多くの企業や組織で設定されている役職。社長と聞けばその企業のトップだとわかるように、役職でその人の業務や役割をある程度推測することができます。
しかし、企業や組織によって同じようなポジションや役割でも役職が異なる場合もあり、役職の順位や役割がわからず困った経験をされた方もいるのではないでしょうか。
また、役職があることは当たり前に感じる人も多いかもしれませんが、実はしっかりと役割と意味があります。
今回は、役職の役割や意味、それぞれの企業や組織の役職一覧について紹介します。
このページの目次
役職とは、社長や部長など組織内における役割やポジションを表した呼び名のことです。
役職はあくまで呼び名なので、特に法律や規則もなくそれぞれの企業や組織が独自に設定することができます。
役職は形式的なものではなく、大きな役割や意味があります。役職の役割や意味とは、組織内の地位や責任をわかりやすくすることです。
地位や責任が明確になることで、仕事が進めやすくなります。また、役職により組織内での序列がわかるので、役職を上げることがわかりやすい目標になり、モチベーションのアップにもつながります。
同じような役割やポジションでも役職は企業や組織によって異なります。まずは一般的な企業における役職について学んでいきましょう。
1. 代表取締役社長
2. 副社長
3. 専務取締役
4. 常務取締役
5. 取締役
6. 本部長(事業部長)
7. 部長
8. 次長
9. 課長
10. 係長
11. 主任
12. 一般社員
代表取締役社長は一般的な企業のトップです。
代表取締役と社長を兼ねていることがほとんどですが、別になる場合もあります。代表取締役や社長の上に、会長職もありますが退任した社長の名誉職的な役割もあり、実質的なトップは代表取締役社長であると言えます。
社長の補佐をする役割であり、企業のNo.2です。社長に近い権限をもっている場合が多いです。
専務取締役は副社長同様に社長の補佐をする役割をもっています。副社長と同様に、No.2にあたるポジションになります。社長が不在の時は社長の代理を勤める場合もあります。
常務取締役は、経営陣であると共に日常的な業務を行うポジションです。社長の補佐である専務と比べると、現場のトップという役割が強くなっています。専務とともに役付取締役の1人です。
専務や常務のように役付取締役以外を平取締役と言います。取締役は会社の経営に関わるポジションです。
本部長門は、本部における長を担っています。本部長という響きからは、部長を取りまとめる役割にも見えますが、あくまで本部の長なので注意が必要です。企業によっては、事業部長という名称で呼ばれる場合もあります。
部長はその名の通り各部署をまとめる役職です。取締役ではありませんが、経営的な視点も持っている場合が多いです。
次長は長の次という意味であり、長を補佐する役割の役職です。部長の下のポジションであることが多いです。
課長は課を取りまとめる課のトップです。一般社員が日常的に接することが多く、身近な目標となる役職です。
係長は、イメージ的にはチームリーダーが近いです。課長を補佐しながら、一般社員や主任を取りまとめます。
主任とは、一般社員の一つ上のポジションの役職です。一般社員との距離も近く、係長の補佐をするサブリーダーのようなイメージです。
一般社員とは、役職のついていない社員のことを指します。役職はついていませんが、社内業務を円滑に進めるためには重要な存在です。
外資系企業の場合役職は一般企業と比べてどう変わるのでしょうか?
