電子帳簿保存法とは?概要とメリット、おすすめの経費精算サービスを解説

電子帳簿保存法とは?概要とメリット、おすすめの経費精算サービスを解説

記事更新日: 2019/09/09

執筆: 編集部

経理業務において、帳簿書類の管理・運用の業務効率化やコストの削減は、会社課題の一つでもあります。それを叶えてくれるのが、帳簿書類の電子化です。

経理精算サービスを導入することで帳簿書類の電子化は容易になるものの、関連法への理解が必要です。

帳簿書類の電子化に関連する法律には、e-文書法と電子帳簿保存法の2つがあります。そのうち、実務のガイドラインにあたる法律が電子帳簿保存法です。

ここでは、これから経理精算サービスを導入しようと検討中の経理担当者や経営者が電子帳簿保存法で押さえておくべきポイントに焦点を絞り、解説していきます。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法の概要

電帳法とも略される、電子帳簿保存法。

正しくは「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」という名称です。

電子帳簿保存法の内容を簡単にいえば、国税関係の帳簿書類における全て、あるいは一部の情報を電子データで保存することを認めた法律です。

また、帳簿書類を電子データ化して保管・運用する際のガイドラインでもあります。

この法律が制定されたのは、1998年7月。

それから幾度もの改正を重ねて現在に至ります。なお、直近では2019年3月29日に改正されています。

2019年3月に改正された部分

1. 新たに業務を開始した個人の電子帳簿保存等の承認申請書の提出期限の特例の創設
2. 承認を受ける前に作成又は受領をした重要書類のスキャナ保存の可能化

電子帳簿保存法と類似する法律に、e-文書法があります。

e-文書法は、内閣府や財務省、警察庁などの複数の省庁で分かれる法律を横断的に共通させた法律です。

電子帳簿保存法は、財務省のうちの国税庁が管理している法律で、e-文書法の一部に当たります。

そのため、国税関係帳簿書類を電子化するにあたって、e-文書法と電子帳簿保存法の2つの法律が提示する要件を満たす必要があるのです。

電子帳簿保存法で対象になる書類と保存方法

電子帳簿保存法では、電子データとして保管・運用の対象となる帳簿書類が定められています。

区分   対象書類
国税関係帳簿   総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳 など
国税関係書類 取引関係の書類

注文書、請求書、見積書、契約書、領収書、納品書、検収書、小切手、約束手形、有価証券受渡計算書、社債申込書、送り状、輸出証明書 など
写しを含む

  決算関係の書類 棚卸表、貸借対照表、損益計算書、決算に関して作成した書類

これらのうち国税関係書類では、書類の重要度に応じて保存ルールが異なります。

これに関しては、後述する「電子帳簿保存法で注意すべきポイント」で詳しく解説します。

電子帳簿保存法では、これら帳簿書類の電子保存について細かなルールが定められています。

保存方法では、主に次の2つが認められています。

・電磁的記録による保存
・スキャナ読み取りによる保存

「電磁的記録による保存」とは、帳簿書類がCD-ROMやサーバーなどに記録され、なおかつ保存された状態で存在していることを指しています。

こうした保存方法は、帳簿と書類で認められている方法が異なります。

区分   電磁的記録による保存 スキャナ読み取りによる保存
国税関係帳簿   会計ソフトのデータ など
国税関係書類 取引関係の書類

・紙で発行された書類の控え
・電子取引によるデータ

紙で受け取った書類
  決算関係の書類 会計ソフトのデータ など

帳簿の電子化については、統一的に電子データとして記録・保存することが定められています。

つまり、1つでも帳簿を電子データとして記録・保存をしたら、それ以外の帳簿類もそれに合わせて電子データとして記録・保存していかなければならないのです。

さらに、作成の最初の保存から、一貫して会計情報が記録・保存されていることが求められます。

たとえば、現金出納帳をパソコンで作成する場合。

帳簿を作成し、最初にその帳簿(データファイル)を保存する段階から、その後永続的にパソコンで会計情報を追加し、保存し続けることになります。

また、パソコンで現金出納帳を作成したら、他の帳簿類も同じくパソコンで作成しなければならないのです。

電子帳簿保存法を適用するメリット

帳簿書類にかかるコスト削減

これまで紙で管理していた帳簿書類を、電子データとして保存・運用できるようになります。

これに伴い、帳簿書類にかかっていたあらゆるコストが削減でき、社内のペーパーレス化を促進することが可能です。

削減できるコストの一例

・帳簿書類の印刷作業にかかる人件費
・用紙やインク代
・印刷した帳簿書類の保管コスト(例:キャビネット、バインダー代など)

