「課長へ昇進が決まったけど、何をすればいいんだろう?」
「課長を目指すにはどうすればいいんだろう?」と悩んでいる人もいるでしょう。
そこで今回は、課長の役割や課長を目指すために必要なスキル、課長の平均年収や昇進年齢も紹介します。
このページの目次
課長とは、各課の責任者です。
チームをまとめるリーダーとして、自身のパフォーマンスを発揮することはもちろん、部下を上手にマネジメントしなければなりません。
経営陣から伝えられた方針をもとに課の目標を設定し、部下と共に達成する役割もあります。
課長になったら、課全体を管理して成果をあげることで、将来の幹部候補へも近付いていけるでしょう。
課長は、社内でどのくらいの位置づけなのでしょうか?
係長や部長との違いについても解説します。
課長は「中級管理職」と呼ばれており、社内では中くらいの立場です。
以下に、社内の役職を一覧にまとめました。
1. 代表取締役社長
2. 専務取締役
3. 常務取締役
4. 本部長(事業部長)
5. 部長
6. 次長
7. 課長
8. 係長
9. 主任
10. 一般社員
会社によって異なる場合もありますが、一般的に課長は「現場のトップ」と捉えてみてください。
一般社員が接する中で最も責任のある役職ともいえるでしょう。
係長とは、「課長」の下に位置する「係」を取り仕切るリーダーです。
係長の仕事は、部下を動かしながら自身も圧倒的なパフォーマンスをすること。
一方で課長とは、自身が率先して動くというよりも、部下を育成して適材適所に配置し、チーム全体で成果を出すマネジメント力が重要です。
係長をプレーヤーとするなら、課長はプロデューサー的であるといえるでしょう。
部長とは部署のトップであり、課長よりも上の役職です。
会社を経営する側の立場で、社長の経営方針をサポートし、「ヒト・モノ・カネ」を効率的に動かしながら自社の成長に貢献します。
現場を監督する課長とは異なり、部長は経営者目線で部署を俯瞰してコントロールする必要があるのです。
課長の役割や仕事は、具体的に以下の8つです。
それぞれの特徴について解説します。
課長は、部長から伝えられた方針に沿って、適切な課の目標を設置し、戦略を打ち出す役割があります。
さらに、目標を部下にも共有し課全体で取り組んでいくことで、企業の発展に貢献するのです。
進行しているプロジェクトを全て把握するなど、課で行なわれていることの管理も求められるでしょう。
課で順調に仕事ができるように、業務改善をするのも課長の仕事です。
今よりももっと効率的な働きをするにはどうすればいいのか、細かくPDCAサイクルを回しながら対策を立てていきましょう。
何か問題が発生したときは、迅速に原因を突き止めたのち、場合によっては新しい施策を試みることもあります。
一般社員が接する役職として最も責任のある課長は、部下の育成も大切な役割です。
企業が大きく発展していくには、広い視野を持ちながら自身の役割をしっかりと理解し、しなやかに対応できる人材が必要不可欠でしょう。
それぞれの部下が仕事へ精力的に臨めるよう、個人に合った指示を出したり、時にはヒアリングの時間を取ったりしながら育成に励んでみてください。
課の目標を達成するには、部下の能力に応じて適切な仕事を振り分けることが大切です。
経営陣が立てた対策は、現場が生産的に動けてこそ効果があるといえます。
現場を誰よりも把握している課長が、部下の力量を細部まで把握し、部下を信じて、十分なパフォーマンスが発揮できるような役割を担ってもらいましょう。
部下の仕事ぶりを評価することも課長の役割といえます。
部下に対する評価は、彼ら自身の給与や待遇にも大きく関係し、モチベーションの有無にもつながるでしょう。
部下の働きに見合う評価ができなければ、課長への信頼は下回り、課をまとめることも難しくなります。
課長が部下を評価する際には、「業績」「能力」「行動」「業務における心構え」「役割」と5つの点を意識した、公正な人事評価が求められるのです。
