優秀な人材を採用することは、競合との差別化や市場における優位性の獲得に有益です。
とはいえ、少子高齢化による労働人口の減少・グローバル化に伴う国際的な人材獲得競争の激化・産業界のDXによる高度人材への需要増加などにより、企業間の採用競争は激化しています。
企業が優秀な人材を採用するためには、自社にとっての「優秀な人材」を明確化して人材採用の精度を向上させることが必要です。
本記事では、優秀な人材の見分け方や特徴、採用のミスマッチを発生させないためにすべきことをご紹介します。
目次
企業にとっての優秀な人材とは、企業利益の増大や企業成長に欠かせない人のことです。
単に頭がよい・知能が高いだけではなく、特定の分野や組織において、継続的かつ安定的に高い成果を上げられる人が該当します。
ただしどのようなスキルや思考・行動様式を「優秀」とするかは、業界・職種によって異なるのが実情です。
「優秀な人材を採用したい」と考える企業は、次の章の内容を参考に、自社にとっての優秀な人材を明確に定義しておきましょう。

どのような業界・職種にせよ、「優秀な人材」と言われる人にはいくつかの共通点が見られます。
優秀な人材を見分けるときの手掛かりとなる、12の特徴を見ていきましょう。
優秀な人材は、現状に満足することなく上を目指します。
最新の知識・スキルを得ようとするどん欲さが常にあり、自身の能力を伸ばすことに手を抜きません。
継続的な学習意欲は高い専門性・能力の獲得につながり、どのようなときも安定して高パフォーマンスを発揮します。
優秀な人材は、組織内における自分の役割を正しく理解しています。
自分に求められていること・果たすべき責任を理解しており、指示待ちの時間がありません。
与えられた役割をこなすために必要な工夫や努力を尽くし、効率的かつ高いモチベーションで自分の業務を遂行します。
スキルや知識があっても、利益に結び付けられないのでは意味がありません。
自分のスキルや強みを正しく使って利益を生み出せる人は、優秀な人材です。
また昨今では、ルーティン的な仕事はAIで代行できるようになりました。
AIが及ばないクリエイティブ領域に強みを持つ人材は、替えが利かない唯一無二の存在といえます。
臨機応変な対応ができる人は、予測が難しい事態が起こったときも冷静に対応できます。
問題や危機の本質を見誤ることがなく、トラブル回避や状況のコントロールがスムーズです。
小さな問題が大きなトラブルに発展するリスクが少なく、難しい業務も不安なく任せられます。
自らの行動や時間を適切に管理できる人は、目標の達成率が高い傾向です。
難易度の高い目標でも、計画的に行動することで着実にクリアしていきます。
また自己管理能力の高い人は、ストレス管理や学習管理も得意です。
プレッシャーがかかるシチュエーションでも高パフォーマンスを維持したり、堅実な学習計画を立てて必要なスキルを獲得したりできます。
マネジメント力が高い人とは、組織を適切に管理できる人です。
組織が安定的に成長していくためには、社員1人ひとりの成長が欠かせません。
優秀な人材はメンバーを適切にフォローしたり、リソースを効率的に配分したりすることで、組織全体のパフォーマンス力を高めます。
企業が組織運用を行う上で、メンバー間の円滑なコミュニケーションは必要不可欠です。
「どのような人とでもスムーズに意思疎通を図れる」という資質は、優秀な人材には欠かせません。
コミュニケーション能力の高い人材を中心に据えれば、組織に一体感が醸成されます。
社員同士の活発なやり取りが新しいアイデアの創出につながり、利益を生み出しやすい環境を構築することが可能です。
優秀な人材は、困難な状況やトラブルを成長のチャンスとみなします。
失敗や批判を恐れずに行動する気概があり、途中で折れることがありません。
またストレス耐性が高い人ほど、自分に合ったストレス発散方法を理解しています。
仕事の合間に上手にリフレッシュを入れるため、パフォーマンスに大きな波がないのも特徴です。
優秀な人材は、明確に目標を設定した上で行動を起こします。
行動にムダがなく、業務の進捗管理も確実です。
ゴールが明確な分モチベーションも低下しにくく、常に一定以上の成果を期待できるでしょう。
優秀な人材ほど自分を過信せず、他者からのアドバイスにも素直に受け入れます。
常に学ぼうとする謙虚な姿勢があり、耳の痛い言葉にも余計な反論はしません。
謙虚で誠実な態度は周囲からの信頼を集めやすく、組織にとって必要不可欠な存在となるでしょう。
優秀な人材は、思考パターンもポジティブです。
失敗しても「どこが悪かったのか」「どうすればよかったのか」を模索するため、無為に落ち込むことがありません。
失敗・反省・改善までを1セットで行える人は成長が早く、次の仕事ではより高いパフォーマンスを発揮します。
