TOP > SaaS > 法務 > 契約管理 > 【もう困らない】契約書管理をエクセルで行う方!メリット・デメリットやエクセル以外の管理方法も解説
契約管理をエクセルで行うメリットは、コストを最小限に抑えられること。
でも、エクセルでの管理にはデメリットもあるので、いざという時の対処法も知っておきましょう。
当記事では、エクセルで契約書管理を上手に行う方法について徹底解説します。
初めての方でも成功するよう作業フローも紹介するので、ぜひ役立ててくださいね。
このページの目次
エクセルは多くの人が利用しているシステムで、基本操作さえできれば誰でも契約書を管理できます。
ほかにもメリットがあるのでみていきましょう。
エクセルで契約書を管理するメリットはコストが抑えられることです。
Microsoft officeソフトが入っているパソコンならすぐに利用できるため、導入コストがかかりません。
新たにシステムを導入したケースと比較すると、初期費用や月額費用を節約できます。
くわえて、担当者に専門知識は必要ないので、人材確保・育成のコストがかからないのもメリットです。
エクセルはさまざまな場面で使用できるようにカスタマイズしやすい仕組になっています
契約書管理システムだと提供サービスの範囲内でしかカスタマイズできませんが、エクセルなら自社オリジナル仕様の管理表が作成でき、運用開始後の変更も好きなタイミングで自由に行えます。
自動計算するための関数を設定しておけば、業務の効率化にも役立つでしょう。
次はエクセルでの契約書管理で、起こりがちな問題について説明します。
自由にカスタマイズできるエクセルだと、表を作成した人には見やすくても、ほかの人にとっては見にくい仕上がりになる可能性があります。
誰もが見やすい管理表をつくるのは素人には難しく、第三者が閲覧する際に不都合が生じるかもしれません。
業務がスムーズに行えないと、特定の人しか扱えず属人化する恐れもあります。
使いづらい管理表になった場合、担当者変更時の引継ぎに時間がかかってしまうのも問題です。
エクセルで管理すると、契約が切れるタイミングを手動でチェックする必要があります。
契約書管理システムのようなアラート機能はなく、更新日近くになると文字色が変わるアラート設定はあるものの、毎日エクセルを開いて目で見て確認しないといけません。
契約書の数が多いほど更新期限の管理作業が煩雑になり、人件費が上がるだけでなく、担当者のモチベーションが下がる可能性もあります。
エクセルは部署ごとのアクセス権限の設定など細かなセキュリティ対策に対応していません。
パスワードを設定すれば外部からの侵入を防げますが、閲覧できる人の数が増えるほど情報が漏れやすくなり、改ざんリスクも上がります。
契約書は機密文書の1つなので、セキュリティ対策が不十分なのは大きな課題です。
エクセルはエクセル以外にある情報との紐づけが難しいので、データを一元管理しにくいです。
エクセルに記載してある情報を契約書本体と照らし合わせる時には、契約書が保管してある場所にアクセスする手間がかかります。
すべての情報を一ヶ所で管理できる契約書管理システムに比べると非効率です。
データ処理速度が遅いこともエクセルの課題です。
データ量が多くなるほど処理速度が低下するので、今は良くても将来的には問題が生じるかもしれません。
契約書本体の情報を検索したり、記載内容を更新する作業に想定以上の時間がかかり、作業効率の低下につながります。
エクセルで電子契約を行うメリットよりもデメリットの影響が大きいと感じた場合は、最後に紹介する「エクセル以外の方法」を検討しましょう。
ここからは、エクセルによる契約書管理の具体的なフローを紹介します。
最初のステップは、管理する部署と担当者決めです。
一般的に契約書の管理は「法務」「総務」が担当する企業が多いでしょう。
実際の業務の流れや分担まで文書化しておくと、運用開始後の混乱を予防できます。
契約書管理を始めるためには、自社にある契約書全体を把握し、その中からエクセルで管理する契約書の種類を決めないといけません。
たとえば、法的に重要度が高い契約書や更新期限がある契約書は管理が必要です。
取り扱い数が多いと管理コストがかかり、更新期限見逃しなどのリスクも高まるので、適正な量にとどめましょう。
次は、管理表の項目を決めるステップです。
<管理表の項目例>
<エクセルでの管理表のイメージ>
管理するために必要な情報を的確に選択すると、作業しやすくミスを防げる優秀な管理表ができ上がります。
エクセルで管理台帳をつくったら、契約書本体にも整理番号を記載してから、探しやすいよう分類してキャビネットなどに保管しましょう。
紙の契約書を扱っている場合は、スキャンしてPDF化すればデータ保存できますが、この機会に電子化するのも1つの手です。
電子化すれば保管スペースが必要なく、PDF化する手間が省けます。
準備が整ったら、運用ルールを決めましょう。
データ記入や管理方法の基準を決めておけば、運用後のトラブルや法的リスクを予防できます。
<運用ルールの例>
事前にこれらのルールを周知させてから、運用を開始しましょう。
マニュアルをつくって、説明会や研修を行っておくと安心です。
次は、契約書管理をする方法について解説します。
管理項目が多すぎると作業量が増え、重要な情報を見落とす危険も高くなります。
そのため、必要最低限の項目に厳選しましょう。
この7項目を基本として、「自社にとって必要な項目」だけを追加すればOKです。
契約書は1つの場所で一元管理することが望ましいです。
書面契約書を事業所ごとに管理していたり、電子契約書データへのアクセス制限をしていると、いざという時にすぐ確認できなくて困るかもしれません。
エクセル管理を始めるタイミングで、契約書本体とデータを一ヶ所に集めておくのがおすすめです。
紙と電子、両方の契約書がある場合は、書面契約なのか電子契約なのかがわかるように管理しましょう。
なぜなら、書面と電子だと法的なルールが異なるからです。
たとえば、電子契約では割印の代わりにタイムスタンプをつかって改ざんを予防するので、電子契約だと気づかずに処理してしまうと、電子契約の法的な効力を失う危険があります。
また、契約書本体を探す際にも、どちらかわからないと時間がかかってしまうのも問題です。
エクセル管理を始める際に過去の契約書をすべて台帳に記入しようとすると、膨大な時間がかかるケースもあるでしょう。
そんな時は、最新の契約書から始めて、過去の契約書は時間のある時に記入していくのがおすすめです。
すべてを完璧に行おうとするとエクセル管理を始めるハードルが上がるので、少しずつ進めましょう。
エクセルの契約書管理にはデメリットもあるので、不便さを感じた時のために別の方法も紹介します。
契約書管理システムはエクセルよりもたくさんの機能があります。
誰でも使いやすいデザインで、更新日を見逃さないためのアラート通知など便利な機能が満載です。
データを迅速に処理できるので、エクセルより短時間で快適に作業できます。
紙の契約書を使用している場合は、すべてを電子契約に切り替えると大幅な効率化が実現します。
契約書管理システムを導入して電子契約に一本化すれば、エクセル管理の問題点が解決するでしょう。
セキュリティ面でも安全で、社員のミス(書面契約と勘違いするなど)による法的リスクが軽減することもメリットです。
紙の契約書本体を探す手間がなくなり、契約にまつわるデータをすべて一元管理できれば、一瞬でほしい情報が見つかるので作業が格段に楽になります。
エクセルをつかえば、コストをかけずに今すぐ契約書管理をスタートできます。
適切な項目を設けて、使いやすい台帳を作成することが大切です。
エクセルでの管理に不都合を感じたら、契約管理システムの導入も検討しましょう。
画像出典元:写真AC、Unsplash