係長がどれだけ偉いのか役割や仕事内容、気になる年収も調べてみた

係長がどれだけ偉いのか役割や仕事内容、気になる年収も調べてみた

記事更新日: 2022/06/16

執筆: 編集部

組織における係長とは、どのようなポジションなのか知っていますか?

係長は、チームや部下のマネジメントを行いながら、自らもチームの目標達成に向けて業務を行わなければならず、非常に重要な立場にあります。

係長の立場で組織の一端を担う業務を行うためには、その役割を理解し、必要なスキルを身につけておく必要があります。

今回は、係長という役職について、企業における立場やその役割、行うべき仕事や必要なスキルのほか、平均年収、平均年齢についても詳しくご紹介します。

組織の中でステップアップしたいと思っているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。

係長ってこんな地位

一般的に、係長とは、課長や課長代理、課長補佐よりも下位の役職で、主任や一般社員より上位の役職という位置づけになっています。

各役職の序列と役割は次のとおりです。

役職 役割
部長
部の代表者
管理業務を行う
次長
部門責任者の代理及び次席
部長業務の補佐を行う
課長
課の代表者
課の管理業務を行う
係長
課の中の「係」のトップ
チームリーダーとしてチームの管理を行う
主任
「係」のサブリーダー(一般社員)
自立して実務を行う

 

将来の管理職候補

係長は、主に若手や中堅の管理職として与えられている役職であり、将来の管理職候補として選ばれたと言っても過言ではありません。

一般企業において、早い人だと20代半ばで係長に昇進する場合もあれば、定年まで係長のままという人もいます。

国の機関では、将来の幹部候補生として、30代後半で係長に昇進するケースが主流となっています。

プレイングマネージャー的要素が強い

係長となると、チームや部下のマネジメントだけでなく、自らも目標達成に向けた業務を行う「プレイングマネージャー」として仕事に取り組まなければなりません。

組織の中での重要なポジションの一つであり、一般社員や下位の役職よりも、幅広く業務を行うよう求められます

企業における係長の役割とは

係長には、現場のリーダーとして部下を育成しながら、自らもプレイヤーとしての高い成果が求められます。

企業においては、具体的に次の3つの役割が与えられます。

部下の業務遂行及び管理

係長の大切な役割として、部下の業務の成果について管理するだけでなく、仕事が適正に進められているかどうかについても常に見直す必要があります。

自分のチームの業務をしっかりと把握する立場でなければなりません。

部下の人材育成

係長ともなると、自分の部下が企業で一人前に仕事ができるように育てることも必要になります。

部下一人ひとりの能力や適性などをそれぞれ適切に評価した上、教育が必要なところを明確にして、部下が育ちやすく、正しく学べる環境づくりをしなければなりません。

部下の模範となる現場プレイヤー

係長は、単なるプレイヤーではなく、圧倒的なパフォーマンスを発揮するプレイヤーでなければなりません。

チームでプロジェクトを遂行する場合は、誰よりも難しい業務に取り組み、成果を上げられる立場であるべきです。

チームの牽引役として結果が出せれば、部下のモチベーションアップにもなり、チーム全体の成果が向上することにつながるのです。

係長の仕事って?

企業の業績アップにつながる仕事を行うには、係長は自分のチームにおいて前年比30%以上の成果を出すことを求められます

部下の能力を最大限に引き出してチームの成果を上げるために、係長は次のような仕事を行う必要があります。

チームと個人の目標達成

係長は、チームの目標を達成するために、自分の部下一人ひとりの業務管理及び監督を行わなければなりません。

そして、部下よりも高い業務スキルを備えた上で、チームの一員としての個人目標を達成することも求められます。

チームや部下のマネジメント業務

チームや部下の能力を育てるために、個々の能力を引き出す教育をするなどといったマネジメント業務も行う必要があります。

さらに、メンバーが行う業務が、それぞれの能力に見合うものとなっているか判断し、目標達成へと導かなければなりません。

リスク管理

チームの目標達成のために、業務上のリスク管理も必要となります。

係長自身のリスクのみならず、部下それぞれのリスクも洗い出し、チーム全体の対応について検討しなければなりません。

予測しうるリスクに対応するために、マニュアルを作成してメンバー全員で共有したり、シミュレーション等を行うなどして当事者意識を持たせて、リスク発生時には即座に対応できるようにしておきましょう。

上司と部下のパイプ役

係長は、上司である課長と自分の部下とのパイプ役も担います。

会社の方針や上司の意見などを部下に伝え、部下からの意見を上司に伝えて現場の調整を行い、組織内の連携を図ります

係長になるには?

