電子契約とは?導入のメリット・デメリット、紙との違いを徹底解説

電子契約とは?導入のメリット・デメリット、紙との違いを徹底解説

記事更新日: 2020/08/12

執筆: 編集部

ペーパーレス化の推進に加えてリモートワークの推進などの影響もあり、電子契約が再び注目されるようになっています。

しかし電子契約の仕組みや安全性、関係する法律などをよく知らないので導入に不安を覚えている方もいらっしゃることでしょう。

この記事では電子契約の仕組み、電子署名やタイムスタンプをはじめとした安全性を担保する仕組み、関係する法律や導入時の注意点などをご紹介します。

この記事を読めば電子契約の導入について積極的に考えられるようになるでしょう。

電子契約とは?

電子契約とは、これまで書面で行われていた契約の締結を電子データに置き換え、その電子データに電子署名とタイムスタンプを付与し、書面契約と同じ証拠力を認めさせたものが電子契約です。

紙の契約書に署名捺印する契約方法に代わる方法として注目されているのが電子契約です。

電子契約の安全を担保する仕組み

紙の契約書の場合、原本と写しの2通を作成し、それぞれに署名と捺印をすることで、それが本物であるという安全性が担保されます。

しかし電子データの場合はコピーを作りやすいという弱点があります。では、どのように安全を担保するのか、その仕組みをまず簡単に説明します。

そのカギとなるのが電子データに付与される電子署名とタイムスタンプです。それぞれの機能と役割を説明します。

電子署名とは?

画像出典元:総務省「電子署名・認証・タイムスタンプ その役割と活用」

電子署名とは、電子文書に対して行われる電磁的記録のことです。

電子署名により次の2点が確認されます。

  • 誰がその文書を作成したか
  • 署名したときから電子文書が改ざんされていないか


契約書の本人性を保証する「電子署名」には3種類の方法があります。

提供サービスによって電子署名方法は異なり、各社とも自社サービスのセキュリティ性を謳っているため、違いが分かりにくくなってしまっているのが現状です。

それぞれの署名方法の特徴を簡潔にまとめると、以下のようになります。

電子署名方法3種類

電子証明書型(従来型)…電子証明書認証局が発行した「電子証明書」を用いる方法。法的効力が最も強い署名方法です。

メール認証型(立会人型)…メール認証やシステムログによって本人確認を行うタイプの電子署名方法。

ハイブリッド型 …自社は電子証明書、取引先はメール認証での電子署名で、契約を締結する方法。

 

1. 電子証明書を用いた署名

電子証明書認証局が厳格な審査を通して発行した「電子証明書」を用いることで、本人性を担保できます。法的効力が最も強い署名方法です。

重要度の高い契約を結ぶ場合は、電子認証局によって発行された電子証明書を利用した署名をおすすめします。

ただし、電子証明書を発行するために認証局からの電話に対応しなければならない場合もある、契約までの時間が長くなるなど、取引先への負担が大きくなるのがネックです。

法的効力やガバナンスを重視する企業向けの署名方法です。

2. メール認証による署名

メール認証やシステムログによって本人確認を行うタイプの電子署名方法です。

基本的に、電子契約サービスへの登録やメールアドレスのみで利用でき、電子証明書を発行する場合よりもスピーディーな契約を結ぶことが可能です。

電子証明書を用いた署名に比べ、取引先への負担が少ないのが特長ですが、法的効力は劣ります。

契約相手の負担を減らしたい・導入のしやすさを重視したい企業向けの方法です。クラウドサインなどがこうしたサービスを提供しています。

3. ハイブリッド署名

自社は電子証明書、取引先はメール認証での電子署名で、契約を締結する方法。

たとえば「GMO電子印鑑Agree」や「WAN-sign」ではこの締結方法が利用できます。取引先の利便性を考慮しつつ、自社のコンプライアンスを強化できる署名方法です。

 

タイムスタンプとは?

