業務自動化とは、IT技術を利用し今まで人間が行っていた業務を自動化することで、労働力不足や働き方改革が叫ばれる日本でも導入が進んでいます。
一方で、業務自動化を進めるのは、簡単そうで実は難しく、導入したものの失敗してしまったという声も聞こえてきます。
この記事では、業務自動化をスムーズに行うための基礎知識、導入方法、注意点を徹底解説していきます!
このページの目次
業務自動化とは、IT技術を活用して、これまで人間が行っていた単純作業や事務作業などのルーチンワークを自動化することをいいます。
業務を自動化することで、業務効率の向上、人件費の削減はもちろん、昨今日本で問題になっている労働力不足や働き方改革のソリューションの1つにもなります。
業務自動化の方法には、以下のようなものがあります。
マクロとは、特定のアプリケーション内での操作を自動化する機能で、そのアプリケーションに組み込まれたプログラム言語を使って作成されます。
特にMicrosoft Excelの自動化に利用されることが多く、Excelのデータ集計、フィルター、分類などを自動化することができます。
マクロとセットで良く耳にするVBAは、Excel上でマクロを作成するためのプログラミング言語のことです。
費用は、Excelマクロであれば、Excelに元から搭載されている機能のため、Excelのサブスクリプション代(1ユーザー税込715円/月~)のみ支払えば利用できます。
RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ソフトウェアロボットを使用し、人間が行う定型的な業務を自動化することができる技術のことです。
データ入力、ファイルの移動、タスクのスケジューリングといった、どんな企業でも発生する定型的な業務を自動化することに適しています。
RPAは、PC上にある異なるシステム、ブラウザ、アプリケーションを横断的に操作ができるため、幅広い業務の自動化ができるという点が大きな特徴です。
費用は、月額数万円のものから、初期費用も月額費用も数十万円かかる高度なものまで幅広いです。
AIとはArtificial Intelligenceの略で、人間の知能をソフトウェアを使って人工的に再現した技術です。
AIは、膨大なデータを利用し、自ら学習・判断を行うことができるのが特徴です。
OCRとは、Optical Character Recognition/Reader(光学的文字認識)の略で、印刷された文字の画像データからテキストを認識し、文字データに変換する機能です。
AI-OCRは、AI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)により、従来のOCRが苦手としていた手書きの文字などの識字率を向上させたものです。
費用は、AI-OCRの場合、月額3万円~が平均的な相場です。
チャットボットとは、チャット(会話)+bot(ロボット)を組み合わせた言葉で、テキストや音声を利用してロボットが自動で会話を行ってくれるプログラムです。
シナリオ型とAI型のチャットボットが存在し、シナリオ型は予め登録したシナリオをベースに回答しますが、AI型の場合は、機械学習機能により、ユーザーからのより複雑な問いにも回答が可能です。
費用は、シナリオ型かAI型かでも異なり、月額数千円~数十万円まで幅広いです。
自動化に適している業務は、単純作業やバックオフィスなどの事務作業、ルーチンワークが基本です。
以下に部署ごとに自動化に適している業務をまとめていますので、ご確認ください。
部署 | 業務の事例 |
経理 |
|
人事 |
|
営業 |
|
マーケティング |
|
例えば、以下のように自動化ツールを利用できます。
これらは、あくまでもいくつかの例で、最新のAI技術などを利用すれば、より高度な業務の自動化も可能になってきています。
実際に、自動化したい業務が実現できるのかは、自動化ツールによっても異なりますので、事前にベンダーに確認しましょう。
業務自動化を行うことで、単純作業やルーチンワークなど、これまで「誰がやっても同じだけれど、それなりに時間のかかる仕事」は自動化ツールに任せ、人材をよりコア業務に集中させることができ、業務効率が上がります。
