交通費に上限はあるの?非課税の限度額、支給例や計算方法、注意点を解説

交通費に上限はあるの?非課税の限度額、支給例や計算方法、注意点を解説

記事更新日: 2021/06/15

執筆: 編集部

会社が支給する交通費に上限はあるのでしょうか。またその上限はどのようにして決定されているのでしょうか。

交通費の非課税限度額の解説から、交通費の支給例や計算方法、交通費を支給する場合の注意点を解説します。

交通費に上限はあるのか?一般的な支給額は?

会社から支給される交通費に上限はあるのでしょうか。また、その上限はどのように決まるのでしょうか。一般的な支給額はいくらくらいなのでしょうか。

会社の交通費の上限の有無は、会社によって異なる

基本的に、交通費の支給をどのようにするかは、会社が自由に決めることができます。

交通費を支給しないこともできますし、交通費を支給する場合も、どのような計算方法によって支給するかも、会社が自由に決めることができます。

これは、交通費の支給は、法律によって義務付けられているものではないからです。

ですので、上限を設けず、すべて支給する会社もあれば、上限を設けてその金額まで支給する会社もあります。

これらの規則は会社ごとによって異なります。

一般的な会社の交通費支給額

では、一般的な会社の交通費支給額はいくらくらいなのでしょうか。

通勤手当を支給している会社は全体の86.4%

独立行政法人「労働政策研究・研究機構」の「企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査」によると「通勤手当」を支給している会社は、全体の84.6%にのぼり、多くの会社で通勤手当の支給があることがわかります。

ただし、パートタイム労働者の通勤手当の支給率は42.5%と、一般社員の支給率の半分となっています。

また、支給額については、常用労働者の平均値は1月12,447円となっており、パートタイム労働者は7,710円となっています。

上限を設けている会社の上限額の平均値は34,260円

上限額については、上限額の規定がある企業が39.3%、上限額の規定がない企業が56.2%となっており、上限額を設けていない企業が半数以上あることがわかります。

また、上限額を設けている企業では、上限額の平均値が34,260円となっており、このあたりの金額を上限としている会社が多いのかもしれません。

国家公務員の通勤手当上限額

一般の会社は、会社によって、上限の有無や上限額を自由に決めることができるのですが、公務員の場合は、どのようになっているのでしょうか。

1ヵ月あたりの上限額は55,000円

国家公務員の場合、人事院規則で各種手当の金額が定められています。

「国家公務員の諸手当の概要」によると、1ヵ月あたりの上限額は55,000円となっています。

地方公務員の場合は、それぞれの自治体が定める規則によって異なります。

交通費の支給方法、支給の条件

一般的な会社では、交通費の支給は、どのような形で行われているのでしょうか。

支給例や支給条件を見てみましょう。

【支給方法】全額支給、一部支給、一律支給

交通費の支給は、次の3つの支給方法が多くあります。

全額支給

交通費にかかった費用をすべて支給する方法です。

ただし、基本は全額支給でも、上限額を設けている場合もあります。

一部支給

交通費にかかった費用の一部を支給する方法です。

上限を設ける方法や各種条件を設けて、かかった費用の一部を支給します。

一律支給

交通費がいくらかに関係なく、1日500円や1月5,000円等、あらかじめ決められた金額を支給する方法です。

【支給条件】勤務日数・時間、勤務形態

支給条件も会社によって異なります。

たとえば、勤務日数や勤務時間によって、支給額が決まる場合や常時労働者とパートタイム労働者とでは、支給条件を分けている場合もあります。

先程見た調査でも、一般社員とパートタイム労働者とでは、支給率が異なっていました。

パートタイム労働者でも、月何時間以上とか何日以上勤務すれば支給するというような条件を設けている会社もあります。

働く先がどのような条件を設けているのかは、就業規則等で確認できますので、気になる方は確認してみましょう。

交通費の計算方法

では、交通費は、どのような計算をするのでしょうか。

公共交通機関を利用する場合

定期券代など:最短ルートや最安ルートが指定されることも

公共交通機関を利用する場合は、通勤する際に実際にかかる費用を計算します。

もちろん最短ルートや一番安くなるルートを指定される場合もあります。

定期券を購入し、定期代を支給する会社もありますし、単純に一日の費用×勤務日数という形で支給する会社もあります。

自転車の駐輪場代は?