優秀な人材は、主観にとらわれることがありません。
自身が抱えている課題や改善点を的確に認識できるため、トラブル解決もスムーズです。
また常に客観性を維持できる人は、感情のコントロールも上手な傾向があります。
業務中に個人的な感情に振り回されることがなく、常に冷静な状況判断や提案が可能です。
採用で優秀な人材を見極めるためには、多角的な質問を取り入れたり面接中のやり取りを注視したりすることが必要です。
優秀な人材を見極めたいときにおすすめの5つの方法をご紹介します。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
「優秀な人材かどうか」を適切に把握するなら、採用面接では以下のポイントをチェックしましょう。
実績に至るまでの心情や思考を聞くことで、候補者の成長意欲や行動力を判断できます。
また説明が分かりにくい・つじつまが合わないなどと感じる候補者は、論理的思考力やコミュニケーション能力の不足が懸念されます。
採用しても、円滑な業務遂行は難しいかもしれません。
このほか他者を責めたり前職の愚痴と取れる発言をしたりする人は、組織に悪影響を及ぼす恐れがあります。
実績や経験についての質問では、回答の背景にある候補者の思考や行動・感情を深く理解することで、より的確な評価が可能です。
キャリアプランについての質問は、候補者の成長意欲や実行力・行動力を測る上で有益です。
候補者に以下のような質問をしてみましょう。
キャリアプランを明確に答えられる人・具体的な努力をしている人は、目標を設定して自分で努力できる優秀な人材です。
自身のキャリアを前向きにとらえ、成長していこうという意欲が感じられます。
また候補者のキャリアプランと自社で働くことについて聞くときは、「整合性」を重視してください。
候補者の回答が企業のビジョンや事業内容、成長戦略とマッチしていれば、企業研究をしっかりと行っていること・キャリアアップしていきたいという意志があることが分かります。
長所と短所を質問することは、自己分析能力、客観性、成長意欲を測る上で有益です。
候補者の回答を聞くときは、以下のポイントに注目してみてください。
長所と短所について具体的に語れる候補者は、自分自身を客観的に見ているということです。
優秀な人材に必須の「客観性」があると判断できます。
また短所については、「ごまかしがないか」「軽く見せようとしていないか」と併せ「克服しようとする意欲が感じられるか」もチェックしてください。
「○○が短所です」だけで終わる候補者は、努力や改善の意志が感じられません。
具体的な努力や改善策まで述べられる候補者は成長意欲が高く、将来性に期待できます。
マナーやモラルのある人・人間性が信頼できる人は、新しい環境に馴染むのもスムーズです。
優秀な人材を採用したいなら、面接では以下のポイントもチェックしておきましょう。
上記の項目で引っ掛かる部分がある候補者は、社会人としてのモラルが欠けていると言わざるを得ません。
周囲や顧客に不快感を与えるリスクがあり、採用には慎重になるべきです。
また人間性を見極めたいときは、以下の質問をおすすめします。
仕事で大切にしていることやモラルについての質問は、候補者の価値観や倫理観を測る上で有益です。
候補者の回答で、「企業文化とマッチしているか」「企業コンプライアンスを順守できる人であるか」「前向きで改善意欲があるか」などを見極められます。
企業組織で活躍する優秀な人材には、コミュニケーションスキルが必要不可欠です。
以下のポイントをチェックして、候補者のコミュニケーションスキルを測ってください。
コミュニケーションスキルが高い人との会話は、ストレスがありません。
話が弾みやすい・スムーズに進みやすい傾向があり、コミュニケーションコストを抑えられます。
特にマネジメント的なポジションで優秀な人材を採用したい場合、コミュニケーションスキルの見極めは非常に重要です。

優秀な人材を採用するためには、質の高い母集団形成が必須です。
人材採用をスムーズに進めるために、企業が取り組むべきことを4つご紹介します。
優秀な人材は、企業の「理念やビジョンに共感できるか」を重視する傾向があります。
優秀な人材を集めたいなら、適切なブランディングで企業に対する信頼感を高めることは必須です。
コーポレートサイトやSNS・求人サイトを利用して、自社の魅力や価値観をしっかりと発信しましょう。
特に以下のポイントについては、強くアピールするのがおすすめです。
社員インタビューや紹介動画コンテンツなどをうまく活用すると、候補者に刺さるアピールを展開できます。
求人媒体によって、ターゲット層や採用にかかる手間・コストは異なります。
