるデメリットを紹介します。
1. 社員の理解を得る必要がある
2. 情報漏洩の心配
これまでの紙ベースでの経費申請に慣れてきた従業員に対して新しいシステムの使い方やメリットを説明しなければなりません。
経費精算システムに搭載されている機能に注目することも大切ですが、操作性など従業員に無理なく使えるシステムかどうかを確認することも必要です。
経費精算システムには無料で利用できるトライアル期間のサービスもあるので、そうしたサービスを利用してみて従業員のリアクションを見てから導入を判断するという方法もあります。
クラウド型の経費精算システムサービスを利用する場合、情報管理をサービス提供会社に委ねることになります。
そうなると情報漏洩の危険性が心配になります。
クラウド型の経費精算システムのサービスを提供している会社の中からセキュリティ対策がしっかりしている会社を選ぶことでそうした心配を払拭できます。
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似たような機能を持つ経費精算システムは多くありますが、その多くはOCRという機械による自動入力のため、入力ミスが避けられず、確認や修正の手間が生じます。
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読み取った値は申請データに自動で反映されるため、金額・支払先の手入力は不要。
データの目視チェックを重視する企業にはあまり向いていませんが、入力ミスの防止効果が大いに期待できます。
申請内容はSlackで通知されるため、スピーディーな経費精算作業が実現。申請時のミスを軽減させたい企業には、うってつけのシステムです。
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無料トライアルがあるので、使用感を試せます。
経費精算の一般的な流れを説明し、そこから見えてくる問題点を指摘しました。
紙ベースの経費申請では、領収書の管理、申請書の記入、承認印、経理部門による確認、会計ソフトへの入力、仕分け、精算など様々な業務が必要とされます。
経費精算システムを導入すれば、こうした業務の効率化を実現でき、申請から精算までの時間も短縮できます。
効率的に経費精算業務がこなせるようになれば時間を有効に活用でき会社の生産性の向上につながります。
中小の企業でも導入しやすいクラウド型の経費精算システムのサービスもたくさん提供されています。
この機会に自社のニーズに合った経費精算システムを導入してみるのはいかがでしょうか?
画像出典元:burst、pixabay
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