TOP > SaaS > 人事 > 労働状況管理 > 【課題解決!】人事業務のアウトソーシングとは?メリットや費用相場も解説
企業の人事部門は、採用から教育、評価、そして退職まで、企業の人的資源全体を管理する重要な役割を果たしています。
しかし、人事業務は複雑で時間がかかるため、多くの企業がさまざまな課題に直面しています。
そこで有効なのが、人事業務のアウトソーシングです。
本記事では、人事業務アウトソーシングの相場や導入によるメリットとデメリット、活用事例、導入の流れについて詳しく解説します。
さらに、編集部が厳選した人事業務アウトソーシングサービス5選もご紹介します。
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このページの目次
少子高齢化や働き方改革の影響を受け、人材不足に悩む企業は増加の一途をたどっています。
人事部門自体も例外ではなく、人手不足が深刻化しているケースが少なくありません。
さらに、採用、評価、労務管理など、人事業務には膨大な事務作業が伴います。
しかし、多くの場合、煩雑で手作業に頼らざるを得ない状況であり、担当者は本来の役割である戦略的な人材マネジメントに十分な時間を割けていないという課題があります。
人事業務は大きく「労務管理」と「人事管理」の2つに分類できます。
労務管理には、勤怠管理や給与計算など労働条件に関する業務が含まれ、人事管理には採用や評価、育成など社員の能力開発やキャリア管理に関する業務が含まれます。
ここでは、それぞれアウトソーシングが可能な人事業務内容を詳しく解説します。
給与計算や勤怠管理は、労務管理の中でも最も一般的にアウトソーシングされる業務の一つです。
その理由は、人事業務の中でも非常に時間と労力がかかるうえに、専門知識や経験が必要とされるためです。
これらの業務は、労働時間の記録、給与の計算、休暇の管理などを含みます。
社会保険に関する業務は必然的に煩雑な作業が多いため、アウトソーシングの対象として適しています。
具体的には、健康保険、厚生年金、雇用保険などの手続きが含まれます。
これらの手続きは法令に基づいて行われるため、ミスは許されません。
また、社員からの問い合わせ対応も含めてアウトソーシングすることが可能なサービスもあります。
採用業務は、企業の成長と成功に直接影響を与える重要な業務です。
これには、求人広告の作成、応募者のスクリーニング、面接の実施、採用決定などが含まれます。
アウトソーシング先に依頼する場合は、一次面接から内定までの一連のプロセスの委託が可能です。
人材育成や評価業務は、社員のモチベーション向上や組織の競争力強化に直結する業務です。
業務には、パフォーマンス評価、フィードバックの提供、研修や教育プログラムの開発などが含まれます。
専門知識を持つ業者に委託すれば、社員の適切な能力開発と公平性で透明性のある評価制度が確立できるでしょう。
人事業務のアウトソーシングは、適切に活用することで、企業規模や業種を問わず、大きな効果を得られる可能性があります。
以下では、おもなメリットについて詳しく説明します。
人事業務をアウトソーシングすることで、社内の人的リソース不足を効果的に解消できます。
人事業務は、専門知識や経験が必要となる業務が多く、担当者にとって大きな負担となります。
日々の管理業務や煩雑な手続きを、経験豊富な外部のプロフェッショナルに委託すれば、自社の限られたリソースをコア業務に集中させることができるでしょう。
アウトソーシングを活用すると、社内での人事スタッフの雇用を抑えられるため、給与や社会保険料などの固定費を削減できる可能性があります。
また、業務量に応じてサービスの利用量を柔軟に調整できるため、人員の過不足による非効率な支出を抑制できるでしょう。
長期的な視点では、人事システムの導入・維持費や事務用品などのランニングコストも削減できる可能性があります。
ただし、アウトソーシング自体にもコストがかかるため、総合的な費用対効果を慎重に検討する必要があります。
法改正は頻繁に行われており、人事労務に関する法令も例外ではありません。
アウトソーシング先の専門家は、常に最新の法令に精通しているため、迅速かつ適切な対応が可能です。
複雑な手続きや申請作業も、法令順守のリスクを抑えて正確に行えるため、コンプライアンス体制の強化につながり、企業の信頼性向上にも寄与します。
人事業務のアウトソーシングは、自社の強みや弱みを客観的に分析し、課題を解決するための具体的な施策を提案してくれるというメリットもあります。
専門性の高いアウトソーシング先から最新のノウハウや効果的な手法を学び、活用することで、人材戦略を継続的に見直し・改善する機会が得られます。
企業は人材の育成や活用における戦略を最適化し、組織の競争力を高められるでしょう。