駅までは自転車で行く場合、駐輪場代はどうなるのか、といった問題もありますが、これも会社ごとによって対応は異なります。

駐輪場代も含めすべて支給するという会社もありますし、公共交通機関の利用分だけ支給するという会社もあります。

ただし、もし就業規則で交通費を全額支給する旨定め、上限額を設けていない場合は、駐輪場代も支給しなければなりません。

車を利用する場合

ガソリン代:自宅から会社までの距離

自動車を利用して通勤する場合の費用はどのように計算するのでしょうか。

自動車の場合、ガソリン代を支給することになるのですが、多くの会社は自宅から会社までの距離によって、金額を決めている場合が多くあります。

たとえば、通勤距離が片道2キロメートル以上10キロメートル未満の場合は、4,200円、10キロメートル以上15キロメートル未満の場合は、7,100円等です。

もちろんこの金額は会社ごとによって異なります。

有料道路代の支給があるところも

有料道路を利用する場合に、有料道路代が支給されるかどうかも、会社によって異なります。

条件として有料道路を使用しても支給しないとされていることもあるでしょうし、有料道路代も含めてすべて支給している会社もあります。

自転車、徒歩の場合

自転車の場合は駐輪場代が支給されることも

自転車や徒歩の場合、交通費がかかりませんので、交通費がかからなければ通勤手当の支給はありません。

ただし、自転車の場合で、駐輪場代がかかる場合は、駐輪場代が支給されることもあります。

このあたりも会社の条件によって異なります。

自転車通勤を禁止している会社もあるので注意!

また、会社によっては、自転車通勤を禁止している会社もあります。

自転車は最寄り駅までの利用は可ですが、会社までの利用は不可とし、公共交通機関の利用を義務付けている会社もあります。

交通機関を利用するよう義務付けている会社の場合、きちんと遵守し、内緒で自転車通勤をするなどの行動は控えましょう。

交通費は非課税になる?非課税になる金額はいくらまで?

交通費には、非課税枠があります。

では、非課税枠とはいったいどういう意味でしょうか。

交通費の非課税枠について解説します。

通勤手当と給与の関係

通勤手当は給与の一部

交通費としての「通勤手当」は、給与と一緒に支給されます。

会社員の立場から見ると、通勤手当も立派な収入ですし、給与の一部です。

会社員の場合、給与から所得税や保険料などの控除がされた分が実際に支給される金額になります。

所得税や健康保険、厚生年金保険料等の金額は、支給される給与額によって、それぞれの金額が計算され決定されることになります。

通勤手当+給与金額に税金がかけられるのか?

この計算する基となる給与金額に通勤手当が含まれるのかどうかは大きな問題です。

なぜなら、給与の支給額が大きくなればなるほど、所属税や健康保険、厚生年金保険料の金額も増えていくからです。

会社員としては、交通費は実際に通勤にかかった費用として実費負担しているものですので、できるならば、含めて欲しくないというのが本音でしょう。

交通費の非課税枠を超えると所得税が課税される

交通費の非課税枠というのは、この金額までは給与に含めず、課税されない金額という意味になります。

ただし、交通費の非課税枠は、所得税の非課税枠です。交通費の金額が非課税枠を超えると、所得税がかかります。

社会保険料は通勤手当+給与の合計で計算される

健康保険や厚生年金保険料は、報酬月額によって計算されます。

この報酬月額には交通費が含まれます。

そのため、社会保険料等の計算は、通勤手当等の手当も含めて給与とみなされ計算されることになります。

交通費が非課税になる金額の上限

では、いくらの金額までが通勤手当の非課税枠になるのでしょうか。

交通機関・有料道路利用者の非課税枠は月15万円

平成28年度の税制改正から通勤手当の非課税枠は上限額が10万円から15万円に引き上げられています。

国税庁によると改正後の1カ月当たりの非課税限度額は、次のようになっています。

 

会社の上限額と交通費の非課税枠

非課税枠に会社の上限額を合わせる会社もある

通勤手当に関しては、上記の表のように非課税枠が決められています。

表の金額を超えた場合に所得税の課税対象となることから、表の金額と会社の交通費の上限額をあわせている場合もあります。

また、この表では、「合理的な運賃等の額」という言葉がでてきます。

これは、経済的に合理的な運賃等という意味で、たとえば、定期代の方が安くなる場合は、その定期代が課税されない金額となります。

非課税枠と認められないものもある(タクシー、グリーン車)