組織における一番下のポジションの管理職とも言える係長は、他の管理職よりも現場に近い考えを持ちながら、部下を管理しなければなりません

ここでは、組織が求める係長になるために必要なスキルと、係長に向いていないタイプについて解説します。

係長に必要なスキル

係長は、管理職の中では一番下のポジションと言えども、部下を持つ立派な立場です。その係長に必要なのは、数あるスキルのうち、次の4つのスキルです。

自立した実務能力

まず、チームの一員として、目標を達成するために自立した実務能力が求められます。

営業職で言うと成約率・個人ノルマの達成など、専門職で言うと秀逸した技術などです。

部下のスキルを引き出すマネジメント力

企業の目標達成のためには、マネジメント力が必要です。

部下のスキルアップや、一人ひとりのスキルを見極める観察力、目標管理のためのマネジメントスキルなどを備えておくべきです。

部下をまとめるリーダーシップ

係長には、チームをまとめて目標達成に導くリーダーシップも必要です。

部下一人ひとりとコミュニケーションをとりながら、チーム全体の方針を取りまとめて、正しく的確な判断を行い、部下を導かなければなりません

現場での客観的な判断力

上司や上層部と部下とのパイプ役を担う係長には、現場で客観的に判断できるスキルも求められます。

偏った見方をせずに、管理職、部下のどちらの立場でも、現場を見極められるようでなければなりません。

係長に向いていないタイプとは

組織の中で一番下の管理職と言われる係長には、勤務年数が長くなれば誰もがなれる、というものではありません。

どのようなタイプだと向いていないのでしょうか。

係長に必要とされるスキルの不足

マネジメント力やリーダーシップなどが不足している人には、係長として仕事を任せるのは厳しいところです。

マネジメントスキルが足りないと、部下の適性などを見極めることができず、正しく業務管理ができなくなってしまいます。

リーダーシップがなければ、仕事の方向性を示すことができず、部下をまとめることもできなくなるため、仕事が進まなくなってしまいます。

仕事を一人ですべてやろうとする

部下に仕事を振らず、一人ですべてやろうとするタイプも、係長に向いていません。

このタイプは、部下にとって仕事がやりにくいと感じる代表的な上司のタイプと言えます。

一社員としては通用しても、業務を管理し運営する管理職となると、能力不足と見なされるのです。

感情の起伏が激しい

感情の起伏が激しい気分屋の人も、係長にはおすすめできないタイプです。

イラっとすることがあると、部下に八つ当たりする人は、職場の雰囲気を悪くするどころか、個人としての信頼も得られません。

部下が上司の顔色を伺いながら仕事をすることになると、仕事の効率低下につながります。

「イエスマン」

上司の言葉や指示に忠実な、いわゆる「イエスマン」も係長には向いていません。

組織の悪い面や間違った指示を受け入れてしまうタイプだと、組織の問題点や課題に気付けないままになってしまいます。

そのような管理職ばかりの企業は、業績アップや発展が見込めなくなります

課長や主任との違いは?

係長の地位や役割は理解できても、一つ上の役職の課長や、一つ下の役職の主任とはどのような違いがあるのか、線引きが難しいところです。

ここでは、係長が課長や主任とどう違うのか、詳しく解説します。

課長との違い

リーダーシップを発揮しつつプレイングマネージャーとしての成果が求められる係長とは違い、課長には、よりマネジメントを中心とした働きが求められるようになります。

企業の方針を自分の部署の目標の中に落とし込み、部下の能力が最大限に活かせる役割分担を行って、目標達成を目指します。

係長よりもプロデューサーのような働きをするのが、課長の役割の特徴と言えます。

 

主任との違い

係長がチームのリーダーとして目標達成に向けた働きを行うのに対して、主任はチームの中核として係長を補佐し、部下や後輩を指導しながらリーダーシップをとる立場になります。

目標に対して主任が求められる成果は、自分が担当する業務に限られます。

チームのサブリーダーとなり、一般社員よりも高い業務遂行能力が必要とされるのが、主任の特徴です。

 

気になる!係長の平均年収や年齢は?

係長となって、自分のチームをまとめるようになると、それなりの報酬も期待するようになりす。

加えて、そのような立場になるには、何歳を目安にすべきか、企業の中で仕事をしていく中で知っておきたいところです。

ここでは、係長の平均年収と平均年齢についてご紹介します。

係長の平均年収

係長の平均年収は、自身が勤める企業の規模に大きく影響を受けます。

そのため、あくまで目安としてですが、平成26年度の厚生労働省による調査において、係長の平均年収は600万円前後となっています。

中小企業の場合は大手企業と比較して昇進するが早いケースもあり、若くして係長の平均年収になっている方も少なくありません。

係長の平均年齢

係長に昇進できる年齢は、企業により異なります。

そのような中、2010年に一般財団法人労務行政研究所が行った調査によると、大学卒の新卒入社の社員が係長に昇進している平均年齢は32.7歳となっています。

これは、あくまで平均年齢ですので、その年齢にならないと昇進できないという訳ではありません。能力が高ければ、若くして係長の職に就く方もいます。

現在の世の中の流れとして、若手を起用する傾向が強くなっていることから、今後は係長に昇進する平均年齢が下がることも予想されています。

係長から出世するには?

係長で経験を積み、さらに出世するにはどうするべきなのでしょうか。

係長よりもワンランク上の立場となると、管理職として、よりマネージャー的な要素を求められるようになります。

そのためには、人望やコミュニケーションといった対人能力や、仕事の計画やプロセスの管理、仕事の成果、目標達成、部下の育成に対して細部にまでこだわる能力の高さが必要となります。

より強いリーダーシップを発揮しながら、人の上に立つことができる人が、出世できるのです。

まとめ

係長は、課長以上の上級管理職になるためのスタートラインです。

プレイングマネージャーとして仕事をしながら、組織の調整役を務めるなど、幅広く業務をこなさなければなりません。

今回の記事を参考に、係長の立場や役割、必要なスキルをしっかりと理解して、組織の中核となる重要なポジションの任務を全うしてください。

画像出典元:Unsplash

 

 

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