 

帳簿書類の検索性の向上

紙ベースでの保管に比べて、必要なときに必要な帳簿書類を探すのが容易になります。

たとえば、決算期や監査などで会計情報を揃えるときも、データを横断的に検索できるようになるため、必要な情報を取り出すのに時間も手間もかからなくなるのです。

経理業務の効率化

電子帳簿保存法を適用する場合、経理清算サービスや自社開発の会計システムといったものを利用することになります。

システムを導入すれば、これまで手作業で行ってきた定型的な経理業務が自動化できるようになり、業務の効率化に繋がります。

帳簿書類の管理・運用セキュリティの負荷軽減

帳簿書類を物理的に保管する必要がなくなるため、紛失や盗難といった心配がなくなります。

管理や運用にかかるセキュリティに割いていた作業や時間が不要になるため、担当人員の負荷が軽くなります。

税務監査対策にかかる負荷軽減

監査前、従来であれば必要な帳簿書類の用意をせねばなりませんでした。

しかし、電子化によって検索性が上がるため、必要な帳簿書類が準備しやすくなります。

また、帳簿書類の内容が横断的に確認できるようになるため、整合性のチェックが容易になり、監査対策における負荷が軽減できます。

電子帳簿保存法で注意すべきポイント

電子帳簿保存法の適用で満たすべき要件

要件は次の2つで、両方を満たしている必要があります。

1. 所轄の税務署長による承認
2. 電子データの真実性と可視性の確保

 

手続きのタイミングと必要書類

適用するには所轄の税務署長に対して事前申請を行い、承認を得なければなりません。

手続きは、電子保存による運用を開始する日の3ヵ月前までに行います。

たとえば、新年度(4月1日)から電子保存による運用を始めたい場合であれば、前年度の12月31日が手続きの期限です。

この日までに、必要書類を揃えて提出を終えます。

必要な書類は次の通りです。

・承認申請書
・利用システムの仕様書
・事務処理の概要書類
・他の記載事項を補完するための参考書類

承認申請書は国税庁ホームページの「その他法令解釈に関する情報」の申請書等様式よりダウンロードできます。

スキャナ読み取りによる保存を希望する場合は、「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請」も提出する必要があります。

この場合、使用するスキャナが要件に合致していることを示すため、スキャナの仕様書も提出しなければなりません。

事務処理の概要書類(正式名称「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請」)には、作業手順や日程、担当部署などを記載することが求められます。

このほか、電子保存の処理作業を委託している場合には、委託契約していることを示す書類が必要です。

取り交わした委託契約書の写しを用意し、他の書類とともに提出します。

電子データの保存期間

帳簿書類の保存期間は、7年間です。

これは、法人税法と所得税法によって定められています。

この保存期間は、帳簿書類が電子化されても適用されます。

そのため、電子データであっても7年間保管し続けることが求められます。

電子化する帳簿書類の保存要件

帳簿書類によって、許されている電子化の方法が異なります。

これにより、保存要件も違います。それぞれに共通しているのは、「真実性の確保」と「可視性の確保」です。

区分   電磁的記録による保存 スキャナ読み取りによる保存
国税関係帳簿  
国税関係書類 取引関係の書類
  決算関係の書類

国税関係書類の取引関係書類のみスキャナ読み取りによる保存が認められているのは、取引に使用される書類に、取引先である企業または個人が発行する書類を含むためです。

自社の書類であれば、電子データとして統一的に保存・管理できますが、社外で発行される書類に関して、紙ベースで発行するのか電子取引書類として発行するのかまで、干渉できないからです。

