電子署名とは?仕組みや種類、導入時のメリット、注意点を解説

電子署名とは?仕組みや種類、導入時のメリット、注意点を解説

記事更新日: 2020/07/28

執筆: 編集部

最近では、契約書や請求書を紙ではなく電子データでやりとりする場面が増えています。特に現在は新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務も増え電子契約の必要性がより一層高まっています。

そんな契約書の電子化に欠かせないのが、電子署名です。

今回の記事では、電子署名の仕組みや種類、導入時のメリットと注意点について解説します。一見わかりづらい電子署名について理解が深まれば幸いです。

電子署名とは?

電子署名とは、電子文章が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明するものです。紙の書類でいう印鑑やサインにあたります。

電子署名は「本人証明」と「非改ざん証明」の2つの役割があります。

「本人証明」とは、契約書を本人が作成したことを証明するものです。

「非改ざん証明」とは、契約書が改ざんされていないことを証明するものです。

しかし、印鑑やサインと違い、電子署名は偽装がしやすいことが問題としてあります。

そこで、偽造防止として、電子証明書などの仕組みがとられています。これにより文章全体を暗号化、第三者によって内容が不正に改ざんされることを防止します。

電子署名2種類の違い

契約書の本人性を保証する「電子署名」には2種類の方法があります。

提供サービスによって電子署名方法は異なり、各社とも自社サービスのセキュリティ性を謳っているため、違いが分かりにくくなってしまっているのが現状です。

それでは、電子署名は何の種類を選ぶべきなのでしょうか?

結論からいうと、下記の通りです。

おすすめの電子署名方法

・電子証明書型(従来型)…法的効力やガバナンスを重視する企業

・メール認証型(立会人型)…契約相手の負担を減らしたい・導入のしやすさを重視したい企業

 

1. 電子証明書を用いた署名

電子証明書認証局が厳格な審査を通して発行した「電子証明書」を用いることで、本人性を担保できます。法的効力が最も強い署名方法です。

ただし、電子証明書を発行するために認証局からの電話に対応しなければならない場合もある、契約までの時間が長くなるなど、取引先への負担が大きくなるのがネックです。

2. メール認証による署名

メール認証やシステムログによって本人確認を行うタイプの電子署名方法です。

基本的に、電子契約サービスへの登録やメールアドレスのみで利用できます。

電子証明書を発行する場合よりも、スピーディーな契約を結ぶことが可能です。

電子証明書を用いた署名に比べ、取引先への負担が少ないのが特長ですが、法的効力は劣ります。

3. ハイブリッド署名

自社は電子証明書、取引先はメール認証での電子署名で、契約を締結する方法。

たとえば「GMO電子印鑑Agree」や「WAN-sign」ではこの締結方法が利用できます。取引先の利便性を考慮しつつ、自社のコンプライアンスを強化できる署名方法です。

各サービスの電子署名方法の違いは、実は大事なポイントなのでこれを踏まえて自社に合ったサービスを検討してみてください。

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電子署名の仕組み

電子証明書を利用した電子署名(従来型)

画像出典元:総務省「電子署名・認証・タイムスタンプ その役割と活用」

はじめに紹介するのが、電子証明書を利用するタイプの電子署名です。

1. Aさん(送信者)が認証局に電子証明書の発行申請を行います。

2. 認証局から発行された電子証明書(公開鍵の役割も兼任)と電子データ(契約書)、暗号化した電子データをBさんに送付します。

3. Bさんは受け取った電子証明書の有効性を認証局に確認すると共に、「送付された電子署名から復元されたハッシュ値」と「送付された電子データから生成されたハッシュ値」を比較することで改ざんや偽装の有無を確認します。

上記の説明でも出てきたように、本人証明と非改ざん証明のために「公開鍵暗号方式という技術」と「電子証明書」が使われています。

公開鍵暗号方式と電子証明について詳しく紹介します。

公開鍵と秘密鍵

公開鍵暗号方式では、暗号化・復号するときに公開鍵と秘密鍵という2種類の鍵を使います。

公開鍵はその名の通り広く公開しますが、秘密鍵は受信者のみが所持する鍵です。

秘密鍵があることで、万が一第三者が電子化された文章を入手しても、暗号化を解くことができません。

本人証明として使われる電子証明書

公開暗号方式だけでは不十分です。それは、公開鍵が送信者のものか証明できないという点です。

この証明に使われるのが電子証明書です。電子証明書は認証局と呼ばれる機関が発行し、発行された電子証明書を使うことで改ざんや偽装がないことが確認できるのです。

メールアドレスを利用した電子署名(立会人型)