電子契約の安全性を担保するもうひとつの鍵がタイムスタンプです

電子データにタイムスタンプを付与することで次の2点が証明できます。

  • その電子データがいつから存在しているか
  • 存在時刻から現在まで改ざんされていないか

 

タイムスタンプを付与する方法

文書データの作成者は、データの内容を数値化して暗号化します。そしてタイムスタンプの発行を時刻認証局に要求します。

時刻認証局は、暗号化された情報に時刻情報を加えて、偽造されないようにし、タイムスタンプとして利用者にそれを発行します。

後日、文書データの中身を調べるときに、文書データの暗号を解いて数値に戻し、タイムスタンプの数値と照合します。2つの数値が一致していれば、データの作成から現時点まで改ざんがないという証拠になります。

 

電子契約と書面契約の違い

電子契約について説明してきました。書面契約との違いについても簡単に触れておきます。

 

電子契約に関係する法令

電子契約が導入されるようになった背景には法整備が整ってきたという理由も挙げられます。

下記に電子契約にまつわる法令の代表的なものをいくつか紹介していきます。

電子帳簿保存法

1998年に施行された電子署名法はこれまで数回にわたり改正されてきました。正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」です。

契約書を含む国税に関係する書類は原則として紙の形で7年間保存することが義務ですが、この法令により、真実性の確保、見読性の確保、検索性の確保などの保存に関する条件を満たせば電子データでの保存ができるようになりました。

電子署名法

2001年に施行された電子署名法により、電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用するという法的基礎が備えられました。

電子署名法により、本人よる一定の要件を満たす電子署名が行われた契約書を含む電子文書等は、本人の意思に基づき作成されたものと推定されます。

また、電子署名法により認証業務のうち一定の基準を満たすものは、総務大臣・経済産業大臣・法務大臣の認定を受けることができるという制度が導入されました。

IT書面一括法

2001年に施行されたこの法令の正式名称は「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」です。

この法令は従来書面での交付や手続きを義務付けていた法律を改正し、Eメールなどの電子的な方法で交付や手続きをすることを認めたものです。

電子商取引の促進を意図した法令であり、金融商品取引法・建設業法・旅行業法・保険業法などの50の法律について書面での手続きが電子的方法に代替可能となりました。たくさんの法律をまとめて改正したので一括法と呼ばれています。

e-文書法

2005年に施行されたe-文書法は、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つから成り立っています。

法人税法や会社法、証券取引法、商法などで保管が義務付けられている文書を紙媒体だけでなく電子データとして保存することを認めたものです。

対象となる文書には、帳簿類、領収書や請求書、納品書、そして契約書などが含まれています。さらに会社の定款、株主総会や取締役会議の議事録、賃借対照表や孫永輝計算書などの決算書類もその対象です。

このように政府も法整備を整えることで企業や個人が電子契約の恩恵にあずかれるようにしてきました。

電子契約導入のメリット・デメリットとは?

電子契約導入の6つのメリット

電子契約には以下の6つのメリットがあります。

  • コスト削減
  • 業務効率化
  • 保管スペースの削減
  • 災害などによるデータ消失リスクの回避
  • 検索と閲覧が簡単
  • コンプライアンス強化

 

コスト削減

電子契約導入により以下の分野でのコストが削減できます。

  • 紙代・印刷代・製本代
  • 郵送費
  • 契約に関係する業務を行う従業員の人件費
  • キャビネットや棚、倉庫など保管に関係する費用
  • 収入印紙代

 

業務効率化

契約書の作成業務の流れは以下の通りです。

  • 契約書の草案の作成
  • 当事者同士での内容確認
  • 契約書の作成
  • 原本と写しの印刷や製本
  • 保管
  • 検索・閲覧

電子契約を導入すればこうした業務すべてをオンライン上で行うことができるので業務効率化が可能です。

保管スペースの削減

書面契約では契約書を保存するためのファイル、キャビネット、ロッカー、倉庫などが必要です。

電子契約を導入すれば保管スペースはいりません。電子契約のクラウドサービスを利用すれば社内に専用のサーバを設置する必要もありません。

災害などによるデータ消失リスクの回避

紙の契約書は災害や火災などで消失する可能性があります。

電子契約を導入ではクラウドサーバー上にデータを保存し、バックアップが簡単にできるので災害や事故によるデータ消失のリスクを回避できます。

閲覧と検索が簡単

書面契約書では契約書にいくつかの種類があれば、必要な契約書を見つけるのが大変、契約締結後も必要な書類があればそれも探すのが大変という問題があります。

電子契約サービスを利用すれば、必要な書類の検索と閲覧が簡単にできます。

コンプライアンス強化

電子契約では電子署名やタイムスタンプにより契約書の改ざんを防止できます。

さらに、システム上で契約書に閲覧可能な人物を設定したり、ダウンロードや印刷を制限することも可能です。それにより情報漏えいのリスクも軽減できます。

このように偽造防止や情報漏えい対策ができているので、企業のコンプライアンス強化につながります。

電子契約導入のデメリット

電子契約導入のデメリットとして以下の4つを取り上げます。

  • オペーレーションの変更
  • 取引先への対応
  • 電子化できない契約書類がある
  • サイバー攻撃や情報漏洩のリスク

 