取引関係書類の場合、自社が紙ベースで発行したものの場合は、その控えを。他社から紙ベースで受領した場合は、それをスキャナ読み取りで電子化して保存します。

また、電子取引であれば、受領した注文書や請求書などの書類データをわざわざ印刷して電子化する必要なく、受領した電子データをそのまま保存します。

さらに真実性の確保と可視性の確保では、それぞれにさらなる細かな取り決めがあります。

ここでは概要だけを紹介していますので、詳細は以下の省庁のリンク先でご確認ください。

真実性の確保

・他の帳簿書類と関連する項目を互いに持ち、なおかつ互いに確認できる状態であること。(相互関連性の確保)

・電子データに対して訂正・削除・追加などの履歴を事実として確認できる状態であること。(訂正・削除履歴の確保)

・帳簿書類の作業ならびに管理するにあたり、社内規定が担保されており、利用するシステムの概要書および説明書等が備え付けられていること。(関係書類等の備付け)

可視性の確保

・保存されているデータまたは電子化された書類が、ディスプレイ及びプリンタなどに整然とした形式で、なおかつ明瞭な状態で出力できること。(見読可能性の確保)

・日付や検索などの範囲が指定でき、主要な項目など複合的に検索できる機能が確保されていること。または、結果をスムーズに表示できること。(検索機能の確保)

※財務省「税務手続の電子化に関する資料」はこちら

※国税庁「電子帳簿保存法の概要」はこちら

このほか、電子データへのタイムスタンプ及び署名が必要です。

スキャナ読み取りにおいての署名は、読み取り前にスキャニングする本人の自筆でなければなりません。

読み取りでは、入力期間の制限があります。

定められた期間を過ぎて電子化した場合は、書類の原本も残すことが求められますので、注意が必要です。

電子帳簿保存法対応の経費精算サービス3選

1. ジョブカン経費精算

クラウドによる経費精算サービスの「ジョブカン経費精算」です。

中小企業から大企業まで幅広くカバーしており、8,000社を超える導入実績があります。

ランニングコストも安く、ユーザー数によって料金プランが異なる、コストパフォーマンスに優れたサービスを展開しています。

費用:1ユーザ400円/初期費用・月額固定費なし

 

 

2. 楽楽精算

TVCMでもお馴染みの経費精算サービス「楽楽精算」です。

名の知れた大手企業が多数導入していることでも有名です。

承認状況をリストで一発確認できるなど、UI/UXに優れています。

クラウド型で、外出先から作業したり、法改正への対応も任せらたりと経理業務の負荷削減にぴったりです。

本導入の検討に無料トライアルが利用できます。

費用:初期費用10万円+月額利用料3万円~(ユーザー数によって料金が異なる)

 

3. Dr.経費精算

あらゆる会計ソフトとの連携が容易な「Dr.経費精算」です。

クラウド型のシステムですが、自社に合わせた承認フローを設計できるのが魅力です。

領収書のチェックや保管代行のオプションもあり、組み合わせることで経費業務いかかる負荷が大きく削減できます。

海外企業との取引がある企業においては外貨レート管理もあります。

費用:ユーザー数によって異なります。

 

 

まとめ

自社の経費業務の負荷削減やペーパーレス化を推進するなら、電子帳簿保存法を無視することはできません。

電子帳簿保存法は、一見難しそうに思えるかもしれませんが、経費精算サービスであれば法律適用を前提にシステムが提供されていますから、自社開発のシステムを利用するよりも安心です。

手続きをしてしまえば、あとはスマホやスキャナで経理業務に必要な書類を読み込んで、必要に応じて業務を自動化することができます。

経理担当者だけでなく、経費精算にかかわる他部署の負荷軽減にも繋がるはずです。

電子帳簿保存法の適用を望む場合は、予め申請が必要です。

電子化を開始する3ヵ月前までに申請することを忘れないようにしてください。

画像出典元:LibraShot、O-DAN

 

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