部下が働きやすい環境を作り、進捗や勤怠をチェックするのも課長の仕事です。
具体的に、労務管理は以下5つを押さえておきましょう。
仕事をこなすうえでトラブルはないか、仕事自体がストレスになっていないかなど、部下の仕事環境を整えることは、企業全体の躍進にもつながります。
人と人同士が働く職場では、お互いの信頼関係がとても大切です。
課長と部下がお互いに信頼をしていれば、仕事を円滑に進められるほか、問題が起きた時もスムーズに対応できるでしょう。
仕事上の関係だからと割り切らず、部下1人ひとりと向き合うことを心がけてみてください。
部下の人間性に着目することで、適性やどういう言い方をすればいいか、どんな仕事を任せるのかなどもはっきりし、課全体のパフォーマンスも自然に向上します。
課長は、課をまとめて部下をマネジメントするだけでなく、新しい事業開拓も求められます。
上から伝えられた施策をこなすのみならず、普段の仕事でも成果を上げながら、新しいビジネスチャンスや改善点を見つけましょう。
会社の利益となる行動をすることが、課長昇進への第一歩となります。
せっかく課長に任命されても、業績が上がらない、部下の信頼を獲得できないなど「ダメ課長」と呼ばれてしまう人もいます。
ここでは、代表的なダメ課長のパターンを2つ紹介します。
チームマネジメントと部下の育成に力を注ぐ課長ですが、自身で結果を出すことも求められます。
仕事を全て部下に丸投げすることはもちろん、指示だけを出して途中経過を管理しない課長では、部下も嫌気が差してしまうでしょう。
数字には反映されない部分も把握し、コミュニケーションとフォローを心がけてみてください。
近頃は、ベンチャー企業などで年上の部下をもつ人も増えているので、礼節をわきまえた言動が必要不可欠です。
部下を信頼せず、全ての仕事を1人でこなそうとする課長も禁物です。
課長は仕事量も大幅に増え、1人だけで全てを片づけるのは難しくなります。
部下の人柄や能力をしっかり把握すれば、どの部下にどんな仕事をお願いすればいいか判断できるはずです。
仕事を任せるときは、部下の立場に立ち、上から目線になりすぎないよう具体的な指示を行うことで、効率的に課の業務を回すことができるでしょう。
課長だからこそ求められるスキルとは、以下の5つです。
それぞれのスキルを解説していきます。
係長から課長へ昇進したうえで、最も求められるのがマネジメント力でしょう。
部下に仕事を覚えてもらいながら課の目標を達成していくことは、企業が躍進するうえで必要な課長の業務です。
1人で動き成果を出すのではなく、広い視野から部下を上手に配置して大きな目標を達成するために、マネジメント力は必要不可欠といえます。
さらに、自分自身をコントロールするセルフマネジメント力も忘れてはいけません。
誰よりもモチベーションを高く持ち、マインドフルな状態でいることで、頼れる課長と認識してもらえます。
現場を回しつつ、経営陣からの意見にも耳を傾けなければいけない課長には、コミュニケーション能力も必須です。
部下との良質な信頼関係を築くためには、自身の考えを押し付けすぎず、どんなことを感じているのか話を聞くことも大切でしょう。
部下について理解しながら本音を伝えてくれる間柄になれれば、課の業務も今まで以上にスムーズにいくはずです。
経営陣の言葉だけではなく、意図も汲むことができると、上司とのコミュニケーションも円滑になるでしょう。
新しい施策を行う際、最初から望んだ効果を出すことは難しいもの。
そこで大切なのが、PDCAを回すことです。
「計画」「実行」「評価」「改善」といった4つのポイントを意識しながら、繰り返しトライ&エラーを行うことで、業務を最短で改善することができます。
課長としてより無駄を省き、効率的に成果を出す力も求められるのです。
中級管理職である課長なら、ときには大きな決断に迫られることもあるでしょう。