公共交通機関を利用できるのにタクシーを利用した場合は、非課税枠としては認められません。

同じように新幹線での通勤の場合、グリーン車の料金は認められないことになります。

もちろん、これはあくまでも非課税枠の話であって、会社がそれを良しとするのならば、それはそれぞれの会社の自由です。

非課税枠は、あくまでも所得税の計算をする際の課税されない金額であって、非課税枠以上を超えて支給された場合は、課税対象として計算されるにすぎません。

ただ、非課税枠を超えて支給するメリットもあまりないため、この非課税枠を交通費の上限としている会社も多くあるのです。

交通費について注意したいポイント

では、交通費の支給について注意すべきポイントはあるのでしょうか。

会社員が受け取る場合の注意のポイントもあわせて解説します。

会社が求人募集を行う場合

会社が求人募集を行う場合、労働条件をきちんと明示する必要があります。

「職業安定法」では、労働者の募集を行うものに対し、労働者が従事する業務の内容、賃金、労働時間、労働条件を明示しなければならないと義務付けています。

交通費の有無や支給条件、支給金額を必ず明示する

交通費も賃金の一部となりますので、支給の有無や支給条件、支給金額について明示しておく必要があります。

もちろん、交通費は、会社員の自宅から会社までの通勤にかかる費用ですので、それぞれの会社員の自宅の場所や使用する公共交通機関によって異なってきます。

ですので、募集の際に明示する場合は、全額支給や一部支給、一律支給などの表現や、一部支給や一律支給の場合は、支給金額を明示するようにしましょう。

全額支給で上限額を設けておく場合は、「全額支給(上限有り)」という記載でもいいでしょう。

もちろん虚偽の表現は、厳しい罰則がありますので、注意が必要です。

就業規則で交通費を定める場合

就業規則と異なる条件の雇用契約は無効に!

就業規則で交通費の金額を決める場合は、条件に応じて細かくきちんと定めておく必要があります。

就業規則で定めた条件と違う条件で雇用契約をした場合、「労働基準法」では、就業規則に達しない労働条件を定めた場合、その部分については無効となるとしています。

ですので、就業規則で、交通費を支給することになっているのに、雇用契約で交通費を支給しないとすることはできません。

もしそのような雇用契約をした場合、その部分については、無効になり、交通費の支給が必要になります。

もし会社員であれば、就業規則で自社の交通費の記載がどのようになっているかを確認しておくのもいいかもしれませんね。

短時間労働者の待遇差別の禁止

交通費の支給では、一般社員とパートタイム労働者の条件を分けている場合も多くあります。

もちろん、どのような条件を設けるかは会社の自由です。

ですが、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」では、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対して差別的取扱いをすることを禁止しています。

短時間労働者の職務の内容や配置が、通常の労働者の職務の内容や配置が同一内容であれば、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない、としているのです。

ですので、短時間労働者や有期雇用労働者であっても、通常の労働者と同じ内容の職務であれば、同じような待遇をすることが求められています。

交通費の虚偽の報告

会社員が会社に交通費の請求をする場合、虚偽の報告をしてはいけません。

たとえば、自転車通勤や徒歩通勤をしていて実際には交通費がかかっていないにも関わらず、交通費がかかったと言って会社に請求をすることはできません。

場合によっては、業務上横領となってしまうこともあります。

また、交通費は、非課税枠で所得税がかからず処理されています。虚偽の報告は、所得税の非課税枠の申告にも影響してきます。

必ず、実際にかかった費用を請求するようにしましょう。

まとめ

交通費の上限について見てきました。

基本原則として、交通費を支払うか支払わないか、またいくらの金額を支払うのか、全額支給か一部支給か、上限を設けるのかなどは、会社側が自由に決めていい問題です。

ですので、交通費がどのように支給されるのかは、会社ごとによって異なります。

ただし、通勤手当としては、所得税の非課税枠が決まっていますので、それに倣う会社が多いのも事実です。

基本的には、会社は、交通費の支給条件について就業規則で定めていますので、会社員であれば、一度自社の就業規則を確認してみてもいいかもしれませんね。

画像出典元:Pixabay

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