オペレーションの変更

電子契約導入後には契約業務のオペレーションを変更しなければなりません。これまでの書面契約に慣れてきた人たちや紙の契約書の方がいいという人たちからすれば、これはハードルとなります。

電子契約導入前に、導入の目的や意図、業務オペレーションの変更点などについてきちんと説明し、必要であれば教育や研修を行う必要があります。

取引先への対応

電子契約を導入する場合、取引先にも電子契約の導入をお願いしなければなりません。中には電子契約導入に消極的な取引先もあるかもしれません。

そうした取引先には、電子契約にすればコスト削減や業務効率化などのメリットがあることを説明し導入の検討をお願いする必要もでてきます。

その際は、電子契約自体が比較的導入が簡単なシステムであることを併せて説明できます。

電子化できない契約書類がある

電子契約に関する法整備が進んでいるとはいえ、現状では電子化できない契約書類も存在します。

たとえば以下の書類がそれらに該当します。

  • 定期借地・定期建物賃貸借契約
  • 宅地建物売買等媒介契約
  • マンション管理業務委託契約
  • 訪問販売等特定商取引における交付書面

 

サイバー攻撃や情報漏洩のリスク

電子文書を保管しているサーバーが攻撃された場合、データ流出、電子契約サービスの機能停止などの問題が生じるかもしれません。

そうしたリスクを軽減するためにデータ保管やセキュリティ対策をきちんとしている電子契約サービスを選ぶ必要があります。

さらに、テレワーク推進の関係で、契約書を会社のパソコンでダウンロードしてメールに添付して送信し、それを家のパソコンで閲覧、印刷するということもあるでしょう。しかしこうした状況は情報漏洩のリスクを高めます。

電子契約サービスの中には、契約書の閲覧はできるがダウンロードや印刷は不可、というように、行動や権限を設定できる機能を備えたものがあります。

こうした情報漏洩のリスクを減らす機能を備えたサービスを探すのも導入を検討するときの注意点です。

おすすめの電子契約サービス5選

ここからは編集部が厳選したおすすめの電子契約サービス5選を紹介していきます。

各サービスの金額面・機能面など主要な項目について徹底比較しているので、自社に最適なサービスはどれなのか、ぜひ参考にしてください!

各サービスの特徴はもちろん、5つのサービスのメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

1. NINJA SIGN

画像出典元:「NINJA SIGN」公式HP
 

特徴

「NINJA SIGN」は、メール認証による電子署名を採用しています。メール認証型のサービス導入を考えている企業には必ず検討して欲しいサービスです。

さらに他サービスでは書類を1件送る毎に料金が発生する従量課金制のものが多いですが、NINJA SIGNは送信料が0円なので書類送信件数が多ければ多いほど得をする料金体系となっています。

署名方法

メール認証による署名での契約締結になります。締結のしやすさを重視する企業に向いています。

機能

  • 契約書の作成から締結までオンラインで完結
  • Googleドキュメント形式でのアップロードが可能
  • フォルダ権限設定によって閲覧者を制限

料金プラン

プラン 初期費用 月額固定費用 機能
Free 0円 0円 基本機能のみ
Light 0円 4,980円 紙の契約書アップロード機能等追加
Light+ 0円 19,800円 ワークフロー機能等追加
Pro お問合わせ お問合わせ 専任サポート等追加


詳しいプランの違いや料金詳細は資料をご参照ください。

 

 

2.業界最高峰の法的安定性「リーテックスデジタル契約」

画像出典元:「リーテックスデジタル契約」公式HP

特徴

「リーテックスデジタル契約」は法人間での契約締結に最適な電子契約サービスです。

国の指定機関による厳重な本人確認など業界最高峰の法的安定性を誇ります。大手企業や行政機関など、法的効力を最重視したい!という企業には断然お勧めのサービスです。

署名方法

電子証明書を発行して契約締結を行います。

機能

  • 契約のデータを暗号化して保管
  • 通信を暗号化し、改ざんを防ぐ
  • 電子証明書を発行した電子署名方法

料金プラン

 

 

 