窮地に立たされたときに、スピード感のある適切な判断を行うのも課長に必要なスキルです。
解決すべき課題の原因を正確に見抜き、自身の意思を持って判断する力を磨くことは、企業を背負っていく幹部候補への第一歩ともいえます。
課長には既存の業務をこなすだけではなく、「より業績を上げるにはどうするべきか」「課で会社のためにもっとできることはないのか」など、創造力を磨くことも求められるでしょう。
「全く新しいものを生み出さなければ……」と難しく考えるのではなく、課長という役割から企業の発展にどのように貢献できるのかを意識してみてください。
課長を目指している人にとって気になるのは、平均年収や昇進年齢でしょう。
以下に、「令和3年賃金構造基本統計調査」をもとに、課長の平均的な給与や年齢をまとめてみました。
男性 | 女性 | |
月収 | 48万4,600円 | 42万2,100円 |
年齢 | 48.7歳 | 49歳 |
勤続年数 | 20.8年 | 18.9年 |
出典元:令和3年賃金構造基本統計調査
上記を参考にすると、課長の平均年収は男性が570万円以上、女性は506万円以上だと考えられるでしょう。
では、業界別の平均年収と昇進年齢を紹介していきます。
男性 | 女性 | |
月収(以下の年齢時) | 57万400円 | 31万9,600円 |
年齢 | 43.6歳 | 41.9歳 |
勤続年数 | 16.3年 | 12.2年 |
出典元:令和3年賃金構造基本統計調査
こちらは、金融業・保険業における課長の給料や年齢です。
データから推察すると、男性の平均年収は680万円以上、女性は380万円以上と考えられます。
金融業・保険業は男性の賃金が最も高い業界でした。
男性 | 女性 | |
月収(以下の年齢時) | 48万8,400円 | 33万4,700円 |
年齢 | 45.3歳 | 42.4歳 |
勤続年数 | 21.9年 | 16.7年 |
出典元:令和3年賃金構造基本統計調査
電気・ガス・熱供給・水道業における課長の給料や年齢は上記の通りです。
こちらのデータを参考にすると、男性の平均年収は580万円以上、女性は400万円以上と考えられます。
男女計では平均賃金が最も高かった業界ですが、男女の年収差は180万円以上という驚きの結果が判明しました。
男性 | 女性 | |
月収(以下の年齢時) | 31万7,100円 | 23万4,400円 |
年齢 | 43.2歳 | 41.4歳 |
勤続年数 | 10.7年 | 8.4年 |
出典元:令和3年賃金構造基本統計調査
上記は、宿泊業・飲食サービス業における課長の給料や年齢です。
データから推測すると、男性の平均年収は380万円以上、女性は280万円以上と考えられるでしょう。
なじみ深い業界ですが、令和3年賃金構造基本統計調査によると女性の賃金が最も低い業界と発表されています。
リクナビNEXTによると、大手企業に務める課長の平均月収が42万円、ベンチャー企業の課長は40万円という結果が出ています。
つまり、大手企業課長の年収は504万円に対し、ベンチャー企業の課長は480万円といえそうです。
課長クラスの年収にあまり差はありませんが、ベンチャー企業は成果が認められると20~30代で役職に就くこともあります。
もしベンチャー企業で活躍ができれば、早い段階から高給与を得ることもできるでしょう。
今回は、課長とはどんな立場なのかということから、役割や仕事までを解説しました。
中級管理職である課長は、会社の経営方針を正しく理解しながら課をまとめる必要があります。
部下の人柄や能力にあった業務管理も大切な仕事といえるでしょう。
組織マネジメントスキルに加え、コミュニケーション能力をしっかりと磨くことができれば、部下からの信頼も得られ、課長から部長への道も見えてきそうです。
画像出典元:Unsplash、Pixabay
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