違いを理解した上で、適切な求人媒体を選択することが大切です。
求人サイトは比較的安価ですが、応募者への対応は全て自社で行わなければなりません。
一方転職エージェントは採用工程を丸投げできるものの、成功報酬や手数料などでコスト面が高くなる可能性があります。
またSNSは転職潜在層にもアプローチできますが、採用までに時間や工数がかかる傾向です。
優秀な人材を採用したいなら、まずは自社の採用ターゲット層を明確にしましょう。
予算や採用スケジュールについても適切に計画を立て、採用ニーズや採用戦略にマッチした求人媒体を選ぶことが大切です。
より積極的に優秀な人材を採りに行きたい企業は、リファラル採用やダイレクトリクルーティング・ヘッドハンティングも選択肢に入れましょう。
リファラル採用とは、自社の社員に適切な人材を紹介してもらう採用手法。
自社の雰囲気や企業文化を熟知した社員が人材を選ぶため、人材のミスマッチや採用コストの負担が少ないのがメリットです。
リファラル採用で優秀な人材を採用するコツは、エース級の社員に人材紹介を依頼すること。
優秀な人材は、同レベルの人材でネットワークを形成しているケースが少なくありません。
紹介を依頼することで、エース社員と同レベルの優秀な人材を採用できる可能性があります。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が優秀な人材に直接スカウトをかける採用手法。
狙った人材に直接アプローチできるため、採用難易度の高いポジションもスムーズに採用できる可能性があります。
ただしダイレクトリクルーティングは、候補者に選択権を委ねる採用手法である点に要注意。
スカウトをしても、優秀な人材が必ず反応してくれるとは限りません。
ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、「ターゲットの明確化」「候補者の気を引く魅力的なアプローチ」が必須です。
ヘッドハンティングとは、ヘッドハンティング会社に依頼して特定の特定のスキルや経験を持つ人材をスカウトしてもらう採用手法。
ヘッドハンティング会社を利用するメリットは、スカウトの送信や候補者とのやり取りを全てプロに一任できることです。
採用リソースやノウハウがない企業でも、高度な専門スキルを持つ優秀な人材にリーチできます。
ただしプロに採用代行を依頼するぶん、採用コストは高額になる傾向です。
自社が求める優秀な人材を採用するためには、採用担当者・面接官が正しく人材を見極めることが必須です。
採用担当者・面接官にトレーニングや研修を行うことが、採用精度の向上につながります。
採用担当者・面接官に求められるのは、以下のスキルです。
このほか候補者のスキルや実績を正しく評価するため、自社に適切な評価基準を作ることも必須です。
採用担当者・面接官が複数いる場合は情報を共有し、採用における評価基準を属人化させないようにしましょう。
優秀な人材を採用できたとしても、安心するのは早計です。
優秀な人材ほど早く離職するといわれており、企業は離職防止のための対策が必要となります。
優秀な人材ほど早く離職する理由と、対策について見ていきましょう。
優秀な人材は、目指すべきキャリアが明確です。
「企業の価値観と合わない」「貢献度に見合う評価を受けていない」などと感じたら、すぐに転職に向けた準備を始めるでしょう。
優秀な人材の離職を防ぐためのポイントは、「この企業で働いてもメリットがない」などと思わせないことです。
例えば以下のような取り組みを実施すれば、優秀な人材の離職を防ぎやすくなります。
優秀な人材を定着させるためには、彼らが求めるものを適切に理解すること・活躍できる環境を提供することが必要です。
優秀といわれる人材は、希少性の高いスキルや豊富な実績を持つことがほとんど。
転職市場における価値は高く、本人もそれを熟知しています。
「辞めてもすぐに次の仕事が見つかる」という自信が、優秀な人材の離職のハードルを下げています。
優秀な人には自由裁量権を多く与えたり、スキルアップ・キャリアアップのサポートを充実させたりしましょう。
企業が働きがいのある環境・成長のチャンスを提供することが、優秀な人材の離職防止につながります。
優秀な人材とは、与えられたポジションで安定して高パフォーマンスを出せる人です。
企業利益への貢献度が高く、優秀な人材を確保できるかどうかが企業戦略や企業成長に大きな影響を与えます。
優秀な人材を望む企業は、まず自社が求める「優秀な人材」を明確化しましょう。必要なスキルや特性を明確化した上で、採用媒体や採用手法を選択してください。
画像出典元:O-DAN
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