外資系企業の役職についても見ていきましょう。
1. President(取締役社長)
2. CEO(最高経営責任者)
3. COO(財務以外の管理部門や事業部を統括する総責任者)
4. CFO(財務担当責任者)
5. Vice President(統括本部長、事業部長)
6. General Manager(事業所長、工場長、センター長など)
7. Director(部門長や取締役)
8. Manager(課長~担当部長)
9. Lead(リーダー)
President(プレジデント)とは、日本語でいう取締役社長を表します。一般的には代表取締役である場合が多いですが、Presidentの役職だけでは、代表権があるか判断できないこともあります。
CEOはChief Executive Officerの略称であり、最高経営責任者を意味します。外資系企業はもちろん、国内企業でも使われることが増えています。CEOと代表取締役や社長はイコールではないですが、同じ意味で使える場合も多いです。
COOはChief Operations Officerの略称であり、最高執行責任者と訳されます。COOは、財務以外の部門の統括責任者であり、No.2のポジションと言えます。
CFOは、Chief Financial Officerの略称で、最高財務責任者を意味します。COOの管轄でない財務の最高責任者です。COOと並んで外資系企業のNo.2に位置します。
Vice President(ヴァイスプレジデント)は、本部長や事業部長に当たるポジションです。Presidentの言葉があるので、社長により近いポジションに感じますが、実際は国内企業でいう本部長や事業部長のイメージが当てはまる場合が多いです。
General Manager(ゼネラルマネージャー)は事業所長やセンター長など、ある施設のトップであることを表しています。
Director(ディレクター)は、部長の中でも比較的上級の部長を意味します。ただ、同じ外資系企業でもどの国にルーツを持つ企業かによって意味が違ってきます。シリコンバレーでは、部門長を意味しますが、イギリスでは取締役を意味します。
Manager(マネージャー)は日本で使われる意味とは少し異なります。外資系企業では、係長~部長までの比較的広い役職を意味します。
Leadは言葉通りリーダーのことであり、グループリーダーをイメージするとわかりやすいでしょう。
この他にも、外資企業や日本のベンチャー・スタートアップでCTO・CCOなどのCXOと呼ばれる役職を設ける企業が増えています。
CXOとは、「Chief x Officer」の頭文字を取ったもので、xにはそれぞれ担当する業務が入ります。
CXOについてはこちらの記事を御覧ください。
企業について学んで見てきましたが、公務員にも役職はあります。まずは国家公務員の役職について見ていきましょう。
1. 事務次官
2. 省名審議官
3. 局長、官房長、政策統括官
4. 部長、統括審議官
5. 次長・審議官
6. 官房三課長
7. 課長、参事官
8. 室長、企画官、調査官
9. 上席専門官、課長補佐、専門官
10. 係長、主査、専門職
11. 主任
12. 係員
国家公務員のトップの役職が事務次官です。各省庁の大臣や長官の補佐や省務または庁務の整理、各部局事務の監督する役割をもっています。事務方の長と言われます。
事務次官に続くNo.2の役職が省名審議官です。省名審議官の「省名」の部分に各省の名称が入ります。例えば、総務審議官、外務審議官などです。
No.3にあたるのが局長です。しかし、局長でなくても局長クラスとして認識されている役職があり、それが官房長や政策統括官です。
部をまとめる部長や審議官の中でも事務職を統括する職である統括審議官が局長の次のポジションにあたります。
次長は一般企業同様に部長の下にあたるポジションです。また、審議官は政策調整や取りまとめを行うことを役割としています。数名のメンバーを統括するポジションです。
官房三課長とは、大臣官房に置かれている、人事・総務・会計の課長のことを指します。官房三課長という役職があるわけではなく、大臣官房の3つの課の課長という意味です。
課長や参事官は一般の企業でいう課長とほぼ同じポジションと考えると良いでしょう。
室長や室長クラスに分類される分掌官です。企画は企画官、調査は調査官というように、分掌官は所掌事務を分担掌理しています。
専門的な役割を持った分掌官のことを専門官と呼びます。具体的には、国税専門官や財務専門官などがあります。これらの専門官の上位の役職として、頭に上席とついた上席○○があります。課長補佐はその名の通り課長を補佐する役割です。
部署のまとめ役を担っているポジションです。専門的な知識が必要な場合もあります。
主任は係員の一つ上の役職にあたります。企業の主任とも近いポジションです。
係員は、企業でいう一般社員のポジションです。
同じ公務員でも国家公務員と地方公務員では役職の名称は異なります。地方公務員における役職について見ていきましょう。
1. 部長、担当部長
2. 統括課長
3. 課長、担当課長、専門課長
4. 課長補佐
5. 係長、主査、担当係長、次席
6. 主任
7. 主事
部門の長を担う役職です。一般的な企業の部長にあたるポジションです。
統括課長は、複数の課を統括する役職です。
課のまとめ役にあたります。課長の中でも専門的な課長職を担当課長や専門課長と呼ばれます。
言葉通り課長を補佐するポジションです。
一般的な企業で係長にあたるポジションです。言葉は違いますが、主査や担当係長、次席も係長クラスと考えるのが一般的です。
複数のメンバーをまとめるチームリーダーのような役割のポジションです。
企業の一般社員にあたるのが、主事です。
役職は企業や組織を円滑に運営していくのに非常に役立ちます。役職の意味や役割、企業や組織ごとの違いを頭に入れておくとビジネスに役立つでしょう。
画像出典元:Unsplash、写真AC
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