3. 圧倒的知名度を誇る!「クラウドサイン」

画像出典元:「クラウドサイン」公式HP
 

特徴

弁護士ドットコム株式会社が運営していることで人気が高い「クラウドサイン」。メール認証での契約締結になるため、比較的締結が簡単で大手企業の導入実績も多数あります。

ただし契約書の送信はPDF形式のみ・1回ごとの送信料が200円と他社と比較しても少し高めの設定になっている点がネックです。

署名方法

メール認証による署名での契約締結。締結のしやすさを重視する企業に向いています。

機能

  • 様々な条件で契約書検索が可能
  • 契約書に記載されている情報をテンプレートとして保存可能
  • 契約に関わる進捗状況を一括管理可能

料金プラン

プラン 月額費用 送信件数ごとの費用 特徴
Standard 10,000円 200円 全ての基本機能搭載
Standard plus 20,000円 200円 Standard+インポート機能
Business 100,000円 200円 高度なリスク管理機能

 

 

4. Word形式で送信可能「BtoBプラットフォーム契約書」

 


画像出典元:「BtoBプラットフォーム契約書」公式HP

特徴

「BtoBプラットフォーム 契約書」は良心的な価格・優れた機能・強固なセキュリティと三拍子揃っていて、どんな規模の企業にもおすすめできるサービスです。

ワークフローシステムを最大限に利用し、契約書だけではなく社内申請・承認業務を電子化することもおすすめです。

ただし電子証明書型の電子署名方法を提供しているため、1回きりの契約が多く、クライアントに手間・工数をかけさせたくない、という企業にとっては少しハードルが高い可能性があります。

署名方法

電子証明書を発行して締結を行います。取引先にも、招待メールのリンクから電子証明書の設定を行ってもらいます。

電子証明書を用いているので、法的効力が強い電子契約サービスです。

機能

  • 全プランでワークフロー機能と連携可能
  • 契約書文書から特定の文字列を検索可能
  • 閲覧制限機能

料金プラン

プラン 初期費用 月額費用 特徴
フリープラン 0円 0円 無料プランでもユーザー数無制限
シルバープラン お問い合わせ 10,000円〜 電子契約のみ利用可能
ゴールドプラン お問い合わせ 30,000円〜 電子契約に加え電子保管が利用可能


料金は全体的に割安
だといえます。

文書送信1通あたりの費用も50円/通と、他のサービスと比べても安いです。

また現在、オプション機能「ドキュメントScanサービス」のスキャン費用10万円を無料提供する特典プランもあります。

詳細は資料をご覧ください。

 
 

 

5. 契約書ごとに署名方法が選べる「GMO電子印鑑Agree」


画像出典元:「GMO電子印鑑Agree」公式HP

特徴

「GMO電子印鑑Agree」は、11万社以上の企業のITインフラを支えるGMOが運営している電子契約システムです。20年以上日本のインターネット基盤を支えている企業ならではの充実機能には定評があります。さらに弁護士監修の点も安心です。

最短数分からオンラインで契約締結ができ、同様な契約を大量に行う場合もテンプレート機能や一括送信機能で効率のよい契約を実現します。

署名方法

電子証明書・メール認証・ハイブリッド署名の全ての署名方法が利用可能なので、契約書ごとに使い分けることができます。

ただし「電子証明書」による署名方法を利用する場合は、ビジネスプランに登録する必要があります。

機能

      • ハイブリット署名での契約締結が可能
      • 紙の契約書も一元管理
      • 認定タイムスタンプを標準付与しており、各種法令に適応

料金プラン

プラン 月額費用 送信料(電子サイン) ユーザー数
お試しフリー 0円 0円/文書 1
契約印プラン 10,000円 100円/文書 無制限
実印&契約印プラン 20,000円 100円/文書 無制限


さらに詳しいサービス内容・料金を知りたい方は、資料をご覧ください。

 
 

 

おすすめサービスの比較を無料で!

ダウンロード時にご登録された個人情報は資料ダウンロードボタンが表示されているサービス運営会社(その連携会社)に提供されます。

 

まとめ

電子契約の安全を担保する仕組みについて説明しました。

電子契約自体は電子署名とタイムスタンプにより書面契約の署名捺印と同じような安全性が担保されています。

電子署名による契約の有効性を認める法令や、電子データによる契約書の保存を認める法令を整備するなど、行政も電子契約導入を推進しています。

取引先への対応や業務オペレーションの変更など導入のハードルとなるものもありますが、電子契約にはたくさんのメリットがあるので、この機会にぜひ導入を検討してください。


画像出典元:pixels

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