人事業務をアウトソーシングすることで、数々のメリットを得られますが、同時に留意すべきデメリットも存在します。
以下では、おもな注意点についてお伝えします。
人事業務をアウトソーシングすると、アウトソーシング先との密接なコミュニケーションの維持が必要となります。
特に導入初期段階では、自社の方針や要望を正確に伝え、理解してもらうためのミーティングや調整作業が増加します。
また、日々の業務においても、情報の共有や進捗の確認など、継続的なコミュニケーションが欠かせません。
これらのコミュニケーションコストは、円滑な業務遂行のために必要な投資であることを理解しておきましょう。
人事業務をアウトソーシングする際には、給与情報や個人情報など、機密性の高いデータをアウトソーシング先に提供するため、情報漏えいが発生するリスクが伴います。
サービス選定時には、データの暗号化方式やアクセス権限の管理方法など、情報セキュリティ対策が十分であるか厳しく確認しましょう。
また、委託する際には、セキュリティに関する契約を締結するなどの対策が必要です。
委託後は、定期的な監査やセキュリティチェックを実施することで、情報漏えいのリスクが低減できます。
人事業務を長期にわたってアウトソーシングすると、自社内で業務ノウハウを蓄積することが難しくなります。
そのため、将来的に業務を内製化することを考えた場合、必要なスキルを持つ人材が不足する可能性があります。
このデメリットを回避するためには、アウトソーシング先からの定期的なレビューとフィードバックが有効です。
情報を共有することで、自社で業務を遂行するためのスキルやナレッジを習得できます。
人事アウトソーシングの費用相場は、企業規模や導入するサービス内容、社員数などによって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
項目 | 相場 | 内容 |
初期費用 | 10万円~30万円程度 | 導入支援、設定、システムのカスタマイズなど |
基本料金 | 月額5万円~50万円程度 | アウトソーシングの基本サービス利用料 |
従量課金 | 月額500円~2,000円程度 | 社員数や処理件数に応じた料金 |
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人事業務のアウトソーシングを成功させるためには、計画的なアプローチが欠かせません。
以下では、人事アウトソーシング導入の一般的な流れを4つのステップで解説します。
まず、自社が抱えている人事課題を明確にすることから始めましょう。
現状の業務フローを分析し、どの部分に非効率や問題が生じているかを特定します。
たとえば、給与計算に多くの時間を要している、採用活動が思うように進まない、人材育成が追いつかないなど、具体的な課題を洗い出します。
この段階で課題を明確にすることで、アウトソーシングによって解決したい問題や達成したい目標が明確になり、後の工程でより適切な判断ができるようになります。
課題が明確になったら、次はアウトソースする業務範囲を選定します。
すべての業務をアウトソーシングするのではなく、自社の状況に応じて最適な範囲を決定することが重要です。
たとえば、人材育成業務の中でも、研修プログラム実施のようなアウトソーシングに適している業務や、社員個々へのキャリアアドバイスなど、自社で担った方がより良い業務もあります。
また、段階的にアウトソーシングを導入することも検討しましょう。まずは一部の業務からスタートし、効果を確認しながら徐々に範囲を拡大していく方法も有効です。
アウトソーシングする業務範囲が決まったら、その業務の流れを整理します。
具体的な業務内容や手順、必要な情報、締切、頻度などを細かく文書化しましょう。
この作業を行うことで、アウトソーシング先とのコミュニケーションがスムーズになり、業務の遂行が円滑に進むようになります。
期待する成果を得るためにも重要なステップといえるでしょう。
最後に、整理した要件に基づいて、適切なアウトソーシングサービスを選択します。
サービスを選択する際には、過去の実績を参考にしましょう。
自社の規模や業種に近い企業でどのような成果をあげているのかを確認すれば、導入のイメージがつきやすくなります。
実績以外にも、コスト、サポート体制、セキュリティ対策、企業理念や担当者の印象などの観点から、総合的に判断することが必要です。
さらに、複数のアウトソーシング先から見積もりを取って、サービス内容や条件を比較検討することをおすすめします。
これにより、より適切で費用対効果の高いサービスを選択できる可能性が高まります。
人事業務アウトソーシングを成功裏に導入し、顕著な成果をあげた2社の事例をご紹介します。