次にメールアドレスを利用した認証方法について解説します。

1. ユーザー企業が電子契約サービス会社のサーバーに契約書とメールアドレスをアップロードします。

2. アップロードされたメールアドレス宛に専用アクセスURLが送られます。

3. メールの受信者がアクセスURLから、捺印者としてサーバー上の契約書にサインをします。

このとき利用される専用URLは、URLやリンク自体に不正アクセス対策がとられているものであるため認証の安全性は確保されています。

立会人型電子署名では、メールアドレスの所有者と捺印者は同一人物であるという前提で契約をすすめていく性質のものであることは留意しておく必要があります。

電子署名に欠かせない「電子署名法」とは

電子署名の広がりには、電子署名法の存在があります。

電子署名法は2001年4月1日に施行された法令です。

この法令により、電子署名が手書きの署名や押印と同様に通用することが法的に認められることになりました。

電子署名法のポイントは大きく分けて2つです。1つは「電磁的記録の真正な成立の推定」、もう1つが「任意的な認定認証制度」です。総務省の「電子署名及び認証業務に関する法律の施行(電子署名法)」のページには2つのポイントについて以下のようにまとめられています。

  • 電磁的記録の真正な成立の推定
    電子署名の付された電磁的記録が手書きの署名や押印の付された文書と同等に通様する法的基盤の確立(真正に成立したとの推定がなされる。)
  • 任意的な認定認証制度
    電子署名が本人のものであることを確認する認証業務に関し、任意的な認定制度の導入(認証業務の利用者に対し、信頼性の目安を提供)

引用:総務省「電子署名及び認証業務に関する法律の施行(電子署名法)

電子署名法により、政府行政機関や都道府県、市町村等における電子申請手続きでも、申請者自身によって作成されたことを確認する手段として、電子署名が使われるようになりました。

さらに、昨今のインターネットの発展により契約書や請求書を電子データ化するニーズが増えています。

電子署名導入のメリット

電子署名を活用することで、電子契約を行うことができます。

電子署名を導入し、電子契約が実行できることで得られるメリットについて紹介します。

コスト削減

電子契約にすることでコスト削減につながります。

電子契約書は紙の契約書のように収入印紙が必要ありません。

何百枚、何千枚の紙の契約書で使用していた収入印紙代が削減されることで、大きなコスト削減になるでしょう。

また、契約書を印刷する必要がなくなるので、用紙代や印刷代などの削減にもなります。

契約業務の効率化

電子契約書が導入されることで契約業務が効率化します。

紙の契約の場合は、契約締結までの間にいくつものステップが必要でした。契約書を印刷、押印、封入、郵送、そして返送などステップがたくさんあり、契約までどうしても時間を必要としていました。

電子契約であれば、契約書の電子データをメール等で送って、早ければその日中に契約が完了します。つまりこれまで数週間かかっていた業務が数日で終わるようになります。

また、一連の契約業務には人手が必要でしたが、電子契約が実現することでそれらの作業も減り、契約業務が効率化されます。

ペーパーレス化で管理が効率化

契約書が電子化されればペーパーレス化が促進されます。

電子化が進むことで検索性が上がったり、物理的な保管スペースが不要になります。

管理の手間が減り、契約書の管理を効率化できます。

電子署名の注意点

電子署名は電子契約を可能にすることで様々なメリットがありますが、注意点もあります。電子署名の注意点について紹介します。

すべての契約が電子化できるわけではない

電子署名を利用すること電子契約書が可能になりますが、すべての契約書を電子化できるわけではありません。

「投資信託契約の約款」「定期借地契約」など、中には電子化できないものもあるのです。契約の種類や用途に合わせて紙の契約書と電子契約書を使い分けましょう。

取引先にメリットを理解してもらう必要がある

契約は相手がつきものですので、電子署名や電子契約書を使うメリットを取引先にも理解してもらえなければそもそも使用できません。

自社の都合だけでなく、相手にとっても十分なメリットがあることを伝える必要があります。また、新しい技術というだけで敬遠される方もいるので、やり方など丁寧に説明することも大切です。

取引先が電子署名、電子契約書を導入しているか事前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

電子署名は電子契約など電子化していく上で欠かせない存在です。

電子署名の仕組みやメリットを理解して活用していきましょう。

電子契約は便利ですが、契約は相手があるものですので取引先によって、また契約の内容によって紙と電子契約を賢く使い分けていきましょう。

画像出典元:Unsplash

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