特に人手不足の企業では、1人の社員の抱えるタスクが多く、コア業務が終わってもその他の雑務で残業せざるを得ないことも良くあります。
業務自動化を導入すれば、コア業務以外に割く時間が削減でき、さらに自動化ツールの処理速度は非常に高速なため、圧倒的に労働時間を減らすことが可能です。
どんなベテランでも、人間はミスを犯すことがあります。
業務自動化を導入すれば、自動化ツールが業務を代わりに行ってくれるので、ヒューマンエラーを減らすことができます。
業務自動化を進める際には、まずは社内がある程度電子化していることが大前提です。
例えば、紙で管理している書類は、スキャンして電子化しておく、OCRで読み取れるものは読み取るなど、ペーパーレスを進めることが重要です。
次に、自動化したい業務を選択します。
初めて自動化を進める場合は、まずはスモールスタートで、できるだけ簡単な事務作業をいくつか選んでおきましょう。
自動化したい業務にあった自動化ツールを選びます。
ベンダーの営業担当や、サポートデスクに確認しながら、最初はいくつかの自動化ツールを候補として選んでおきましょう。
ほとんどの自動化ツールには、無料のトライアルが設定されています。
いくつか選んだ自動化ツールは、必ず事前にトライアルで試してみましょう。
また、トライアルは必ず自動化する業務の担当者が複数人で行うことをおすすめします。
トライアルを利用した結果を、必ず社内で考察しましょう。
きちんと自動化が達成できたかはもちろん、専門知識は必要か、UIの使いやすさ、担当者以外でも使いこなせるかなど、複合的な目線で考察しましょう。
業務自動化は非常に便利ですが、システムが行うものなので、トラブルが起こった際にどのように対応するかをシミュレーションすることが大事です。
担当者がある程度専門知識があれば、トラブル時に対応ができるかもしれませんが、もしできない場合には、どのようにサポートを受けられるのかも重要です。
また、自動化ツールが動かなくなった時の業務の対応方法も決めておきましょう。
納得のいく形で本導入!
業務自動化は、なかなか導入が進まない、うまくいかないという声も耳にすることが多いです。
どんな点を注意すると良いのでしょうか。
業務自動化には、向かない業務もあります。
例えば、案件ごとに異なる条件が適応される、属人的で基準があいまい、複雑な条件が組み合わさっているなど人間の判断が必要で、自動化するには難しい業務もあります。
自動化しようとしている業務が、本当に自動化できるのかを事前に確認しましょう。
自動化ツールには、初心者でも簡単に使えるものもありますが、中には基本的なプログラミングの知識やIT経験者がいないと対応が難しいものもあります。
また、より高度な自動化やトラブル時の対応などの際には、基本的にある程度IT知識がある人の方が良いでしょう。
自動化ツールをメインで使用する担当者が適切な人材化どうか、社内でよく検討しましょう。
自動化ツール導入で失敗してしまった人の話を聞くと、具体的で定量的な導入効果を事前に見積もれていないケースがあります。
自動化ツールを導入すれば、「効率化できる」「人の手間が省ける」など曖昧な導入効果ではなく、具体的、定量的に「何がどの程度改善されるのか」を算出する必要があります。
例えば、1か月20日勤務、毎日時給1,200円の人材に3時間かけて行っている業務(人件費72,,000円)を、自動化ツールを導入すれば、月額料金3万円で1時間以内に完了できるなどと算出していけば、導入効果が見えるでしょう。
この記事では、業務自動化をスムーズに行うための基礎知識、導入方法、注意点を解説してきました。
先進国の中でも、圧倒的にデジタル化が遅れているという日本。
業務自動化を進めることで、社内の業務効率やコストダウンができるだけでなく、日本の抱える労働力不足の問題や働き方改革への解決策の1つにもなるのであれば、積極的に取り入れていきたいものです。
他にも、RPAツールの比較など、起業ログには自動化ツールに関する様々な記事がございますので、是非そちらもご参照になりながら、自動化を成功させて頂ければと思います。
(画像出典元:イラストAC)
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