これらの事例を通じて、人事業務アウトソーシングが実際のビジネス現場でどのように機能し、どのような課題解決に貢献したかを具体的に見ていきましょう。
北海道を拠点とする航空会社の株式会社AIRDOは、職種ごとに異なる賃金形態を採用していました。
そのため、給与計算業務が複雑化し、多くの時間を要する状況となっていました。
この課題を解決するため、同社は給与計算業務のアウトソーシングを決定。
その結果、業務の負担が大幅に軽減され、スタッフは本来の業務に専念できるようになりました。
参考URL:株式会社GIG アウトソーシング導入事例まとめ|失敗/成功した企業から学ぶ注意点とノウハウ
株式会社SAL アウトソーシングとは?メリットや適した業務、導入のポイントや事例を徹底解説
福祉・介護サービス企業のヒューマンライフケア株式会社は、新型コロナウイルスの影響により対面式の採用活動が中断され、厳しい状況に直面していました。
そこで、同社は採用活動の一部を外部へアウトソーシングすることを決断。
インターンシップ運営やプロモーション戦略のアドバイスを受け、キャリアプランと採用サイトを再構築し、WEB合同企業説明会に初出展しました。
その結果、エントリー数は前年比230%、内定承諾回数は前年比172.2%に増加。
この成果は、アウトソーシングにより厳しい状況下でも効果的な採用活動を展開できることを示しています。
参考URL:株式会社キャリアマート プロモーション改善とアウトソーシング併用で歩留まり前年比146.7%!
株式会社アカリク 採用代行の成功事例5選と新しいアウトソーシングの必要性について
人事業務のアウトソーシングを検討されている方々に向けて、厳選した5つのサービスをご紹介します。
各サービスの特徴や強みなどを解説しますので、自社に最適なサービスを選ぶ際の参考にしてください。
画像出典元:「トライアンフ」公式HP
トライアンフは採用、給与計算、人事労務管理など、多岐にわたる人事アウトソーシングサービスを展開しています。
企業規模や業種、課題に合致した最適なサービスの提案をし、人事業務の効率化やコスト削減、戦略的人事施策の推進を支援します。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「Remoba労務」公式HP
Remoba労務は、リモートで労務管理業務を代行するサービスです。
オンラインワーカーがチームで対応するため、業務の属人化を防ぎ、安定したサポートを提供します。
さらに、社会保険労務士との連携を行っており、専門的な観点からのサポートを提供しています。
1ヶ月プラン | 6ヶ月プラン | 年間プラン | |
初期費用 | 無料 | ||
月額費用 | 200,000円〜 | 200,000円 | 180,000円 |
(税表記なし)
ひと月あたり30時間の稼働が可能で、超過する場合は別途見積もりが必要です。
1ヶ月プランは、トライアルとして提供されているため、最長3ヶ月間までの利用が限度となります。
また、土日・深夜の稼働、オプションプランは、別途料金が発生します。
画像出典元:「JOE」公式HP
人事給与アウトソーシング専業会社として、50年の豊富な実績を持っているサービスです。
給与計算業務を中心に、年末調整や住民税更改、マイナンバー収集など業務に対応。
企業それぞれの要件に合わせた柔軟な対応を行い、各企業の人事給与業務の効率化とコスト削減を実現します。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「レジェンダ」公式HP
レジェンダは、人事業務の受託と人事制度改革を同時に行うワンストップサービスを提供しています。
給与計算や社会保険手続きなどの基本的な労務管理から、人事制度の抜本的な見直しや戦略的な人事施策の導入までをカバー。
豊富なノウハウを活かし、企業全体の人事機能向上を支援します。
年末調整:1,500円~ / 人
その他業務の委託費用については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「ソーシャルリンクス株式会社」公式HP
ソーシャルリンクスは、人事、経理、法務、総務などのバックオフィス業務のアウトソーシングを引き受けています。
弁護士と公認会計士が常駐しており、複雑な法務問題や、高度な会計処理が必要な場合でも安心して任せることができます。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
人事業務のアウトソーシングは、適切に活用することで、企業の競争力向上や業務効率化に大きく貢献できます。
しかし、導入を成功させるためには、計画的なアプローチと適切な業者選びが不可欠です。
自社の状況や目的に合わせて慎重に検討し、人事業務アウトソーシングのメリットを最大限に活用しましょう。
画像出典元:Pixabay